著者
藤田 裕嗣
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.316-334, 1986-08-28 (Released:2009-04-28)
参考文献数
93
被引用文献数
2 2

The rural markets in medieval Japan have been examined but not clearly in detail in historical studies. Therefore, the central function and the sphere of influence of these markets or market towns have been inferred from the reconstructed landscape in historical geography. The present paper lays emphasis on flow itself and examines the types of flow processes from analysis of the activities of merchants who took part in flow between rural areas. This study places the markets in this flow process and deals with their functions. The study is limited to the latter medieval period.The flow processes of goods from the places of production to those of consumption are classified into twelve types (Figure 3; type a-type l). Altogether, these can be called the flow system. The simplest type is transport by a single producer (type k) or merchant (type a) and each type through retail market is type l or type b. Merchant types are subdivided as follows: Two merchants sharing flow in type a/b, who meet at markets collecting produce, form type e/f. After markets collecting produce, type g/h flows through shonin-yado (establishments where merchants gather and trade with each other). Adding wholesalers to type a/b or type g/h, we get type c/d or type i/j.Local flows, whose distances from the place of production to that of consumption are short, form type a/b or type k/l. The conditions of this type of local flow are, for example, that the produce is made everywhere. Flow not meeting these conditions can be called long distance flow (type a-type l).It can be concluded that the central function of rural markets, examined in view of these various flow process types is chiefly retail. However, flow types which bypass retail markets (satouri; type a, c, e, g, i, k) are found locally.Tsuminato (chief ports), shonin-yado and markets can be seen as nodal points in flow. In tsuminato all types of produce are gathered and merchants collect and buy it. Shonin-yado are located at not only tsuminato but also other spots along roads and there produce is traded between merchants. Markets as such, however, are thought to be distributed more densely. Flow can be found from the place of production to that of consumption in various types of flow processes through spatial organization of nodal points in flow.This study indicates various possibilities of examining commodity flow patterns from a new viewpoint.
著者
香川 正二郎 長谷川 博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1496, pp.11-12, 2016-01-18

テレビ新広島は、放送関連収入の拡大に向けて様々な取り組みを進めている。例えば独自制作番組の海外展開や、地元のプロサッカーチームのスマートフォン向け有料サイトの運営などを実施している。SNSの活用も進めている。
著者
小林 良則
出版者
大阪市立大学大学院創造都市研究科
雑誌
創造都市研究e (ISSN:18803822)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-15, 2015

【1】本研究では、近年、地域活性化で「頭脳型参加イベント」ブームとなっている「なぞ解き、宝探し、脱出・メイズ」等の「頭脳型参加イベント」の拡大と成功のメカニズムをさぐることを目的とする。2010年代に入り急速に拡大し、確認できるものだけで、日本全国で年600件程度あり、小さなものまでいれると、年1000件近いものがおこなわれている。これにより活性化する地元の都市数は相当なものになっているだけでなく、新しい専門の企業群=業界が形成されつつあり、ある代表例ラッシュジャパン社では、年間累計で100万人集客し約100地域でおこなわれたので、平均でも1地域で1万人集客の実績をもつ。……
著者
白田 理人
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.23-40, 2021

<p>喜界島小野津方言の呼称名詞(親族呼称や呼びかけに使われる人名)は,母音の長さの交替と音調型の点で特殊な振る舞いを示す。本稿は,呼称名詞の音韻的特徴について記述した上で,呼びかけの下降イントネーションが呼称名詞の語彙的な特徴に通時的変化を及ぼしたことを主張する。本稿において提案する仮説は,呼称名詞にアクセント型の推移と長母音化の二つの連続的な変化が起こったというものである。このうち二番目に起きた変化が,最も音韻的独立性の低い助詞によって部分的に阻止されたため,呼称名詞の特殊性が生じたと考えられる。</p>
著者
徳岡 辰雄
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.210-218, 1980-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
14

力学の公理化というHilbertの問題は着々と現実のものとなりつつある. 1957年のNollの研究に始まる有理連続体力学, および, 1963年のColemanとNollの研究に始まる有理連続体熱力学がそれである. この分野はアメリカを中心として世界各地で研究が進められている新分野であり, 日本においても高く評価されている領域である. しかし物理学の専攻者には比較的知られていないようである. ここでは, その公理系の概要について触れてみよう.
出版者
報国社
巻号頁・発行日
1942

1 0 0 0 OA 2.画像診断

著者
伊豆津 宏二
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.7, pp.1794-1800, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

