著者
大山 健 小池 春樹 高橋 美江 川頭 祐一 飯島 正博 祖父江 元
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1047-1049, 2014 (Released:2014-12-18)
参考文献数
10
被引用文献数
3 5

近年,IgGのサブクラスのひとつであるIgG4の上昇をともなう疾患群がIgG4関連疾患(IgG4-RD)として報告され,注目されている.IgG4-RDは,臓器の腫脹・腫大,組織での線維化をともなうIgG4陽性形質細胞浸潤,血清IgG4値の上昇を共通の特徴とし,種々の臓器で報告されてきた.神経領域では下垂体炎や肥厚性硬膜炎が知られていたが,新たにIgG4-RDがニューロパチーでもみられることを明らかにした.IgG4関連ニューロパチーは,下肢遠位優位の運動感覚障害を呈する多発性単神経炎の様式で発症していた.腓腹神経生検では,神経上膜のIgG4陽性形質細胞浸潤および線維化をみとめ,有髄線維密度の低下,軸索変性像の出現がみられた.IgG4-RDもニューロパチーの鑑別疾患の一つとなる可能性が示唆された.
著者
高橋 豪仁
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.7-19, 1996-03-31 (Released:2011-07-05)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2

The spectators attending sports in a stadium, who are the object of this study, are indispensable for professional sports. The purpose of this paper was to clarify the factors related to the frequency of stadium attendance. The factors clarified will be important materials to marketing managers regarding customer retention. The data was collected through questionnaires distributed to 362 people(men=180, women=182) who had been to the stadiums once or more in 1993 to watch the franchise games of Sanfrecce Hiroshima, which is one of the teams in the Japan Professional Soccer League. The procedure of this study was, first, to examine which items are related to the frequency of stadium attendance by applying X2 test and hypothesis testing of Kendall's rank correlation to the data, and second, to identify which factors affected the frequency by using multiple regression analysis . As the result, there were three factors affecting the frequency of stadium attendance : the number of the players the spectators knew by name, the time required to get to the stadiums, and the degree to which the spectators regarded themselves as supporters.
著者
濱井 潤也 平野 淳一 高橋 祥吾 小川 清次 佐伯 徳哉 鹿毛 敏夫 手代木 陽 芥川 祐征
出版者
新居浜工業高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度における本科研の成果は、2本の論文を平成30年1月発行の『新居浜高専紀要』第54号に投稿したことである。第一の論文「戦後カリキュラム政策史における主権者育成理念の変容過程―社会的状況と教科課程における単元構成の対応関係を中心に―」においては、本科研の研究テーマである「主権者教育」が近代日本においてどのように捉えられ、実施されてきたかを歴史的にまとめたものであり、今後のカリキュラム開発のための基盤を築き上げたと言えるだろう。また第二の論文「高等専門学校の社会科カリキュラム編成類型と主権者教育の課題」では、本科研が平成28年度に実施した全国の工業高等専門学校の社会科カリキュラムの実施状況を調査した結果のまとめと分析報告である。これによって主権者教育を実施する際の高専の社会科教育が抱えている問題点、すなわち第一に人件費削減による人的条件の厳しさ、第二に学習内容が教員の裁量に委ねられているため、統一的な質保証の基準を確立するのが困難である点、第三に学習内容が教員の専門分野に依存していることが多く、他教科との連携やカリキュラム上の位置づけが曖昧であること等が明らかになった。今後本科研では、この点を踏まえ主権者教育カリキュラムの先行的開発を進める計画である。加えて平成29年度の本科研の活動として、研究分担者全員で各高専と大学とに分かれて、「主権者意識に関するアンケート」を実施した。学生が18歳選挙権や現在の国内・国外の政治情勢、民主主義のシステムそのものに対して何を考え、どのような疑問を持っているのかを全18問のアンケートで調査した。平成30年度にはこれらのアンケート結果を分析し、学生たちの主権者意識についての報告まとめる予定である。最後に、平成30年2月に本科研の例会を開催し、各研究分担者の主権者教育の実践例の報告・意見交換を行うことで、教員スキルの向上を図った。
著者
児玉 敏宏 池田 拓洋 法岡 貴子 湯川 彰英 雑賀 博子 高橋 敏夫 北 裕次 前田 明文 阿部 富彌
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.143-146, 1993

