著者
土肥 拓生 吉岡 信和 田原 康之 本位田 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.1299-1311, 2005-09-01

近年, ネットワークの拡大に伴い情報の流通速度の高速化が進んでいる. それに伴いソフトウェアが扱うべきデータも大量・複雑になり, 環境の変化に対する変更も頻繁に生じるようになってきている. そのため, すべてを人間が把握した上で処理することは難しくなり, それを補うために自律性・協調性などの人間的な要素がソフトウェアにも求められるようになる. そして, マルチエージェントシステムはこのようなソフトウェアに対する解決策の一つとなる. マルチエージェントシステムにおいて重要な要素の一つは協調性, すなわち, インタラクションである. しかしながら, 既存の実装言語では表現力が不足しており, インタラクションの設計と実装の隔たりが大きい. そこで, 本論文では, インタラクションを実装するために必要な要素を検証するとともに, その理念に基づいて設計したインタラクション記述言語IOM/Tを提案する. IOM/Tを用いることにより, 設計をもとにインタラクションを開発することが容易になる.
著者
長島 久幸 茂木 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.627, pp.13-18, 2003-01-27

日常生活において、我々は日々多様な運動を連続的に行っている。その運動を微視的に観察すると、人の意思に反して、その運動を躊躇したり、その軌道を他の物の方向に変えてしまったりするなどの、無意識的な運動が起こることがある。このような現象をmicroslipsとよぶ。このmicroslips発生前後の手の軌道や形をデータグローブを用いて定量的に解析した結果、microslipsの発生は軌道のデルタ関数的な曲率変化によって特徴づけられ、その前後は通常の運動と区別できないということが判った。 また、それまでの運動が修正されてはじめて今までなされた運動がmicroslipsであると知覚されることもわかった。
著者
森本 康彦 植野 真臣 柴田 晋吾 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.581, pp.25-30, 2006-01-21
被引用文献数
1

現在e-Learningシステムの主流となっているWBTの学習コンテンツについて記述する標準規格としてSCORMがある. しかしSCORMは, 教師が通常の授業で行っているような, 学習者の状況に応じて学習者同士で議論させたり, 個別の質問に応じたりという, 本来授業に必須となる学習者のインタラクションによる学習状態遷移を記述することができない. そこで, 本論文では, e-Learning上で, 学習者のインタラクションを中心とした授業を実現させることを目的とし, 現在のSCORMに学習者のインタラクションによる学習状態遷移と各状態でのコントロールを記述する枠組みを追加した(SCORM-LST). さらに, SCORM-LSTに基づくLMSについて提案した. このLMSは, 学習者のインタラクションと教師のコントロールを容易に実現でき, クラスルーム的な授業の展開を可能にする. さらにLMSの標準化とそれを使った教育支援システムの発展が期待できる.
著者
高橋 正行 森本 康彦 植野 真臣 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.47, pp.19-24, 2005-05-07
被引用文献数
1

本研究では, e-Learningを用いて複数の学習者が一斉に同期的に授業を受けながらも個に応じることのできる授業を実現させることを目的とする.本研究が目指す授業の実現には, 授業中の学習者のさまざまな状態に応じて教師が適切な行動をとる必要がある.しかし学習者の行動と状況に対応した適切な教師の行動のバリエーションは多く存在しており, このことがe-Learningシステムの開発を困難にしている.そこで, 本論文では, 学習者の行動と状態を基にした学習状態遷移図と, それを形式的に記述する手法を提案する.本手法で記述した遷移図は, 学習者の行動, 状態, 教師(システム)の動作が明示的に記述できるため, e-Learningシステムの設計・開発の遂行を容易にすると考えられる.
著者
笠井 裕之 山崎 憲一 倉掛 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.523, pp.19-24, 2004-12-09

本橋では,コンテキストアウェアサービス等のプッシュ型情報通知システム構築を目的として,情報通知による"情報認知度"と"タスク負荷度"を考慮した"情報通知ユーザモデル"を提案する.特に,ベイジアンネットワークによる巨視モデルを提案するとともに,通知情報量とタスク情報処理量を考慮した効用関数に基づく通知制御方式を提案する.モデル構築にあたっては,モバイル環境下での携帯端末への情報通知サービスを想定し,評価アプリケーションを用いてデータ収集を行うことで,初期モデル構築する.最後に,構築モデルを用いて確率推論から得られる"情報認知度"と"タスク負荷度"の変動結果を示す.
著者
高木 岩生 山森 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.553, pp.41-48, 1996-03-06

