著者
伊藤 由樹子
出版者
二松學舎大学
雑誌
二松學舍大學論集 (ISSN:02867206)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.A109-A123, 2008

日々新しい言葉は生まれる。その多くには外来語、特に英語が用いられている。現代の日本人がどのようにして新しい言葉を生み出すのか、そしてその新語の中に英語はどれぐらい含まれているのか。この論文では、著者が実地した新語作りの研究結果を初めに紹介する。次に英語が多く用いられるようになった背景と、現代の日本人が外来語を用いることに対してどのような意識を持っているのかを紹介する。まず新語を生み出す研究には、32人の日本語第一言語話者に二つの商品を見せ、それぞれに名称を与えてもらうという実験を実地した。その結果、生み出された名前は複合語(Compounding)、借用語(Borrowing)、俗化語(Commonization)、擬音語(Echoic-Family Formation)、挿入辞語(Affixing)、混合語(Blending)、ルート創造語(Root Creating)の7つに分類された。商品1、2供に一番多かったのは複合語で、二番目は借用語であった。商品1では41%、商品2では34%の人が英語を用いた借用語を名称にした。借用語の用い方も多様で、その例として日本語の動詞に英語の接尾辞をあわせたものや(ツッツキーナ=「つっつく」+"-ena")、英語と日本語の混合語(うなづきバード=「うなづき」+"bird")などがあった。日本は長い歴史の中で他国の言葉を借用してきている。4世紀頃より中国から漢字を借用し、6世紀にはそれを原型として平仮名、片仮名という日本独自のアルファベットを生み出した。明治時代に入り、政治、経済、文学、芸術など西洋文化の影響を受けることになり、多くの英語が日本に紹介され始めた。中国から入った漢字同様、英語も日本独自の音に変わり、意味も変わり、和製英語として定着するようになる。この和製英語にたいして、現代の日本人はどのような印象を持っているのだろうか。国立国語研究所が2005年に実地した外来語の意識調査によると17.3%の人のみが外来語を使用することに抵抗あると回答した。つまり、日本語第一言語話者の多くが抵抗なく外来語を使用しているようだ。新語を生み出す研究結果でも分かるように、現代の日本人は外来語を用いることによって更に言葉の幅を広げ、豊かにし、活性化し、発展させていこうとしているのである。
著者
新田 恒雄 桂田 浩一 入部 百合絵 入部 百合絵
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

ビッグデータ中の音声ドキュメントから任意のキーワードを,実時間で検索する技術を開発した。研究実施にあたっては,(1)未知語を含む音声を高精度に音素列へ変換する技術,(2)曖昧性を含む音素列からキーワードを高速に検索する技術の二つに焦点をあてた。(1)では,双対空間で音素特徴を効率よく抽出すると共に,多層パーセプトロンで調音素性を抽出し,音素を高精度に識別する方式を開発した。(2)では,接尾辞配列に基づき反復深化探索を行う方式をベースに,調音素性間の距離計算を用いた連続DP,およびキーワード分割アルゴリズムを実装することで,検索精度,検索速度,記憶容量の三つの課題を同時に克服できることを示した。
著者
中里 理子
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.137-144, 2008-02-28