腎性骨異栄養症の補助診断およびその病態の評価をする目的で, 維持透析患者43例に対し2年間にわたり定期的身長測定を実施し, その身長変化と種々の臨床検査, 骨塩量, ビタミンD<sub>3</sub>投与量との比較検討を行った.<br>身長は3か月毎に測定したが, 今回は1988年1月から1990年1月までの2年間における身長の変化を観察し, その身長変化と年齢, 透析歴, 血清Ca, P, ALP, C-PTH, AI, BMG, カルシトニン (CT) 等の血液検査との比較検討を行った.<br>また, Digitallmage Processing Methodにて骨塩量 (ΣGS/D) を測定し, 身長変化と比較した. ビタミンD<sub>3</sub>投与量と身長変化との関係も合わせて検討した.<br>身長縮小値と透析歴との間にr=0.307の正の相関傾向が, 血清Ca値との間にr=0.345の正の相関傾向が認められた. 身長縮小値と血清ALP値との間にr=0.670, p<0.01と正の相関が, 血青C-PTH値との間にr=0.701, p<0.01と正の相関が見られた. ΣGS/Dと身長縮小値, 血清ALP, C-PTH値との間に負の相関が認められた. ビタミンD<sub>3</sub>投与量と身長縮小値との間には相関は見られなかった.<br>2年間に2cm以上の身長縮小をみた5症例中4症例に, 血清C-PTH値の異常高値が認められた.
著者
田中 真 大住 省三 清藤 佐知子 高橋 三奈 青儀 健二郎 澤田 茂樹 山下 素弘 田村 和朗 秋澤 叔香 斎藤 加代子 Sugimoto Nao 金子 景香
出版者
日本家族性腫瘍学会
雑誌
家族性腫瘍 (ISSN:13461052)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-25, 2017 (Released:2017-10-16)
参考文献数
14

Li-Fraumeni syndrome(LFS)is a rare autosomal dominant disorder characterized by a high penetrance of cancers of early-onset and diverse types such as soft tissue sarcoma, osteosarcoma, pre-menopausal breast cancer, brain tumors, adrenocortical carcinoma (ACC), and leukemias. We experienced a 52 year-old female who had suffered from bilateral breast cancers, one of which was treated with radiation therapy. She was diagnosed with LFS by genetic testing. PET/CT was performed for surveillance and early lung cancer was found in the upper lobe of the right lung. We performed a right upper lobectomy (Adenocarcinoma pT1aN0M0, stageIA). We reported a case of early lung cancer detected by surveillance PET/CT for LFS and reviewed the related literature.
著者
高橋 徹
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.65-75, 2016

<p>現代社会はローカルにもグローバルにも様々な問題に直面している。これらの問題に対して, 多様なスキルや専門性をもつアクターが, 多様なコミットメントの形態をとりながらボーダーレスな連携・協力関係を構築して取り組んでいる。その状況は, 官/民のような社会領域の伝統的二元図式やローカル/グローバルといった空間的図式さえも陳腐化させつつある。本稿では, そうした現代的な社会構築の営みをソサエタル・ガバナンス概念によって描き出そうとした。「ソサエタル」という形容詞が示すのは, 政治・経済・科学・法・芸術のような社会的諸領域の自律性を前提としたうえでそれを包括するような社会秩序の地平である。様々な取り組みのボーダーレス化が進む現代では, そのような社会的地平は, ローカル/グローバルのような空間的諸水準をも包括する世界社会として立ち現われる。本稿では, ソサエタル・ガバナンスの取り組みをアドヴォカシー, 資源調達, 連携促進の三側面から支援するメディアのカテゴリーとして, ソサエタル・メディア概念を提起した。このメディアは, 支援や連携を必要とするアクターたちを支援者や協力者たちと結びつけるリエゾンメディアとしての役割をもつ。それによってソサエタル・ガバナンスの取り組みが機動的に展開されるための条件が整えられる。本稿では, ガバナンスとメディアに関するこれらの概念を対概念として定式化し, それによってガバナンス論との邂逅によってもたらされる社会情報学の一つの視点を提案したい。</p>
著者
高橋 卓也
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.35-44, 2009-03-01 (Released:2017-08-28)
参考文献数
38
被引用文献数
2

