著者
土居 元紀 陳 謙 眞溪 歩 大城 理 佐藤 宏介 千原 國宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.2203-2208, 1997-08-25
被引用文献数
37

会社やマンションなど, 不審人物の侵入を防ぎたい管理施設の入口において, より信頼性が高く利用しやすいセキュリティシステムが望まれている. そこで, 顔画像照合の結果により入口の解錠を決定する解錠制御システムを試作した. 実用的な解錠制御システム開発の観点から顔画像照合を検討し, 顔画像照合手法を, 入力画像からの顔領域の抽出, 顔領域の大きさ・傾き正規化と顔部品照合で構成した. 信頼性の高い照合実現のため, 目頭検出による精度の高い顔領域の大きさ・傾きの正規化を用いた. また, 目・鼻・口といった特徴的な顔部品を照合対象とすることにより, 眼鏡や髪型などの偽証しやすい部分を照合領域から排除している. 顔部品照合において本人のものか否かを決定するしきい値は統計的に決定した. 実際にシステムの性能について評価した結果, 本人の入室許可が92.2%, 他人の入室拒否が99.6%という照合成功率を得た.
著者
細井 聖 田畑 尚弘 秋間 正道 川出 雅人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.387, pp.25-32, 1997-11-21

自然なヒューマン・マシン・インタフェースを目指して, われわれは視覚による顔の意味理解技術, および顔の表現技術の研究開発を進めている. この技術の応用例として, 似顔絵クリエーション技術を開発した. 開発したシステムではコンピュータビジョン技術を用いて様々な人種や顔・髪の種類に対してロバストに特徴抽出ができる. さらに, ファジィ推論による部品選択・部品配置・部品変形ルールから, 複数のイラストレータや漫画家などのタッチ(画風)で似顔絵を自動的に描画することができる. 本稿では似顔絵クリエーション技術の中で重要となる髪型認識の手法とイラストレータタッチの髪型を合成する手法について述べる. 具体的には, 髪領域抽出法, 髪型の特徴によるクラスタリングとテンプレートマッチングを併用した髪型部品の選択方法について述べる.
著者
澤口 裕太 福永 優 高橋 範行 木村 主幸 三澤 顕次 有澤 準二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.596, pp.5-8, 2003-01-17
参考文献数
11

我々はこれまでに金魚を対象に極低周波数磁場の生体影響について検討し,50 Hz磁場を曝露すると体色変化や尿排泄量の増加など,様々な生体反応が生じることを確認してきた。本報では,尿排泄量の増加が誘導電流に起因しているかどうかを確認するために,50 Hz 62 mT磁場で発生する誘導電流と同等の交流電流を金魚に通電し,尿排泄量の変化を観察した。その結果,磁場曝露と同様に金魚の尿排泄量が増加した。さらに,誘導電流は磁場の周波数と比例関係にあることから,周波数に対する尿排泄量の変化について観察し,50Hz磁場では尿排泄量が増加し,逆に10 Hz磁場では尿排泄量が減少する傾向を確認した。これらのことから,金魚の尿排泄量の変化が誘導電流に起因すること見出した。
著者
川口 嘉奈子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.74, pp.71-75, 2009-05-29
被引用文献数
1

2007年,Google社は「Google Street View」(以下,GSV)のサービスを開始した,日本でもGSVが導入され,あらゆる地点の周辺風景が地図情報と併せて公開されている.しかしながら現状では,とくに住宅地での撮影がプライバシーの侵害,住居侵入の手助けになる,肖像権の侵害などを引き起こすとして問題視されている.本稿ではまず,GSVが引き起こしている諸問題を整理する.次に,GSV導入によって引き起こされると言われるプライバシー問題を整理する.そして,今後,セカイカメラ等の類似の問題を孕んだアプリケーションが導入された場合に,撮影される側のプライバシーはどこまで,またどのように守られるべきかを考察する.
著者
西本 卓也 光部 杏里 渡辺 隆行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.57, pp.27-32, 2006-05-12

