著者
定本 久世 高橋 宏暢
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.131-134, 2012-09-20 (Released:2012-10-17)
参考文献数
11

本技術ノートでは,次世代シーケンサーを用いた非モデル動物の全トランスクリプトーム解析について説明する。これまで,非モデル動物のように参照となるゲノムDNA情報がない場合,次世代シーケンサーの配列データを貼り合わせて長い配列情報を得ることが難しかった。また,代表機種であるIllumina社シーケンサーでは,他社機種に比べて安価で大量の配列データが得られるものの,シーケンスデータの配列長が短い。これら技術,費用の両問題により,次世代シーケンサーによる非モデル動物のトランスクリプトーム解析はなかなか進んでこなかった。最近になり,トランスクリプトームデータ解析に特化した,参照配列を必要としない配列貼り合わせ(de novo assembly)プログラムが複数発表されている。我々は,Illumina社シーケンサーとこれらのプログラムを用いて非モデル動物組織のde novoシーケンス,トランスクリプトーム解析を行い,良好な結果を得た。これらの結果を含めて一連のde novoトランスクリプトーム解析手法を紹介したい。
著者
高橋 康雄
出版者
札幌大学
雑誌
札幌大学総合論叢 (ISSN:1342324X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.394-301, 1999-03-31
著者
宇田川 茂雄 山崎 松吾 伊東 香 川角 博 小室 孝志 野口 禎久 谷田貝 秀雄 藤原 博伸 藤川 清一 岡戸 靖一 田原 輝夫 井上 健 高橋 仁 野坂 正史 山下 一郎
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.196-209, 2001

専門委員の勤務校は,都立,国立,私立,全日制,定時制,普通科,工業科,男女共学,男子校,女子校,中学校併設などさまざまである。しかし,生徒のつまづきどころには,共通点があるように思われた。実際にそう言えるのか,またそれが事実ならばこの共通のつまづきの原因は何であるのか。その原因が分かれば,物理の理解を深めるのに役立つに違いない。また,陥りやすい過ちがはっきりしているならば,それをテーマにして実験をさせれば,新鮮な驚きを生み出し,「いつの間にか,物理現象について考えはじめてしまう」授業を創ることができるのではないかと考えた。今回は,力学に絞ってアンケート形式の調査間題をつくり,区立中学も含めてさまざまな学校学年での調査を行った。データを立体的に分析するために,個々人の1問1問の回答をデータベース化することにした。しかし,調査データは膨大であるので,個々人のデータベース化は全調査の一部約630名分である。後術の項目3に示すグラフは,このデータベースから抽出したデータに未入力データを一部追加したものに基づいている。項目4以降については,さらに未入力の追加データを利用していることもある。このため,分析対象によって総計などに違いもありうる。
著者
横丸 敏彦 泉 知論 高橋 篤司 梶谷 洋司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.72, pp.1-8, 1995-07-20

LUTをベースとしたFPGAのテクノロジーマッピングに登場する,2段部分論理回路を最小数のLUTに割り当てる問題は,共通信号線を考慮しない場合,整数ビンパッキング問題となる.整数ビンパッキング問題ではビンの容量を固定した場合,全探索アルゴリズムにより多項式時間で最適解が求まることがよく知られているが,実用性に欠ける.本文では,整数ビンパッキング問題の高速近似アルゴリズムであるFFD法が容量を6以下に固定した時に最適解を求めることを示す.また,入力を制限することにより,容量を7および8に固定した時にFFD法が最適解を与えることを示し,容量を8以下に固定した場合に高速に最適解を求める多項式時間アルゴリズムを提案する.In technology mapping of Look Up Table (LUT) based FPGA, the problem of mapping a two-level subcircuit into LUTs is formulated as the Integer Bin Packing Problem without taking account of the advantage of input signals connected to more than one gate. It is known that Integer Bin Packig Problem can be solved in polynomial time by exhaustive search when the size of bins is fixed, however, which is not practical. In this paper, we show that First Fit Decreasing (FFD) which is a fast approximation algorithm solves Integer Bin Packing Problem when the size of bins is fixed to less than or equal to 6. We show that FFD gives optimal solutions for some class of instances when the size of bins is fixed to 7 or 8, and suggest a polynomial time algorithm which solves fast when the size of bins is fixed to less than or equal to 8.
著者
和田 弘 高橋 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.107-109, 1960-09-15
被引用文献数
1
著者
海野 敏 高橋 あゆみ 小山 久美
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.205-210, 2011-12-03

