著者
片瀬 和子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.70, pp.13-19, 1999-05-21

昨今、絵画、写真、書籍等のコンテンツのデジタル化が本格展開されつつある。コンテンツのデジタル化の動向、デジタルコンテンツの利用をサポートする新たなビジネスの台頭について論じるとともに、デジタルコンテンツの利用拡大に向けた課題を検討する。
著者
小山 聡 馬場 雪乃 大向 一輝 堂腰 裕明 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SC, サービスコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.182, pp.1-6, 2014-08-13

多くの国々においてオープンデータめ取組みが進んでおり,様々な統計データが行政等によって公開されている.しかしこれらのデータは画像やPDFの形式で与えられるものが少なくなく,分析やサービスの開発などでの再利用を妨げている.そこで,クラウドソーシングを用いて,画像として与えられたレガシーな統計データを機械可読な表形式に変換する枠組みを提案する.その際,作業者に表だけを作成させるのではなく,画像をスプレッドシート上でグラフとして視覚的に再現させるタスク設計を行った.このタスク設計により,データの誤りに気付き易くなる効果に加えて,再現されたグラフオブジェクトのプロパティとして項目名や系列といったデータの構造を容易に取り出し,作業結果の統合や品質管理に利用することが可能となる.国土交通省が公開している観光白書を対象に評価実験を行い,提案手法の有効性を検証した.
著者
山口 俊光 渡辺 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.408, pp.121-124, 2006-11-29
被引用文献数
1

In this paper, we propose a new method of assisting Kana-Kanji conversion for people with visual impairment. There are many homophone words in Japanese, shosai yomi is one of effective methods of assisting. However, it is difficult to decide with shosai yomi when semantic of word and semantic of kanji character are different. Our method, "Jisho setsume yomi", provides the sematic information of the word and usage. We developed program for evaluation and distributed it to people with visual impairment. We obtained generally positive respose from the evaluators.
著者
芹澤 照生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.210, pp.7-9, 2008-09-13

4次元空間を認知できるかの試みとして,超立方体を4次元空間で回転させ,その2次元への射影像がどの様に見えるかを検討した.シミュレータはC#言語で記述した.最初は回転する立方体が見え,その後4次元方向に膨らませたが,伸び縮みする変な物体にしか見えなかった.
著者
田路 賢太郎 瀬戸山 浩平 大川 泰弘 加藤 伸子 岡崎 彰夫 福井 和広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.472, pp.7-12, 2012-03-02

指文字は,聴覚障害に関わる人々が用いるコミュニケーション手段の1つであり,平仮名などの文字を対応する手形状で表現する.指文字を習得することは外国語を学ぶことに近い面があり,自然に使えるようになるためには,実際の会話で指文字を利用する経験を重ねる必要がある.このため,個人による指文字の習得は容易と言えず,指文字の練習を支援するためのシステム構築が望まれる.これに関して本研究では,パターン認識の技術による手形状識別を中心とした支援システムの構築を検討する.ここで,高精度な手形状識別には一般的に大量の学習データを必要とするが,このような学習データの収集には多大な労力を要する.そこで,CG技術により指文字の手形状CGを学習データとして生成し,その中からアンサンブル学習で有効なデータを選択する方法を提案する.この提案法の有効性を評価実験により実証した.
著者
清水 奨太 大谷 真 平原 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.165, pp.85-90, 2007-07-19

非可聴つぶやき声(Non-Audible Murmur : NAM)の音響的特徴とソフトシリコーン型NAMマイクロフォンの特性を明らかにした。NAMは「微弱な呼気による乱流雑音の声道共鳴音の肉導音」であり,特別に設計されたNAMマイクロフォンを体表に装着させることで検出できる。NAMマイクロフォンはほぼ個体差が無く, NAMマイクロフォンの周波数特性は約-17dB/oct.で高域減衰していた。NAMマイクロフォンの感度は-36dB(1V/1 Pa=0dB@1kHz)であった。NAMマイクロフォンを用いて収録された男性話者26名・女性話者17名(約630分)のNAM信号の音響分析を行なった。このNAM信号のSNRは約16dBであり,帯域は約3kHzであった。NAM信号の長時間スペクトルは500〜800Hzにピークがあり,約-17dB/oct.で高域減衰していた。このNAM信号の長時間スペクトルからNAMマイクロフォン特性を補正して求めたNAM本来の長時間スペクトルは、200Hz〜300Hzにピークがあり、約-23dB/oct.で高域減衰していた。この結果は、声帯共鳴音が生体軟組織を伝搬する際の減衰特性の数値シミュレーションの結果とほぼ一致する。
著者
石塚 悠一 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.718, pp.1-8, 2000-03-22

