- 著者
-
袴田 友樹
千鳥 司浩
- 出版者
- 理学療法科学学会
- 雑誌
- 理学療法科学 (ISSN:13411667)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.5, pp.759-766, 2021 (Released:2021-10-20)
- 参考文献数
- 32
〔目的〕人工膝関節全置換術後に術後痛が持続していた症例に対して,知覚機能を向上させるための課題を実施し,歩行能力に改善を認めたため報告する.〔対象と方法〕対象は80歳代女性で,知覚機能の低下が生じ,歩行時痛や歩行能力の改善が認められないため,外来理学療法を行った.介入は,膝および足関節の位置覚課題,硬度識別課題,アライメント変化を認識する課題を行った.評価は,膝および足関節位置覚,硬度識別課題の正答数とした.〔結果〕膝,足関節位置覚の改善および硬度識別課題の正答数が増加した.さらに歩行時痛が消失し,知覚機能の向上,運動恐怖,自己効力感に改善を認め,歩行能力が向上した.〔結語〕人工膝関節全置換術後患者に対して,運動恐怖,自己効力感を考慮したうえで,知覚機能を高めていく介入の必要性が示唆された.