「バレエ情報総合データベース」の設計と試作を行った.このデータベースを設計するにあたり,実演情報を記述するための概念モデルとして,(興行-公演-演目)×(計画-遂行)モデルを提案した.このモデルは,FRBR とオブジェクト指向FRBR の規格を参考にして構築したものである.データベースは,実演情報だけでなく,ダンス作品と音楽作品の情報,人物と団体の情報,印刷資料と視聴覚資料の情報も入力できるように設計を行った.
著者
小林 正幸 西川 俊 石原 保志 高橋 秀知
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.397, pp.25-29, 1997-11-22
被引用文献数
9

我々は、高速で文字入力が可能なMicrosoft Windows NT Ver. 4.0の環境下で動作するDOS/Vパソコン対応の日本語高速入カシステム (ステノワードPCシステム) を2セット用意し、1セット目で発話内容のひらがな入力とかな・漢字変換を行い、他のセットで誤字、脱字等の修正を行う、より正確な字幕をリアルタイムで提示可能な新システムを開発したので、このシステム (連弾入力方式RSVシステム) の機能や特徴について報告する。また、ISDN (INSネット64) とテレビ会議システムを介して遠隔地でキーボードの入力作業が可能な遠隔地連弾入力方式RSVシステムについても報告する。
著者
中務 哲郎 高橋 宏幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

古代ギリシア・ローマ喜劇と狂言はまったく異なる文化伝統の中で生成発展したが、同時代に材をとり、滑稽な言葉・しぐさ・趣向を用いて笑いの劇を目指すという共通点をもつ。両ジャンルに共通して現れる仲裁人のモチーフ、仕方話の趣向等がいかなる社会制度から生まれたかを考察することにより、両ジャンルの特性を解明した。と同時に、芝居(企み、変装)の意義と効果、虚と実のすり替え、等を具体的な作品に即して分析することにより、喜劇的なるものの本質が両ジャンルに共通することも明らかにした。
著者
高部 啓子 松本 朋子 坂本 英里香 高橋 佐智子 佐藤 由紀子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-6, 2008-04

Although many ready-made "Yukatas (a kind of Japanese costume Nagagi)" have appeared on the market, there are no official size-system for Yukata". So we surveyed the clothing size and measurements of ready-made "Yukatas" on the market and then studied the validity of their size and measurements through young women's body measurements, and then tried to propose the better size-system for Japanese costume "Nagagi". Materials were market-research data carried out in June to August, 2006, and the body measurements and the cross section data of hips from the 3-D measurements proceeded for 91 female students from 2004 to 2006. We found that the number of clothing size on the market was very small, the clothes were made too long, and the relation among the body measurements was not considered. We also found that the necessity for expanding sizes to width through the scatter diagram of stature and hip girth, and one and half of hip girth was a good indicator for deciding the width of Nagagi. Then we proposed the size-system for Nagagi on the basis of the above results.
著者
高橋 雅興 田中 克史
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

高度通信情報化にともない、放射電磁波の増大や利用周波数領域の多様化が起こり、電磁干渉による電子機器の誤作動が大きな問題となっている。本研究の目的はGHz帯域における吸収性能に優れた電磁波吸収体を創製することである。高分子ブレンドの相分離構造や架橋網目の網目サイズを利用して、ナノカーボン粒子のネットワーク構造を作り、導電性と電磁波吸収性能を飛躍的に高めた。ナノカーボンとして鎖状構造をとりやすいアセチレンブラック(AB:直径20nm)とカーボンナノファイバー(VGCF:直径150nm,長さ10-20μm)を用いた。ナノカーボンの分散と導電性・誘電性の相関、総合的な結果としての電磁波吸収性能の関連がほぼ明らかになった。主な研究結果は次のようにまとめられる。1.ABは凝集クラスターが種々の形をとり、自己相似のフラクタル構造になりにくいが、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)中では、長時間アニールで導電性のパーレーションしきい値を2.2vol%と驚異的に低くできる。シリコンゴムでは、網目サイズをABの一次粒子の直径程度にすることでABの分散制御が可能となる。いずれの系においても導電性のしきい値を少し越えた充填量で、コンポジットは95%以上の高い電磁波吸収性能を示す。2.高密度ポリエチレン(HDPE)/ポリプロピレンブレンドの共連続構造中で、VGCFはHDPE中に局在して、単体中よりしきい値が低下し導電性が増大する。PMMAにごく少量のHDPEを加えると、粗いVGCF末端へのHDPEの吸着がVGCFの連結に寄与し、PMMA単体中よりも導電性が飛躍的に高くなり95%以上の電磁波吸収率を示す。3.反応性シリコン/VGCF分散複合系に電場を印加し、光学顕微鏡観察を行い誘電性の時間変化を測定した。VGCFの電場方向への配列傾向とともに、貯蔵誘電率・損失誘電率が増加する結果が得られた。
著者
松本 光太郎 小林 敦子 梅村 坦 大野 旭 松本 ますみ 高橋 健太郎
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

