著者
高橋 純 山西 潤一 佐々木 和男
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.127-134, 2003-09-20
被引用文献数
8

高齢者がWebページを利用する機会が増え,加齢により低下する視覚機能に対応し,アクセシビリティの高いWebページづくりが求められている.そこで,文字色や背景色の組み合わせによる文字配色や文字サイズについて,若年者,高齢者,高齢者のうち白内障患者を想定した群を対象に調査をし,見やすい配色,文字サイズを検討した.その結果,高齢者にも配慮した文字表示には,陽画表示が望ましく,輝度コントラスト比が5:1以上になる背景色と文字色の組み合わせを使うことや,文字サイズを10pt以上にする必要があるといった指標を得た.
著者
小林 郁典 中野 純司 山本 由和 藤原 丈史
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.15-25, 2006-06-30
被引用文献数
2

統計解析システム上でデータマイニング手法による解析を利用者に提供するために,Javaの技術に基づいて開発されている統計解析システムJaspにデータマイニングができる機能を追加した.このために,機械学習ソフトとして有名なWekaのJavaクラスライブラリをJaspに組み込み,データマイニング手法に対応した関数型のコマンドをいくつか用意した.利用者は,Jasp上で解析データを用意し,統計解析用のコマンドを利用して統計グラフを描き,C4.5,サポートベクターマシン,APRIORI法やK-Means法などのデータマイニング手法を解析データに適用することができる.
著者
荒川 豊 柏木 啓一郎 中村 隆幸 中村 元紀 松尾 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.79, pp.49-54, 2009-06-04

我々はセンサやアクチュエータにより収集・操作する実世界のデータを蓄積・検索する機構uTupleSpaceの研究を行っている。多数のデバイスからのデータを蓄積し、様々なアプリケーションでこれを共有するため、uTupleSpaceはスケール性を考慮して構築されなければならない。そこで、uTupleSpaceを構成する複数サーバ間で動的に負荷を分散し、また必要に応じてサーバ増設を可能とするダイナミックヘルプ方式を考案した。評価の結果、センサデータを利用する想定アプリケーションにおける負荷に対し、考案方式によりuTupleSpaceは十分にスケール可能となることを確認した。
著者
横野 稔 鈴木 雅洋 上平 員丈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.75, pp.55-58, 2009-06-01
被引用文献数
3

筆者らはこれまでの研究において観察者の運動の特性を利用することによって光学シースルーによる複合/拡張現実感における仮想対象を視覚的に知覚している位置を推定することを提案した.本研究においては,観察者が仮想対象に手を伸ばす場合に関して,運動時間の関数としての観察者の手の奥行き位置にロジスティック関数を適合することによって仮想対象を視覚的に知覚している奥行き位置を推定する.
著者
前田 太佳夫 鎌田 泰成 酒井 雄作 高原 直樹
出版者
日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 = Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. B (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.701, pp.171-176, 2005-01-25
参考文献数
5
被引用文献数
5

This paper describes the measurement of the flow field around rotor blade. Three-bladed upwind rotor was tested in an open jet type wind tunnel. The rotor has a diameter of 2.4m. Flow field around rotor blade was measured with the use of two-dimensional LDV. The flow field was measured in x-y plane and z-y plane. The circulation around the blade sections were calculated by flow vectors around the rotor blade. The velocity vectors at optimum operation show a smooth flow around the blade and the bound vortex around blade cross-section seems to be persistent. On the other hand, the velocity vectors at stall condition demonstrate significant fluctuations in the near wake and separation on the blade suction side was observed. The circulation around blade span-wise section was calculated at the certain control volume. By the observation of flow field and calculated results of circulation, it seems that the flow is separated at the blade from middle-span region to tip region at stall condition. No separation was observed at the blade root region.
著者
佐々木 洋成
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.219-234, 2000-09-30

本稿では, 階層再生産論における主要概念である教育的地位達成に焦点をあて, 業績としての教育達成に与える属性要因の影響を動態的に探索することにその目的があり, 従来の研究とは以下の2点で識別される.1. 教育達成尺度として高等教育間格差すなわち学校歴を採用しており, 学歴以上に世代間の関連を精緻に検討できる.2. 父母教育達成の組み合わせを分析に投入し, 子達成に与える親属性の影響を父母各々に分割せず世帯単位で設定して検討している.<BR>分析では1992年11 月実施の35~49 歳女性を対象とした東京調査データを使用した.P. ブルデューの階層再生産論に基本的に整合する結果であり, 世代間教育達成の強い関連が高等教育レベルの学校歴という形で明確に確認され, 達成地位の世代間継承として位置づけられる.しかし, 親世代の教育達成から子世代への継承形態は単調的なものではなかった.この非単調的な関連は, 親属性の効果を, 子が成長する家族背景として重要である世帯単位で変数設定した場合でも認められるものだった.これらの結果は, われわれがこれまで教育年数を用いて把握し理解してきた教育達成の世代間継承のみならず, それを超えた世代間継承が存在していることを示唆している.
著者
加藤 麦 福田 文彦 石崎 直人 矢野 忠 山村 義治
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.439-449, 1999-11-20
被引用文献数
3

