著者
竹沢 昌子
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.2, pp.67-82, 2001-03

1987(昭和62)年に社会福祉士が制度化されて以来、12年が経過した。この間、国民の社会福祉ニーズが変化する中で、社会福祉従事者の人材養成が緊急の課題として取り上げられるようになってきている。社会福祉士の教育課程見直しもその一つであり、なかでも実習指導の充実や実習指導者の養成が提言されている。同時期に、日本社会福祉士会は実習指導者養成研究会を発足させ、後進の育成に自ら積極的に関わる姿勢を見せている。そこで筆者は、社会福祉士(沖縄県)を対象として、実習指導における社会福祉士の役割に関する意識調査を行なった。調査結果によれば、社会福祉士として実習教育に積極的に関わりたいというグループと、社会福祉士としての意識の希薄さから実習教育への関わりに消極的なグループとに大きく分類された。本稿においては、近年の社会福祉士養成教育に関する施策と実習指導の現状を分析するとともに、上述の調査結果を紹介、考察する。It has been twelve years since a social work license became nationally certified in 1987 in Japan. This paper focuses on a discussion of who are to be leading field instructors for students who wish to be certified social workers (CSWs). The author conducted the study in Okinawa, Japan. The author surveyed CSWs, asking them how they perceive their roles in field placement education. Of the 136 questionnaires sent out, 48 were returned. The results reveal two different perspectives on field placement education. One group (approximately 60-70% of the respondents) believes they should positively become involved as field instructors since they recognize they are most qualified to teach the unique knowledge, skills, values and perspectives of social work professionals. These respondents identify teaching social work students as one of their professional roles and commitments. Another group (approximately 20-30% of the respondents) remains uncertain about their roles and uninterested in becoming involved in the education.
著者
岡本 源太
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、ジョルダーノ・ブルーノの「世界の複数性」の思想を調和も照応もなき多様性の哲学として読み解き、多様なものの共生という現代的課題に新たな視座を提起することを目的に、(1)ブルーノ『しるしのしるし』(1583)に見られる世界の複数性の存在論的基盤・倫理的含意、(2)世界の複数性の概念史におけるルネサンス・近世の音楽論の重要性、(3)ルネサンス哲学から近世自由思想に継承された自然主義的循環史観の重要性、を解明した。
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.
著者
秋山 浩一 高木 智彦 古川 善吾
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.567-576, 2012
参考文献数
16

直交表を用いたHAYST法という組合せテスト技法は,組込み系ソフトウェアに対する品質向上とテストの効率化を目的として開発された.一方で,受注ソフトウェアの開発において,納品後の不具合に対して,対症療法的な対応がされているケースがあり,HAYST法を適用すべきであると考えた.しかし,HAYST法は,因子数に対してテストケース数が一次関数的に増加する傾向にあり,そのまま適用することはできなかった.そこで,HAYST法に拡張を行い,受注ソフトウェアに対してもHAYST法を適用することができることを確認した.受注ソフトウェアにおいては,顧客データのエラーの組合せパターンが多く,その作成が鍵であった.また,状態遷移図からテスト設計するのではなく状態変数の組合せを状態としてテストしたことで欠陥が検出できた.そして,グループ別に小さな直交表に割り付けて,それらを組み合わせることでテストケース数を削減した.納品後1年間,欠陥が検出されなかったことから,HAYST法が受注ソフトウェアのテストにおいても有効であることが確認できた.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1919年04月24日, 1919-04-24

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1919年05月21日, 1919-05-21

鎌倉の覚園寺第二世大灯源智律師の消息(手紙)の裏に、宛名の「大の御かた(北条貞時室)」等が妙法蓮華経を刷った消息経。制作年代は明確ではないが、覚園寺にある源智の供養塔に正慶元年(1332)の造立銘があること、版式などから鎌倉時代末頃と推定される。表紙と見返しおよび本文は、金銀切箔、野毛、砂子散らし。紙背には雲形模様の装飾が施される。軸頭に六角水晶を用いた美しい装飾経の遺品。また、紙背の消息124通は鎌倉時代の貴重な資料となっている。