インタラクティプテレビ(ITV) では、提示された映像情報に対してユーザが所望とする対象を指定することによりハイパメディア検索等が可能となる。本資料では、ー般ユーザに馴染みのあるリモコンにポインティング機能を搭載し当該リモコンにより映像情報に対する位置の指定を行う方式に関して、操作性を評価するための基本的実験及び実験結果を踏まえた改良方式について報告する。評価実験では、被験者は、 リモコン操作は簡単に慣れると指摘しており、また、大部分の被験者は、動画像に対する操作はリモコンが良い、と指摘していた。しかし、リモコン方式では、手振れがあるので所望とする位置を正確に指定しにくい等の問題もある。そこで、この手振れを補正する機能を追加した改良方式を提案する。
著者
前山 利幸 高崎 和之 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.416, pp.53-58, 2006-12-07
被引用文献数
5

伝送線路として利用する人体の周波数特性を解析した。解析の結果、40MHz以下の周波数帯域を利用することで空間より20dBほど少ない損失で伝送できること、またその伝送帯域は複雑な周波数特性を持つことがわかった。筆者らは、周波数特性の変動に耐性の高い変調方式を用いて、40MHz以下の周波数帯域に信号を配置する方法で、高速で安定的な人体通信方式を提案する。提案方式の実験系を構築し、伝送帯域幅6MHzのOFDM信号で伝送実験を行い、およそ17Mbpsの伝送が実現できることを示す。
著者
村山 優子 岡本 栄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報通信倫理
巻号頁・発行日
vol.97, no.84, pp.13-18, 1997-05-31

インターネットのような計算機網で,マルチメディア通信が実現される時,従来のデータ,ソフトウェア,サービスプロセスなどのネットワーク資源への不正なアクセスの脅威などに加え,画像や音声によるセキュリティの脅威が新たに存在するようになる.本予稿では,特に動画像の通信における新しい脅威のひとつとして識閾下伝意の問題を提起する.識閾下伝意については,心理学の分野では,長年その効果の是非が議論されていたが、10年程前から,様々な領域の研究や交流が進み,その効果が認められるようになった.現在,実験心理学の分野では,治療や教育目的のため,このような手法が使用されている.本予稿では,さらに,この識閾下伝意の問題が,本質的にコンピュータ・ウィルスの問題と同等であることを示し,画像情報におけるセキュリティの分野である情報隠蔽技術(steganography)や「隠れ通信路」(covert channel)の概念において,識閾下効果の問題が,どのような位置を占めるのかを明確にする.
著者
宮川 聡 荒川 淳平 蛭田 雄一 矢野 健二 山下 晃弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.409, pp.25-29, 2005-11-10

近年携帯電話の普及に伴い, 外出中に携帯電話等の携帯端末からインターネットを介して家電製品を操作するような時代になった.しかし, 家電製品をインターネット上に公開すると, なりすまし, 盗聴, 改竄といった被害に遭う可能性がある.このような被害に対する有効な手段の一つとして, 情報の暗号化がある.そこで現在, 安全な暗号通信を提供する遠隔操作のプロトコルとして広く使用され, 且つ安全性が保証されているSSHを携帯電話上に実装することで, 家電製品を安全に操作するシステムを提案する.
著者
YASUDA Kinuko HAGINO Tatsuya
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.920-929, 2001-04-01
被引用文献数
3

In this paper, we propose a new filesystem named Ad-hoc Filesystem which targets ad-hoc wireless networks. Ad-hoc Filesystem is a serverless filesystem which automatically generates temporary shared space among multiple mobile machines when they gather in a communicable range. The generated space is freely available for participating machines and can be used for any temporary work there. The design of Ad-hoc Filesystem is strongly motivated by the recent wireless network technologies and advances of ad-hoc network techniques. However, targeting such an unstable network forces us a completely different design from existing filesystems. We have designed an initial prototype of Ad-hoc Filesystem and have evaluated the simulation results. Our design is strongly based on an assumption such that people who wish to work together would form a stable group in a range, and replicating data on two different machines would be enough to provide a proper level of availability. Hence, Ad-hoc Filesystem distributes files among multiple machines and duplicates them, in order to keep the files available even if some of participating machines arbitrarily leave the communication range. The directory entries are kept as a soft-state mechanism maintained by exchanging broadcast packets. The simulation results show that using broadcast to maintain system state hardly affects the overall system performance, and optimizations such that delaying replies with broadcast and sensing other packets promiscuously during the delay reduce the overhead significantly. Also the result indicates that our strategy that keeps two replicas for each data is promising to provide availability. Although further investigation based on real implementation remains important work, we believe that the prototype has a contribution to realize the possibility of ad-hoc filesystem by synthesizing number of previous works in areas such as network filesystems, server replication and ad-hoc wireless networks.
著者
秦野 智也 笠原 康信 吉原 慎一 片岡 陽一 前田 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.380, pp.7-11, 2004-10-21
被引用文献数
2

