著者
ネットル ベンジャミン 広瀬 啓吉 峯松 信明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.603, pp.53-60, 2002-01-17
参考文献数
9

波形接続型音声合成におけるユニットフージョンによるスペクトル平滑化について実験的検討を行った。基本となる合成手法はVCVとVV単位のTD-PSOLAであり、合成単位の接続部(V-V)での不連続性を、フージョンユニットを用いたスペクトル変形によって除去するものである。音声の品質のために正弦波モデルと全極モデルを併用したスペクトル加工を採用した。日本語音声データベースをVCVとVV単位に区切り、DP法に基づく手法により自動的にピッチマークを付与した。スペクトル変形を施すことにより品質向上する接続部が認められた。これがどのような接続部であるかは今後の検討課題である。
著者
田口 安男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.93, no.508, pp.31-36, 1994-03-11
被引用文献数
1

構造化文書が扱えるドキュメントエディターAkaneでは、ODAの枠組みの中に罫線を柔軟に編集できる表内容体系を新設した。この内容体系では、罫線とセルの関係を利用し、表構造を罫線データとして表現している。このため文書構造を複雑にすることなく、マトリックス状でない表も扱える。本報告では、表内容体系の定義と、これに関連する技術課題(自動拡縮、頁分割)を構造化の視点から述べる。さらに、Akaneの表を使ったシステム事例を紹介する。
著者
大槻 典行 大貫 和永 宮永 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.111, pp.1-5, 2005-06-09
参考文献数
6
被引用文献数
1

雑音が重畳した音声から雑音を取り除く手法として, RSF(Running Spectrum Filtering)が提案されている.この手法は, 雑音のスペクトルを推定すること無く, 重畳した雑音を音声信号から除去する.RSFは, 周波数領域で時間的に変化する短時間スペクトルに対して, 各周波数毎に時間軸方向にディジタルフィルタを通過させる事で雑音を除去する方法である.周波数領域で行う雑音除去手法においては, 少なからずミュージカルノイズと呼ばれる耳障りな雑音が発生する.RSFにおいても, SN比の高くない音声信号に対しては, 処理後の音声信号でミュージカルノイズが顕著に現れる.ミュージカルノイズはRSFの分析窓幅に関係が深い.本報告では, この関係を実験結果で示し, このミュージカルノイズの発生原因を検討すると共にミュージカルノイズを軽減する方法を考察する.
著者
竹谷 隆司 河西 哲子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.283, pp.83-88, 2011-11-03
被引用文献数
1

物体ベースの注意選択は,物体あるいはゲシュタルト要因により群化した要素群全体に注意が誘導されるプロセスで達成される.本研究は左右視野に提示された刺激間の大きさ類似性と色類似性を直交させて操作し,2つの群化要因が同時に存在するときの注意誘導過程を,事象関連電位(event-related potential, ERP)を用いて検討した.注意視野の対側半球で増大するERPをその瞬間に注意する方向の指標とした.その結果,注意誘導は大きさ類似性によって刺激提示後約165-400 msで,色類似性によって約120-200 msで,独立に生じることがわかった.
著者
柴田 理瑛 河地 庸介 行場 次朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.410, pp.129-134, 2006-11-30

シーンを見ているとき、視覚系は特定の物理的手がかりに基づいて複数の視覚刺激を別々の物体としてではなく、一つのまとまりとして判断する。本研究では複数の視覚刺激が知覚的群化により一つの物体にされることを物体単一性(object singleness)の知覚と定義し、知覚的群化の要因(近接・閉合)が物体単一性の知覚をどのように制約するかについて、motion-induced blindness(MIB)を指標として検討した。本研究では、輪郭のみの正方形(外側ターゲット)の内部にさらに正方形(内側ターゲット)が配置され、回転する格子パタンに重ねられた。その結果、外側ターゲットの内向きと内側ターゲットの外向きのエッジ間の距離(gap distance)が0.51deg以内のときに、両ターゲットは一つのまとまりとして消失することがわかった(実験1A、B)。さらに、gap distanceが0.51deg以内であっても外側ターゲットの輪郭が閉合していない条件では、それらは別々に消失することがわかった(実験2)。これらの結果から、近接と閉合の要因は物体単一性の知覚にともに寄与し、視覚的アウェアネスを変容させることがわかった。
著者
岩宮 眞一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.533, pp.39-46, 2002-12-12
参考文献数
18
被引用文献数
4