「擬音語」「擬態語」は日本語に特徴的な語群として古くから研究が進められてきたが,その名称については,総称・名称ともに明治期以降多くの研究者によって様々に工夫され,提唱されてきた。現在は名称として「擬音語」「擬態語」が一般的であるが,「擬音語」が広まる以前は「擬声語」が多く使われていた経緯があり,「擬態語」は「擬容語」という名称も提唱されたことがある。「擬声語」は総称としても使われていたが,現在では総称として「オノマトペ」という名称が定着しつつある。本稿では,明治期以降に提唱された擬音語・擬態語の名称を総称と各称とに分けて整理し,名称の変遷の様相を辿った。その上で,現在一般的に使用されている名称の妥当性について考えた。As for "Giongo" and "Gitaigo", it has been proceeding with the research as a word group which is characteristic of Japanese since the old days. The various names of this word group were devised by many researchers after Meiji term, and it was proposed. "Giongo" "Gitaigo" is general as each name at present. "Giseigo" was being used before "Giongo" "Gitaigo" spread out. Though a generic name was taken, "Giseigo" was being used. But, the name of "the onomatopoeia" is taking root as a generic name at present. The name of the onomatopoeia proposed after Meiji term was divided into each name with the generic name, and put in order, and it followed the aspect of the change in the name in this paper. Then, it thought about the validity of the name generally being used at present.
著者
川島 清
出版者
創価大学
雑誌
創価教育研究 (ISSN:13472372)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.55-107, 2003-03
著者
八木 信一 宮脇 利男
出版者
日本医事新報社
雑誌
日本医事新報 (ISSN:03859215)
巻号頁・発行日
no.3926, pp.28-32, 1999-07-24
著者
佐野 好則 MALCOLM Davies
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究においてはヨーロッパ文学中の冥界場面描写の観点から重要な『オデュッセイア』、『アエネーイス』、『神曲』、『失楽園』を主に取り上げ、各作品の冥界場面を比較作品論的観点から先行作品のモティーフの受容と改変に特に注目して分析した。さらに比較文化論的観点から、それぞれの作品の冥界場面描写の特徴を、文化的、思想的、宗教的、政治的背景との結びつきに注目して検討した。
著者
木林 美由紀
出版者
静岡県立大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

食育支援を目指して、咀嚼力と食行動および運動能力との関連について検討した.小学6年生171名を対象に、直接的咀嚼力(チューインガム法)と自記式質問紙調査票から得られた食行動および新体力テストから得られた運動能力との関連性について検討した.その結果、咀嚼力の高い者は、食への期待感および野菜の摂取頻度が有意に高く、運動能力を構成する握力平均、上体起こし、長座体前屈、反復横とびおよびボール投げの基本的な体力要素との関連性が示され、咀嚼力と食行動および運動能力との関連性が示唆された.
著者
清水 龍瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.185-224, 1997-08-25

