著者
松下 健治 秦野 諭示
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.189-192, 2007-03-01
参考文献数
1

情報漏えいは社会的な問題となっている.流出の形はさまざまだが,その大きな原因として情報を記録した媒体の盗難,紛失が大きな原因となっている.しかしながら,現代においてモバイル環境における情報利用は必要不可欠といえる.そこで,ユーザの組織外での情報利用を支援する情報保護システムの検討を行った.このシステムでは,携帯電話を用いてファイルを復号するためのワンタイムパスワードを取得し,情報の漏洩を防止することを特徴としている.本報告では,システムの概要を中心に述べる.
著者
稲森 真美子 ボスタマン アナス ムハマド 眞田 幸俊 南 英城
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.59-65, 2006-11-22
参考文献数
18

本研究は,時間変動DCオフセット環境下における周波数オフセット推定法を提案している.OFDM型ダイレクトコンバージョン受信機はその構成により,周波数オフセットに加えて自己ミキシングによるDCオフセットが受信信号を歪ませる.また,受信機では,AGC(Automatic Gain Control)による受信信号レベルの制御が必要である.この制御によりDCオフセットのレベルは変動する.時間変動DCオフセットの対策として,本研究ではHPF(High Pass Filter)の出力に微分フィルタを使用する方式を提案した.提案方法は,DCオフセットに対してHPFのみを使用する既存方法に比べ,優れた特性を得た.
著者
押田 和彦 大内 智晴 亀田 構造 大塚 整一 片上 勘次 浜田 定憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.93, no.403, pp.9-14, 1993-12-17
被引用文献数
1

本稿は、次世代の衛星放送用として、宇宙開発事団殿とNECが共同で開発を進めている、21GHz帯200W級進行波管のエンジニアリングモデルの設計および評価試験結果について述べている。この進行波管は、耐電力性・耐熱性に優れている結合空洞形遅波回路を有し、また高効率を実現するために速度テーパ付遅波回路および輻射冷却4段電位低下形コレクタを採用している。試作の結果、55%以上の高効率を達成し、電気的設計目標を満足するとともに、振動・熱真空等の環境試験を実施し、十分な耐環境性を有する設計であることが確認された。
著者
仁科 繁明 乾 敏郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.96, no.306, pp.7-12, 1996-10-17
参考文献数
14
被引用文献数
2

視点依存表現に基づく物体認識の理論では, 一つの物体に対していくつかの視点からのviewを記憶することによって任意の視点からの認識が達成されると考えられている. そこでは3次元的な構造情報の利用は全く考慮されていない. 本研究では2次元情報のみでは識別が困難であるように作成した刺激の組を用いて, 人間の物体認識システムが3次元構造情報をどのように利用しているかを検討した. 得られた結果はGRBF的な2次元的比較モジュールと3次元的比較モジュールの2つのモジュールが同時並行的に働いていることを示唆した. さらに, 試行を繰り返すことによって見いだせる学習の効果は特に3次元的比較プロセスで大きいことを示した.
著者
岡本 道也 鎌原 淳三 植田 和憲 下條 真司 宮原 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.1269-1276, 2002-08-01
参考文献数
4
被引用文献数
11

短時間で概要を把握するための映像コンテンツとしてダイジェストがある.スポーツダイジェストの場合,試合のもつストーリーをダイジェストにおいてユーザに提示する必要がある.本研究ではスポーツの試合のストーリー決定に教師付き学習プログラムC4.5を利用し,決定したストーリーに対応するシナリオテンプレートを用いて,ダイジェストを自動的に生成する手法を提案する.また,本手法を野球に適用しシステムを実装した.このシステムを用いて実際に行われた試合のスポーツダイジェストを生成し,朝日放送による試合へのコメントと比較を行った.その結果,本システムによって生成されたスポーツダイジェストと朝日放送によるコメントとの間に多くの関連性が見られることがわかった.
著者
守山 栄松
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.767-771, 1995-12-25

DS-SS受信機として,伝搬路の遅延プロファイルの瞬時S/Nの一番大きいパスのみを逆拡散する受信方式の特性解析を行った.本方式を,理想RAKE受信機と従来までの固定パス方式と比較した.相関器出力信号の累積分布から,S/N劣化量,実効枝数および誤り率特性の理論値およびシミュレーション値を求めた.
著者
原田 和郎 石原 好之 戸高 敏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.461, pp.1-5, 1996-01-18

磁気増幅器制御フォワード形コンバーバによる力率改善の検討を行った。本回路は,可飽和磁心の飽和期間が入力電圧に応じて変化することを利用して、特別な制御を用いることなく高力率を得るものである。入力電圧の変化に応じ、入力電流のピーク値ではなく電流パルス幅が変化することにより力率改善を図る方式のため、スイッチ等の回路素子に対する電流ストレスが小さいという利点を持つ。スイッチング周波数500kHzでの動作実験により、本回路の高力率動作を検証している。
著者
志沢 雅彦 磯 俊樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.261-269, 1995-02-25
参考文献数
24
被引用文献数
1

