著者
高橋 智子 齋藤 あゆみ 川野 亜紀 朝賀 一美 和田 佳子 大越 ひろ
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.347-354, 2002-04-15
被引用文献数
9

The necessity of tenderizing meat for the elderly and complete denture wearers was apparent after evaluating the influence of the hardness of the meat samples on the ease of feeding persons with different chewing capability. Meat samples were tenderized by soaking in a sodium hydrogen carbonate solution and then heat treated by vacuum cooking. The hardness of the meat samples decreased with increasing concentration of sodium hydrogen carbonate in the soaking solution. A sensory test showed that the ease of feeding of persons increased with decreasing hardness of the meat samples, while hydration of the meat protein was increased. The apparent hardness of the meat samples increased with decreasing compression speed, so that the chewing rhythm of complete denture wearers and of the elderly was slower than that of dentate subjects. The results indicate that meat was not sufficiently masticatable as a food for the elderly and the complete denture wearer as compared with the dentate subjects since the compression speed depended on the apparent hardness of the meat samples in this study. The overall results reveal that tenderizing meat by sodium hydrogen carbonate soaking made it easier to feed the elderly and the complete denture wearers.

3 0 0 0 OA 修養瑣言

著者
高橋鷹蔵 著
出版者
北文館
巻号頁・発行日
1916
著者
河原塚有希彦 高橋誠史 宮田一乗
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 : ヒューマンインタフェース研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111, pp.45-51, 2003-11

本報告では、画像処理による位置検出技術を用いた新たな画像提示の環境、“ViewFrame”システムを提案する。本手法は、「窓越し現実感」というコンセプトの下に、窓の代わりに設置したディスプレイ上に、ユーザの視点移動に伴い変化する窓越しに見える景色をシミュレーションして提示するものである。本システムはリアルタイム性が強く求められるために、グラフィックボードのピクセルシェーダ機能を用いて、ハードウェアによる画像処理の高速処理を行った。本システムにより、自然なインタラクションで景観の奥行き知覚や3次元物体の形状認識が容易になる。また、本システムの実装例として「借景」を制作したのであわせて報告する。 : An interactive image viewer, “ViewFrame”, by means of image-based position sensitive detector is proposed. In this paper, the new concept, “window-though reality”, is introduced. A window in a room is replaced with a LCD or another flat screen, and this system displays a view-depended CGI scenery that would be seen from an observer. This system is required to react to user’s action in real time; therefore the image processing is implemented by means of pixel-shader functions for GPU to accelerate the process. This system makes it possible to recognize the depth of image and three-dimensional shapes easily by natural man-machine interaction. An application of this system, “ Shakkei”, is also reported.
著者
小林 憲正 遠西 寿子 坪井 大樹 酒井 貴博 金子 竹男 吉田 聡 高野 淑識 高橋 淳一
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.39-46, 2008-03-31

炭素質コンドライトや彗星中に種々の複雑有機物が検出されていることから,地球外有機物が生命の誕生に重要な役割を果たした可能性が議論されている.隕石・彗星中有機物の起源としては,分子雲中の星間塵アイスマントル中で宇宙線・紫外線エネルギーにより生成したとするモデルが提案されて いる.われわれは模擬星間物質に重粒子線を照射することにより高分子状の複雑有機物に結合したアミノ酸前駆体が生成することを見いだした.このような高分子状結合型アミノ酸は遊離アミノ酸と比較して宇宙環境で安定であること,円偏光照射によりアミノ酸エナンチオ過剰を生じうることなどが わかった.これらの知見をもとに生命の起源にいたる新たな化学進化シナリオを提案する.
著者
武田 英明 嘉村 哲郎 加藤 文彦 大向 一輝 高橋 徹 上田 洋
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本発表ではLinked Dataをいかに日本で普及させていくかについて課題を述べると共に著者の活動を紹介する。著者らはLODAC Projectという日本のデータをLinked Dataとして公開する活動を行っている。その一つとして現在取り組んでいる芸術情報のLinked Dataについて紹介する。
著者
一ノ瀬 友博 高橋 俊守 加藤 和弘 大澤 啓志 杉村 尚
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.7-13, 2008-06-30 (Released:2009-06-30)
参考文献数
30
被引用文献数
5 2 1

Biotope (habitat) type maps are essential as base maps for land use planning and biodiversity conservation. Actual vegetation maps are often used as the base maps, though important information for biotope evaluation such as vegetation structure and anthropogenic land modification is not shown enough. We proposed a procedure of biotope type mapping for rural areas and drew a prototype map. We classified biotope types following German system of biotope classification in some part and also considering soil moisture of rice paddies in winter, bank modification of irrigation canals, vegetation management frequency in grasslands and density of woodland understory.
著者
高橋 有里
出版者
岩手県立大学看護学部
雑誌
岩手県立大学看護学部紀要 (ISSN:13449745)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.31-41, 2007
被引用文献数
6

