著者
Seitaro Ohkuma Shi-Hu Chen Masashi Katsura Da-Zhi Chen Kinya Kuriyama
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
The Japanese Journal of Pharmacology (ISSN:00215198)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.125-128, 1994 (Released:2006-04-10)
参考文献数
19
被引用文献数
32 34

The effect of muscimol on N-methyl-D-aspartate (NMDA)-induced injury of primary cultured cerebral cortical neurons was examined. NMDA induced a dose-dependent leakage of LDH activity, which was significantly inhibited by (±)-5-methyl-10, 11-dihydro-5H-dibenzo-[a, d]cyclopentan-5, 10-imine (MK-801). Muscimol significantly reduced the NMDA-induced increase of lactic dehydrogenase (LDH) leakage, and bicuculline abolished this protective effect of muscimol. Similarly, muscimol reduced the NMDA-induced increase in trypan blue staining of the cells, and bicuculline suppressed this inhibitory action of muscimol. These results suggest that GABAA-receptor stimulation exerts a protective action against the neuronal injury induced by NMDA-receptor activation.
著者
堀田 修
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.17-23, 2020 (Released:2021-03-31)
参考文献数
52

上咽頭は鼻孔から流入した吸気が通過する最初の免疫学的関所で,感冒等の急性上気道炎時における炎症の悪化は必発である.上咽頭は健常人においても樹状細胞,活性化リンパ球が豊富で,鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)として特に自然免疫を介した感染防御において重要な役割を果たす.IgA腎症患者においては高頻度に自覚症状を欠いた重度の慢性上咽頭炎が存在し,同疾患での上咽頭における自然免疫の慢性的活性化状態が示唆される.急性咽頭炎に伴う肉眼的血尿はIgA腎症の特徴的症状であるがこの現象は扁摘後の症例にも認められ,上咽頭等の口蓋扁桃以外のNALTの更なる活性化が肉眼的血尿の責任病変である糸球体血管炎の増悪に関与していることを示唆している.本稿では感冒時における腎症悪化の機序をCX3CR1/fractalkine interactionを介したepipharynx-kidney axisの観点から概説する.さらに,糸球体性血尿を呈するも蛋白尿が陰性でまだ腎生検の適応にならない潜在的IgA腎症の段階における上咽頭擦過療法の有用性に関する私見を述べる.
著者
有家 尚志 東 裕一 中村 駿佑 池田 翔 平田 靖典
出版者
The Society of Japanese Manual Physical Therapy
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-10, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
23

Lateral elbow tendinopathy(LET)に対する保存療法の一つに徒手療法があるが,効果について邦文で整理されたエビデンスは不十分である。本研究の目的は,LETを有する人々を対象に,徒手療法の効果を検証したシステマティックレビュー(SR)を網羅的に評価することとした。PubMed,CENTRAL,PEDroを用いて検索した(検索日2022年2月)。方法論の質評価には,A Measurement Tool to Assess Systematic Review 2を用いた。論文の選択,データ抽出,方法論の質評価は,2名の研究者が独立して実施した。最終的に3件のSRが該当し,質的に分析した。介入として検討された徒手療法は,mobilization,neural tension,deep friction massage(DFM),Mill’s manipulationが含まれた。3件ともに,研究計画の事前登録が不十分であった。エビデンスの確実性は,DFMが疼痛と機能のアウトカムに与える効果のみ検証されていたが,very lowであった。本研究の結果,LETに対する徒手療法の効果について検証するには十分なエビデンスがなかった。今後は,アウトカムを統一して検討することが重要である。
著者
山根 晶子 岡田 光正 村上 昭彦
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.48-53,28, 1990-01-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
9

栄養塩内包マイクロカプセルを海面に散布して, 流出した原油の海洋石油分解菌による分解を積極的に促進して処理する方法を検討した。すなわち, 海洋表面を模擬した上下揺動振盤装置を用いて, 海洋より単離した石油分解菌 Pseudomonas sp.に4種の原油, Arabian light, Berri, Murban, Khafjiを生分解させたところ, 21日間での分解除去率は海水のみでは約20%であったが, マイクロカプセルを投与した場合には43~56%に促進された。活性アルミナカラムクロマトグラフィーによる分画から, 原油成分のうち飽和分が最もよく分解され (75~85%), ついで芳香族分が分解される (55~60%) ことが分かった。各原油5gに対して21日間での分解除去率は1回当りの投与量が116mgでほぼ最大に達した。また7日間での分解除去率 (投与総量116mg) は全除去率の80%以上を示した。投与間隔は7日間までは除去率に影響ないがそれ以上の間隔になると除去率は低下した。
著者
山本 大地
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.45-53, 2007-06-01 (Released:2017-09-08)
参考文献数
14

