著者
高橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.507, pp.17-21, 2007-01-19
被引用文献数
1

少子化が進む現代、出生率は低下し続けているが、逆に子供一人にかける親の期待と関心は増え続けている。しかし一方で、核家族化、地域社会の崩壊による"お母さんたち"の孤立化は、児童虐待などの新たな問題を引き起こしている。本研究における調査の過程においても、幼い子供を持つ母親たちからは、初めての育児のなかで、常に不安と焦りと孤独を感じているという声は非常に多く聞かれた。本研究では孤立化する母親たちを繋ぐネットワークとしてSNSを構築し1年間にわたって実際に運用をしながら、子育てに悩む母親達の交流を通じて子供たちの健全な育成にITシステムの側からアプローチを試みたものである。
著者
船越 徹 積田 洋 高橋 大輔
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.503, pp.129-136, 1998
参考文献数
14
被引用文献数
6 1

The purpose of this study is to clarify how people understands the structure of interior spaces. We made reviews for existing methods of cognitive maps, but it's difficult to analyze the spatial understanding by those methods, I.e. Image-Map, Sign-Map and Element-Recall Method. Therefore, we developed new cognitive map "Puzzle-Map Method", and applied to the interior spaces of 7 typical planning hospitals. As a result, it's very important to understand the interior spaces of hospitals that the clear structure from entrance spaces to derivation spaces, effective relationships between elements and each space.
著者
森 勝義 高橋 計介 尾定 誠 松谷 武成
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

1.マガキ液性因子の同定マガキの生体防御機構に関わると推測される液性因子を生化学的に特定した。まず、血リンパから210kDaのサブユニットからなるホモ二量体の420kDaのフィブロネクチンの精製に成功した。また、血リンパに少なくとも3種類存在すると考えられたレクチンのうち、約630kDa(22kDaと23kDaのサブユニットからなるヘテロポリマー)のEレクチンと約660kDa(21.5kDaと22.5kDaのサブユニットからなるヘテロポリマー)のHレクチンを精製した。さらに、殺菌因子として消化盲襄から17kDaのリゾチーム分子を精製し、食細胞による食菌後の殺菌に強く関与するミエロペルオキシダーゼがマガキ血球で初めて同定された。2.各因子の特性と細胞性因子との関係マガキフィブロネクチンはヒト、ニジマスフィブロネクチンとは血清学的に交差性はなかったものの、共通の細胞認識領域を持つことから、創傷部への細胞の誘導接着への積極的関与が推察された。Eレクチン、Hレクチンを含むそれぞれの活性画分に細菌に対する強い凝集作用が認められると同時に、凝集活性の見られない他の多くの細菌への結合も確認され、レクチンの幅広い異物認識機能が明らかになった。しかし、細菌への結合とそれに続く食作用のこう亢進との関連で期待された、オプソニン効果は見られなかった。精製された消化盲襄由来のリゾチームは、その特性からこれまで報告してきたリゾチーム活性を示した分子であり、外套膜由来リゾチームも同一成分であると考えられた。一方、至適pHが異なり、従来のリゾチームが示したのとは異なる細菌に対しても細菌活性を示す成分が消化盲襄に局在し、リゾチームとの関係に興味がもたれた。リゾチーム活性は血球には認められていないが、食菌後の殺菌を担う次亜塩素酸合成を仲介するミエロペルオキシダーゼの存在が証明され、細胞性の殺菌機構の一端が明らかとなった。
著者
田中 弥生 武田 晴人 山内 直人 三好 皓一 高橋 淑郎 西出 優子
出版者
独立行政法人大学評価・学位授与機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

