著者
高橋 哲也 中須賀 巧 赤松 喜久
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第3部門 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.43-51, 2010-09

本研究の目的は,恒常性のある「見る」運動(一点注視)と多様性のある「見る」運動(分散注視)が,それぞれクローズドスキルの運動学習に及ぼす影響を明らかにすることであった。本研究ではクローズドスキルの運動課題としてダーツを用いて行われた。Day1からDay3までの練習期間において,分散注視型の注視課題を与えた群の得点は低い値を示し向上もみられなかった。しかし,注視課題を与えずに行ったPost Test及び保持テストの得点がPre Testの得点を上回った。また,一点注視群の得点との間には逆転現象が見られた。本研究で得られた結果は,多様性注視課題をもって練習を行うことで,多様性筋運動による練習と同等もしくはそれに近い効果が得られる可能性があることを示唆している。The purpose of this study was to show clearly the effects of "closed observation" and "dispersed observation" give the motor learning of the closed skills. In this study we used darts as the motor task. During practice period, Day1 to Day3, "dispersed observation" group showed low scores and their scores didn't improve. However, in post test and keeping of skills test, their scores exceeded pre test and reversed "closed observation" group's. The results of this study showed possibility of to practice with "variability vision control" is equal or nearly to practice with "variability movement".
著者
伊尓凡 牙尓買買提 高橋 光輝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-7, 2014-01-16

中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区に主に居住するウイグル族の特徴的な文化要素は,歌舞音曲,独自の服飾文化,食文化,民話などが多数ある.しかし,近代流入した異文化の影響でウイグル文化を知らない若者が急増し,民族文化の維持と継承が重要な課題になっている.近年,コンピューター技術の発展とともに,アニメーションという映像表現は実写では表現できない動きや演出が特徴的であり,子供から大人まで世界中で多くの作品が鑑賞され,人気を得ている.ウイグル文化を次世代,および世界に魅力的に紹介するには,民族文化のアニメーション化が有効であると考える.本論では筆者が制作したウイグル民話題材のアニメーション作品 "フサイナムとザイトンハン" を事例に,民族文化の新しい表現方法を提案する.The Uyghur's live primarily in the Xinjiang Uyghur Autonomous Region in north-west China. They possess a unique ethnic culture consisting of variety of ethnic cultural elements like Uyghur folk song and dance, food and diet, folktales and so on. However, due to the impact of modern influx of foreign cultures, increasing number of Uyghur youngster become ignorant to their own culture. Thus, maintaining and inheriting the national culture became the main subject of the Uyghur society. As computer technology develops rapidly in recent years, animation become one of the most popular filmography watched by all aged group characterized by its feasibility to express special effect which is incapable to performed in movies. Hence, Author regard the "animated ethnic culture" as an effective method to introduce Uyghur culture to next generation as well as to the world. In this assay, author take the 《HUSAYNAM and ZAYTONHAN》, a folk story-based animation film, as an example to propose a new representation method of national culture.
著者
高橋正弘著
出版者
高橋正弘
巻号頁・発行日
1986
著者
高橋 純一
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
燃料協會誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.五〇一-五一八, 1923-07-20

ケロジェン(油母)と稱せらるゝものは水成岩中に含まるゝ有機物中溶劑には冒され難く只乾餾に由りて油化し得る成分なり。而してオイル・シェールは勿論石炭又は普通の水成岩の内には多少此種の成分を含むもの尠なからざれば油母頁岩なる名稱は極めて廣き範圍の岩石を含むものとす。茲にては此等の内より比較的オィル・シェールに近き性質のものに就きて基本邦に於ける分布、産状を述べ其性質並に成因を略述し、更に一般油母岩に於ける有機、無機兩成分間の關係、天然又は人工乾餾に於ける無機成分の影響、油母岩と石油礦床との關係に論及せんとす。
著者
平岡 喜代典 高橋 和徳 中原 敏雄 寺脇 利信 岡田 光正
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.391-396, 2000-08-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
17
被引用文献数
5

