著者
東海 旭宏 水越 克彰 興津 健二 堀 史説 西村 芳実 岩瀬 彰宏
出版者
日本ソノケミストリー学会
雑誌
ソノケミストリー討論会講演論文集 (ISSN:24241512)
巻号頁・発行日
pp.43-44, 2016 (Released:2017-07-21)

We synthesized graphene-Pd nanocomposites in one-pot by ultrasound, radiation and liquid phase plasma. Graphene dispersion containing Pd ions and 2-propanol was irradiated with ultrasound (200 kHz, 200 W) for 30 min and with gamma-ray (̴1 MeV) and electron beam (̴6 MeV). In radiochemical synthesis, the absorbed dose was 10 kGy. In these processes, the reduction of Pd ions and oxidation of graphene occurred simultaneously in one-pot. In the liquid plasma method, Pd nanoparticles generated directly from the electrodes were deposited onto carbonyl modified graphene. Based on the results, the formation mechanism of the nanocomposites was discussed.
著者
松田 雅弘 大山 隆人 小西 由里子 東 拓弥 高見澤 一樹 田浦 正之 宮島 恵樹 村永 信吾 小串 健志 杉浦 史郎 三好 主晃 石井 真夢 岡田 亨 亀山 顕太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】加齢に伴う運動器障害のために移動能力の低下をきたし,要介護になったり,要介護になる危険の高い状態を「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」と定義し,中高齢者の運動器に起こる身体状態として知られている。子どもの発育の偏りや運動不足,食育などが原因となり,筋肉,骨,関節などの運動器のいずれか,もしくは複数に障害が起き,歩行や日常生活に何らかの障害を引き起こすなど,子どもでも同様の状態が起こりうる。さらに,転んでも手がつけない,片脚でしっかり立つ,しゃがみ込むなど基本動作から,身を傷害から守る動作ができない子が急増している。幼稚園児36.0%,就学児42.6%,小学校40%で片足立ち。しゃがみ込み,肩180度挙上,体前屈の4項目の検査で1つでも当てはまる児童生徒が存在する。【活動報告】千葉県浦安市の児童に対するロコモの検診を行政と連携し,千葉県スポーツ健康増進支援部中心に実施した。参加者は3~12歳の334名であった。検査項目は先行研究にある片脚立ち,肩180度挙上,しゃがみ込み,体前屈以外に,四つ這いバランス,腕立て・腹筋などの体幹筋力,2ステップテスト,立ち上がりテストなど,柔軟性・筋力・バランス能力など12項目とした。また,食事・睡眠などのアンケートを実施した。当日は理学療法士が子どもと1対1で検査することで安全性の確保と,子どもの集中力を維持させ,検診を楽しむことで計測が可能であった。【考察】この検診で成長にともなう運動発達が遅れている子の把握が可能であった。親を含めた検診を通じて家族の運動への関心が高まったことや,自分の子どもの運動能力の把握,日頃の運動指導にもつながった。【結論】今回の検診で子どもの運動機能の現状を把握するのに,この取り組みが有益なことが示唆された。今後は広く地域と連携して子どものロコモ検診を行い,健康状態の把握と運動の啓発を理学療法士の視点として取り組んでいきたい。
著者
柏倉 弘和
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 = Bulletin of Uyo Gakuen College (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-8, 2009-02-01

本稿は、群れ遊びについて、いろいろな視点から考えようとするものである。 異年齢集団(群れ)や遊びの工夫、他の遊びとの比較を通して考察を行った。特にアブラシッコを中心的視点として詳しく検討した。アブラシッコとは、群れ遊びの中で適用される特別ルールのことである。 その結果、群れ遊びは、状況に応じながらできるだけ群れのメンバーみんながおもしろく遊べるようにする、理想的な遊びであると同時に、子どもにとっては様々な力が育つ大切な場でもある、ということが明らかになった。
著者
中村 大介
出版者
慶應義塾大学独文学研究室
雑誌
研究年報 (ISSN:09174281)
巻号頁・発行日
no.38, pp.29-53, 2021-03

0. 社会のなかの芸術家1. 『シニョール・フォルミカ』について2. ドイツにおける「文化の消費」3. 芸術家たちの戦略4. 結論論文
著者
菊地 裕絵
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.796-800, 2016

<p>摂食障害では疾患に伴う身体的・心理的苦痛や社会機能の低下といったQOLの障害にとどまらず, 死の転帰をとることもある. 自殺は主要な死因の一つであり, 神経性やせ症での自殺による死亡率は1.24/千人年, 自殺による標準化死亡比は31.0であり, 神経性大食症ではそれぞれ0.30/千人年, 7.5と報告されている. 精神疾患の中では, 統合失調症, 大うつ病性障害, 双極性障害, 物質依存に次ぎ, 自殺による死亡率が高い. 摂食障害の中での自殺リスク要因としては排出行動・併存精神疾患の存在, 重症度などが挙げられているが, 軽症例でも自殺リスクは一般人口より高い. また, 摂食障害患者では自殺の意図を伴わない自傷行為が自殺例数に比して他の精神疾患より多いと指摘されているが, 繰り返す自傷行為が周囲の人間の疲弊や治療者の自殺リスクの過小評価につながらないよう注意が必要である.</p>
著者
鬢櫛 一夫
雑誌
中京大学心理学研究科・心理学部紀要
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.103-112, 2001-10-31
著者
宮脇 健
出版者
尚美学園大学総合政策学部
雑誌
尚美学園大学総合政策研究紀要 (ISSN:13463802)
巻号頁・発行日
no.22, pp.73-89, 2013-03