本研究の目的は,乳児の母親の育児ストレス状況とその関連要因を明らかにすることである.対象は,岩手の2村に住む乳児の母親199人である.6つの尺度,育児ストレス,対児感情,母性意識,夫との関係性のストレス,特性不安,そして特性怒りについて調査した.その結果,育児ストレスは,パーソナリティとしての不安になりやすさをベースに,夫との関係性のストレスや子どもへの否定的感情,母親役割の非受容感が影響していた.しかし,怒りやすさや子どもに対する肯定的感情は影響していなかった.乳児期の育児ストレスは怒りよりも不安や抑うつ感が主となっていると考えられた.また子どもに対して肯定的感情を持っていても育児ストレスが低いとは言えないことが明らかとなった.また出産直後からの人的支援は子どもの肯定的受容を促進すると考えられるが,それだけでは育児ストレス軽減には充分ではないことが分かった.また,生後6ヵ月頃からの子どもの発達の特徴は,母親の育児困難感を高める要因となり乳児期の育児ストレスに影響していると推測された.さらに,専業主婦や働いている母親よりも産休中・育休中の母親のほうが積極的・肯定的な母性意識が低く,逆に消極的・否定的な母性意識が高く,子どもに関連した育児ストレスが高いことが明らかとなり,産休・育休中の母親への支援が重要であると考えられた.
著者
高橋 征仁
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.60-75, 2007-10-20

中学から高校,大学へと進むにつれ,日本の青少年は,一部の周縁的な規範に対して否定的反応を示すようになる.しかしそれは,規範意識の<低下>傾向を意味するのではない.むしろこの現象は,規範を分類するまなざしが高次化することで生じている.このことを明らかにするために,本稿では,規範どうしの類縁性やその精緻化プロセスに焦点を当てて道徳的社会化を捉える「類縁化アプローチ」を提唱したい.青少年の道徳的社会化とは,社会的経験が広がるなかで,幼児期以来の様々な禁止の意味を問い,自分の手で規範として分類し直すことで,道徳意識を再組織化するプロセスである.この類縁化アプローチにもとついて,山口県青少年調査(1992〜2004年)の非行観データを再分析したところ,対象者の非行観が,単純な善悪二元論(白黒2値)から,6つの規範モジュールの複合(6階調のグレースケール)へと高次化していくことが確認された.ヤンキー型規範を基準とした場合,最初に消費恋愛型や性規範型のモジュールが分化し,次に生活規律型が分化し,さらにタバコ型が分化し,最後にズル型が分化していた.他方,1990年代以降の時代的変容をみると,タバコ型と性規範型の類縁性が溶解し,喫煙や飲酒は,不健康型へとその意味を変質させていた.
著者
松村 秋芳 高山 博 高橋 裕
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.116, no.2, pp.202-206, 2008 (Released:2008-12-27)
参考文献数
29
被引用文献数
3

高等学校理科の検定済教科書における自然人類学に関連した記述(1952年以降)について調査した。これまでの学習指導要領の改訂の機会に学会の新しい情報がどの程度改訂版の教科書に盛り込まれてきたかについてしらべたところ,更新された記述内容は必ずしもその時代の新しい知見を反映していなかった。最近2回の学習指導要領の改訂では,霊長類としてのヒトという視点から基礎事項の記述が充実してきていることが見出された。人類の起源と進化について理解し,生物としてのヒトの本質を知るために,どのような教材が適切か,どの程度最新の知見を考慮すべきかは難しい問題だが,複合領域としての特性を生かした記載がなされるよう,配慮がなされる必要があると思われる。
著者
梅村 雅之 中本 泰史 朴 泰祐 高橋 大介 須佐 元 森 正夫 佐藤 三久
出版者
筑波大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2004

宇宙第一世代天体の誕生は、宇宙全体の進化、銀河の誕生、重元素の起源を解き明かす上で根源的な問題である。本計画の目的は、宇宙第一世代天体形成過程について、超高精度のシミュレーションを行い、その起源を解き明かすことにある。そのために、天体形成シミュレーションの専門家と計算機工学の専門家が、緊密な協力体制の下に重力計算専用ボードBlade-GRAPEを開発し、これをPCクラスタに融合させた宇宙シミュレータFIRSTを開発した。FIRSTは、256の計算ノード、496CPUからなり、2つのファイルサーバをもつ。また、分散したローカルディスクから一つの共有ファイルシステムを構築するGfarmシステムが導入されており、総計22TBのファイルシステムをもつ。FIRSTの総演算性能は、36.1TFLOPSであり、内ホスト部分3.1TFLOPS、Blade-GRAPE部分33TFLOPSである。また、主記憶容量は総計1.6TBである。このような融合型並列計算機の開発は、世界でも例を見ないものである。FIRSTを用いてこれまでにない大規模なシミュレーションを実行した。その結果、次のような成果を得た。(1)宇宙第一世代天体形成のダークマターカスプに対する依存性の発見、(2)初代星に引き続いて起こる星形成への輻射性フィードバックの輻射流体計算とフィードバック条件の導出、(3)紫外線輻射場中の原初星団形成シミュレーションによる球状星団形成の新たな理論モデルの提唱、(4)3次元輻射輸送計算による原始銀河からの電離光子の脱出確率の導出、(5)銀河団合体時の非平衡電離過程効果の発見、(6)アンドロメダ銀河と衛星銀河の衝突による“アンドロメダの涙"のモデル提唱。中でも(1)は、過去の他グループの計算に比べて2桁以上高い質量分解能を実現することによってもたらされたものである。この計算によって、従来の第一世代天体に対する描像に見直しが必要であることが明らかとなった。