著者
冨浦洋一 日高達 吉田 将
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.42-49, 1991-01-15
被引用文献数
5

本格的な意味処理を行うためには 単語の意味に関する知識が必要であることは言うまでもないその中で 語彙間の上位-下位関係は 最も基本的な知識の1つである本研究では 動詞間の上位-下位関係を国語辞典から抽出する手法を開発することを目的とする動詞は第一階述語論理ではn項述語に対応するまた 動詞は一般に多義であり 語義が異なれば 上位-下位関係にある動詞も異なるそこで 動詞をその語義ごとに述語に対応させ 動詞間の上位-下位関係を述語間の関係として捉えるしたがって 動詞間の上位-下位関係の抽出では 単に見出し動詞と上位-下位関係にある動詞(定義動詞)を抽出するだけでなく 定義動詞の語義の選択 および 見出し動詞と定義動詞の変数の対応も考慮しなければならない本稿では まず (1)動詞間の上位-下位関係を論理的に定義し (2)見出し動詞とその語義文の論理的関係 および 語義文の統語構造と論理的性質について述べ (3)動詞間の上位-下位関係を示す情報は語義文の統語構造中のどこに現れるかについて述べるさらに (4)定義動詞の語義 および 見出し動詞との変数の対応を適切に選択するための必要条件とヒューりスティックについて述べ 最後に (5)抽出結果について述べる
著者
佐藤 浩昭
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.219-220, 2001-03-05

Temperature-programmed analytical pyrolysis (TPPy) techniques were developed for the characterization of various functional polymers. In the first study, the TPPy techniques were applied to investigate the thermal-degradation process of a flame-retarded poly (buthylene terephthalate) (FR-PBT) with a synergistic flame-retardant system based on a bromine-containing polycarbonate (Br-PC) and Sb_2O_3. It was clarified that during the degradation of FR-PBT the evolution of various bromine-containing products, including flame-poisoning SbBr_3 formed through the reaction between Br-PC and Sb_2O_3, were closely related to synergistic flame-retarding mechanisms. In a second study, a natural polysaccharide chitin/chitosan and chitin-based polymer hybrids were characterized by means of analytical pyrolysis techniques. Firstly, in order to determine the composition of N-acetyl-D-glucosamine units (i.e. the degree of acetylation) of chitin/chitosan, a new reactive pyrolysis-gas chromatography in the presence of an oxalic acid aqueous solution was developed. The proposed technique was applicable to any kind of chitin/chitosan sample over the whole range of acetylation to which the other individual methods were inapplicable. Secondly, novel chitin-based polymer blends with a chitin derivative and poly (vinyl chloride) were characterized by the TPPy techniques. The evolution peak-top temperatures and the amounts of the characteristic degradation products were correlated to the miscibility of the blends. In addition, the mechanisms for the intermolecular interaction of the blends were also characterized.
著者
杉野 圭史 本間 栄 宮本 篤 高谷 久史 坂本 晋 川畑 雅照 岸 一馬 坪井 永保 吉村 邦彦
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.97-103, 2007 (Released:2007-05-21)
参考文献数
15
被引用文献数
4 3

目的.肺結核と原発性肺癌の合併症例の臨床的特徴ならびに問題点を分析し,今後の対策について検討した.対象および方法.1985年から2005年までの21年間に当院に入院した活動性肺結核患者788例および肺結核治療後の患者240例の中で,原発性肺癌を合併した17例を対象とし,患者背景,画像所見,予後をretrospectiveに検討した.結果.17例の内訳は男性15例,女性2例,平均年齢は73.4歳であった.肺癌の組織型では,腺癌が10例と最も多く,病期では,同時型(活動性肺結核が肺癌と同時期に発症・発見されている症例)が5例で全例III期,IV期の進行例であったのに対し,異時型(肺結核後遺症あるいは,すでに化学療法が終了し排菌のない症例)12例では,4例(33%)においてI期の早期肺癌が発見された.両疾患の病巣が同側肺あるいは同一葉内に存在する割合は,同時型でそれぞれ4例(80%),3例(60%)で,異時型ではそれぞれ8例(67%),1例(8%)で,同時型の方が同一葉内に存在する傾向が高かった.考察.肺結核と肺癌が合併した症例のうち,とくに同時型では,進行肺癌で診断されることが多く,予後が不良である.注意深い観察と積極的な診断および治療へのアプローチが必要である.
著者
河戸 誠司 江口 瑠美 千住 秀明 濱出 茂治
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
日本理学療法学術大会 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.F0187-F0187, 2008