カナダで見られる分権・参加型の政策形成・実施を日本の間伐対策に適用する意義を検討することを目的とし,カナダの森林・林業政策を概観し,日本の間伐対策と対比を行う。カナダの森林・林業の持続可能性について政府側の見解と環境保護団体側の見解を対置し考察した。統計データへの信頼性,原生林についての価値観および法正林への移行についての意識の差が見方の違いを生み出していることが確認できた。カナダの2003〜2008年国家森林戦略について概観し,分権・参加型の政策形成・実施の実態を明らかにした。日本の森林の持続可能性へ向けた政策の一例として間伐対策を取り上げ,その特徴である集権的政策形成・実施などの特徴について論じた。カナダと日本の比較対照から,日本における間伐対策について分権・参加型の政策形成・実施を行う意義の検討を行った。
著者
長岐 昭彦 高橋 幸男
出版者
森林野生動物研究会
雑誌
森林野生動物研究会誌 (ISSN:09168265)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.5-12, 1998 (Released:2017-10-03)

Many things about the life cycle of the land leech are unknown, so we researched the life history by breeding indoors. The results were that the numbers of the egg capsules laid once were between 1 and 9, and the numbers of the young hatched were between 1 and 8. It needed about twenty days from feeding blood to laying eggs, one month from laying eggs to hatching, and two months from feeding blood to hatching. And it became clear that the hatched individual could not lay eggs if it had not fed blood several times, and it could lay eggs again, if once it had fed blood after laying eggs.
著者
高橋 晴美 安原 ゆかり
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.330, pp.74-81, 2010-05

まずは左のマップを見てほしい。4000万円台で買える新築マンションと中古マンションの立地だが、同じ4000万円台なら中古の方がより都心に買えることが一目瞭然だ。 '09年は成約件数で中古マンションが新築マンションを上回った。不動産市場分析を行うアトラクターズ・ラボの沖有人さんは「景気の影響で新築の供給が減ったため、築年数の浅い中古物件が人気化している。
著者
植村 邦彦 高橋 千栄子 金房 純代 小林 功
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.516-519, 2016-11-15 (Released:2016-12-23)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

0.75MPaの圧力下で4秒間の連続通電加熱することにより98℃まで味噌を昇温させた結果,味噌に添加した枯草菌を2.7対数減少させることが分かった.一方,100℃60分の通常加熱では,枯草菌芽胞は1.6対数しか減少しなかった.このとき,通電加熱前後では味噌の色変化が認められなかったのに対し,温浴加熱では褐変が認められ,明度が20ポイント低下した.したがって,連続通電加熱は,味噌を褐変することなく,味噌の中の枯草菌芽胞のような耐熱性細菌を失活可能なことが分かった.本研究で用いたモーノポンプは吐出圧の制限のため内圧を0.75MPa以上とすることができなかったが,吐出圧のさらに大きなポンプを利用することにより,味噌の温度を100℃以上に安定的に昇温できれば,さらに耐熱細菌の殺菌効果を高めることが可能になると考えられる.本研究で用いた連続通電加熱装置と同等の装置は既にフロンティアエンジニアリングから市販されており,実用規模のスケールアップは実現可能である.
著者
高橋佳代
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第56回総会
巻号頁・発行日
2014-10-09