一般に、映画やテレビのような映像メディアは、映像だけでは成り立たない。必ず音を伴っている。映像に伴う音は、映像作品の一部と言っていいであろう。我々は、一連の印象評定実験により、音が映像の印象に、映像が音の印象に影響を及ぼすことを明らかにしてきた。実験結果は、視聴覚の処理レベルに応じた、様々な視覚と聴覚の相互作用の存在を示唆するものであった。また、音と映像の調和感には、構造的調和と意味的調和の2つの側面があることが確認できた。我々が得た知見は、新しいタイプの映像メディアにおける効果的な視聴覚コミュニケーションの構築に寄与するものと期待できる。
著者
温 暁青 玉本 英夫 Saluja Kewal K. 樹下 行三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.224, pp.23-29, 1997-08-19

CMOS回路に発生する欠陥をよく表せる故障モデルとして, トランジスタ短絡故障モデルが多用されている. トランジスタ短絡故障モデルでは, 1つのMOSトランジスタにつき6つの故障が仮定されるため, 膨大な数のトランジスタ短絡故障を対象にしなけれげならない. 本稿では, 回路を構成するセル内に存在する等価故障の他, セル間に存在する等価故障をも発見することのできる新しい等価故障解析手法を提案した. ベンチマーク回路において実験した結果, 対象故障数を3分の1程度に減らすことができた. 本手法はI_<DDQ>テストによる故障検出と故障診断の効率化に役立つと思われる.
著者
竹原 幹人 大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.29-34, 2005-07-06
参考文献数
17

本論文では, Blogからニュース記事に対する意見を抽出し, Blogの書き手の興味を考慮して意見を提示するシステムの提案を行う.従来のWebではなくBlogという枠で考えることで, より最近の話題についての意見などの情報を提示することができ, また現在重要なものではなく今後重要になるかもしれない情報に着目することができるようになると思われる.Blogでは, 話題となっているニュースに対し, 書き手独自の視点に立った意見が書かれることが多い.多くのBlogからこのような意見を抽出し, 統合して提示を行う.またBlogには, 同じ書き手が書いた過去の記事が含まれる.これまでに書かれた記事から, 書き手の持つ興味を推測することが可能である.この興味を利用して意見を提示することで, ある話題に対しどのような人がどのような意見を述べているかを把握することができる.
著者
佐藤 好紀 野田 英行 杉村 武昭 長崎 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.374-383, 2011-01-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年,画像認識においてU-SURFのようなスケール不変特徴量抽出アルゴリズムが多く用いられている,U-SURFは,画像認識アプリケーションにとっては非常に有効であるが,実行には画像中に散在する多くの局所領域に対する処理が必要となり,超並列処理時において,処理並列度を高めることは困難である.そこで本研究では,U-SURFの組込み超並列処理プロセッサに対する最適な並列実装手法を提案した.U-SURFの局所特徴量抽出処理を積分画像をベースとして並列化することで,効率的な並列処理アルゴリズムを実現した.提案手法の導入により,MXコア併用時の局所特徴量抽出処理の実行時間は約1710msから約234msへ短縮し,約7.3倍の高速化を実現した.また,汎用RISCプロセッサのみ使用時とMXコア併用時のU-SURF,及びベクトルマッチングの実行時間は,40271msから991msへ短縮し,約40.6倍の高速化を実現した.評価結果より,組込み超並列処理プロセッサを使用したシステムにおける,提案手法の有効性を示した.
著者
石田 知子 遠西 学 中村 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.213, pp.47-52, 2011-09-15
参考文献数
8

Webという技術が登場してからわずか数年のうちにWebサイト構築における技術は大きく変化してきた.本学の情報科学部情報ネットワーク学科で開講されるディジタルコンテンツでは,開講以来Webサイト構築に関する学習を行ってきた.そこで,本研究ではこれまでのWebトレンドに対応した情報教育に関する考察をおこない,近年のWeb技術の変化に伴った新しいWebサイト構築技術学習のためのシラバスと支援方法を検討する.
著者
乙津 祐一 中井 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.389, pp.95-102, 1999-10-25
参考文献数
2