多重スケール局所微分フィルタの集合から,各点に複数の方向性をもつ多重方向場を検出するための基礎理論を提案する.異なる指向性をもつ多数のフィルタを用いる従来法や,Freeman & Adelsonの可操舵フィルタ(Steerable Filter)と異なり,本理論では,多重方向場を1個の基本拘束方程式で表現する.従来法において必要であった,出力の大きい指向性フィルタの選択処理は不要である.可操舵フィルタにおける出力の極大値探索も不要である.その代わり,多重方向を陽に求める解析解が導出される.本理論は,演算子形式の線形重ね合せの原理から導かれる.従来法においては,複数の方向性信号成分が,個々のフィルタの検出方向範囲内にある場合に,信号間の干渉作用の悪影響を受ける.そのため,鋭い指向性をもつフィルタが必要であった.本理論から導かれるアルゴリズムは,この干渉作用に影響されない.アルゴリズムを用いると,画像の多重スケール表現において,交差などの特徴的画像構造を低次の輝度微分情報から抽出できる.本理論は,脳内の1次視覚野のハイパコラム構造における多重スケール・多重方向画像表現に新たな理論的基礎を与えると期待される.
著者
山本 正信 川田 聡 近藤 拓也 越川 和忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.71-83, 1996-01-25
参考文献数
25
被引用文献数
78

本論文では, 3次元的に動作を行っている人間を動画像により追跡する手法を提案している. この手法は, まず人体の立体形状をあらかじめCADモデルで構成しておき, このモデルを追跡開始フレームで人体像に一致させておく. 追跡は運動パラメータの推定と, 得られたパラメータに基づくモデルの移動を交互に繰り返すことにより達成される. 運動パラメータは人体をロボットとみなしたときのアームパラメータである. パラメータの推定は時空間こう配法による直接推定である. 実際に, 階段を下りる, 椅子から立ち上がる, コーナを曲がる,などの動作の動画像追跡により本手法の有効性を確認している. また, 追跡結果をCGアニメーションにより再現し, 3次元の追跡であることを強調している.
著者
富岡 淳樹 小川 宏 中村 高雄 高嶋 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.618, pp.25-30, 1999-02-25
被引用文献数
1

本稿では音声データに対する電子透かし、中でも周波数成分値の量子化による電子透かし埋め込みアルゴリズムについて、種々のパラメータを変化させ、最適な値を求めることを目的とする。ここでいうパラメータとは周波数変換時のブロックサイズや量子化の際の量子化ステップ、埋め込み周波数帯域などを指し、透かし埋め込み後のSNR、非可逆圧縮後における透かし情報の存続率がこれらパラメータの変動によってどのように変化するかを調べ、最適なパラメータを検討した。実験の結果、音声の電子透かしにおける最適なパラメータは画像への電子透かしとは異なるという結論を得た。
著者
上山 憲昭 森 達哉 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.165-170, 2006-02-23
参考文献数
17
被引用文献数
3

近年,ワーム,ウィルス,DDoS等が引き起こす異常トラヒックが,ネットワークに深刻な被害をもたらすことが問題となっている.DDoSの踏み台にされたホストや,ワームやウィルスに感染したホストは,個々のフローサイズは小さいものの短時間に大量のフローを生成するという特徴がある.そのため,短時間に大量のフローを生成するホスト(フローHog)を早急に特定し,ネットワークから切り離すといった対処をとることが重要となる.本稿では,フローサンプリングによって得られた情報からフローHogを高精度に特定する方式を提案する.
著者
KIM Jinyoung LEE Joohun SHIRAI Katsuhiko
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on fundamentals of electronics, communications and computer sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.85, no.9, pp.2164-2168, 2002-09-01
参考文献数
9
被引用文献数
13

In this paper, for real-time automatic image transform based lip-reading under illumination variations, an efficient (smaller feature data size) and robust (better recognition under different lighting conditions) method is proposed. Image transform based approach obtains a compressed representation of image pixel values of speaker's mouth and is reported to show superior lip-reading performance. However, this approach inevitably produces large feature vectors relevant to lip information to require much computation time for lip-reading even when principal component analysis (PCA) is applied. To reduce the necessary dimension of feature vectors, the proposed method folded the lip image based on its symmetry in a frame image. This method also compensates the unbalanced illumination between the left and the right lip areas. Additionally, to filter out the inter-frame time-domain spectral distortion of each pixel contaminated by illumination noise, our method adapted the hi-pass filtering on the variations of pixel values between consecutive frames. In the experimental results performed on database recorded at various lighting conditions, the proposed lip-folding or/and inter-frame filtering reduced much the necessary number of feature data, principal components in this work, and showed superior recognition rate compared to the conventional method.
著者
白戸 仁博 佐々木 整 竹谷 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.619-626, 2000-06-25
被引用文献数
15

