著者
高橋 是太郎
出版者
食用加工油脂技術研究会
雑誌
食用加工油脂技術研究会会報
巻号頁・発行日
vol.80, pp.19-31, 1998-02

アラキドン酸、EPAやDHAなど生体機能の制御に関連する高度不飽和脂肪酸は、それらがリン脂質になったときを起点として生理作用を発動し始める。一方、リン脂質は元来その構成脂肪酸にかかわらず、油脂や脂溶性ピタミンの消化、吸収を助けるとともに、それ自体もコリン、イノシトール、リンの供給源となる九また、血中コレステロールをはじめとする血清中の脂質量を制御するなど、肝臓や胆のうの代謝機能にも深く関わっている。ここでは特にリン脂質のうちでDHAやEPAをアシル基にもつ分子種群にしぼって、それらの高次機能について考えるとともに、そのようなリン脂質を酵素剤を用いて合成するには何が皮応率を大きく左右するかについても考察する。
著者
内藤 元男 高橋 弘晏 畠山 章一 武田 裕 一條 幹夫
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.539-542, 1974-10-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8

小岩井農場ホルスタイン種牛群の1953年より1968年までに得られた初産より3産までの連続記録をもつ119頭について初産次体重,初産への補正FCM量平均値およびFCM/K[{FCM/2(6W+FCM)}×100]相互間の関係を検討した.主な成績は次のごとくである.1) 初産後5ヵ月時の体重および体高の平均値はそれぞれ558kg,体高139.0cmであり,初産への補正FCM量平均値4,479kg,FCM/K28.5%であった.2) FCM/Kの母娘相関により推定した遺伝率は0.51であった.3) FCMとFCM量との相関は-0.045で,両者の間には関係がなかった.4) FCM量とFCM/Kとの相関は0.895***であった.5) 体重とFCM/Kへの単純相関は-0.466***であったが, FCM量を一定とした偏相関では-0.955***となった.6) 個体によって異なるが,一般に550~630kgの中型の牛はFCM量の多い傾向があり,またFCM量が多くなくてもFCM/Kで優れている場合が多く,比較的に有利であるといえる.
著者
南 貴洋 奥野 麻也子 高橋 亜緒郁 瀧口 宮子 松村 美依子 祖父江 鎭雄
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.590-594, 1999-06-25
被引用文献数
4

5か所の小児歯科専門の診療所で定期的に口腔衛生管理を受けている小児349名を対象として,齲蝕多発傾向者の定義に基づいて齲蝕多発傾向を有する者とそうでない者に分類し,口腔衛生管理を開始した時期とその後の齲蝕罹患状況について経年的に調査を行った。その結果,口腔衛生管理開始時に齲蝕多発傾向を有すると判定されたものであっても,永久歯萌出前に口腔衛生管理を開始することにより,永久歯における齲蝕発生を抑制できることが明らかとなり,早期のカリエスコントロールの重要性があらためて示唆された。
著者
高橋慶太郎 編
出版者
同文館
巻号頁・発行日
1896
著者
河田 恵昭 岡 二三生 片田 敏孝 福和 伸夫 田村 圭子 鈴木 進吾 今村 文彦 目黒 公郎 牧 紀男 浦川 豪 中林 一樹 永松 伸吾 高橋 智幸
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

本研究では、逆転の発想に基づき、加害側の災害の立場から、南海トラフ巨大地震や首都直下地震によって、過酷事象が発生し、未曽有の被害をもたらすにはどのように“人間社会を攻めればよいのか”を考究して、巨大災害が起こった時の現代社会の様々な弱点を見出し、その中で被害が極端に拡大する可能性のある「最悪の被災シナリオ」被害を軽減するためには、新たに縮災を定義し、減災だけでなく、災害による被害が発生することを前提にして、すみやかに回復するという新たな概念が必要であることを示した。そして、これを実現するには、防災省を創設し、国難災害が起こるという前提に立って、日常的に準備する必要があることを明らかにした。
著者
高橋 フミエ
出版者
静岡福祉大学
雑誌
静岡福祉大学紀要 (ISSN:13497928)
巻号頁・発行日
no.1, pp.59-68, 2005-01

研究目的は、問題基盤型学習PBLを導入した介護技術演習のつみ重ねの学習成果を検証することである。対象は某福祉大学短期大学部介護福祉学科1年生93名のうち了解のある87名について移動介護技術と在宅介護技術の自主的演習をした後、実技チェックの分析をした結果、以下の見解を得た。1. 前期の移動介護技術の実技チェック得点と自主的演習回数との相関はあり、後期の在宅介護技術の実技チェック得点と自主的演習回数にはバラツキがあるが、つみ重ね学習ができていた。2. 前期の実技チェック前5月の self-esteem の総平均値は23.304、後期の実技チェック後12月の self-esteem は23.607であり、それらの相関はわずかにあった(σ0.239 p<0.05)。殊に女子の12月の self-esteem 値の下限の幅が大きくなり、自己認知の幅が広がったと考える (σ相関係数0.368p<0.001)。3. 在宅介護技術の9項目の実技チェックはグループごとに役割演習のシナリオ、チェックポイントを作成し実施した。課題クリアは (1) 口腔ケア (2) 車椅子で散歩 (3) 起こし方 (4) 端座位で上下肢機能訓練等であり、利用者、家族介護者へのかかわり方の気付きがあった。以上から課題は在宅介護環境を活用した利用者、家族介護者への empowerment に対する教授方法の工夫が示唆された。