最近、成層圏(高度20km)に飛行船のようなプラットフォームを浮かべ、移動体通信、放送、データ伝送などに利用しようと言う動きが具体化してきた。郵政省,科学技術庁、通信放送機構共同の5ヶ年計画が動き出したところである。開発しようとしている成層圏システムは,静止衛星に比べて格段に自由空間損失が少なく,移動局側の小型化が可能である。 当社の人工地震による地下資源探査業務においては,末端のセンサシステム(RSU)を通常何キロもケーブルで繋いで,中央のデータ収集装置(CRU)に集めている。ここでは,それを無線化して成層圏プラットフォーム経由で,CRUにデータを収集するシステムを検討した。 当社の地震探査の現場では,RSUが数多く敷設され,それらが移動計測であることから,個々のRSUの回線設定が容易に、短時間で終了する必要がある。また,測定中,雨等でデータが中断することを極力避けたいと言う必然性もある。そのためには,移動通信に使われている2,3GHzが,最適なので,ここでは,無線局の免許が不要な2.4GHz(10mW)を用いて,オンラインデータ収集を検討したのでここに報告する。
著者
山田 玲子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.503, pp.41-46, 2004-12-11
参考文献数
25

日本語母語話者を対象とした英語音声の知覚、生成、語彙などに関する実験から、母語にない外国語の音韻は知覚・学習が困難であるが、音に着目した訓練を行うことにより、成人でも新しい音韻カテゴリーを形成できることが明らかになった。学習実験を研究手法として用い、訓練の他ドメインや他処理階層への般化効果(転移)を調べた。一連の実験結果、次のことが明らかになった。(1)知覚と生成の間には関連があり、子音では訓練効果が互いに転移する。(2)訓練刺激として視聴覚情報が与えられた場合、聴覚情報を主たる手がかりとして使用する。(3)文章の意味的文脈は、音韻知覚を促進する一方、意味的文脈性の高い文章を使った音韻知覚訓練は知覚能力が上昇しない。(4)音韻の混同が単語の意味の混同を引き起こしている。(5)単語翻訳学習課題において音声刺激を対呈示しても、翻訳成績、学習効果共に促進されない。これらの結果から、第二言語の音声学習における音声情報の重要性が示唆されると共に、意味的文脈ばかりに頼った学習は音韻知覚学習を阻害すること、音韻知覚の能力が音声単語の認知処理のボトルネックとなっていること、などが示唆された。本稿では、これら基礎研究の結果を紹介するとともに、外国語学習支援システムヘの応用の可能性を探る。
著者
西井 鈴木 良次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
信学技法
巻号頁・発行日
vol.89, no.235, pp.31-36, 1993
被引用文献数
2

複数の振動子結合系で,リズムパターンの記憶・想起を行う学習法を提案する.まず,各振動子に対して望ましい周波数・位相が教師信号として与えられる場合について述べる.学習時には振動子群に教師信号を強制振動として与えながら各振動子の固有振動数と結合荷重を変える.学習後には,望ましい周波数・位相差が安定に想起される.学習則は誤差項を陽に与える必要がなく,Hebbian Ruleのような単純な式で与えられる.次に,複数の振動子ネットワークによって任意の周期波形を学習する方法について述べる.学習においては誤差逆伝播といった,生体には考えにくいしくみは必要なく、局所的な情報だけで学習が行なえ、関数の微分も必要ない。
著者
青西 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.97, no.116, pp.17-24, 1997-06-19
参考文献数
13

ホップフィールドモデルと同じHebb学習を用いた振動子ネットワークの相転移現象を解析した. このネットワークには, 相対的な位相情報であるin-phaseとanti-phaseを埋め込むことができる. self-consistent signal-to-noise analysis (SCSNA) を用いた解析の結果, 記憶容量がα_c=0.042であることが分かった. これは, Cookのモデルより高い. しかしながら, 想記の品質は悪くなっている. また, 位相方程式の非対称性による加速効果を摂動展開により調べた. それに, 弱く結合したBVP (Bonhoeffer-Van der Pol) 振動子の記憶容量をシミュレーションにより求め, 我々の理論と現実の現象との差を評価した.
著者
與語 一史 新熊 亮一 小西 琢 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.372, pp.85-90, 2011-01-13
参考文献数
13