本研究は新聞、テレビという既存のメディアが行うジャーナリズム活動に対して学生がどのような意識を持っているのかアンケート調査をもとに考察を試みるつもりである。現在、インターネットが普及し、デジタル化による社会を取り巻く環境の変化に伴い、ジャーナリズムは苦境に立たされているといえる。こうした社会環境の変化に対して、新聞やテレビといった既存のメディアがビジネスモデルを再考しなくてはならない、もしくは再考せざるをえないことは多くのジャーナリスト、またはそれに関わる研究者から指摘されてきたことである。では、新聞を読まない、もしくはテレビを視聴しないといわれている若者はジャーナリズムに対して何を感じているのであろうか。本稿では、大学生に実施したジャーナリズムに関するアンケート調査の結果を分析することで、ジャーナリズムの社会に果たす役割や問題点について明らかにし、その結果として次の世代がジャーナリズムに何を求めているのか解決の糸口を探ることを目的としている。
著者
久保 伸夫 中村 晶彦 山下 敏夫
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.98, no.8, pp.1263-1269, 1995-08-20
参考文献数
24
被引用文献数
6

成人178例に対し, 塩酸コカイン200mgとエピネフリン1mgを含んだガーゼタンポンによる表面麻酔下に内視鏡下鼻内手術を行い, 術前および術中の中枢症状, 脈拍, 血圧などの全身症状と術中の出血量, 手術時間を検討した. コカイン麻酔に伴うショック, 妄言, 呼吸抑制などの中枢症状と血圧の変動はなかったが, 毎分20回以上の脈拍の増加を26例で認めたが, 硫酸アトロピンを用いなかった症例では少なかった. 術中出血量は対象群とは有意差はなかったが, 手術時間は有意にコカイン使用群で短かった. コカインは200mg用いて安全であり, 粘膜微小血管からの滲出性出血を抑制することで, 手術時間を短縮すると思われた.
著者
中村 仁美
出版者
日経BP社
雑誌
日経BPガバメントテクノロジー
巻号頁・発行日
no.1, pp.108-113, 2003-09

■ 東京都三鷹みたか市は、2003年1月4日から3月末まで電子申請システムの実証実験を行った。全国9都市が参加した総務省の「電子自治体推進パイロット事業」の一環だが、マルチペイメントネットワークを使った公金の電子納付について実験したのは三鷹市だけ。実験はまずは成功という結果だったが、同時に本格導入への課題も見えてきた。
著者
米山 武義
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.476-477, 2001-07-25
参考文献数
5
被引用文献数
12 8

近年, 誤嚥性肺炎の治療と予防に対する新しい戦略が構築されつつあるが, その中で口腔ケアがにわかに注目されている. われわれは数年にわたる口腔ケアと誤嚥性肺炎発症に関する介入研究から口腔ケアが誤嚥性肺炎を予防しうる可能性をつかんだ. 本ワークショップでは, これを裏付ける2つの研究を取り上げ, その内容を紹介する.<br>特別養護老人ホーム入所者を対象に, 5カ月にわたり歯科医師と歯科衛生士による専門的口腔ケアを受けた高齢者 (口腔ケア群, 7名) と, 同時期入所者自身によって口腔清掃を行った, 高齢者 (対照群, 8名) にわけ, 両グループの咽頭における総細菌数, 連鎖球菌数および黄色ブドウ球菌を含むブドウ球菌数がどのように変動するかについて検討した. その結果, 長期間専門的口腔ケアを継続した5カ月後の口腔ケア群と対照群を比較すると対照群に比べて口腔ケア群の総細菌数および連鎖球菌数は共にt検定により統計学的有意差 (p<0.01) をもって減少した. さらに口腔ケア群では, 急性呼吸器感染症の主たる起因菌の一つであるブドウ球菌が, 3カ月後より検出限界以下に減少した.<br>一方, 全国11カ所の特別養護老人ホーム入所者366名を対象として, 肺炎発症に関する介入研究を行った. 各施設毎, 無作為に従来通りの口腔ケアのみにとどめる群 (対照群) と看護婦もしくは介護職による毎食後の歯磨きと1%ポピドンヨードによる含嗽, さらに週に1回の歯科医師もしくは歯科衛生士によるブラッシングを行う口腔ケア群に分類した. そして2年間にわたって37.8℃以上の発熱日数および肺炎罹患者数を追跡調査した. その結果, 口腔ケア群は対照群に比較し, 発熱日数および肺炎罹患者数とも統計的に有意の差をもって抑制された.
著者
牧野 誠一
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
札幌学院大学人文学会紀要 = Journal of the Society of Humanities (ISSN:09163166)
巻号頁・発行日
no.99, pp.111-129, 2016-02

わが国において,知的障害のある人が高等支援学校を卒業した後に,学べる機関は極めて少ない。知的障害者を公式に受け入れる公認の大学はない。しかし,知的障害者の中には学ぶ機会を求めている人たちは大勢存在する。その人たちの希望をかなえるべく,細々とではあるが学ぶ場を工夫して生み出し,運営を続けてきた学校や組織などがある。本論では,そうした工夫によって生み出された後期中等教育卒業後の学びの場である「オープンカレッジ」「特別支援学校専攻科」「学びの作業所」についての現状を分析し,これから知的障害のある人にとって豊かに学ぶ場がどのように準備されることが望ましいのかを展望した。論文