近年、AI研究の分野ではマルチエージェント型ゲームであるサッカーの研究が盛んに行なわれている.しかし、サッカーゲームは不完全情報下での実時間分散協調システムとしては、考慮すべき他の要因が多過ぎて現段階では系統的な研究・考察が困難である.そこで、本稿では不完全情報下における推論と、エージェント間の協調性の2つの問題点を含む単純化したマルチエージェント型テニスゲームを作成する.不完全情報下で協調性の有無や環境の違いにより結果にどのような相違が生まれるかを実験を通して比較・考察する..
著者
増田 哲也 渡邉 雄一 松本 真佑 佐伯 幸郎 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.479, pp.89-94, 2014-02-28

従来多くのコンテキストアウェアサービスでは,表現可能なコンテキストが現在の状況に限定されていた.そこで我々は先行研究において,ホームネットワークシステム(HNS)に蓄積された住宅ログを活用することで,過去の状況も考慮したより高度なコンテキストを表現する手法を提案している.この先行研究では,住宅ログを用いたコンテキスト(ログコンテキスト)の定義と活用について提案を行っているが,具体的なシステムの実装にはいたっていない.そこで本研究では,実際のHNS環境(CS27-HNS)で蓄積している環境センサの値とそのログに対象を絞り,それらを利用した環境ログコンテキストを取得するシステムを設計・実装する.実装においては,ログコンテキストをできるだけ容易に作成・管理できるように,システムをアプリケーション,ログコンテキスト,ログクエリ,DB接続の4つのレイヤで構成した.また実装したシステムを利用して, CS27-HNSにおいて実用的な環境ログコンテキスト「昨日より5℃以上寒い」「ここ数年で最も寒い」を定義し,システムを通して実際に取得できることを確認した.
著者
柳瀬 康二 高橋 洋一 柳内 進吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.293, pp.15-18, 2009-11-12

インメモリ処理技術を中心に置いて開発されたデータウェアハウス用DBエンジン「EXASOL(エクサソル)」には、クラスタリング、列ベースのデータ格納、データ圧縮、自動インデクス作成機能などのアーキテクチャも採用されている。これらの技術により、EXASOLはTPC-Hのデータ量で区分されたいくつかのカテゴリにおいて第1位のパフォーマンスをマークした。本稿では、データベースの性能向上に寄与する高速化技術に加え、構築・運用の容易性、および高可用性のためのフェールオーバー機能についても言及する。
著者
原 直 笠井 昭範 阿部 匡伸 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.479, pp.29-34, 2014-02-28

本研究ではあらゆる環境音を対象とした集合知としての環境音データベース構築を目的とする.例えば,環境音の一つとして環境騒音問題を考えると,車や鉄道などの特徴的な音だけではなく,道や公園の賑わいのような生活雑音も考慮する必要がある.しかし,日常的かつ広範囲な音を少人数で収録することは容易ではない.そこで,クラウドソーシングによる収録を行うことで,環境音測定に必要な膨大な空間を覆うことを目指す. Android OSを搭載したスマートデバイスで動作するアプリケーションの試作を行い,さらに収録音の集積と閲覧のためのサーバシステムの試作を行った.また,スマートデバイス搭載のセンサ群の精度を検証するために,騒音レベルの校正と環境音収録実験を行った.実験では900分の環境音データを収録し,収録された騒音レベルと主観的な評価値の関係性を分析した.
著者
伊藤 浩二 飯塚 京士 村山 隆彦 小林 透
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.272, pp.121-128, 2009-11-05
参考文献数
11
被引用文献数
13