Cet article a pour but d'analyser la phrase exclamative de type Quel...! en nous centrant sur les propriétés des adjectifs susceptibles d'entrer dans cette construction. Afin de la distinguer des autres types d'exclamative utilisant un interrogatif (Quel...!, Ce que...!, Qu'est-ce que...! etc.), nous proposons deux contraintes qui pèsent sur le choix des adjectifs: l'une tend à favoriser les adjectifs munis de propriétés qui concernent l'échelle subjective et l'autre privilégie les adjectifs avec l'attribut constant.
著者
[靜岡縣編]
出版者
靜岡縣
巻号頁・発行日
1929
著者
三浦直正著
出版者
小池商店
巻号頁・発行日
1906
著者
大石 智子 佐々木 銀河 野呂 文行
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.81-90, 2017-03-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
11

本研究では、自閉スペクトラム症幼児1名に対して、モーラリズムタッピングを用いて物品名称の音声模倣指導を行い、介入手続きの各構成要素が正確なモーラ単位での音声模倣に及ぼす効果を検討することを目的とした。また、命名スキルにも刺激性制御が転移するかを検討した。発音のアセスメントを行った後で、モーラリズムの音声提示、指導者によるタッピングモデル提示および対象児によるタッピングのガイダンスを継時的に導入した。結果、指導者が音声モデルを提示するよりも、指導者と対象児が音声モデルのモーラに合わせてカードをタッピングする方が正確なモーラ単位での音声模倣および命名スキルの促進に有効であった。この結果について、音声表出における弁別刺激の明瞭化や刺激性制御の転移の観点から議論した。
著者
新納 泉
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.211, pp.51-77, 2018-03-30

レーザー計測などの新しい技術の採用によって,前方後円墳の立体的な形状をきめ細かく把握することが可能になってきた。本稿では,そうしたデータにもとづいて,大規模な前方後円墳を例に設計原理とその系列の復元を行う。主として取り上げるのは,近年レーザー計測などが実施された,大阪府藤井寺市仲津山古墳(仲姫皇后陵古墳),同堺市上石津ミサンザイ古墳(履中陵古墳),岡山市造山古墳,大阪府羽曳野市誉田御廟山古墳(応神陵古墳)の4基であり,それぞれの古墳の設計原理の解明と相互の関係を検討した。設計原理を読み解くにあたっては,主として,コンピュータのプログラムを用いて描画される復元図を,測量図に重ね合わせるという手法を用いた。設計原理に用いられた長さの単位を知るには,後円部の中心点と,前方部の隅角の各段を結ぶ稜線が主軸と交わる前方部中央交点(P点)との間の距離が最も信頼性の高い手がかりとなる。これらの点は少ない誤差で絞り込めることと,その2点間の距離が後円部の半径の1.5倍となる例が多く,墳端の位置がはっきりしない場合でも,後円部の半径を推定しやすいからである。以上の方法を用いることにより,次のような点を明らかにすることができた。(1)歩を長さの単位とし,直角三角形の底辺と高さの比で角度を決定している,(2)0.5歩の倍数で段築のテラスの幅を決定し,それを長さの基本単位としていたが,基本単位の長さは後円部と前方部前面で異なるのが普通である,(3)設計原理のままでは要請された墳丘長に合わないことが多いため,実施設計において墳丘を引き伸ばすなどの一定の調整がなされていた,(4)それぞれの古墳の築造に際しては,既存の設計原理を適用するのではなく,そのたびに新たに設計原理が構想されていた,(5)設計原理の継承には系統性が存在するが,その内容は複雑なものである。
著者
駒宮 功額
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.361-367, 1984-12-15 (Released:2017-12-31)

金属材料は特殊な粉宋を除き一般に不燃性であるが,条件によっては次のような火災危険が発生する、 ①酸素,塩素の配管系などに用いられる鉄,チタニウムなどの金属火災,②各種金属加工の際に生ずる切削油や有機物を含む研摩剤で汚染された切肖L研摩屑火災,③アルミニウムと含ハロゲン溶剤やぞり一 スとの異常発熱火災,などである. 火災の起きる原因としては,①では,衝撃や油脂などの発火による金属火災であり,②は,主として切削屑に混入する有機物火災による延焼のためと考えられる,③は,アルミニウムと塩素との発熱反応および生成塩化アルミニウムが揮発性のためと推定される. 事故防止には金属材料の燃焼性と雰囲気ガスの性質をよく理解し,装置内に付着する油脂の洗溝などに配慮することや,切削屑中の有機物に注意することが大切である.
著者
阿河 雄二郎 Yujiro Aga
雑誌
関学西洋史論集 (ISSN:03860043)
巻号頁・発行日
no.36, pp.67-72, 2013-03-25
著者
田倉 智之
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.12, pp.2899-2906, 2014-12-10 (Released:2015-12-10)
参考文献数
11

米国の医師技術料は,技術やストレスをも包含する提供負荷(relative value unit:RVU)と資源消費をベースとしたRBRVで論じられてきた.これは,技術提供に伴う医療資源消費をRVS(relative value scale)という総合指数で規定する.その算定には,主な18診療科で多くの専門医師が関与し,領域横断的なコンセンサスが形成される一方で,技術特性間の調整と多様な診察の分類が課題として挙げられた.今後の医師技術評価は,提供者の視点が中心のRBRV方式に加え,患者や国民等の享受者や負担者の立場によるアウトカム評価も望まれる.

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著者
文杭社 [編]
出版者
文杭社
巻号頁・発行日
1926