岩国飛行場地先において,アマモ場内の裸地(水深0,1,2m)にアマモ草体を移植することにより,アマモの生育制限要因を検討した。水深0mのアマモ場対照地では,株密度は春から夏の高波浪時に減少し,水深1,2mと異なる季節変化を示した。水深2m(アマモの分布下限付近)の水中光量は,年間平均で3E/m2 /dayと推定され,光量がアマモの生育制限要因と考えられた。水深0mの移植株は,台風襲来後波浪による攪乱によって消失したが,水深1,2mでは株密度は対照地とほぼ同水準で推移し,移植後致命的な攪乱がなかったことを示した。また,アマモ場の生育地と近接する裸地は,底質が同様であっても底質内部の貝殻の出現状況に違いがあった。これらの結果から,波浪による攪乱,水中光量及び底質中の物理的性質がアマモの分布に影響する主要な要因と考えられた。
著者
高橋 ひとみ Hitomi Takahashi 桃山学院大学法学部
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = ST.ANDREW'S UNIVERSITY BULLETIN OF THE RESEARCH INSTITUTE (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.1-11, 2004-12-20

Many children in Japan today do not know how to grasp a pencil or use chopsticks properly. Improper pencil grasp and chopstick usage may have a negative impact on one's studying and eating posture. In addition, improper posture potentially leads to poor eyesight. This survey was conducted to examine how pencil grasp and chopstick usage may affect the seated posture among children with the aim of putting a stop to the increasing number of children with poor eyesight. Of all the children surveyed, approximately 30% improperly grasped pencils while approximately 25% improperly used chopsticks. The survey result shows that pencil grasp and chopstick usage are associated with studying (seated) posture. By means of proper pencil grasp and chopstick usage, children were more likely to maintain a distance of 30 cm or more between the eyes and the notebook surface. This is known to impose minimal strain to the eyes. In fact, those children who maintained this optimal posture were less likely to have poor eyesight compared to those who did not. In view of these facts, encouraging efficient pencil grasp and proper chopstick usage among children will contribute to promoting the optimal studying posture that imposes minimal strain on the eyes. Until children are old enough to understand what needs to be done to maintain good eyesight, parents and adults should provide necessary care and support in this respect.
著者
竹村 貴人 斉藤 奈美子 池野 順一 高橋 学
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.160-164, 2009-08-10
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年の急速な産業技術の発展に伴い,レンズやシリコンウェハなどの先端材料の精密加工の需要が非常に高まっている.そのような背景のもと,砥石は物作り産業をはじめとする産業技術の基盤を支える重要な道具の一つであることはいうまでもない.しかしながら,天然砥石の合砥と呼ばれる仕上げ砥は,未だに人工的に造られた人工砥石よりも優れた研削性能を持つものもあるとされており,現在でも日本刀や和包丁など刃物の研ぎ師が好んで使っている.ここでは,このように優れた研削性能を持つ天然砥石,とくに合砥に関する情報を人工砥石に取り入れることを目的として,合砥の内部構造の特徴を応用地質学的な視点を交えてまとめた.その結果,質の高いとされる合砥はサブミクロンオーダーの空隙が多く存在していることが明らかになった.
著者
高橋 陽子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, 2011-04-15
被引用文献数
1 1 2