セマンティックWeb技術を用い,ユーザの年齢,性別,操作履歴,同行者,ユーザが指定した条件など,様々なコンテキストから,ユーザの嗜好を推定するユーザ理解モデルの検討を行った.セマンティックWeb技術で用いるオントロジを重み付き有向グラフに拡張し,ユーザの嗜好をグラフの重みとして統一的に扱う事により,様々なコンテキストを考慮した行動支援が可能となる.本モデルをレストランナビゲーションサービスに適用し,ユーザに適するレストランを推定する事により,様々なコンテキストに基づく行動支援が実現可能である事を確認した.
著者
尾崎 真 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.313, pp.49-54, 2006-10-20

前報では,音圧マイクロホン対による音源方向分離に関する検討[1]を行い,音源探査のための3次元音響インテンシティマイクロホンプローブに適用し[2],音響インテンシティ計測に有用であることを明らかにした.本報告では,このマイクロホンシステムを音声と騒音の音源方向分離に適用できるかどうかを検討している.ここでは,指向性が双指向性あるいはカージオイド特性のマイクロホンシステムを採用し,その指向性のデップ特性を利用して,その出力のFFT結果と全指向性マイクロホン出力のFFT結果のレベル差に着目して,両者振幅スペクトルの差成分に関する逆フーリエ変換を行って音声信号だけを抽出することが可能かどうかを検討している.実験結果から,本システムの有効性が検証できたので報告する.
著者
佐藤 奨 坂野 秀樹 板倉 文忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.97, pp.41-46, 2011-06-16

本研究は,楽曲推薦の特徴量に利用出来るような音響特徴量,特にラウドロック系の楽曲を特徴付ける音響特徴量の提案をする.ラウドロック系の楽曲は,歪んだ音を出すエレキギター及びベース,激しく叩くドラムの音が特徴的であり,上記の楽曲と,それ以外の楽曲とを混在させた曲順で聴くことはほとんどない.よって,両者を分類できる特徴量は,有用な特徴量となることが期待できる.本稿では,提案した音響特徴量を用いて,ラウドロック系,J-pop,ニューエイジ系の自動ジャンル分類実験により客観評価を行った.最も良い条件の場合,ラウドロック系の楽曲とそれ以外の楽曲とを区別する2ジャンルの識別率が97%,3ジャンルの識別率が87%となった.さらに,この音響特徴量が楽曲の印象とどのような対応があるのか,印象尺度を用いた主観評価実験を行った.その結果,音響特徴量と「激しい」「騒々しい」「優しい」といった印象との間に,強い相関があることが確認され,提案する音響特徴量が,主観的尺度と対応することが明らかになった.
著者
高橋 英之 西村 望 大森 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.437-442, 2010-03-02
被引用文献数
1

自分の心を言葉だけで正確に語れるとは限らない.特に芸術などに対する嗜好性は,言葉で正確に表現することが困難である.本研究では,絵画鑑賞者の嗜好が鑑賞中の視線の動き(絵画上のオブジェクトに対する注意配分)に反映されるという仮説を立て,絵画鑑賞者の嗜好を視線の動きだけから推定することを試みた.我々の実験の結果,まず絵画に対する嗜好性と絵画鑑賞時の視線の動きの間には定量的な関係性があること,そしてこれらの関係性を利用することで視線の動きから絵画鑑賞者の嗜好をある程度即時的に推定可能であることが示唆された.
著者
本郷 仁志 石井 洋平 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.532, pp.1-6, 2002-12-13
被引用文献数
9

顔画像から性別と年齢を統合的に推定する方法を提案する.本稿では,顔画像から抽出した四方向面特徴を線形判別分析で学習した識別器をベースとし,性別・年齢のクラス分類の方法の違いによる推定率を比較する.特徴量としては,肌色情報で抽出した顔外接領域と目と口を囲む顔部品領域とから抽出した特徴量を用いた.HOIP顔画像データベース300名の正面顔画像に対して実験を行ったところ,性別推定では,男女混在分類において92%の識別率を得た.年齢推定においては,男女と性別で分け,年齢を10歳区分で学習することで,学習人物に対しては約70%,未知人物に対しては,約40%が得られた.本提案手法による性別及び年齢の推定が可能である見込みが得られた.
著者
吉岡 勇太 和田 俊和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.241-246, 2010-03-08