【目的】<BR> 電気刺激による筋力増強法は,健常者や様々な疾患にその効果を示している。近年,前田らによって考案されたHybrid法は,目的筋とは対側の拮抗筋に電気刺激を与え,その筋活動を運動抵抗として行う方法であり,従来とは異なる方法である。一方,遠心性収縮は高い筋張力が得られるため筋力増強に適している。本研究の目的は,電気刺激を目的筋である大腿四頭筋に与え,拮抗筋を求心性収縮させることで生じる遠心性収縮を利用した筋力増強法の効果について検討することである。<BR>【方法】<BR> 対象は,本研究に対して同意が得られた健常成人20名(男性11名,女性9名)とした。電気刺激には低周波治療器(パルスキュアー・プロ)を使用し,電極は非利き側の内側広筋,大腿直筋,外側広筋に貼付した。周波数は20Hz,通電・休止時間ともに10秒間の間歇通電法を用い,20分間/回,週3回,4週間とした。本法の筋力増強法は,電気刺激を大腿四頭筋に与えて膝関節を他動的に伸展させた後,随意的に屈曲させることで生じる遠心性収縮を利用した方法である(電気的遠心性筋力トレーニング:以下,EEMT)。測定項目は大腿四頭筋力および大腿周囲径(膝蓋骨上縁5.0/10.0/15.0cm),皮膚血流量,皮膚温度をトレーニング前および2,4週間後に測定した。統計処理は経時的変化を一元配置分散分析によって検定し,有意差を認めた場合はBonferroni法を用いて多重比較検定を行った。有意水準は5%未満(p<0.05)とした。<BR>【結果】<BR> 大腿四頭筋力はトレーニング前の188.3±72.0Nから2週間後に231.5±70.4N(22.9%),4週間後に271.7±73.2N(44.3%)へ有意な増加(p<0.001)を認めた。大腿周囲径は測定部位に関わらず4週間後に有意な増加(p<0.001)を認めた。皮膚血流量および皮膚温度は,どの部位においても経時的変化は認められなかった。<BR>【考察】<BR> 健常者を対象とした大腿四頭筋の筋力増強法は,電気刺激のみではトレーニング期間が4~6週間で最大筋力が約11~15%, Hybrid法では6週間で19~33%の増加率であったと報告されている。EEMTは先行研究と比較して,より短期間に効果を認め増加率も大きかった。電気刺激は速筋線維から興奮し,低頻度刺激は遅筋線維を賦活するとされており,遠心性収縮は速筋線維が優先的に動員され筋肥大しやすいという特徴がある。EEMT は目的筋に電気刺激と遠心性収縮を組み合わせて筋力トレーニングすることにより大腿周囲径も有意に増加し,効果的な筋力増強法と考えられた。また,筋力トレーニングや低周波電気刺激により循環動態を経時的な改善をみとめるとの報告もあるが,本研究の皮膚温度および血流量は大腿表面の変化を捉えているに過ぎず,今後はより詳細な検討が必要と考えられた。
著者
高正 晴子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.919-925, 1994-10-15
被引用文献数
1

In this paper, I reffered to the record of the menus for the Shogun, Tokugawa Ienari, known as the Chori Sosho in oder to research into his dietary life. The first six volumes of the Chori Sosho are a record of meals served on special occations. A feature of the remaining twelve volumes is that the Shogun's dietary life includes special meals to commemorate previous ancestors and suchlike people. We can also separate the meals prepared for special occasions from those on ordiany days. The latter suggest that the Shogun's diet was simple. Fish dishes are most plentiful, then vegetable dishes, and that care is taken to avoid food poisoning. In conclusion, his diet can be said to be quite lavish and both full of variety and seasonal touches. It therefore appears that he was exempt from the laws against indulgence at the time.
著者
大高 崇 西田 昌史 堀内 靖雄 市川 熹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.747, pp.7-12, 2004-03-19