【目的】 本研究の目的は,学校期における体罰経験が自己肯定意識に及ぼす影響を明らかにすることである。体罰は明確に禁止されているにも関わらず継続されてきた。学校現場で体罰が容認され続ける要因の一つに,体罰が子どもに与える影響について明確に示されていないことがあると考えられる。体罰に関しては種々意見があるが,体罰否定論の根拠とされる心理学実験は限られた被験者を対象に行われたものを根拠にしており,学校現場での体罰が子どもの心身の成長に与える影響を検討した研究は少ない。よって,本研究では子どもの健全な人格の形成への影響を理解するため,自己肯定意識(平石,1990)に注目し,体罰経験が自己肯定意識に与える影響を検討する。特に,体罰経験を被害者がどのように捉えたかという体罰に対する個人の認知に注目し検討を行う。【方法】1.調査方法:2013年10~11月,A県の大学生(1年生~4年生)726名に対し,心理学およびキャリア関連の授業後に質問紙の協力依頼をし,その場で配布,回収した。倫理的配慮として回答は任意で無記名であり,希望者に結果をフィードバックする旨を記載した。得られたデータのうち欠損のあるものを除いた655名(男子,458名,女子172名,不明25名)を分析対象とした。2.調査内容:1)体罰経験・体罰目撃経験・体罰加害経験:これまでの学校期における上記経験の有無,態様,被害内容について。2)体罰経験の捉え方:体罰経験後の生活の変化に対する認知2項目。3)体罰容認意識:体罰は学校生活に必要かどうかについて2項目。4)自己肯定意識:平石(1990)の自己肯定意識尺度のうち対自己領域の 「自己受容」,対他者領域の「自己閉鎖性・人間不信」「自己表明・対人的積極性」「被評価意識・対人緊張」の計26項目を使用し,5件法で回答を求めた。 【結果】1.体罰被害体験と加害経験との関連 体罰被害経験×体罰加害状況のχ2検定が有意(χ2(3,N=655)=39.23,p2.体罰被害状況と体罰容認意識の関連 体罰被害状況×体罰容認意識のχ2検定が有意(χ2(2,N=655)=7.02,p3.体罰経験,その捉え方と自己肯定意識との関連 自己肯定意識の各下位尺度を構成する項目の評定値の平均点を尺度得点(「自己受容得点」「自己閉鎖得点」「対人積極性得点」「対人緊張得点」)として算出した。 体罰経験の有無および被害の重症度を独立変数,自己肯定意識の下位尺度得点を従属変数として分散分析を行ったところ,有意差は認められなかった。 体罰経験の捉え方と自己肯定意識との関連を検討するため,体罰経験後に「学校が嫌になった」等ネガティブな変化を認知している群をネガティブ群,「技術・技能が上達した」等ポジティブな変化を認知している群をポジティブ群,双方とも認知している群を葛藤群とし,各群を独立変数,自己肯定意識の各下位尺度得点を従属変数について分散分析を行ったところ「対人緊張得点」において群の効果が有意であった(F(3,327)=3,98,p【考察】 体罰被害経験が体罰加害経験および体罰容認意識と関連することが明らかになった。一方で、自己肯定意識との関連を検討すると,体罰被害経験の有無や被害の重症度と自己肯定意識との関連は示されず、体罰経験の認知が自己肯定意識に影響する事が示された。体罰経験を両価的に捉えている者は対人緊張を高めている可能性が示唆された。
著者
高橋 英雄 植田 啓一 宮原 弘和 渡辺 紗綾 内田 詮三 鎗田 響子 村田 佳輝 板野 栄子 高山 明子 西田 和紀 猪股 智夫 矢口 貴志 佐野 文子 亀井 克彦
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.34, 2007

水族館飼育下イルカのnon-<I>albicans Candida</I> spp.保菌が健康管理および観客への安全上問題となっているので、飼育されているイルカ20頭の呼気と飼育プール水の病原性酵母叢を昨年8月および本年2月に調査した。さらに飼育関係者24名の口腔内と観客席空中浮遊菌の病原性酵母叢の調査を本年2月に行った。保菌イルカは14頭 (70%)、分離株は<I>C. albicans</I>、<I>C. tropicalis</I>、<I>C. glabrata</I>で、1頭を除き2回の調査とも保有菌種は同一で、大多数の株はアゾール薬に耐性傾向を示した。また、4個体は1呼気あたり数十から数百の病原性酵母を噴出していた。飼育プール水の検査では8箇所中5ヵ所から<I>C. albicans</I>および<I>Candida</I> spp. など、飼育関係者の口腔からは24名中5名から<I>C. albicans</I>および<I>Candida</I> spp. などが分離され、一部にアゾール薬に耐性傾向を示す株も含まれていた。観客席空中からは<I>Candida</I> spp.など数株の酵母が分離された。しかし、病原性酵母を噴出しているイルカの呼気が観客に直接かかるような状況はなく、実際に観客席空中からイルカとの共通菌種が分離されなかったため、イルカショーで発生するエアロゾルによる観客への影響は少ないと思われる。一方、イルカ、飼育環境、飼育関係者との間では<I>C. albicans</I>が共通して分離されていたので、現在,遺伝子パターンの解析を進めている。また、イルカの真菌保有の有無は健康状態の指標となりうると思われた。
著者
石田 さらみ 湯淺 高志 高橋 陽介
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.032, 2005-03-24 (Released:2006-01-11)