画像を用いたトラッキングや物体認識,複数画像の張り合わせなどに,SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)などの局所特徴量がよく用いられる.これは,SIFTが照明の変化や回転,拡大・伸縮などに対して比較的安定な特徴を生成するためである.しかし,SIFTの計算量は多いため,現在の汎用CPUではビデオレートで計算をすることはできない.このことは,より高速な計算が可能な局所特徴量SURF(Speed Up Robust Features)でも同様である.本報告では,SURFアルゴリズムを,ソフトウエア的な論理回路合成が可能なFPGA(Filed Programmable Gate Array)上で実装し,データ並列とタスク並列によって,ビデオレートで計算する方法を示す.
著者
森江 隆 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.162, pp.67-78, 2002-06-21
被引用文献数
2

脳の初期視覚系での特徴抽出モデルとして知られるガボールウェーブレット変換を画素並列動作で実現するLSIを核とする自然画像認識システム構築の試みについて述べる。まず,自然画像の特定領域を注視する処理として抵抗ヒューズを用いた大局的領域分割を行う。分割された各領域を個別に抽出し,ガボールウェーブレット変換を行う。得られたガボール特徴量を用いて,ダイナミックリンクアーキテクチャに基づく柔軟なマッチングにより認識を行う。特徴抽出までの処理をハードウェアで実行するために,画素並列で動作するLSIをパルス変調信号を用いたアナログ・デジタル(AD)融合回路アーキテクチャに基づいて設計した。本稿では特に,(1)パルス変調方式ピクセル回路を用いた大局的領域分割用抵抗ヒューズネットワークおよび抵抗ネットワーク型ガボールフィルタ回路とそのLSI設計例,(2)セルオートマトン型画像領域抽出アルゴリズムとそのFPGAへの実装例,(3)システム化の基盤となるLSI制御用FPGA搭載PCIボードの仕様について詳述する。
著者
中野 鉄平 彦本 里美 森江 隆 永田 真 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.248, pp.45-51, 2001-07-26
被引用文献数
1

本論文では, 画像の領域分割後に得られるエッジ情報を利用し, エッジで囲まれた領域を画素並列で個別に抽出するアルゴリズムとそれを実現するLSI回路構成を提案する.1画素毎に1処理モジュールを割当て, 隣接画素の状態で自分の状態を決めるセルオートマトン型のアルゴリズムである.提案する画素回路は極めてコンパクトなので, すでに提案されている画像分割用画素回路内に組み込むことができるが, 今回はFPGAに実装した例を示し, 画素並列処理がどの程度現状のFPGAで可能かを議論する。
著者
岩田 具治 斉藤 和巳 山田 武士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.114, pp.57-62, 2007-06-21

オンラインストアの収益を向上させるためには,顧客生涯価値(LTV)を高めることが重要である.従来のリコメンデーション法はユーザの興味と最も適合する商品を推薦する.しかしながら,従来法により必ずしもLTVが高まるとは限らない.本研究では,LTVが上昇する確率を最大化する新たなリコメンデーション法を提案する.提案法では,まずLTVの高いユーザに特徴的な購買パターンを抽出する.そして,抽出されたパターンと同じような購買行動になるように商品を推薦する.生存時間解析を応用し,ログデータから効率的に購買パターンの抽出を行う.また,効果的なリコメンデーションにするため,最大エントロピーモデルを用いてユーザの嗜好を推定する.LTVが高まることはユーザがサービスに満足した結果であるため,提案法はオンラインストアだけでなく,ユーザにとっても好ましいリコメンデーションである.音楽配信サイトの実ログデータを用い,提案法の有効性を示す.
著者
南谷 和範 半田 拓也 坂井 忠裕 伊藤 崇之 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.285, pp.11-15, 2006-10-05
被引用文献数
2

現在、Windows上のアプリケーションでは十分な点字ディスプレイの活用が行われていない。筆者らは、このような状況を改善し、視覚障害者に汎用的な情報提示環境を提供するため、以下の観点より、汎用点字ディスプレイ管理サーバの設計・開発を行った。1.単一の仮想点字ディスプレイの仕様を決定し、アプリケーションのドライバ開発コストを最小化した。2.点字ディスプレイの利用要求のアービトレーション(調停)メカニズムを策定した。