ノード間に複数の物理的なリンクが張られた状況において,それらを仮想的な1本のリンクとして扱う技術としてリンクアグリゲーションがIEEE 802.3adで標準化されている. IEEE 802.3adではフレームの順序が変動しないようにするために,各コネクションは1つのリンクを選択して伝送することを規定している.しかし,各コネクションが使用するリンクを複数のリンクから選択する方法が詳細には規定されていない.本稿では,複数のリンクの帯域利用効率を向上させるために,コネクションが使用するリンクをトラフィック状態に応じて動的に振り分ける方式を提案する.コネクションのリンク変更による対象コネクションのスループットの減少を防ぐため,提案方式は,リンク変更回数を少なくすること,コネクション間のリンク変更回数を均等にすることを特徴とする.また提案方式の帯域利用効率およびリンク変更回数について,シミュレーションにより評価する.
著者
小川 清 澤井 新 飯田 登 萬代 雅希 渡辺 尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.11, pp.2251-2262, 2005-11-01

単一の端末に複数の通信インタフェースを接続し, 複数経路を利用するマルチホーミング通信環境においては, 往路と復路で異なる経路を利用すれば, より効率的な情報通信が可能となる場合がある. これを可能とするためには, 片方向の遅延を考慮して適切なインタフェースを選択する必要がある. しかしながら, 通信経路の負荷が時間帯, 通信量などによって変動することや, 往路遅延と復路遅延を簡単には分離できないことなどから, 正確な片方向遅延を直接求めることは一般的には困難である. 本論文では, 複数のパターンの往復概遅延の組から片方向の概遅延差を簡便に求め, これに基づいて経路を選択する方式を提案する. 本方式は, 通信相手との時刻同期, 測定のための制御パケットが不要で, ネットワーク層に依存しないため拡張性があることなどの特徴をもつ. また, 提案方式をICMPで計算機上に実装し, 種々のマルチホーミング通信環境で実験評価する. その結果から片方向経路選択が可能であり, 提案方式が有効であることを示す.
著者
土本 康生 三川 荘子 大川 恵子 村井 純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.855-863, 2004-09-01

社会基盤として定着したインターネットは,広帯域化を進め,新しいアプリケーションが登場し,常に発展を続けている.このような状況においてディジタルデバイドが存在する地域がある.その地域に対して政府開発援助や民間資金により支援が行われているが,それらの援助は一時的なものであり,常に進化し続けるインターネットに対して,ディジタルデバイドを根本的に解決していない.そこで,ディジタルデバイドを解決する手法として情報通信基盤構築と人材育成を密接に連携させて行うブリッジインセンティブモデルを提案した.ブリッジインセンティブモデルは,(1)利用する技術に注目しディジタルデバイドが存在する環境を明確化し,(2)ディジタルデバイドが存在する環境間を先端インターネット技術を用いて相互接続し,(3)最先端のアプリケーションを利用できることをインセンティブとして情報通信基盤構築と人材育成を行う.また,ディジタルデバイドの解消に向けてブリッジインセンティブモデルに従ってSOIASIAプロジェクトを実施した.活動は,A)ディジタルデバイドが存在する日本と東南アジアの間で人工衛星回線を用いて情報通信基盤を構築し,それらを管理する人材の育成として,B)基礎知識獲得支援,C)実戦訓練プログラム,D)先端インターネット技術プログラムを実施した.その結果,上記,A)〜D)の活動を通じ,7か国11組織を相互接続する情報通信基盤が構築され,育成された29名のネットワーク管理者が現在に至るまで継続的にプロジェクト推進業務に活躍している.これらのことから,ブリッジインセンティブモデルが継続的に先端技術を用いることで継続的な発展を促し,解消したディジタルデバイドが新たに拡大しないことを実現し,ディジタルデバイド解消に大きく貢献できることを明らかにした.
著者
久保田 千太郎 松坂 要佐 小林 哲則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.708, pp.49-56, 2000-03-17
被引用文献数
2