OLETFラットに対してグルコースクランプ中に刺激を与え,鍼通電刺激がインスリン感受性に及ぼす効果を検討した。OLETFラットを,耳介迷走神経鍼刺激群(AVA),耳介非迷走神経鍼刺激群(ANVA),背部鍼刺激群(AB),背部ピンチ刺激群(PB),無刺激群(NS)に分け,正常対照としてLETOラットも同様に5群に分けた。更に,インスリン抵抗性に対する予防効果を検討するため,OLETFラットに長期間の鍼通電刺激を行った。鍼通電刺激はパルス幅300ms,1.5V,1Hzで10分間又は15分間行った。結果はOLETFラットでは,PB群で基礎値に対して刺激後に有意に減少した。LETOラットではPB群の刺激後に基礎値,刺激中の値に対して有意な増加がみられた。長期間刺激したAVA群及びAB群のGIRは,NS群に比べ有意に増加していた。以上の結果より,耳介部及び背部の鍼通電刺激はインスリン抵抗性の予防に有効であることが示唆された。
著者
武田 富美子 古賀 徳子
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学人間福祉研究 (ISSN:13483463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.115-124, 2005-09-01
被引用文献数
1

筆者の一人は、教職総合演習において、環境問題をテーマに「学びの即興劇」を実践してきた。それを中学・高校で活用するために他のテーマに応用したいと考え、同教科に参加型学習を取り入れているもう一人の筆者に合同演習を呼びかけた。彼女は、「平和の文化」を身につける方法として「学びの即興劇」に関心を持ち、合同演習が実現した。そのねらいを「教師となった時におこるであろう問題を、即興劇を通して擬似的に体験することで、自分なりの考えをもつきっかけとすること」とし、「いじめ」「非行」「不登校」「学級崩壊」を劇の題材にした。学生たちは想像力を働かせ、登場人物の思いを言葉にし、とまどいや苛立ち、怒りを身体で表現した。教育の諸問題を解決するために、教師が生徒や親の視点をもつことは重要であり、「学びの即興劇」はその有効な手段のひとつと考えられた。また、問題を平和的に解決するための学習として効果的であった。
著者
木治 潤一
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
シンポジウム
巻号頁・発行日
no.42, pp.36-43, 1999-09-19

サービスシステムのスケジューリングとして,エレベーター群管理を紹介する.エレベーターサービスの特徴を説明し,運行スケジューリングにおける基本的な考え方を述べる.さらに,実際に導入されている工夫についても解説し,今後の展望を述べる.
著者
粕谷 大智 江藤 文夫
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.836-841, 2004-12-18

関節リウマチ(以下RA)は,関節を主症状とする全身性の慢性炎症性疾患である.寛解と増悪を繰り返しながら徐々に進行し,治療しないで放置すると関節の破壊と変形をきたし,日常生活の活動を著しく低下させる.RA患者の病苦は単に患者の身体面のみにとどまらず,広く精神的,社会的,経済的側面を含む生活全体に及んでいる.近年,このようなRA患者の多面的病苦をQOL(quality of life)の視点から総合的に捉え,これを定量的に測定することにより,患者個人の健康レベルの評価や疾患の臨床経過のフォローアップと治療に役立てていこうとする試みがなされるようになった.2002(平成14)年度の厚生労働省の調査によれば,骨関節,リウマチ性疾患は脳血管障害と並んで,肢体不自由の主要を占めており,脳卒中,老衰,転倒骨折に続く寝たきりの原因の第4位を占めている.一方,厚生労働省が毎年行っている国民健康調査によればRA患者の3〜10%は医療機関と併せて鍼灸,マッサージの治療を受けており,臨床上疼痛の軽減や可動域の拡大などを認めており,QOL向上に役立っている.
著者
赤川 淳一 若山 育郎 佐竹 栄二
出版者
関西鍼灸大学
雑誌
関西鍼灸短期大学年報 (ISSN:09129545)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.105-109, 2001-09-30

We treated three patients with rheumatoid arthritis (RA) using acupuncture. Clinical evaluation of RA was assessed using the Lansbury activity index, American College of Rheumatology (ACR) core set. After a year of treatment using acupuncture, one patient had improved significantly, and two patients were improved partially as assessed by ACR core set. These studies indicated that continuous acupuncture therapy would be benefitical to control the disease activity in patients with RA.