著者
小沢 和弘 相川 直幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.575, pp.21-28, 2001-01-19
被引用文献数
10

サンプリングレート変換は、サブコーディングやA/D・D/A変換などに広く用いられる重要な技術の一つです。通常、サンプリングコンバーターにはナイキストフィルタやフィルタバンクが用いられる。しかし、それらは非常に多くのメモリを必要とし、サンプリングレートが変わるたびに再設計しなければならない。そこで以前、我々は2次関数を用いた新しい補間カーネルの設計法について提案した。しかしながら、その方法ではより大きな阻止域減衰量を得るために1振幅あたりに使用する2次関数の数を増やそうとすると、多くのメモリが必要となってしまう。そこで本報告では補間処理の高速化ならびにカーネルを構成するために必要なメモリ量が少ない効果的な構造とその設計法を提案する。また、今回提案するカーネルは従来のカーネルと同様に任意のサンプリングレートに対応することが可能であるという利点を持っている。
著者
浅田 伸彦 岩村 雅一 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.183-188, 2011-03-03

本稿では,環境中のあらゆる文字・単語を認識する「全方位認識」の実現のために,厳しい射影歪みに対応する手法について検討する.我々は実時間認識可能,レイアウトフリー,射影歪みに頑健といった3つの要件を満たすカメラベースの単語認識手法を提案している.この手法は斜め45度から撮影した文字を認識できる頑健さを持つが,前述の全方位認識に際しては,射影歪みに対する更なる頑健性が求められる.そこで本稿では,前述の単語認識手法の文字認識誤りをオープンソースのスペルチェッカであるGNU Aspellを利用して補正する.その際,Aspellが持つ音素の類似性に基づくMetaphoneという仕組みを文字誤認識傾向に基くMetashapeに置き換える.提案手法を用いて実験を行った結果,文字が書かれた紙面に対して撮影角度が20度のときに単語認識精度には最大で約24%から約74%の向上が見られた.
著者
武藤 大志 多田 匡志 岩村 雅一 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.373, pp.109-114, 2010-01-14

近似最近傍探索は,クエリと最も距離が近い点を探索する最近傍探索の計算時間,メモリ使用量を大幅に削減する手法である.一般に精度,計算時間,メモリ使用量はトレードオフの関係にあり,その関係を解析することは,様々な場面に近似最近傍探索を適用する上で,重要な課題である.本稿では,ハッシュを利用した近似最近傍探索において,文献[1]〜[4]で行われている"隣接バケットを参照する"方策のモデル化を行い,精度とメモリ使用量に関して理論式を求める.そして,実験とシミュレーションにより理論式の妥当性を検証する.
著者
中居 友弘 黄瀬 浩一 岩村 雅一 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.742, pp.103-108, 2005-03-11
被引用文献数
1

本稿では, デジタルカメラを用いた新しい文書画像検索手法を提案する.提案手法は, デジタルカメラで撮影した文書画像の一部あるいは全部を検索質問として, それを含む文書画像をデータベースから検索するものである.これを実現するためには, 撮影時に生じる射影変換歪みに対処しつつ, 部分的な手がかりでも柔軟に照合する必要がある.この問題に対して, 提案手法では, (1)射影変換の不変量である複比を用いたインデックス付け, (2)ハッシュを用いた投票処理の2特徴により対処する.高解像度デジタルカメラと携帯電話付属のデジタルカメラで撮影した画像を用いた実験により, 提案手法の有効性を検証する.
著者
松村 雅史 辻 竜之介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.372, pp.7-12, 2005-10-20

笑いは, ストレス低減など生理学的あるいは健康的な効果があるとの報告がある.本研究では, 笑いと健康増進および介護予防に関わる生理学的要因の関係を明らかにするために, 笑い声の無拘束・長時間モニタリングするシステムの開発を研究目的としている.本研究では, まず, 日常会話の中で笑い声をハンズフリーかつワイヤレスで無拘束・長時間モニタリングするシステム(爆笑計)を開発した.本システムは, 頸部表面に装着した喉頭マイクロホンにより声帯振動を検出し, 会話音声中の中の笑い声は, 繰り返し発声が行われることを特徴量として識別できることを示す.
著者
山本 勝 武井 達哉 萩原 啓 堺 俊克 村上 由紀夫 後沢 瑞芳 山本 敏裕 村上 裕彦 三浦 治 平川 正明 中野 美尚 岡坂 謙介 浅見 佳司 金子 喜代三 佐々木 貴英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.594, pp.41-44, 2004-01-17
被引用文献数
3