繊維質とは,自然に放置しても分解されにくく,動物によっても消化されにくい成分のことを指す.本来,ヒトの消化酵素で消化されない繊維質は,生理的意義が低い非栄養素とされてきたが,難消化性の繊維質はヒトの健康維持に重要な役割を果たすことが次第に知られるようになった.食物繊維とは多糖類のひとつであるが,日本食品標準成分表2010では「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されている.ヒトの炭水化物消化酵素であるアミラーゼは,デンプンを構成している糖分子のα結合を分解できるが,食物繊維を形成しているβ結合を分解する能力がない.従来,食物繊維はエネルギー源にならないと考えられていたが,実際は,消化されない食物繊維の一部が腸内細菌により発酵分解されて短鎖脂肪酸とガスになるため,エネルギー量はゼロにはならない.また,食物繊維はタンパク質,脂質,炭水化物(糖質),ビタミン,ミネラルに次いで,ヒトに不可欠な第六の栄養素として数えられるようになっている.<BR>食物繊維は水に溶けない不溶性(water-insoluble dietary fiber ; IDF)と水に溶ける水溶性(water-soluble dietary fiber ; SDF)に大別される.一般的に食物繊維は,食物の咀嚼回数や消化液の分泌を増加させたり,便通や腸内環境を改善したりするが,不溶性と水溶性で異なる生理作用もある.不溶性食物繊維は保水性が良く,便量の増加や腸の蠕動運動の促進,脂肪や胆汁酸,発がん物質等の吸着・排出作用がある.水溶性食物繊維は,糖の消化吸収を緩慢にして血糖値の急な上昇を抑える糖尿病予防効果,胆汁酸の再吸収を抑えてコレステロールの産生を減らす脂質異常症の抑制効果が期待できる.また,水分を吸収してゲル化するため,胃腸粘膜の保護や空腹感の抑制作用がある.<BR>不溶性食物繊維には植物体を構成するセルロース,ヘミセルロース,リグニン,エビやカニ類の外骨格成分であるキチン・キトサンがある.セルロースは植物の細胞壁の主成分で,野菜や穀類の外皮に多く含まれる.グルコースがβ-1,4結合により直鎖状に連なってリボン状に折り重なる構造をしているため,力学的に強固な物質である.ヘミセルロースも細胞壁を構成する不溶性食物繊維であるが,セルロースを構成するグルコースが他の糖で置換された多糖類である.糖分子の種類によって水溶性が異なり,マンナン(グルコマンナンとも呼ばれるコンニャクの成分.グルコースとマンノースがβ-1,4結合したもの),β-グルカン(キノコ類や酵母類に含まれる.グルコースがβ-1,3または-1,4結合したもの),キシラン(細胞壁の成分であるキシロースがβ-1,4結合したもの)等がある.リグニンは果物や野菜の茎,穀類の外皮に含まれる木質の繊維である.キチンはセルロースに構造が似ているが,N-アセチル-D-グルコサミンが連なるアミノ多糖であり,キトサンはキチンからアセチル基が除かれたD-グルコサミン単位からなるものである.水溶性食物繊維にはガム質,ペクチン,藻類多糖類等が分類される.ガム質は植物の分泌液や種子に含まれている粘質物で,代表的なものにグアー豆に含まれるグアーガム(マンノース2分子に1分子のガラクトースの側鎖をもつ多糖類)がある.ペクチンはガラクツロン酸がα-1,4結合した構造をしており,腸内細菌では分解できるがヒトの消化酵素では分解できない.果物類に多く含まれ,水分を吸収してゲル化する性質があり,砂糖と酸を加えて加熱調理するジャムやゼリーの製造に利用されている.藻類多糖類には渇藻類に多いアルギン酸,紅藻類に多いフコイダン,寒天の主成分であるアガロース等がある.この他に,トウモロコシを原料として人工的に合成されるポリデキストロースや難消化性デキストリンも食物繊維として使用されている.<BR>食物繊維の摂取目標量は,日本人の食事摂取基準(2010年版)によると,18歳以上では1日あたり男性19g以上,女性17g以上とされている.日本人の食物繊維摂取量は,食生活の欧米化や穀類,芋類,野菜類,豆類の摂取減少の影響を受けて第二次世界大戦後から年々減り続けており,実際の摂取量は若い世代を中心に目標量を満たさない状況が続いている.
著者
松岡 理 安藤 久隆 小沢 正基 高橋 千太郎 小木曽 洋一 稲葉 次郎 二之宮 和重 久松 俊一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.997-1020, 1994-11-30 (Released:2010-03-08)
参考文献数
102

