著者
山下 裕之 上田 洋 高橋 裕子 三森 明夫
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.306-309, 2012-05-20 (Released:2013-04-12)
参考文献数
17
被引用文献数
2 5 1

The patient was a 74-year old male who presented with a skin rash, cough, and impaired consciousness. Adiffuse, systemic, dark red rash was observed and he was admitted. Varicella infection was diagnosed based on the varicella-zoster virus (VZV)-IgM levels. The extremely high VZV- IgG levels observed were unlikely to be present inaninitial infection and the infection was thought to be a reoccurrence. Diffuse nodular shadows measuring ≤5mm indiameter were observed on chest computed tomography (CT) ; this was consistent with the typical imaging findings of varicella pneumonia. The cerebrospinal fluid (CSF) was positive for CSF VZV-IgM antibody, CSF VZV-PCR, and CSF antibody titer index. A diagnosisofvaricella meningitis was made. When both respiratory and neurological symptoms are observed inpatients with varicella infection, it is necessary to consider a combined diagnosis of varicella pneumonia and varicella meningitis/encephalitis and perform chest imaging and a CSF examination. Repeated asymptomaticre-infection isconsidered necessary in order to maintaina life long immunity to varicella ; however, the opportunities for asymptomaticre-infection are decreasing with the declining birth rate and trend toward small families. As a result, reoccurrences of varicella infection in the elderly are expected to increase with rapidlyincreasing longevity.
著者
高橋 秀俊 小林 謙二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.179-194, 1985-03-05

「人間にとってふさわしい研究は人間である」 (The proper study of mankind is man) と英国の詩人アレキサンダー・ポープは言っているが, 科学の窮極の目的の一つは矢張り, 思惟する能力をもつ「人間」というものを理解することであると言えるのかも知れない. 科学も所詮は「人間」が作り上げた文化の一形態であり, 「人間」なしには科学も存在し得なかったのである. その意味で, 教科書の中の科学だけではなく, 実際に研究に従事した科学者の語るなまの「人間の言葉」も聞いてみる価値が大いにあろうかと思われる. 1977年が日本物理学会創立100年にあたることを記念して, 『日本の物理学史』(上)-歴史・回想編-; (下)-資料編-が日本物理学会編集により1978年に東海大学出版会から発行され, 日本の物理学界の指導的立場にあり, すぐれた業績をあげられた先生方の回想録が収められている. 物性理論に関連したものとしては, 久保亮五先生の「日本における統計力学の成立」, 永宮健夫先生の「物性論の発展のなかで」, 伏見康治先生の「日本における物理学の成立」という大変興味深い回想録があり, 我が国における物性理論の発展の様子を可成りの所まで窺い知ることができるが, 十分とは言えないように思われる. そこで, 上記の回想録を補足するという意図も含めて会誌の編集委員の末席につらなる小林謙二が幾人かの物理学者にインタビーーし, 「我が国における物性論の草創時代」というテーマで, 御自身の研究の動機や当時の物理学者群像などを回想して頂き, ここにまとめた次第である. 1回目として, 我が国における物性論の草創時代 (1940年代) に活躍された東京大学名誉教授で慶応大学客員教授でもある高橋秀俊先生 (1962年度と1967年度の日本物理学会会長で, 1980年度の文化功労者にも選ばれている) の回想談をしるすことにしよう. 何分にもインタビュアーの非才のために質問の拙なさから重複するところがあったり, 余り意を尽していないような所もあるかとも思われるが, その段は読者諸賢の御海容をたまわりたい.
著者
高橋 義宣 河原崎 正貴 星野 躍介 本多 裕陽 江成 宏之
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.428-431, 2008-09-15
被引用文献数
1 4 1