ラジオ放送におけるスポーツ実況中継では,音声のみを用いて聞き手に視覚的なイメージを与えるための配慮がなされている.このような配慮は視覚障害者支援技術にも役立つことが期待される.そこで,競馬,野球,サッカーなどの実況中継におけるテレビおよびラジオのアナウンサーの発話内容を比較・分析した.競馬においては,レースの序盤,中盤,終盤,といった状況ごとに注目される対象の遷移が見られた.野球においては,テレビでは常時画面に表示されている得点やボールカウントなどの試合状況は,ラジオ中継では頻繁に音声で伝えられており,重要な情報ほど高頻度で発話されていた.またサッカーにおいては,連続的なゲームの展開を,間投詞を用いてシーンに分割して伝えていた.今後は,これらの知見を踏まえて,音声対話において空間的な状況の大局的な理解や説明を行うための具体的な方法について検討する予定である.
著者
三井 相和 藤吉 弘亘 秋田 時彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.1135-1144, 2011-07-01

本論文では,textonに用いられるフィルタをボックスフィルタ(平均化フィルタ)の組合せで近似した,近似texton特徴量による高速な人検出法を提案する.textonによる特徴抽出は処理が容易であることから,テクスチャ解析やパターン認識,一般物体認識など多岐の分野で多く用いられる.しかし,単純なフィルタリング処理では,フィルタ内の1ピクセルごとにアクセスし演算しなければならないため,特徴抽出の処理コストが非常に高い.そこで,本論文では特徴抽出の処理コストを削減するために,textonに用いられるフィルタを近似することで高速な人検出を実現する.textonの近似には処理が簡易なボックスフィルタを用いる.このボックスフィルタをピラミッド上に組み合わせることで,擬似的にtextonのフィルタの形状を構築する.また,ボックスフィルタの応答値の算出には,方形領域の画素値の合計を一括算出することが可能なIntegral Imageを用いる.これらを組み合わせることで,近似フィルタの応答値を高速に求めることが可能となる.評価実験より,提案手法は人検出の特徴量として有効であるHistograms of Oriented Gradients(HOG特徴量)と同精度であり,2.3倍高速な識別が可能であることを確認した.
著者
横田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-09-05

人間に近似した感性対応のシステムの、内部システムとして、入力系と記憶系との、市場的交渉システムが考えられている。ここで市場的にパタンの分類等の意思決定する部分が、今までは、1個の場合として考えて来た。実際には、市場の機能、規模に応じた、ある有限の数の意思決定主体系が参加し、活動する。又、感性対応システムは、個体的な系と、集団的な系とが考えられる。前者の個体的系にも、内部的には、ニューラルネット的に集団的系になっている。どちらにしても、全ての主体者系が、直接、間接を問わず、その市場に関係する。しかし、特に、人口的規模が大になれば、普通は、代理人的な機能体を介して、間接的に意思決定をしている。今回は、回路システムの立場から、間接的、中間的システムとしての、代議的システムを考える。特に、ノイマンのゲームシステム、アローの不可能システムを背景に「決戦投票的決定システム」や「量子代議的システムにおける、選挙的意思決定システム」との関連から考える。
著者
長坂 晃朗 宮武 孝文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.1831-1837, 1998-08-25
被引用文献数
32

本論文では, 過去に入力された映像と同一の映像の入力をリアルタイムで検出してクラスタリングするシーン分類手法を提案する.これは, 連続して入力される映像について, その特徴を時系列圧縮して記憶し続けると同時に, それまでに入力された映像系列の中から, 最新の入力映像と一致する無制限の長さの部分映像区間をすべて見つけ出す.本手法を一般的なパソコンに実装し, 放送中のコマーシャル映像を分類する実験を行ったところ, 特徴量を1秒当り平均20バイト以下の容量で記憶しながら, 漏れなく一意に分類できることを確認した.また, 過去8時間分の映像を記憶した状態でも1フレーム入力当りの処理時間は平均10ms以下であり, 数日分の映像に対して実時間で分類ができる見通しを得た.
著者
長尾 智晴 安居院 猛 長橋 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.557-565, 1993-03-25
被引用文献数
60