コンテンツアップロードとリンク形成の2つの要素で構成される,SNS(Social Networking Services)でのユーザ行動を活性化させるインセンティブ付与メカニズムを提案している.ユーザが異なるプライバシー設定(「全体に公開」と「友人に限定して公開」)でコンテンツをアップロードする際に感じるリスクの違いに注目し,その違いに基づき報酬の配分を行う.報酬配分により,コンテンツ閲覧数によって測られるSNSの活性度がどのように変化するのかを調査するため,SNSをモデル化し,学習ベースのシミュレーション行う.これにより,報酬配分比率によってSNSの活性度が制御できることを示す.また,活性度を最大化させる配分比率は報酬源の総和に依存することを示した.本稿では,アップロードコンテンツ数ならびに形成されたリンク数の増加が活性度にどのように寄与するか,調査した結果を報告する.
著者
與語 一史 新熊 亮一 小西 琢 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.228, pp.145-150, 2009-10-08
参考文献数
9

SNSをはじめとするソーシャルグラフを形成するサービスは,新たな情報流通プラットフォームとして注目されている.しかし,そのようなサービスにおいて,現在,積極的な情報提供が得られていないという問題がある.その理由として,多くのユーザにとって,情報提供のリスクなどの心理的コストが,提供した情報に対するフィードバックなどから得られる心理的効用より大きいことが挙げられる.そこで,本稿では,ユーザの貢献行動にインセンティブを与えることによって情報提供を促進する方法を提案する.我々の知る限り,SNS上でのインセンティブ付与に関する議論は学術的にはまだなされていないため,本稿では,まず,ユーザの行動・心理的要因のモデル化と成長するソーシャルグラフのモデル化を行う.そして,ユーザの貢献に基づく報酬付与方法を提案し,構築したモデル上でシミュレーション評価を行い,その有効性を示す.
著者
庄山 正仁 倉地 敏明 二宮 保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.614-620, 1995-11-25

力率改善形コンバータの出力端子間には,通常,大容量の電解コンデンサが用いられており,高周波スイッチングによるリプル電圧の低減と同時に低周波リプル電圧の低減も行っている.この場合,電解コンデンサにリプル電流が流れることにより,その等価直列抵抗において電力損失を生じ,素子温度を上昇させ,ひいては素子の寿命を短くしかねない.従って,この電解コンデンサを流れるリプル電流の実効値を正確に見積もることは,電解コンデンサの選定を的確に行い,期待寿命を確保するうえで非常に重要である.本論文では昇圧形の力率改善形コンバータを例にとり,出力端子間に用いられる電解コンデンサのリプル電流について詳細な解析を行った.具体的にはリプル電流を低周波成分と高周波成分に分け,それぞれの周波数成分におけるリプル電流の実効値を導出した.また,解析の妥当性を実験により確認した.
著者
堀井 洋 田井 秀樹 山本 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.115-120, 2006-07-07
参考文献数
10

近年オンライントランザクション処理システムに対する高可用化の要求が増してきている.従来,多階層で構成されるシステムを高可用化するには,各層個別の高可用化機構を連携させた複雑な構成をとる必要があり,また,障害検知時間に依存したサービス停止時間も必要であった.本論文では,オンライントランザクション処理システムをEnd-to-Endで高可用化する機構の提案を行い,その実装と検証を記述する.本機構では,クライアントは障害検知を待たず,応答時間が遅くなった時点で同じトランザクション要求を副系のアプリケーションサーバに対して再送する.正系,副系のデータベースサーバはPAXOSコンセンサスアルゴリズムを利用してトランザクションログを複製するとともに,重複したトランザクション要求のコミットを防ぐ.我々は,本提案手法を既存のWebアプリケーションに適用し,その評価を行った.その結果,本システムが一般的なWebアプリケーションに適用可能であることを確認した.
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 = IEICE technical report. IBISML, Information-based induction sciences and machine learning (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.279, pp.67-74, 2012-10-31
参考文献数
25

本稿では,非負値制約下における複数行列の同時分解法(Stacked Non-negative Matrix Factorization:sNMF)を提案する.sNMFは,行列同士の関係を利用して複数の非負値行列を同時に分解する手法であり,NMFを一般化したモデルとして定式化される.sNMFは,未定義領域有りNMFの特殊な例とも解釈できる.本稿では,データマイニングの分野で関心を集めている,ソーシャルメディアからの話題トピックと話題に関するユーザクラスタの同時抽出問題にsNMFを適用した.NMFと比較して,定量的にも定性的にもsNMFの利用によって解析精度の向上が確認された.