陰極材料に炭素系材料であるグラファイトナノファイバー(GNF)を用いた電界放射ディスプレイ(FED)を検討している。今回、ガラスフリットを用いた窒素雰囲気中での封着プロセスによりパネル化し、動画像を表示して良好に動作することを確認した。また電子放出特性の測定も行い、次世代に向けた大画面・高精細・薄型ディスプレイとしての実現性を示した。
著者
奥野 孝英 森 光司 堀尾 喜彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.741, pp.23-28, 2004-03-19

スイッチト・キヤパシタ(SC)カオスニューロン回路を用いた,400ニューロンカオスニューロコンピュータを構築し,400ニューロンシステムに動的連想記憶を実装する.連想記憶におけるカオス的振る舞いは,実数の複雑さによってもたらせる.カオスニューロコンピュータに実装されているSCニューロン回路は,アナログ回路で構成されている.アナログ回路は,状態変数が連続値であるため,実数値を扱うことができる.従って,カオス的振る舞いを忠実に再現することができる.一方,デジタル計算機は,実数を扱うことが原理的に不可能である.本稿では,400ニューロンシステムの動作検証結果を報告するとともに,400ニューロン動的連想記憶におけるカオスニューロコンピュータハードウェアとデジタル計算機によるコンピュータシミュレーションの結果から,ネットワークの挙動の違いについての比較・検討を試みる.また,コンピュータシミュレーションでは,ハードウェアの特性を考慮して行う.
著者
河合 敦夫 Pishva Davar 村林 篤 椎野 努
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.136, pp.1-8, 1998-06-19

画像処理ソフトウェアの蓄積や、ハードウェアの低価格化、高速化により、各種画像処理応用システムが作られている。我々は、現在、菓子パンの種別(クロワッサン、メロンパン、・・・)を認識する画像処理系を試作している。パンの識別のための特徴として、大きさ、概形、輪郭線、色、テクスチャを考えた。大きさ、概形、輪郭線を用いた分類システムを作成した。個々の特徴のみでは、十分な分類はできないが、特徴の組合わせにより、65個中、59個の分類に成功した。また、色、テクスチャのみを利用して、14種類のパンの中心付近の領域の分類を試みた。色相、彩度の平均値、および、彩度、明度の同時生起行列のエネルギー値だけでは、分類がむずかしい領域も存在する。
著者
中村 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.445, pp.31-36, 1997-01-17
参考文献数
21

InGaN多重量子井戸構造レーザーダイオードで初めて室温連続発振で27時間の寿命が達成された。しきいち電流と電圧はそれぞれ80mA、5.5Vまで減少させることができた。しきいち電流密度は3.6kA/cm^2とまだかなり高い。レーザー発光スペクトルではきれいに縦モードが室温連続発振の状態で観測された。縦モード間隔は0.0.42nmであり、これは計算値よりも少し小さい。発光ピーク波長は405.83nmであった。これは現存する室温連続発振する半導体レーザーの中では最短波長である。発振スペクトルの温度変化を測定すると大きなピーク波長のモードホッピングが観測された。キャリア寿命としきいちキャリア密度はそれぞれ10nsec、1-2×10^<20>/cm^3と見積もられた。
著者
戸高 嘉彦 近藤 昭治 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.488, pp.13-20, 2002-11-22
参考文献数
6
被引用文献数
27

板状試料の複素誘電率、複素透磁率を効率よく測定する手段として、フリースペース・S-パラメータ法が用いられる。しかし一般的に,アンテナを使用したフリースペースは,サンプルホルダを使用した場合に比べて測定誤差が大きくなることが懸念される。このたび高精度アンテナ・ポジショナ,誘電体レンズ付きホーンアンテナを開発し,フリースペース法において板状誘電体試料を高確度で測定できることを確認した。
著者
沢 恒雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.470, pp.121-127, 2012-03-01

We have continued the development and the applied research of an information system by a GMA concept for 20 years. The basic function is offer of thinking support environment, group-decision-making support environment, and agreement formation support environment.
著者
長田 礼子 尾崎 哲 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.258-265, 2001-02-01
被引用文献数
17

本論文では, パスワードの代わりに手指の動きによる動画像を用いたリアルタイム個人認証システムを提案する.本論文で提案する手指動認証は, 秘密情報型, バイオメトリクス型の双方の特性を兼ね備えており, 従来技術と比較して正確な個人認証が可能となる特徴がある.本研究では同じ手指動パターンにも個人的な動作特徴があることに着目し, この特徴を抽出することにより個人認証を行う.また, 装置が簡単で, 自然な形での入力であるという点でもシステムは優れている.
著者
藤芳 衛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.1022-1026, 2009-12-01
被引用文献数
2