本論文では,任意の点列としてあらかじめ与えられたモデル図形に相似な図形を,ノイズを多く含む2値画像から抽出する手法について述べている.原画像中の相似図形の位置,拡大倍率,回転角度はすべて未知とする.この抽出処理は,モデル図形を原画像中の図形に重ねたときに,最もよく重なるときのモデル図形の重心のx,y座標,拡大倍率,回転角度を求める処理であり,これら四つのパラメータによる空間において,図形の重なりを評価値にしたときの最大値探索問題とみなすことができる.そこで本論文では,最適値探索手法として知られている遺伝的アルゴリズムの考え方を用いた遺伝的手法を提案している.本手法では,特に,探索空間に対する前処理,および親の個体の適応度に応じた遺伝規則の調整を考慮したアルゴリズムを提案している.そして,本手法がこのようなパターンマッチングの問題に有効に適用できることを,実験結果を用いて示している.
著者
伊藤 和幸 数藤 康雄 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.495-503, 2000-05-25
被引用文献数
75

重度肢体不自由者のQOL(生活の質)向上を目指し, 眼球運動を利用した視線入力によるコミュにケーション装置の開発を試みた.筋ジストロフィー患者や筋萎縮性側索硬化症患者のような障害者では, 病状の進行に伴い四肢が動かなくなり, 走査選択式装置へのスイッチ操作に眼球の動きを利用せざるを得ないといったケースが出てくる.従来このような障害者は, 上下左右への眼球の動きや目の開閉をスイッチ入力のオンオフに利用していたが, 障害者が見つめた対象をそのまま選ぶことのできる視線入力が実現できるなら, 操作はわかりやすく, 入力効率も上がることになる.本論文では直接選択式による視線入力装置の開発内容とその臨床評価結果について報告する.眼球の運動を随意に制御できる障害者であれば, 視線入力方式だけで手軽に文章作成が可能であることがわかった.
著者
堀 桂太郎 根本 孝一 伊藤 彰義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.558, pp.77-84, 1998-02-19
参考文献数
9
被引用文献数
2

従来から手書き漢字認識に有効とされている特徴抽出法に、外郭方向寄与度(P-DC)特徴がある。しかし、P-DC特徴は、文字の変形の仕方によっては、特徴ベクトルが大きく変動してしまう場合もある。本報告では、先に提案した、外郭局所的輪郭線(P-LOVE)特徴を用いて、文字線の内部情報よりも文字の輪郭線情報に着目した方が、ある種の変形については、より有効な特徴ベクトルの抽出が行えることを示す。さらに文字線の方向を楕円近似する新しい特徴抽出法である、外郭局所的モーメント(P-LM)特徴を提案する。ETL-9Bを用いた識別実験で、P-LOVE特徴とP-LM特徴は共に、P-DC特徴よりも高い識別率を得た。
著者
石崎 一明 川人 基弘 今野 和浩 安江 俊明 竹内 幹雄 小笠原 武史 菅沼 俊夫 小野寺 民也 小松 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.252, pp.17-24, 1999-08-05
被引用文献数
1

Javaはプログラムの安全性のために、例外チェックやポインタを排除したオブジェクトへのアクセスなど、他の言語より大きなオーバヘッドを持つ。またプログラムの柔軟性を提供するために、型検査、動的なクラスリンク、オブジェクトを伴ったインスタンスメソッド呼び出し、を提供している。これらの特徴を失うことなくプログラムの性能を改善するためには、実行時にバイトコードからネイティブコードへコンパイルを行うJust-In-Time (JIT)コンパイラが必須である。本稿では、JITコンパイラへ実装した以下の最適化、定数伝搬、不要コードの除去、例外チェックの除去、共通部分式の除去、型検査の単純化、メソッド呼び出しのインライン展開、メソッド呼び出しの一意決定、について述べる。さらに、9つのプログラムの実行結果より、これらの最適化が効果的であることを示す。
著者
神原 誠之 大隈 隆史 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1775-1783, 1999-10-25
被引用文献数
37

現実環境と仮想環境を融合する技術は拡張現実感と呼ばれ,現実環境に情報を付加することが可能であることから新たな情報提示手法の-つとして注目されている.拡張現実環境をユーザに提示するには,現実環境と仮想環境の正確な位置合せ,画像合成,及びユーザへの提示を実時間で行う必要がある.本論文では,現実環境と仮想環境の時間的な同期がとれることから,両者の位置ずれが生じないという特徴をもつ,ビジョンセンサとビデオシースルーの組合せを用いる拡張現実感のための画像合成手法を提案する.本手法では,現実環境中に配置されたマーカをHMDに取り付けた2眼のステレオカメラで撮影し,この画像から位置合せに必要なカメラパラメータを推定する.同時に,現実物体と仮想物体の正確な前後関係を表現するために,現実環境の奥行情報を実時間で取得する.その際,奥行推定を拡張現実感に特化することで計算量を削減し,実時間処理を可能にした.
著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.199-204, 2012-05-15
被引用文献数
3