アンセリンは回遊魚や渡り鳥など持久力を必要とする動物の筋肉に多く存在することが知られており,マウスの強制遊泳試験によりその抗疲労効果が確認されている.サケ肉より抽出したアンセリン含有サケエキス(SEAns)を用いてヒト臨床試験を行い,疲労の低減に関する効果を検証した.SEAns摂取群は対照群と比較して,筋肉疲労の血中マーカーであるクレアチンホスホキナーゼおよび精神ストレスの血中マーカーであるコルチゾールの有意な減少,さらに運動継続時間の減少を抑制する傾向も確認された.以上の結果より,SEAnsには筋肉疲労,及び疲労感(精神ストレス)を低減する効果があると考えられた.
著者
高橋 賢一郎 安田 英史 松本 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.599, pp.143-150, 1997-03-19
被引用文献数
31

ペンを用いるオンライン手書き文字認識では、ペン位置の時間に関する情報がtrajectoryとして得られる。trajectory情報を用いないアルゴリズムももちろんあるが、小文ではペン位置のtime evolution(時間発展)を本質的に利用する。time evolutionを自然にとらえる確率的パラダイムの一つにHMMがある。他の一般的パラダイムと同様HMMもそのまま直接使えるわけではなく,オンライン文字認識の特徴を捕えた定式化とアルゴリズムが必要である。小文は認織・学習、そしてモデル生成に関する新アルゴリズムを提案し、教育漢字881字を対象とした初期的認識実験を報告する。
著者
有村 兼彬 高橋 勝忠
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究においては形態論が統語論と意味論と接触する現象に取り組んだ。伝統的な統語論研究において、統語論は語レベルの中に入り込むことはできないとされてきたが、有村は英語におけるN-A形容詞を調査し、統語論研究で提唱された原理や原則が形態論のレベルにおいてもその効力を持つことを示した。一方、高橋は日本語におけるN+A複合語(e.g.油っぽい、男っぽい)と統語的要素を含む複合語(薬っぽい、嘘っぽい)が形態レベルにおいて違いを示すという事実(i.e.油っぽさ、*薬っぽさ)を指摘し、形態的緊密性は構造的・意味的に捉えることができることを示した。
著者
高橋 圭一
出版者
大阪大谷大学
雑誌
大阪大谷国文 (ISSN:18815669)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.29-46, 2008-03
著者
浜渦 辰二 中村 剛 山本 大誠 福井 栄二郎 中河 豊 前野 竜太郎 高橋 照子 備酒 伸彦 竹之内 裕文 竹内 さをり
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

医療,看護,リハビリ,介護,福祉,保育,教育まで広がる「北欧ケア」を,哲学・死生学・文化人類学といったこれまでこの分野にあまり関わって来なかった研究者も参加して学際的に,しかも,実地・現場の調査により現場の人たちと研究者の人たちとの議論も踏まえて研究を行い,医療と福祉をつなぐ「ケア学」の広まり,生活中心の「在宅ケア」の広まり,「連帯/共生」の思想が根づいていること,などが浮かび上がってきた。
著者
高橋 晴子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.173-189, 2007-03-20

本稿は、現在、作成しようとしている身装電子年表に関する論文の最終稿である。本年表は、近代の日本を対象とした画像を含む電子年表であり、最終的にはWeb上での公開を目的としている。この年表の特色のひとつは、記載事項の選択基準をはっきりと謳っていることである。その選択基準とは、1)同時代の身装イメージの忠実な再現に役立つような内容(おもに画像によって示される)、2)80年間の身装の変容のステップを具体的に示すような内容、ということである。 本稿の目的は、上記の選択基準を前提として、同時代資料より年表記載事項を選択していくために必要な<重要テーマ>について論議し、<重要テーマ>を確定することである。最終的に33の重要テーマを抽出したが、その抽出方法は、身装をなり立たせている主たる要因を物的要因と社会的要因にわけて列挙し、それぞれの内容を時系列に添って分析するという方法を用いた。抽出した33の重要テーマは「身装の社会的評価」、「衣服改良・改良服」、「衛生、健康観」、「身体観」、「着装」、「衣服の構造、制作技術」、「素材」、「子供服、通学(服)」、「(和洋)アンダーウェア」、「フォーマルウェア」、「女性の和装一般」、「男性の和装一般」、「学生、女学生」、「装飾一般」、「副装品一般」、「男女の髪型一般」、「束髪」、「化粧一般」、「美容業、美容師」、「道路、街」、「照明」などである。
著者
澤口 裕太 福永 優 高橋 範行 木村 主幸 三澤 顕次 有澤 準二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.596, pp.5-8, 2003-01-17
参考文献数
11