テストのユニバーサルデザインは,試験の開発当初から障害を有する受験者をはじめ,すべての受験者に公平に配慮して試験を設計する手法である.試験の設計者は,開発当初から国連の「障害者の権利に関する条約」に規定されている合理的な配慮を実現するため,障害を有する受験者に対してその障害の種類と程度とに応じて種々の受験特別措置を講じる必要がある.このため,大学入試センター試験と司法試験を例として,受験特別措置の概要とテストのユニバーサルデザインに関する最近の研究について紹介する.
著者
穴井 誠二 伊規須 耕一 目黒 浩一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.222, pp.1-6, 2003-07-18

本論の目的は、高価なインフラ投資なしに、地球環境に優しい交通システムの実現を図ることの提唱である。3次元地図データを入力したカーナビ搭載車では、この地図データからの情報に連動して、自動的にブレーキやアクセルの操作が行われ、安全な運転がサポートされる。具体的には、三つのドライブの例が挙げられる。(1)坂道の始まりと終わり付近での自動的な加速と減速。(2)道路の起伏を考慮した車間距離の設定。(3)カーブ進入時の危険防止支援。勿論、このためには、カーナビハードのメーカーや、自動車メーカーの協力が必要であるが、21世紀の交通社会を展望した場合、その実現に積極的に対応する姿勢が必要と考える。
著者
武田 一樹 留場 宏道 安達 文幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.139-142, 2007-02-28
被引用文献数
2

厳しい周波数選択性フェージング環境下のシングルキャリア(SC)伝送では,周波数領域等化(FDE)を用いても残留符号間干渉(ISI)によりビット誤り率特性が著しく劣化してしまう.筆者らはこれまでFDE に,Tomlinson-Harashima precoding(THP)を組み合わせることで残留ISIを抑圧し,厳しい周波数選択性フェージング環境下でも優れた伝送特性が得られることを明らかにしてきた.更なる伝送品質の改善には,誤り訂正符号化との併用が不可欠である.ターボ誤り訂正符号化では,ビット尤度の計算が必要である.本報告では,THPとFDEを用いた場合のビット尤度の計算法を示すとともに,ターボ符号化SC伝送へのTHPとFDEの適用効果を明らかにしている.
著者
宮村 和俊 長野 勇 八木谷 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.387-396, 1997-05-25
被引用文献数
17

雷雲-地上間雷放電電流によって放射されるVLF電磁波パルスの電離層および電離層付近の自由空間中における電磁界波形を, この雷放電を進行波電流と仮定し, full wave法と球面波の平面波展開の手法, ならびに時間に関する離散フーリエ変換を用いて厳密に数値計算する方法を開発した. この計算により, 静電界成分の分布および放射電磁界の電離層下部での反射と透過, 透過した成分のホイスラ波への結合の様子等を含めた電磁界波形の詳細な時間変化を求めることができた. また, 雷放電に伴う下部電離層で観測される発光現象の発生領域の説明が可能となる結果も得られた.
著者
西口 敏司 仙田 修司 美濃 導彦 池田 克夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

講義の際に板書される文字を,効率よく記録するためには,文字が書かれるまでは黒板全体を観察し,新しく文字が書かれたときに,その文字だけを記録する必要がある.そのためには,黒板に文字が書かれる状況を実時間で把握し,かつ,必要に応じて記録したい部分に視点を移さなければならない.そこで本稿では,パン,チルト,ズームの制御が可能な首振りカメラを使って,板書された文字(以下「板書文字」という)を画像データとして自動的に記録するシステムを提案する.
著者
亀井 了 長嶋 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

聾者のコミニケーションの一手段である手話は、手指動作と顔の表情、口形、うなずきなどによって表現される非手指動作によって構成される。著者らは手話工学の立場から、手話を工学および言語学的に解析し、日本語と手話の相互翻訳システムの構築を行っているが、現在のシステムの手話表示体系では、手指動作の表示のみにとどまっている。そこで、本報告では、システムの手話表示に非手指動作を組み込む方法について検討する。
著者
中山 雅哉 宇井 隆晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.377, pp.7-11, 2005-10-21
被引用文献数
2

LIVE! UNIVERSEでは2002年6月より世界各地で観測される金環日食や皆既日食のインターネット中継を行ってきた。最近は、国内からのアクセスも多くなってきたため、2005年4月9日に観測された金環・皆既日食のインターネット中継(LE2005)では、日本語JPドメイン名Webによるアクセス評価の実験を行った。その結果、全Webアクセスの約15.9%が日本語JPドメイン名Webへのアクセスであり、日本語JPドメイン名による広告の有効性を示すことができた。本稿では、今回のアクセス評価におけるWebアクセスの解析結果について報告する。