1996年8月から1997年6月までの1年間,為替レートは乱高下した。日本経済は円安時には輸出に支えられ成長した。しかしこの1年間を通して,日本経済は情報化・グローバル化・ボーダレス化で競争が激化し,各企業はコスト削減,品質向上,短納期が求められた。さらに少子化,高齢化,超低金利で消費は低迷し,公共投資も波及効果が少なく,長期低迷,閉塞状態が続いている。一方,本来人間の意識が固定してできる法律とか制度が,外圧によって,人々の意識より早く変わってしまい,多くのトラブルを生ぜしめている。内需拡大,規制緩和,金融ビックバンなどは人々の意識より早く変わっている。それに対応できない人々が野村証券,第一勧銀などのようなトラブルをおこしている。このような構造的大変革を多くの経営者は身をもって認識しはじめ,経営についての考え方,哲学を変え,新しい対処行動をとりはじめた。グローバル化・国際競争激化に対処するため,レジャー製品の大メーカーは,社長自身が雇用を守ることが大前提だと明言して,競争力の弱くなったスキー板から撤退した。国際競争激化に対処するため,自動車電装品大メーカーは,エレクトロニクスからバイオにいたる基盤技術を強化し,自動車関連ハイテク製品で勝負する。ボーダレス化に対処するため,音響中堅メーカーは音響機器は今後必ずしもハイテクでないからとして,製造をやめ企画,販売に集中する。化学企業は規模では国際競争ができないため,通信・電子関係のコアの事業に集中する。ボーダレス化・情報化に対応するため,大手海運会社は,荷主の分散化.Eメールによる情報の共有化をはかる。高齢化に対応して,警備保障会社が予防医療に進出し,少子化にともなう輸送人員数の減少に対処して,私鉄が不動産業に力を入れる。これらは,各企業とも従来の経営の考え方や哲学までも修正する大転換戦略である。すなわち従来のような産業構造上の連鎖の中での固定的な小売の優位,アセンブリの仕入れ優位,下請不利などはなくなり,部品メーカー,メーカー卸,小売が平等で競争・協調しなければならなくなったことを示している。〈製造等関係〉[セコム]34年前にセキュリティを中心に創業し,その周辺に医療,教育,情報等の事業をおこし現在マルティプル産業に成長。次々に事業展開をするために,家庭用セキュリティシステムはレンタルとし,その安定収入をもとにして新投資を行うという原則。復数の事業を束ねるには遠い先に目標を定める。医療は今後治療医学から予防医学へ。[日本金属工業]日本の製造企業に共通している"製造設備の自社開発は強み"という説はあてはまらない。ノウハウを蓄積して三菱重工,日立に注文生産してもらうが第1番目の設備は非常に高価格になる。これを購入する第2,第3番目のメーカーは非常に安い設備を導入できる。台湾,韓国のメーカーはこれを買い汎用品を大量生産し,日本へ輸出してくる。競争激化。[デンソー]日本国内の自動車保有量は限界に達し,これ以上供給量をムリにふやせば輸出ドライヴがかかり,再び円高になる。それに対処するため自動車関連電装品の強化,すなわち環境,安全,エネルギー関連に特に力を入れる。エレクトロニクスからバイオに至るまでの基盤技術の強さが,企業成長の原動力となり,この企業成長の理念こそが構造的な経営問題解決の条件となる。[アイワ]ハイテクはもはやハイプロフィットではない。アセンブリーに近い音響メーカーは繊維産業のように日本からなくなっていく。日本に残っていけるエレクトロニクス産業は技術の蓄積のできる会社,100億の投資のできる大企業だけ。アイワはこれからは,企画と販売だけで食っていく。これが中堅企業の生き残る道。[ヤマハ]NEW YAMAHA PLANで沈滞したムードの意識改革を行った。この前提として雇用を守ることを大前提とした。強みをさらに強化するためにR & Dに集中投資をし,弱いところから撤退する。撤退の意思決定は社長にしかできない。役員は自分の担当に専念しているから,過去と比べて改善されたと思って撤退できない。スキーからの撤退は社長がきめた。[昭和電工]企業倫理を浸透させるために,従業員にフェアについての話を繰り返しする。化学産業は規模において国際競争力がないから,今後のコアとなる通信・電子関係の事業の研究開発に注力する。その事業規模は10億,20億でいい。また少しでもスケールを大きくするため合弁会社をつくる。そのとき出資比率を50 :50にしない。そうすると社内でエネルギーを消費してしまい,経営責任がもてなくなる。〈運輸関係〉[大阪商船三井]産業構造の大変革を一番はじめに経験したのは外航海運であり,その対処策は既に十分にとっている。グローバル化・情報化を積極的に利用して,荷主の海外拠点分散,本社組織・海外子会社とEメールによって情報の共有化を行い,タイムリーに意思決定する。特にアジア全体の輸送量の増大を見込んで戦略をたてる。[小田急]鉄道輸送人員が年700万人ずつ確実に減っている。年10%の減少率であり,大変な問題である。これは人口構成上の問題だからアンコントローラブルである。それなのに混雑緩和のために収入の4割を設備投資しなければならない。対処策として不動産業等に注力している。外国には私鉄という業態はない。〈流通業関係〉[島忠]家具はクレーム産業である。クレームには出来る限りの対応をする。それでいて利益を出す。顧客の千差万別の要求に対処する。クレームをつけた客を満足させリピータにすることが最大の戦略。一旦仕入れた商品は返品しないし,関東一円以外の遠くは取り扱わない。在庫量,販促費がかからない。[国分]流通業は毎日配送搬入して顔を合わせていても,相手の明日の動きがわからない程環境変化が激しい。対処策としてクイックリスポンスをする組織をつくること,さらに,メーカー,問屋,小売がお互いに裸になって自分のやりやすい機能を,相手方の領分まで入って果たしていく,という生販三層のコスト削減等が必要である。〈研究所関係〉[三菱総研]日本ではもう公共投資にはそれ程の波及効果はない。消費刺激がいい。長期的にみれば最も心配なのは高齢化とグローバル化。高齢化に対して日本人は個人で身を守ることができない。自分で稼ぐシステムをつくる。グローバル化の問題は日本人が外国人を使うのが下手だということ。アウンの呼吸で意思疎通ができると思っている。
著者
田中 稲子 三輪 律江 松橋 圭子 谷口 新 尾木 まり 高辻 千恵
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

乳幼児を中心とする子どもとその保護者にとって日常的な居場所となるような街区公園の環境整備を目指して、保育施設による集団利用も考慮した公園に求められる様々な住環境要素についてアンケート調査等を通して把握するとともに、そのような屋外空間での快適な住環境やその必要性を体感できるような温熱環境等の物理環境に着眼した環境教育プログラムを開発した。