非営利組織には、営利組織の利潤に匹敵するような業績判断基準が不在であること、それゆえに非営利組織の経営が困難であることを最初に指摘したのはP.F.ドラッカーであった。たしかに、評価の不在が、非効率な行動を招き、成長の機会を逃している。そこで、ドラッカーの非営利組織論の原点に立ち返りながら「社会変革性」「市民性」「組織安定性」の3つの基本条件を軸に、非営利組織の評価基準を作成した。まず、NPOセクターの現状分析を行なうべく、定量・定性的な分析を行なった。財務データベースをつくり、財政的な持続性にかかる財源の種類など要因分析を行なった。その結果、非営利組織の場合には、収益事業収入に加え、寄付や会費などを組み合わせたほうが財務的な持続性が高いことがわかった。またアンケート調査を実施した。その結果、社会変革の担い手になりたいという願望を持ちながらも組織体制や技術面で不十分なこと、さらには、社会的な信頼性が低く、市民との関係性がより希薄になっていることがわかった。次に、研究者および実践者によるチームを編成し、先の現状分析結果を踏まえ、社会的なイノベーション力を備えた望ましい非営利組織像に到達するためには、どのような条件を満たすことが求められるのか議論した。そして、評価基準策定工程をデザインし、先の議論からエッセンスを抽出し、33の評価基準にまとめた。また、33基準を満たしていることを確認するための105の自己チェック項目もデザインした。これらの研究成果は、6本の研究論文、4冊の図書にまとめられ、5回の学会発表、8回の講演で発表された。なお、研究成果を非営利組織が活用できるよう、これらの基準とチェック項目を「エクセレントNPO基準」と名付け、2冊のブックレットにまとめた。さらに、フォーラム、講演などで説明を行ったが、5大紙、雑誌などで取り上げられた。また、2011年1月には本評価基準を普及すべく、推進母体として「エクセレントNPOをめざそう市民会議」を発足させた。
著者
西野 和典 高橋 参吉 大倉 孝昭 大西 淑雅 山口 真之介
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

高校教科「情報」担当教員が専門的な知識や技能を得て、実践的な授業スキルを身につけるためのe-ラーニング教材を開発する。そのために、大学の教科「情報」の教職課程科目の授業内容をe-ラーニング教材にして、現職教員が働きながら学ぶことができる環境を実現する。また、インターネットを活用して遠隔から授業を評価するシステムを構築し、ベテラン教員から授業改善について指導を受け、相互評価を行い教科「情報」の授業のスキルアップを行う。
著者
高橋 浩一郎 土田 健一 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.469, pp.25-28, 2002-11-15

建物やトンネル,地下街における地上デジタル放送波の再遷信に漏洩同軸ケーブル(LCX)を利用するため,基礎的な検討を進めている.外来雑音を避けるためビル地階の通路に漏洩同軸ケーブルを敷設し,ダイポールアンテナを用いて電界強度とビット誤り率を測定した.実験の結果では電界強度はケーブル長さ方向に定在波状に変動し,急激な電界強度の落ち込みが観測された.また,送受信機を直結して得られる特性に対して,所要C/Nの劣化量は3dB以内であった.
著者
武田 裕子 大滝 純司 高橋 都 甲斐 一郎 稲福 徹夜 高屋敷 明由美 大滝 純司 高橋 都 甲斐 一郎 森尾 邦正 稲福 徹也 高屋敷 明由美 安井 浩樹 武村 克哉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本調査では、医師が専門とする診療科および勤務地選択の際の要因や関連する因子を探るべく、全国の医学部4年生・6年生ならびに研修医を対象に、アンケート調査を実施した。また、すでに専門診療科をもって診療している医師会会員(3県)にも同様の調査を実施した。回答者の属性や個人的な体験・考え方、生育地の規模が特定の診療科選択や最終的な勤務地の決定に影響することが見出された。回答した学生・研修医の2/3がへき地勤務を肯定的にとらえていることがわかった。また、勤務地の決定には生育地の規模が大きく影響していた。
著者
高橋 恵子
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

