著者
高橋 義朗
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

核スピン5/2を持つフェルミ同位体173YbによるSU(6)系フェルミモット絶縁体の生成とポメランチュク冷却法のスピン増強効果の実証、ボース・フェルミ混合系における混合モット絶縁体相の生成と同定、高次スピン対称性を持ったフェルミ・フェルミ混合系の実現、などに成功した。また、光フェッシュバッハ共鳴法を、ボース凝縮およびp-波相互作用するフェルミ原子系に適用し、基底および準安定状態間の磁気フェッシュバッハ共鳴を発見した。
著者
猪子 芳美 高橋 史 大沼 智之 森田 修己
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.508-515, 2003-06-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的: 閉塞型睡眠時無呼吸症候群の歯科的治療に用いられる口腔内装置 (Oral appliance: OA) の効果に関する報告は, 多く認められる. しかし, 下顎前方位型装置 (Mandibular advancement device: MAD) の装着が口腔咽頭領域の形態に及ぼす影響について, 画像的に十分明らかにされていない. 本研究の目的は, 側方頭部X線規格写真 (セファログラム) 撮影時の体位および呼吸変化が, 口腔咽頭領域の形態に及ぼす影響を健常者について検討することである.方法: 被験者は, 自覚的, 他覚的にいびきを認めない健常者12名 (男性10名, 女性2名, 平均年齢27.3歳, 肥満度21.9kg/m2) とした. 被験条件は, 立位時の吸息と呼息および仰臥位時での吸息と呼息において, セファログラム撮影を行った. 撮影されたX線写真から得られた透写図上にて, 咽頭腔前後径とその面積, ならびに舌骨の位置の計測を行い, 体位と呼吸状態を2要因とする反復測定分散分析を用いて検討した.結果: 吸息時と呼息時の間に有意な差は認められなかった. しかし, 体位を立位から仰臥位に変化させると, 咽頭腔面積および口蓋垂後方の前後径と舌根部後方の前後径, 舌骨から下顎までの距離が有意に減少した.結論: 以上の結果から, 呼吸による影響は認められなかったが, 体位を立位から仰臥位に変化させることで口腔咽頭領域の形態に影響を及ぼすことが示された.
著者
酒井 治己 高橋 洋 松浦 啓一 西田 睦 山野上 祐介 土井 啓行
出版者
独立行政法人水産大学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ミトコンドリアDNA全塩基配列に基づき、フグ目の硬骨魚種中での系統類縁関係,フグ目内系統類縁関係,及びトラフグ属内系統類縁関係を明らかにした。さらに,AFLP解析によりトラフグ属主要9種の雑種解析を行なった。トラフグとカラスフグを除く各種は明瞭に識別でき、さらに複数マーカーによって雑種の判別も可能で、解析したほとんどの雑種個体(47個体中46個体)が雑種第一代であった。種判別の可能なAFLPマーカーに基づき、それを特異的に増幅するプライマー開発に向けて研究を継続中である。
著者
田辺 信介 岩田 久人 高菅 卓三 高橋 真 仲山 慶 滝上 英孝 磯部 友彦 鈴木 剛
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

POPs候補物質(有機臭素系難燃剤など)に注目し、途上地域を中心にその分析法の開発、広域汚染の実態解明、廃棄物投棄場等汚染源の解析、生物蓄積の特徴、バイオアッセイ等による影響評価、過去の汚染の復元と将来予測のサブテーマに取り組み、環境改善やリスク軽減のための科学的根拠を国際社会に提示するとともに、当該研究分野においてアジアの広域にまたがる包括的な情報を蓄積することに成功した。
著者
林 為人 高橋 学
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

海洋底深層掘削をはじめ,地震断層をターゲットとする科学深層掘削プロジェクトにおける地殻応力の状態を決定するとともに,深層掘削における応力測定手法に関する基礎研究を行った.その結果,東南海地震の発生源である紀伊半島沖の南海トラフ海域の主応力方向分布を明らかにしたほか,台湾集々地震の震源断層付近で地震発生によって生じた応力分布の異常をとらえた.一方,非弾性ひずみ回復法という深層掘削コア試料を用いた応力計測を初めて,海洋科学掘削領域での適用に成功した.
著者
高橋 智 平田 勝政 茂木 俊彦
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.33-46, 1990-03-10

近年、国内外で障害の概念構造についての理論的研究が深化しつつあるが、個々の障害に即した概念整理は不十分であり、「精神薄弱」概念についてはそれが特に著しい。そこで本研究ではその一環として、戦前の精神医学分野の「精神薄弱」概念の形成・展開過程及び到達点の歴史的解明を行った。検討素材に、主要な精神医学雑誌である『精神神経学雑誌』と『精神衛生』を用いた。得られた結果は次の様である。(1)「精神薄弱」を病理・臨床の面からは疾病・欠陥と規定し、精神衛生では断種等の社会問題対策的視点から規定しており、精神医学でも「精神薄弱」概念の定義に大きな相違がみられる。(2)クレペリンの「白痴・痴愚・魯鈍」の3分類を基本としつつも、「精神薄弱」概念論争にみられる様に、知能指数等の心理学的概念の採用が現実的要請から承認された。(3)戦前の「精神薄弱」概念の到達点と「特殊児童判別基準」等の戦後の概念には連続性が確認された。
著者
大塚 斌 菊田 文夫 近藤 四郎 高橋 周一
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.311-318, 1992-04-15
被引用文献数
3