悪性リンパ腫の発見,病期診断,治療効果判定,経過観察において画像検査は必要不可欠である.computed tomography(CT)が今でも最も頻用される画像検査であるが,18F-fluorodeoxyglucose(FDG)を核種として用いるpositron emission tomography(PET)の利用も一般的となってきた.PETは病期診断時に網羅的に病変を把握する際に有利であるだけでなく,治療終了時の残存腫瘤のviabilityの判断にも用いられている.
著者
今野 裕太 中浴 静香 吉田 映子 藤原 泰之 山本 千夏 安池 修之 鍜冶 利幸
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.42, pp.P-71, 2015

【背景・目的】有機-無機ハイブリッド分子は合成試薬として広く利用されてきたが,生命科学への貢献は皆無に等しい。当研究室では,有機ビスマス化合物(PMTABiおよびDAPBi)の強い細胞毒性がそのアンチモン置換体(PMTASおよびDAPSb)では消失することを見出した。また, これらの化合物に感受性低下を示す有機ビスマス化合物感受性低下細胞(RPB-1γ,RPB-2,RPB-3およびRDB-1細胞)を樹立した。本研究の目的は,有機ビスマス化合物の毒性発現機構の解明を目指し,有機ビスマス化合物の感受性と細胞内金属蓄積量の関係を明らかにすることである。<br>【方法】チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-GT細胞)および有機ビスマス化合物感受性低下細胞に,<br>PMTABi,PMTAS,DAPBi,DAPSbを曝露し,形態学的観察を行うとともに,それぞれの化合物の細胞内蓄積量をICP-MSで測定し,Bi量またはSb量で評価した。<br>【結果・考察】PMTABiの蓄積量は,CHO-GT細胞に比べ,20 µMまでは全ての耐性細胞において高かったが,50 µMではRPB-1γ,RPB-2およびRPB-3細胞への蓄積量はCHO-GTよりも低くなった。DAPBiの蓄積量は,CHO-GT細胞に比べ,50 µMまでRPB-3およびRDB-1細胞において高かった。しかしながら,RDB-1細胞へのDAPBiの蓄積量は50 µMまで濃度依存的であったが,RPB-3細胞では50 µMで減少した。RPB-2細胞には有機ビスマス化合物が蓄積しなかった。PMTABiを曝露して獲得したRPB-1γ,RPB-2およびRPB-3細胞がDAPBiに対しても耐性を示すことが確認された。アンチモン置換体は全ての細胞種において細胞内に蓄積せず,形態学的観察による細胞毒性も確認されなかった。以上より,有機ビスマス化合物の細胞毒性は,その細胞内蓄積量だけでなく,細胞種と有機ビスマス化合物の濃度によって異なるメカニズムが存在することが示唆される。
著者
小林 隆史 大澤 義明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.37, pp.1-6, 2002-10-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

本論文の目的はアロンゾモデルを拡張して,太陽光発電がどの地域に導入されるかを理論的に分析することにある.第一に,距離・地代関数を用いて太陽光発電と中心市街地からの距離との関係を論じる.第二に,常磐線における実際の地代データを用いて,太陽光発電導入が進むための条件を,実証的に論じる.

1 0 0 0 産業之日本

出版者
名古屋経済研究所
巻号頁・発行日
vol.16, no.11, 1942-10

1 0 0 0 産業之日本

出版者
名古屋経済研究所
巻号頁・発行日
vol.16, no.10, 1942-09

1 0 0 0 愛知商工

出版者
愛知県商工館
巻号頁・発行日
no.180, 1932-03
著者
原田 杏子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.344-355, 2004-09

本研究の目的は, 法律相談を題材として, 「専門的相談がどのように遂行されるのか」を, 実践現場からのデータに基づいて明らかにすることである。データ収集においては, 弁護士及び相談者(クライエント)の同意を得て, 12件の法律相談場面の会話を録音した。データ分析においては, 質的研究法の1つであるグラウンデッド・セオリー・アプローチを用い, 分析の途中段階で法律家によるメンバー・チェックを受けた。分析の結果, 15の弁護士発言カテゴリーが見出され, それらはさらに【I問題共有】【II共鳴】【III判断伝達】【IV説得・対抗】【V理解促進】【VI終了】という6つの上位カテゴリーにまとめられた。分析結果からみるに, 専門的相談は, 問題をめぐる様々な情報を相談者との間で共有し, 専門的立場から判断を伝えることを中心として遂行される。加えて, かかわりの基本的態度としての共鳴, 相談者の不適切な解決目標や思い込みに対する対抗, 相談者の理解を促進する働きかけ, 相談の終了を導く働きかけなどが見出された。法律相談の実践現場から導かれた本研究のカテゴリーは, 既存の援助モデルで十分扱われていない専門的相談の特徴を明らかにしている。