我々はこれまでに金魚を対象に極低周波数磁場の生体影響について検討し,50 Hz磁場を曝露すると体色変化や尿排泄量の増加など,様々な生体反応が生じることを確認してきた。本報では,尿排泄量の増加が誘導電流に起因しているかどうかを確認するために,50 Hz 62 mT磁場で発生する誘導電流と同等の交流電流を金魚に通電し,尿排泄量の変化を観察した。その結果,磁場曝露と同様に金魚の尿排泄量が増加した。さらに,誘導電流は磁場の周波数と比例関係にあることから,周波数に対する尿排泄量の変化について観察し,50Hz磁場では尿排泄量が増加し,逆に10 Hz磁場では尿排泄量が減少する傾向を確認した。これらのことから,金魚の尿排泄量の変化が誘導電流に起因すること見出した。
著者
林 譲 横山 伊徳 加藤 友康 保谷 徹 久留島 典子 山家 浩樹 石川 徹也 井上 聡 榎原 雅治 遠藤 基郎 大内 英範 尾上 陽介 金子 拓 木村 直樹 小宮 木代良 近藤 成一 末柄 豊 藤原 重雄 松澤 克行 山田 太造 赤石 美奈 黒田 日出男 高橋 典幸 石川 寛夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008-05-12

東京大学史料編纂所が60年間にわたって収集・蓄積した採訪史料マイクロフィルムをデジタル化し、ボーンデジタルによる収集の仕様を確立し、一点目録情報などのメタデータを付与したデジタルデータを格納するアーカイヴハブ(デジタル画像史料収蔵庫)を構築し公開した。あわせて、デジタル画像史料群に基づく先端的プロジェクト・歴史オントロジー構築の研究を推進し、研究成果を公開した。
著者
高橋 達也 藤盛 啓成
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は、マーシャル諸島で1993年から調査して独自に設定した5821人のコホートの10年間における甲状腺がん、乳がん、肺がん及び白血病の罹患と放射線被曝との関連(放射線被曝線量-がん罹患反応関係)を明らかにすることである。現在まで、現地保健関係者らの協力でNuclear Claim Tribunal(NCT:がん登録)と病院記録でコホート構成員の甲状腺がん、乳がん、肺がん、及び白血病罹患状況の調査を継続している。NCTはマーシャル諸島の被曝者が放射線被曝の影響によると推定される病気になったときの医療費や補償金を支払うための機関で、米国とマーシャル政府の条約に基づいて設置されている。主ながん34種類が登録・補償対象になるのでほぼすべてのがん症例を把握している。また、登録・補償の権利はマーシャル住民が国外に移住しても失わないので多くの住民が国外から登録している。また、がんで死亡した場合は遺族が代理で登録し補償を受ける。マーシャル諸島には2つの国立病院、すなわち、マジュロ及びイーバイ国立病院がある。この病院は同国で唯一のがんなどを診断治療する施設である。これらのファイルから、がん症例をコホートの構成員かどうか確認している。現在までにコホートに甲状腺がん76例、乳がん17例、肺がん29例、白血病12例が発生したことが確認された。さらに、がん罹患の情報を継続的に収集する。コホート構成員のうち93年に6人、94年に32人、95年に72人が死亡している。さらに、死亡等によるコホートからの脱落数を現在調査中である。
著者
高橋 栄人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:13482858)
巻号頁・発行日
vol.9-1, pp.7-11, 2010 (Released:2010-06-10)

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