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の本棚散策では大きな指標となっている.本研究では,読者の印象を反映させた書籍表紙画像を自動生成するための第一段階として,内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色の抽出を試みた.被験者20人に感想文と表紙画像を描画するタスクを与え実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず,小説において読者の描いた表紙画像色との一致率が高く,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.
著者
橋本 芳樹 小池 義和 上羽 貞行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.93, no.354, pp.25-32, 1993-11-26
被引用文献数
8

従来の超音波浮揚では、定在波音場を利用した浮揚が多く、浮揚物質の質量はmg〜数mgのごく軽い物質に限られており、その点が実用上のネックとなっている。筆者らは、浮揚される物質の音波を受ける面が平坦であれば、振動板からの音波の放射圧により、材質に関わらず実験的には数Kg〜数十Kgオーダー(10^6倍)の物質の浮揚が可能であり、振動板の近距離で長時間安定して浮揚することを見い出した。本報告では、種々の振動モードに対して、浮揚の基本特性を実験的に測定した結果について報告する。
著者
藤井 孝治 中西 衛 重松 智志 森村 浩季 羽田野 孝裕 池田 奈美子 島村 俊重 岡崎 幸夫 久良木 億
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.234, pp.29-34, 2002-07-18
参考文献数
4

指紋認証処理の全てを1つのシリコンチップ上で実行可能とするセルラーロジックプロセッシング回路について論ずる.アレイ状に配置した本回路により,指紋画像の取得から,画像の強調処理,照合処理にいたるまでオンチップで行うことができる.認証のための演算機能として4つのモルフォロジ演算をプロセッシング回路上に実現した.指紋パタンに適した500dpiのアレイ解像度を達成するため,プロセッシング回路の小型最適化を,データパスと論理ゲートの双方について行い,センサ回路とともに50μm角のピクセル回路内に集積した.本回路を用いて試作したワンチップ型の指紋認証LSIでは,他人排斥率0.1%の時の本人排斥率6.5%を達成した.
著者
高橋 哲朗 野田 雄也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.400, pp.43-48, 2011-01-20
参考文献数
7

Twitterには,ユーザの行動や思考,意見,感覚などが投稿されているため,大量のtweetを集約することで実世界で起きている現象をとらえるセンサーとして用いることができる可能性がある.これを検証するために,我々は,Twitterに投稿された「花粉症」に関するtweetを集め,それらを都道府県別にマッピングし可視化するシステムを作成した.そして,ここで得られた情報と,実際の花粉の飛散量との関係を分析し,Twitterのセンサーとしての利用の可能性について議論する.
著者
塚田 裕 山中 公博 禰占 孝之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.509-518, 2008-11-01
参考文献数
16
被引用文献数
1

フリップチップボンディングによる半導体チップの実装は,高密度・高性能の特性により,初期はセラミック基板を使用し,大型コンピュータヘの適用を中心として発展した.1991年の樹脂封止フリップチップ実装とビルドアップ配綿板の出現により,エポキシをベースとした有機材料基板の使用が可能になり,低コスト化が果たされて適用範囲は飛躍的に拡大した.有機材料基板を用いたフリップチップ実装の現状の課題をまとめ,今後の方向について考察した.
著者
島 貴宏 寺沢 憲吾 川嶋 稔夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.467, pp.1-6, 2011-03-03
参考文献数
5

古い活字文書に対する画像同士の比較による全文検索技術が研究されている.全文検索にあたってはあらかじめ文字切り出しがなされていることが望ましいが,古い活字文書は現代の文書とは異なる特性を持っており,市販OCRソフトウェアでは高精度な文字切り出しが行えない.そこで本研究では,明治期の新聞画像に対する全文検索のため,高精度な文字切り出しを行うための画像処理技術について研究する.精度低下を招く要因として考えられる罫線・ノイズ・ルビを除去する手法を提案し,高精度化を図る.また,市販OCRソフトウェアでは古い活字文書に対するレイアウト解析に限界があるため,あらかじめ行切り出しを行うことでそれを助ける.実験の結果,文字切り出しの精度を約92%まで向上させることができた.