病弱児童生徒などの学習機会や学習情報の提供, 学校間連携による多様な選択科目の導入や単位の取得の支援, 生涯教育への利用など, 様々な分野での遠隔教育の必要性は非常に高く, これまでに様々な遠隔教育システムが提案, 実用化されている.しかし, これら既存の遠隔教育システムには, 設備や運用面などで様々な問題点が指摘されている.本論文では, 遠隔学習の新たな可能性の一つとして遠隔教育にバーチャルリアリティ技術を用いたバーチャルスクールの提案を行う.また, これまでに開発したバーチャルスクールのプロトタイプをもとにバーチャルスクールによる遠隔教育の可能性を考察する.更に, プロトタイプシステムを用いて行った, 実験授業について報告する.
著者
佐々木 整 竹谷 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.1564-1574, 1998-11-25
被引用文献数
1

対象を要素の集合, その順序関係を技で表現したマルチレベルグラフ(階層構造グラフ)は認知マップをはじめ, 多くの構造表現として活用されている.一般にグラフは同じ構造でもその描画法が異なると, 人間のとらえ方や理解のしかたも変化する.本論文では, 筆者が提案した2要素官の重要度の概念を応用した要素の重要度の概念をもとに, 構造的な関連性を考慮したマルチレベルグラフの図解的表示法であるIllustrative Mapping法の提案を行う.また, 従来手法との比較評価を, 被験者による理解のしやすさの定性的評価とグラフ描画の見やすさの定量的尺度に基づいた評価の両面から行い, 提案手法の有効性と実用性を示す.
著者
瀬尾 邦彦 白川 貴志 杉本 恒美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.494, pp.7-11, 2008-02-19
参考文献数
4

現在世界には多くの地雷が残存し、その除去作業が行われている。しかし既存の電磁波を使用した地雷探査法では、雨季の東南アジアなどの地面が冠水した土壌での探査が困難となる。本研究ではこのような冠水土壌中の極浅層部分の地中探査を目的とする。室内実験にて冠水土壌中での120kHzの超音波伝播を測定した結果、音速約1500m/s、減衰約-19dB/mの超音波伝播が確認された。この結果を踏まえ、冠水土壌中極浅層部分の地中映像化を行った。
著者
清水 敬益 半谷 精一郎 宮内 一洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

音声から抽出したマルチパルス中のサブパルスの位置と振幅の座標が短冊状に分割したスロットのどこに入るかを調べ、その振幅座標をニューラルネットワークに加えたところ、100人の同日音声について98.4%の話者照合率が得られた。この方法によると位置情報の差異をうまく捉えることができるが、振幅情報の差異は必ずしも有効に捉えているとはいえなかった。そこで、サブパルスが現れる位置-振幅領域に20×20の小領域を割り当て、各小領域に何個のサブパルスが存在するかという情報をニューラルネットワークの入力層に与えることにした。本報告では、その際の小領域の形状と大きさについて検討した結果を述べる。
著者
山本 裕紹 六車 修二 佐藤 剛 早崎 芳夫 永井 芳文 清水 義則 西田 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.165, pp.37-42, 1998-07-03
参考文献数
4
被引用文献数
2

フルカラーLEDパネルを用いた偏光眼鏡式立体ディスプレイを試作した.右眼用と左眼用を入れこにしたステレオ画像の表示は, LEDパネルを用いて160×80×(×RGB)の画素数(1.28m×0.64mの大きさ)で行った.LEDパネルを短冊に切った偏光フィルムで1列ごとに右眼用と左眼用とにマスキングした画像を, 偏光眼鏡で右眼用と左眼用の画像に分離して観察する.立体表示における観察距離と指向性の実験を行い、観察距離をLEDのドットピッチの3000倍程度に設定すればよく, 偏光マスクを設置しても指向性が狭くならないとの知見を得ることができた.
著者
岡田 裕也 大図 正孝 櫻井 輝子 稲葉 光治 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.105, no.608, pp.139-144, 2006-02-13
参考文献数
11
被引用文献数
3

本論文では,顔の3次元モデルに対して意図した印象の変化を生成させる試みについて述べる.顔の3次元形状とテクスチャは,レンジファインダで取得した距離画像から自動的に取得される多次元ベクトルによって表され,顔の多様性は主成分分析を適用することによって少数のパラメータで表現することができる.印象変換ベクトルを得るために,パラメータと与えられた印象に沿った顔の属性の間の関係を解析する.ここで,我々は,印象変換のために3次元顔画像を操作する方法として,この印象変換ベクトルを使用する方法を提案する.性差の印象に関する実験結果より,2次元顔画像情報のみを使用した以前のアプローチに比べ,顔の3次元情報の操作を行うことの優位性を確認した.