2 0 0 0 OA 妙法蓮華経

巻号頁・発行日
vol.巻7 紙背,

2 0 0 0 OA 妙法蓮華経

巻号頁・発行日
vol.巻2 紙背,
著者
家辺 勝文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.334-343, 2008-11-29

視覚的なメディアとしての文書は言語表記体系に依存した空間的構造をもち,形態依存の意味作用の場を形作る.電子文書交換の観点から組版関係のJISなどを参照しつつ日本語文書の視覚的構造化の諸特性を再検討する.
著者
佐藤 嘉彦
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育学部理科教育実習施設研究報告
巻号頁・発行日
vol.5, pp.15-25, 1989-03-25

Leaves of five forma of Hydrangea macrophylla group listed below were anatomically investigated and many variations were found in the epidermal and mesophyll tissue. (1) Hydrangea macrophylla var. macrophylla forma macrophylla (2) H. macrophylla var. macrophylla forma normalis (3) H. macrophylla var. megacarpa forma megacarpa (4) H. macrophylla var. acuminata forma acuminata (5) H. macrophylla var. angusta forma angusta There was no difference in the anatomical characters between two forma of H. macrophylla var. macrophylla. Their leaves were composed of one-layered epidermis, in which the outline of the cell walls was straight, and ten or more cell-layers of the mesophyll, of which adaxial two-three layers were palisadal. In other three forma, also, the epidermis was one layer of cells, but the outline of cell walls was curved inwardly or outwardly. The palisade tissue was composed of only one layer of cells. It is known that section Hydrangea possesses unicellular hairs with a hillock-like structure at their base (STERN, 1978). Besides the hairs, unicellular hairs without a hillock-like structure at their base were found. These variations are fully expected to have an important significance, when an intra-specific relationship of H. macrophylla or/and an inter-specific one of the genus Hydrangea will be discussed in future.
著者
樋本 和大 松本 正和 田中 秀樹
出版者
北海道大学低温科学研究所 = Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.131-140, 2013-03-31

計算機シミュレーションにより氷VIIと液体状態の水に挟まれた温度・圧力領域での存在が予測されている水のプラスチック相(プラスチック氷)について, 現在までに明らかとなった構造や水素結合連結性の特徴およびダイナミクスを紹介する. 特に, プラスチック氷の存在を最初に取り上げた論文について, その発見に至る経緯と同定の根拠, およびプラスチック氷の性質を概観し, その後の進展について触れる.
著者
松本 唯一
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.58, no.682, pp.266-267, 1952-07-25
著者
柳瀬 公
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.61-76, 2012

日本社会は,Beck(1986=1998)らが指摘するリスク社会を東日本大震災(2011年3月11日)で経験することになった。特に,福島第一原発事故は,事故後の避難計画や除染方法,食品や水の安全性,健康被害,風評被害,政府の対策,エネルギー問題,環境問題などのさまざまな問題を提起している。人びとがこうした「新しいリスク」に対処するとき,その主要な情報源となるものがメディア報道である。本研究では,「新しいリスク」の事例として「放射性セシウム汚染牛問題」を取り上げ,メディア報道が「新しいリスク」の情報を人びとに伝える際に,どのように報道の枠組み,つまり,メディア・フレームを使用するのかを,計量テキスト分析によって探索的に検討した。その結果,「放射性セシウム汚染牛問題」の新聞報道では,「現状フレーム」,「対策フレーム」,「原因フレーム」,「要求フレーム」,「被害フレーム」,「人体への影響フレーム」,「食品フレーム」,「原発事故フレーム」の8つのメディア・フレームが強調されていた。さらに,これら8つのメディア・フレームの出現数は,時系列で変化していたことが明らかになった。以上の知見から,「放射性セシウム汚染牛問題」の報道は,8つのメディア・フレームに依拠し,そのメディア・フレームを時期的に変化させることで,リスク事象の報道内容にストーリー性をもたせ,短期間でパッケージ化されていることが見出された。しかし,短期間でのメディア・フレームのパッケージ化による情報伝達が,リスク社会下に生きる人びとに対して,「新しいリスク」の危険性を浸透させることに適しているのかといった問題点も挙げられた。