目的:親しい人間関係の発達を理解する代表的な理論である「愛着理論」と「ソーシャル・ネットワーク理論」を理論的・実証的に吟味した上で,両者を統合する理論として筆者が構築してきた「愛情の関係モデル」を提案し,妥当性を実証的に検討することをねらいとしたものである。研究の内容:ステップ1は2理論の基本的な相違を明らかにした上で,先行研究を概観し,人間関係は愛着をその一部として含むソーシャル・ネットワークとして捉えることが有効であるという立場から,筆者の「愛情の関係モデル」を提案した。「愛情の関係モデル」は,個人が持つ複数の重要な他者からなる親しい関係の性質を正確に記述し,さらに,個々人の複雑な関係のネットワークを類型化して個別の特徴をとらえて見ようというものである。ステップ2では「愛着理論」の測定具(Strange Situation Procedure,Doll Play,Attachment Interview,Attachment style)をわが国で使用する場合の問題を検討し,「愛情の関係モデル」の測定具(愛情の関係スケール,ARSと絵画愛情の関係検査,PART)を提案した。ステップ3では幼児から高齢者までの研究協力者から得た実証的な資料について4つの研究をした。最後に,愛着の機能を認めたうえで,それをソーシャル・ネットワークの中に位置づけることの大切さ,しかも,ソーシャル・ネットワークの個人差を記述することを可能にした「愛情の関係モデル」の重要さ,について論じた。
著者
高橋 真理
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、妊娠期女性の夢(睡眠中にみた夢:以下夢)の特徴を定量的に明らかにするとともに、ストレスフルなイベントと関連する不快な夢に対する認知行動療法の有用性を定性的に検討することである。1)妊婦50名、非妊婦12名を対象に、prospectiveに1週間にみた夢想起の特徴(頻度、夢の鮮明度、夢の内容)について検討した。夢をみた平均日数は、4.8日/週であり、妊婦と非妊婦および妊娠時期別での相違はなかった。また、夢の内容は、「妊娠・出産・赤ちゃんに関すること」、「家族とのこと」、「仕事・職場のこと」、「友人のこと」、「TV・アイドルのこと」、「日常の出来事」、「幼い頃、昔のこと」、「奇異な出来事」のカテゴリーに分類された。さらに、「妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢」について、妊娠時期別に夢想起の頻度を比較すると、妊娠初期では多い順に7番目のカテゴリーであるのに対し、妊娠中期は3番目、妊娠末期では2番目であり、妊娠の経過とともに、妊娠、出産、赤ちゃんに関する夢想起の頻度が高まることが示された。また、1週間で妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢想起の経験をもつ妊婦の割合は、妊娠初期20%、中期57.1%、末期57.1%であり、中期と末期とが初期よりも高率であったが、想起者ひとりひとりの平均夢数の割合では、中期67.9%に対し末期78.6%であり、妊娠中期、末期には妊娠・出産.赤ちゃんに関する夢を想起する妊婦の割合が増え、また、このような妊婦は妊娠経過とともに妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢の頻度も増加することが示された。2)「妊娠・出産.赤ちゃんに関する夢」31を内容別に分類した結果、「母乳に関する夢」、「妊娠による身体的変化に関する夢」、「胎児に関する夢」、「出産に関する夢」、「出産後の赤ちゃんのことに関する夢」の5つのサブカテゴリーに分類された。さらに妊娠時期別にサブカテゴリーの頻度を比較すると、妊娠初期は「胎児に関する夢」であったが、妊娠中期は「「母乳に関する夢」、「妊娠による身体的変化に関する夢」、「胎児に関する夢」、「出産に関する夢」、妊娠末期は「出産後の赤ちゃんのことに関する夢」に関する報告がほとんどを占めており、妊娠経過に伴い妊娠・出産・赤ちゃんに関する夢の内容が変化していくことが示された。以上、本報告書では妊娠期女性の夢に関する定量的な特徴を調査研究の結果に基づき記載した。事例による分析は、報告書に成果を纏めて報告する。
著者
金井 利之 岩橋 健定 斎藤 誠 高橋 裕 島村 健 金井 利之 國島 正彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