RSGはジベレリン(GA)内生量調節に関与するbZIP型転写活性化因子である。植物体においてその機能を阻害するとGA内生量が著しく低下し矮化形質を示す。これまでの解析により、1)真核生物に広く保存された制御因子、14-3-3タンパク質とリン酸化された114番目のセリン残基(S114)を介して相互作用すること、2)14-3-3タンパク質はRSGと結合するとRSGの核局在を阻害すること、3)RSGは14-3-3により細胞質に静的に拘束されているのではなく、核-細胞質間を高速にシャトルしていること、4)GA欠乏によりRSGは核に輸送され、GA刺激により核外に排出されること、5)この過程にタンパク質の分解は伴わないこと等を明らかとしてきた。GA刺激を受容しても14-3-3タンパク質と結合できない変異体RSGは核外に排出されないことから、GAによるRSGの細胞内局在変化には14-3-3タンパク質が関与することが示唆されている。この結果から、GA刺激によりRSGのS114のリン酸化状態が変化すると推測された。これを実証するため、S114がリン酸化されたRSGを特異的に認識する抗体を作成した。この抗体は、非リン酸化RSGとは交差しない。この抗体を使った解析の結果、GA内生量上昇により核外へ輸送される過程において、RSGのS114のリン酸化が経時的に亢進することが明らかとなった。
著者
奥谷 大介 高橋 健司 西井 豪
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.742-746, 2016-09-15 (Released:2016-09-15)
参考文献数
16

尿膜管癌は膀胱癌の中でもその頻度は低く,尿膜管癌の孤立性肺転移は極めて稀である.55歳,男性.51歳時,尿膜管癌p-Stage Iに対して膀胱部分切除術を施行した.尿膜管癌術後2年目の胸部CTにて左肺S1+2に約7 mmの空洞を伴う結節を認めた.以降,結節は空洞の消失と出現を繰り返しながらサイズは増大し,術後4年目には空洞を伴う13 mmの結節であった.診断治療目的に胸腔鏡下左肺部分切除術を施行し,病理学的検討より同病変は尿膜管癌の肺転移と診断された.本症例のような空洞性結節影を呈した尿膜管癌肺転移の症例は報告されていない.空洞を伴う肺腫瘍では悪性の可能性も考慮することが重要である.
著者
高橋 康夫
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.282, pp.169-176, 1979-08-30 (Released:2017-08-22)

This paper, taking over the preceding papers, will deal with the problem of the formative period by investigating the stage of Cho and Machigumi grawing. Contents of this is as follows. 1. Disputed point. 2. Analysis of the affair in the seventh year of Daiei Period. 3. Toward the establishment of the Rokucho Organization.
著者
田辺 郁男 水谷 淳之介 高橋 智 熊井 達也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.863, pp.17-00516, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Recently the design of experiments is used to decide optimum processing conditions. However when the control factor interaction between the several control factors becomes large, the calculated accuracy using the design of experiments becomes very bad. Then everybody should check the results regarding the best and the worst conditions in the experiments. If differences between the calculated vale and the experimental value for the best and the worst conditions become large, the results using the design of experiments are never used. Therefore, in the previous research, we have developed the tool for easily finding the control factor interaction in the design of experiments. This control factor interaction between the several control factors action is large fault, an obstacle for innovation and disliked by everybody. However when the reaction between the several control factors becomes large effect which is surpassed the estimate, the control factor interaction becomes the synergistic effect which is liked by everybody, the synergistic effect finally brings large profit, excellent license and innovation. Therefore in this research, the tool for easily finding the synergistic effects between the control factors was developed and evaluated using the program in the previous research. The program was the tool for finding the control factor interaction in the design of experiments, it was improved for the easily finding the synergistic effects by using the new algorithm, and was evaluated by the several mathematical models and the experiment. It is concluded from the result that (1) the new program can clear the synergistic effects between the control factors, (2) the program also can clear the complex multiplier effects and (3) the program can clear the synergistic effects with innovative profit in the actual example.
著者
横仙 勝樹 高橋 鷹志
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
vol.395, pp.19-30, 1989
被引用文献数
4 3

In order to clarify man-environment interaction, the paper focuses on the mental system in which we recognize the spatial relationship of the environment. This system, which is based on our usual experience, is named 'spatial schemata' here and considered as consist of the recognized 'places' and some rules which combine these 'places'. The word 'places' was defined first, after careful consideration given to the relationships between human behavior and physical settings. A model of 'spatial schemata' was hypothesized with reference to Minsky's Frame Theory. Four frames were chosen to represent 'spatial schemata' here '. 'KOKO (here)' frame, 'ASOKO (over there)' frame, which represent mentally near and far places respectively, 'connected' frame and 'separated' frame, which represent the spatial relationship between two 'places'. Finally, an analysis on subjects' sketch-maps were made to examine validity of this model. In conclusion, the differences between each types of sketch-maps were clearly described using the four frames. As a result: of this experimental investigation the proposed model of 'spatial schemata' was proved to be an effectual system to describe man-environment interaction.