平成19年度科学研究費補助金研究成果報告書は、3年間の調査研究の成果と、本プロジェクトの最終年度に開催された国際シンポジウム「移動する中国ムスリム-ヒトと知識と経済を結ぶネットワーク」の報告内容を整理し、作成したものである。その際、本科研プロジェクトの課題として提示した三つのテーマを軸としている。その三つのテーマとは次のとおりである。一つ目に、中国ムスリムの越境移住の実態について調査を行うことである。中国ムスリムは中国国内における人口流動のみならず、迫害や留学、労働移民、宗教指導者の動きやメッカ巡礼などによって、国境を越えて移住し、コミュニティを形成している。移住や定着にともなって、社会構造や文化にどのような変化が生じたのかという点が、本報告書で解明しようと試みた一つ目の軸である。二つ目に、中国ムスリムの国内外における移住に付随して、イスラーム的宗教知識と商業的ネットワークの構築過程を探ることが目的であった。本報告書では、宗教指導者や宗教学生のモスク間の移動や、イスラーム宗教知識の国境を越えた流動などが分析を二つ目の軸として分析している。三つ目に、中国ムスリムの移住や、移住にともなうイスラーム宗教知識の流動などにともなって生じる、宗教復興を調査分析することであった。イスラーム復興をキーワードとする論考も、本報告書に収録されている。これら三つの軸を中心に提出された研究成果を、中国西北、西南華南、新疆、中国域外という地域軸に基づいて整理しなおし、報告書として提出した。
著者
正田 彬 舟田 正之 高橋 岩和 土田 和博 山部 俊文 柴田 潤子 江口 公典 石岡 克俊 金井 貴嗣
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究組織(「東京経済法研究会」)による本研究は、市場支配的地位にある企業が存在する市場の実態と、それに対する独禁法及び各産業分野の事業法による規制のあり方を、同様な状況が認められる諸外国との比較研究を含めて調査研究することを目的とする。本年度は、以下の研究成果をあげることができた。第一に,IT革命が多様な形で、市場競争を国際的規模で、かつ質的にも変化させつつあるという状況の下で、特に競争を制限するような市場支配的地位にある企業の出現、あるいは大企業による市場支配地位の濫用をどのように抑止し、公正かつ自由な競争を維持・促進していくかを検討した。特に、独禁法による規制を検討対象とし、一般的な理論的・解釈論的研究を行い、具体的素材としては、日米のマイクロソフト事件,インテル事件などIT関連産業を主に取り上げた。そこでは、私的独占による規制の可能性を検討し、日本の私的独占の要件では、市場支配力の濫用を規制することが不十分であることが明らかとなった。第二に、個別規制法による規制としては、電力産業を取り上げ、そこにおける市場支配力の規制の現状と実態を明らかにすることに務めた。そこでは、米国、ドイツ、英国、及びEUによる電力規制をも研究対象とした。どの国でも、既存の電力会社の市場支配力の規制として、構造規制(アンバンドリンク)、そして、行為規制(卸・小売の取引条件の規制、及び、託送などについての規制)が行われている。日本は「部分的自由化」という特殊な状況にあるので、自由化部門と規制部門の問の内部相互補助が極めて重要な課題になっていることが明らかになった。小売のすべてについて自由化するかが今日の政策課題であるが、その際に、整備すべき各種の条件があることを明らかにした。