現状の手話CGアニメーションでは,手動作が不自然に見えてしまうという問題が指摘されている.その要因の一つに,手話を表現する時間長が文の構造や強調表現などによって変化するという点を考慮していないことが挙げられる.この問題の解決には手話の時間構造に関する詳細な検討が必要不可欠であるが,これを厳密に分析した研究はあまり行われていない.そこで本研究では,手話の時間構造に関する初期検討として,時間構造の基準となる単位(時間構造単位)について分析を行った.分析の結果,手話の時間構造は動作転換点を中心に構成され,時間構造の単位は単語以下の単位であるという点が示唆された.
著者
山崎 志織 堀内 靖雄 西田 昌史 黒岩 眞吾 市川 熹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.435, pp.31-36, 2008-01-18

人間の手話動作と同程度の速度でも十分に読み取り可能な手話文CG合成システムを実現するために,モーションキャプチャにより収録した単語データを用い,わたりを自動補間する手話文CG合成システムの構築を行った.わたりに対しては時間長を移動距離から算出する手法を用い,速度を力学的モデルである躍度最小モデルによって算出した.構築したシステムによるアニメーションに関して,市販されている手話文CG合成ソフトとの比較評価を行った結果を報告する.
著者
寺内 美奈 藤森 憲男 神田 和幸 長嶋 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.102, pp.69-74, 1994-06-18
被引用文献数
3

近年,聴覚障害者の情報伝達手段の一つである手話への関心が高まり,手話の習得を志す人々が年々増加している.一般的に手話を学習する方法として,手話講習会や手話サークルへの参加,TV講座や手話の本の利用などがある.我々は手話を学習するための補助手段として,パーソナルコンピュータによる手話学習システムの構築を目指している.本報告では,手話学習システムを構築するにあたり,従来の手話の学習方法について調査し,本システムにおける学習日標を明確化する.また,手話を学習する上で重要である手話調動を習得するための一機能として,以前我々が報告した液晶シャッターを用いる3D手話アニメーションを採用することについて検討する.さらに,その立体視によるアニメーションでの学習効果を確認するため,初期実験として,3Dアニメーションによる表示された手話語彙について,聴覚障害者を含む20名の被験者により評価実験を行ったので,その結果についても報告する.
著者
井田 慎一郎 山本 紘子 照沼 真衣 伊藤 眞義
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.55-60, 2009 (Released:2009-02-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

PET/PEN/PET-PEN コポリマーからなる三元系ブレンドについて,系内で進行するエステル交換反応が,ブレンド系からコポリマーのみからなる一元系への変化に与える影響を検討した.エステル交換反応の進行度が小さい場合,PET/PEN/PET-PEN コポリマーブレンドは上部臨界溶解温度(UCST)型の相図を示した.エステル交換反応の進行に伴い,ブレンド系は一元系へと変化した.この変化が生じるために必要なエステル交換反応の進行度は,三元系のブレンド比や PET-PEN コポリマーのブロック性にほとんど依存せず約 1 mol%以上であることがわかった.
著者
今本 健児 加藤 博一 川本 佳代 橘 啓八郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.594, pp.31-36, 2002-01-17
被引用文献数
3

本報告ではHMD装着型の拡張現実感システムにおける共同作業について, ユーザ間のコミュニケーションの観点から検討を行った.一般的には, HMD装着ユーザの表情が視認できない, HMD非装着者が状況を認識できない, 仮想物体と実物体の隠蔽関係の逆転現象が生じるなどの問題が発生する.これらの点に関して, 我々が今回試作した複数人用の仮想物体操作システムを用いて共同作業がなされる.際に, どのような問題がコミュニケーションに影響を与えるのかについて議論した.また, 簡単な評価実験からは, 隠蔽関係の逆転現象, および非立体視での映像提示方式が, ユーザの指差し行為を大きく阻害するということがわかった.