ロバストかつ高精度・高速な顔画像処理システムを実現し, これを対話ロボットに組み込んでグループ会話を実現した.グループ会話とは, 複数の話者を同時に相手にする対話形態である.グループ会話に円滑に参与するためには, 発話者が誰であるか, および発話が誰に向けられているか等の, 対話の状況を把握する必要がある.この目的には, 顔向きや個人の認識を行なう画像処理が重要な役割を演じる.この際, 画像処理システムには, 環境変化にロバストであることや, 高精度でかつ実時間処理に適していることが必要とされる.本研究では, 前者には顔領域を抽出する手掛かりとなる肌色尤度モデルを逐次更新することで, また後者にはパターン認識に適した高精度情報圧縮を実現する独立成分分析を適用することで達成した.この画像処理システムにより, グループ会話に必要な状況把握が可能となり, 自然なグループ会話の実現に貢献することを確認した.
著者
星野 大輔 難波 一輝 北神 正人 伊藤 秀男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.541, pp.29-34, 2007-02-16

近年,家電や機能の多様化が進み,1家電でサービスを成すスタンドアローン型ではユーザに対する操作の負担が大きくなる.そのような観点から,家電連携動作による操作支援によって負担を削減させる研究が進められてきた.しかし,従来の研究では対象とする家電やその機能,および連携動作についての定義が十分ではない.本稿ではこの問題を解決した家電間の親和性・競合性に基づいた連携動作支援手法を提案している.提案法ではユーザ視点での家電連携動作を実現するために,家電を映像,音響,環境(照明,空調)機器に分類し,1家電の機能レベル毎に他の家電との親和・競合関係を考えて,家電連携動作を行う.シミュレーション実験をした結果,具体的なシナリオ例を当てはめて特定のアクションが発生した場合,オントロジーで構築した親和・競合関係に基づく家電連携動作が行えることを確認している.最後に,評価としてステップ数と拡張性と独立性の項目から従来手法と比較を行い,本研究の有効性を示している.
著者
翁長 博 加冶屋 真紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.94, no.427, pp.1-6, 1994-12-20
被引用文献数
6

人工的に残響を付加した7種類の音源信号を用いて、健聴者、高齢者、聴覚障害者を被験者として文章了解度試験をおこなった。健聴者は実験に用いた全ての条件で文章了解度はほとんど低下しなかったが、高齢者と聴覚障害者は残響により大幅な文章了解度の低下を示した。音場の物理指標として、積分時間を100msとした初期エネルギー比を用いると、これが高齢者、聴覚障害者の文章了解度と高い相関関係を示すことが明らかにした。
著者
衛藤 和宏 三好 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.418, pp.55-60, 2006-12-07

近年,Webは従来のテキスト型から双方向性を重視したマルチメディアコンテンツへとシフトを始めている.また,教育機関においても,映像や音声を用いたeラーニングが普及している.しかし,映像や音声についての翻訳作業は困難とされ,言語の壁を越えたマルチメディアコンテンツの国際的利用は進んでいない.筆者らは,他言語で作成された映像や音声に対し,機械翻訳を用いて自動的に字幕を付加し,ユーザによる再翻訳及び修正を支援するシステムを構築した.本システムは,ユーザが翻訳の更新や評価を行うことを促進するためのコミュニケーションツールを搭載している.
著者
磯野 春雄 倉田 晃二 高橋 茂寿 山田 千彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.324, pp.25-30, 2003-09-18

本論文では色覚の加齢効果を明らかにするために60-75歳の高齢者を対象に視覚の色度空間周波数特性および時間周波数特性を測定し若年者と比較した。本実験では色覚の反対色メカニズムに対応させて、明るさが一定で色度のみが正弦波状に変化する赤-緑(主波長 : 495nmC-495nm)および黄-青(主波長 : 565nm-445nm)の色刺激パターンを用いて色度コントラスト感度を測定した。実験結果から高齢者の色度コントラスト感度は、空間および時間周波数に対して全周波数にわたって低下し、赤-緑の色刺激に比べて特に黄-青の色刺激パターンでの低下が著しいことがわかった。