In order to investigate the relation between foot sizes and leather shoes sizes, the foot lengths and ball-joint girths of right and left feet in Japanese adults(149 males and 178 females)were measured. Their proper shoes sizes were assigned to JIS Standard from the measurement values. The similarity between proper size and self-styleed size of leather shoes in each subject was investigated concerned with three grades of favorite fitted feeling of the foot to shoes: "tight," "fit" and "loose." The most frequent self-styled sizes were 25.0(cm) EEE in males and 23.0(cm) EE in females in JIS Standard. The 38% in males and 59% in females recognized their self-styled sizes of their foot lengths, but without the recognition of their ball-joint girths. As the grade of fitted feeling shifted from "tight" to "loose," the difference between proper size and self-styled size of the foot length became bigger in males, but the tendency was not clear in females.
著者
高橋 史樹 郷田 雅男 赤山 敦夫
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.229-233, 1980
被引用文献数
2 3

日本に産する3種のカブトエビの生命表を実験条件下(水温21∼22°C)で求めて比較し,水田雑草の生物的防除のための材料としての有効性からも検討した。<br>幼生は脱皮を繰り返しながら成長し,アジアカブトエビは8日目,アメリカカブトエビは10日目,ヨーロッパカブトエビは16日目から産卵がみられた。<br>生残曲線は産卵数がピークに達した後は急速に低下するが,産卵が終った後も多くの個体が生残した。<br>背甲長ははじめ急速に増大するが,産卵がピークに達した後の増加はゆるやかになった。しかし,産卵が終った後も増加を続けた。<br>両性生殖をするアジアカブトエビでは毎日の産卵個体率は最高で90%程度であるが,雌雄同体の他の2種では100%の期間が10日以上続いた。産卵数はアメリカカブトエビが最大で,アジアカブトエビが最小となった。<br>水田雑草の生物的防除に利用するという点では,成長が早く,産卵までの日数の短いアジアカブトエビが最適と考えられた。
著者
高橋 菜穂子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.369-381, 2012-04-27

This qualitative study was performed to examine residential child care workers' interpretations of their roles in collaboration with child welfare centers and children's schools, and to examine workers' difficulties in cooperation with other agencies. Semi-structured interviews were conducted among 8 Children's home workers. The data showed that workers feel that their role is to act as mediators of social resources and the child, and that it is their responsibility to ensure soft and flexible communication between social resources compared with social workers or teachers. The workers are skilled in supporting children in their transitions between different settings and services. On the other hand, workers sometimes feel a lack of shared information and tension between other agencies. In such situations, they draw lines of their responsibilities on child protection and try to exclude communication with other agencies. Collaboration with other agencies requires that workers build a foundation of close communication with others and can work effectively across boundaries to support children.
著者
遠藤 保子 八村 広三郎 仲間 裕子 山下 高行 崔 雄 古川 耕平 松田 凡 高橋 京子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

舞踊人類学やアフリカの舞踊に関する研究動向を概観し、舞踊の最新の記録法としてモーションキャプチャを利用したデジタル記録を指摘した。アフリカで人類学的なフィールドワークを行いつつ、モーションキャプチャしたデジタルデータからアフリカの舞踊の特徴(多中心的な動作や性差による相違点等)を考察した。アフリカの舞踊の教材化について論じ、小学校高学年を対象にした開発教育のための教材(DVD、指導計画)を制作した。
著者
渡邊 浩和 小野 勉 松永 昭浩 金川 明弘 高橋 浩光
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.119-126, 2001-02-15
被引用文献数
1

複数巡回セールスマン問題(MTSP)とは, 複数のセールスマンが与えられた都市を巡回訪問するとき, ある評価関数値を最小にするような各人の巡回経路を求める組合わせ最適化問題である.この経路を求めるにあたって, 各セールスマンの担当経路の輻輳は最大限避ける一方で, 各セールスマンの担当経路長はなるべく均等化することが望ましい.本論文では, MTSPの一つの近似解法を提案する.提案の解法は, ファジィクラスタリングにより, 各人の担当経路の中心部分のみを決定しておき, 残された都市の各クラスターへの挿入を通して担当経路長の均等化を計るアルゴリズムである.MTSPの一種であるN-TSPに関して, Fredericksonらのツアー分割アルゴリズムとの解の比較を行い, 提案法の有効性を示す.
著者
高橋 肇 神野 裕信 西村 努
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

西日本生態型品種は、山口の環境条件下において高い光合成生産能力を維持することができ、稈に蓄積した貯蔵養分をもあわせて利用することで登熟中盤からの子実生長速度を高く保つことで粒重を重くして収量性を高めることを明らかにした。さらに、西日本生態型品種は、粒数を多く着生することで植物体の光合成能力を高める優性形質を有しており、このため山口のような環境条件下でも一定の収量を確保することができるものと考えた。