Puに対する社会的関心が高い。たしかにPuの幾つかの同位体は核分裂性であり,また放射線毒性の高い物質の一つである。しかし,その実態に対する理解は必ずしも十分ではなく,そのことのゆえ,ときに一部から意図的に部分的誇張を含む説明がなされたりすることさえある。 本「特集」では,Puの安全性を考える基礎として,生体に対する影響を中心に,放射線毒性学の観点からPuの実像を概観する。
著者
高橋 修(1971-)
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.99-124, 0000

表題の崇源院は江戸幕府二代将軍徳川秀忠の正室であった江(1573~1626)のことで、崇源院とは彼女の死後の贈名である。彼女は寛永3年(1626)に江戸城内で死去し、その遺骸は火葬に付され、増上寺に埋葬された。昭和33~35年(1958~60)に増上寺内で実施された発掘調査により、崇源院の墓石が地下から発掘された。この調査以後、彼女の墓石は行方不明となっていたが、最近の調査により山梨県甲州市にある古刹 恵林寺境内にあることが判明した。墓石の周囲には文字が刻まれており、従来はその解読が不十分であった。そこで今回の再発見を契機として、墓石碑文の解読とその現代語訳を試み、また、何故、彼女の墓石が地下に埋められたのか、その歴史的背景を明らかにすることを本稿の目的として設定した。Suugenin(崇源院1573~1626) was the shougun Tokugawa Hidetada's (徳川秀忠) wife. In 1626 she died at Edo Castle. She was cremated and buried in Zojoji(増上寺).The tomb of Suugenin was excavated by an excavation survey at Zojoji in 1958~1960. Later, her grave became missing. It turned out that it was in Erinji(恵林寺).Her tomb is engraved with letters, but they were not legible in traditional research. Therefore, this paper aims to clarify the following two points: first of all, I will decipher the inscription and make a modern translation, secondly, I will discuss why the tomb was buried underground.
著者
越中 康治 高田 淑子 木下 英俊 安藤 明伸 高橋 潔 田幡 憲一 岡 正明 石澤 公明
出版者
宮城教育大学情報処理センター
雑誌
宮城教育大学情報処理センター研究紀要 : COMMUE = COMMUE (ISSN:18847773)
巻号頁・発行日
no.22, pp.67-74, 2015-03-31

本学の授業評価アンケートでは、学生からの意見を求めるために、各授業について自由記述を求めてきた。平成25 年度は通年で3,000 件を超える自由記述が得られている。しかし、これらの多数のデータを概観し、客観的に全体的な傾向を把握することは極めて困難である。また、要約しようにも分析者の恣意的・主観的な解釈となってしまう危険性からは逃れ難い。そこで、こうした危険性を可能な限り回避すべく、本稿では、「テキストマイニング」と呼ばれる手法を用いた分析を行った。①テキストから自動的に語を取り出し、頻出語を確認した上で、②それらの語の共起関係を探ることを通して、恣意的になりやすい手作業を極力廃した分析・要約を試みた。
著者
高橋 正樹
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.33-42, 1995-03-10 (Released:2017-03-20)
参考文献数
22
被引用文献数
5

There is no positive correlation between the long-term eruption rate of large-scale felsic volcanism and its discharge volume of a single eruptive episode. This means that the storage of voluminous felsic magma at high-level in the crust is caused not by high magma production rate but by continuous accumulation of magma during a long repose time, if the long-term eruption rate reflects the averaged magma production rate. If the cruslal defomation is weak, the magma chamber could be stable in the crust; it is favorable for efficient accumulation of voluminous magma. In fact, the large-volume felsic volcanism occurs exclusively in the region of low crustal strain rate. The low crustal strain rate is considered to be essential for the formation of large-scale felsic volcanism. The large-volume felsic volcanic activity is present in the compressional tectonic stress field as well as in the extensional one; the difference in arrangement of principal stress axes is not related to the occurrence of voluminous felsic volcanism.