公共事業コントロール法の重要論点については,(1)公益確定手続に関して、政策評価,公共事業再評価,パブリック・インボルヴメントについて,国内の現地鯛査を踏まえた研究を進めた。(2)環境配慮に関して,環境影響評価,戦略的環境アセスメント,景観アセスメント,米国の湿地保誕法制に関する調査を行い,その公共事業策定手続への統合の可能性を検討した。(3)公共工事施行過程に関して,受注者選定手続・契約形態・支払方法の多様化,独占禁止法による談合抑止,企業内によるコンプライアンス体制の構築策について検討を進めた。土地利用規制をめぐっては、都市計画争訟手続,都市計画と時間の経過,建築確認制度,景観法の検討の他,米国,ペルーなどの現地調査を踏まえた比較法的研究も行った。特に,都市計画争訟手続については,具体的な立法的提案を可能とする成果が得られた。さらに,都市計画への環境配慮の統合,国立公園などの形での政府による財産権取得を通じた土地利用規制についても検討した。公共事業と土地利用規制が交錯する場面としては,計画間調控,地方自治体の制度改革,破綻処理についての研究を進めた。さらに,空間設計という視点から,公共事業手続と土地利用規制とを自治体のレベルで集約する可能性について検討した。以上の研究は,諸外国の研究成果や事例を踏まえて目本の事例を比較検討するとともに,法学,工学,政治学,経済学の各手法を取り入れる学際的手法によって行った。
著者
高橋 裕樹 オマールイスマイル 門林雄基 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.50, pp.21-26, 2003-05-21

Cookieのみでセッション管理を行っているウェブサイトでは、Cross-Site Scripting(XSS)脆弱性を利用した攻撃によってCookieが漏洩し,Cookieに関連づけられた個人情報が漏洩の危機にさらされる.この問題に対し,Webサーバ側でのXSS対策手法が存在するが,XSS脆弱性の危険性は軽視されており,また運用面での負担が大きいことから,これらの既存の対策手法には限界がある.本論文では,クライアントがWebページに入力した情報を利用してXSS脆弱性の有無を自動判定し,XSS脆弱性を持つWebページの情報を収集,共有するシステムを提案する.提案システムより,XSS脆弱性を狙った攻撃からユーザを保護することが可能になる.また,収集した脆弱性情報によって,XSS脆弱性を保持するサーバに対して警告を発することも可能となる.Cross-site scripting(XSS) attacks target web sites with Cookie-based session management, resulting in the leakage of privacy information. Although several server-side countermeastures for XSS attacks do exist, such techniques have not been applied in a universal manner, because of their deployment overhead and the poor understanding of the XSS problem. This paper proposes a client-side system that automatically detects XSS vulnerability by manipulating either client request or server response. The system also shares the indication of vulnerability via central repository. The purpose of the proposed system is two-fold: to protect users from XSS attacks, and to warn web servers with XSS vulnerabilities.
著者
河島 淳子 高橋 知恵子 山本 康子
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-22, 1998-02-10

トモニ療育センターでは,会員に対し月1回の自閉症児個人セッションと,月3回の母親学習会,年2回の父親懇談会,随時の電話相談家庭療育指導を行っている。本論では,強いパニック行動をもった自閉症幼児R子に,資料「自閉症児とともに」にのべたような指導を行った結果,顕著な改善を示したので報告する。第1部は母親の記録,第2部はトモニ療育センターの記録である。
著者
高橋 裕一 川島 茂人 相川 勝悟
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1270-1276, 1996
被引用文献数
9

将来予想される地球温暖化によりスギ花粉総飛散数がどのような影響を受けるかを予測した. 夏季の気温が2〜5℃上昇したと仮定すると平年並みの飛散年や少飛散年では気温上昇前に比べ総飛散数が2〜5倍に増加すると予想された. 大飛散年では増加は著しくなかった. 逆に夏季の気温が2〜5℃低下すると仮定すると総飛散数は激減すると予想された. 空中スギ花粉飛散シミュレーション法を用いてスギ花粉総飛散数に影響を及ぼす主な因子を調べた. 盆地やスギ森林地帯では夏季に形成された雄花量が大きく関係していること, 花粉発生源から遠く離れた平野部では飛散期の気象条件の影響を部分的に受けていることがわかった. 花粉飛散開始時期を前後しても総飛散数に大きな影響を及ぼさなかった.