著者
大谷 宗啓
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.480-490, 2007-12-30

本研究は,高校生・大学生を対象に,従来,深さ・広さで捉えられてきた友人関係について,新観点「状況に応じた切替」を加えて捉え直すことを試み,その捉え直しが有意義なものであるかを質問紙調査により検討した。因子分析の結果,新観点は既存の観点とは因子的に弁別されること,新観点は深さ・広さの2次元では説明できないものであることが確認された。また重回帰分析の結果,新観点追加により友人関係から心理的ストレス反応への予測力が向上すること,新観点による統制の有無により既存観点と心理的ストレス反応との関連に差異の生じることが明らかとなった。
著者
堀田 政二 井上 光平 浦浜 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.417, pp.9-14, 1999-11-10

重み付き隣接行列に基づいてグラフの点集合をファジークラスタに分割するグラフスペクトル法の1種を提案する.本方法では点集合から一つのファジークラスタを抽出する問題を固有値問題として定式化し,これを反復的に適用して逐次にクラスタを抽出していく.まず無向グラフについて,類似度行列に基づくクラスタ抽出法を適用し,それを有向グラフや2部無向グラフに拡張してウェブページのリンク構造の抽出やキーワードによる画像ブラウジング検索に応用する.また数量化3類を用いてクラスタの構造を視覚化する1種のグラフ描画法も提案する.
著者
山西 利明 森 武俊 森下 広 原田 達也 佐藤 知正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.536, pp.105-110, 2006-01-13

床面圧力分布情報を用いて個人識別を行うシステムを開発した。このシステムは、歩行時の足裏と床面の接触形状の変化に着目し、あらかじめ登録されたテンプレートデータと比較し、誰の足にどの程度似ているかを定量的に評価することにより、個人識別を行うものである。このシステムでは、歩行時の1歩分の足裏・床面接触画像時系列データを入力として、その1歩が既に登録された人物の誰であるか、あるいは、未知の人物であるかを示すラベルを出力する。5人の被験者の歩行データを登録した個人識別システムを構成し、登録した被験者を含む計15人分の歩行データをテストデータとして、この個人識別システムの評価実験を行った結果、FAR(他人受入率)が約5%、FRR(本人拒否率)が約10%という識別性能が得られるとわかった。
著者
原田 達也 川野 裕介 大谷 哲史 森 武俊 佐藤 知正
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 = Journal of Robotics Society of Japan (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.933-944, 2006-11-15

A portable radio device with ad hoc wireless networking function is realized as a platform of various physical and informational support systems based on"Lifelog Contents"that is the records of experiences in the daily life. Lifelog should be created by collecting various information through a wireless network without putting a strain on human and environment. By attaching sensors and actuators to our radio device, they can participate in the wireless network and effectively communicate with each other. We adopted Bluetooth as wireless communication technology that has such good features as low power consumption, sufficient data throughput, high resistance to noise and so on. Since our device has flexible multihop networking functions, it can construct a large scale network. We realized a prototype of Lifelog based electric appliances operational support system with our devices. Utilization of Lifelog reduces the burden for controlling a huge amount of convoluted electric appliances by constructing the probabilistic model of user's operational behavior and predicting user's successive operations. The system gives prediction results to the user and executes operations via the wireless network. Experimental results prove that the operational system is useful and developed device is sufficient performance for Lifelog based support systems.
著者
"水畑 美穂 菊井 和子"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.149-159, 2005

"医療技術の目覚しい発達により解決可能な健康問題が増え,看護実習も健康問題解決志向である看護過程の習得を重視している.しかし近年,老いや死に対峙する高齢者や終末期患者に対する看護では,医療技術を駆使した問題解決よりも人間存在としての患者の苦しみに対処するヒューマンケアが重要であることが認識されるようになった.J.ワトソンらは,新しい看護のパラダイムとして「看護者」という人間が「患者」という人間の苦悩に「共に関与するもの」として関わるトランスパーソナルな関係形成を提唱している. 本研究は,看護学生が老人施設での実習において医療技術では解決不可能な問題を抱えた患者とどのように人間関係を形成していくか,それを通してどのようにヒューマンケアを学習していくかを明らかにすることを目的とする.実習場面に指導者として参加観察した後,学生に面接を行ない,その逐語記録を資料として,患者--看護者の人間関係形成のプロセスをワトソンの記述的現象学的方法を用いて分析し,その構造化を試みた.その結果,学生と患者は「出会い」「模索と葛藤」「可能性の発見(転換点)」「トランスパーソナルな関係」の4段階を経てヒューマニスチックな人間関係を形成していくことが明らかになった.学生は挫折や葛藤を繰り返しながら人間関係形成の接点をつかみ,患者の真のニーズに触れる瞬間を得,それを転換点としてフィーリングの交換が活発となり,ヒューマンケアに変容した.そして実習の終了頃には,双方の間にトランスパーソナルな関係を築くことが可能となる.高齢者,終末期の患者においては個々の問題解決よりも,看護者と患者がそれぞれ一人の人間として全人的存在に影響を与え合い,トランスパーソナルなヒューマンケアの中で共に成熟するものであった.それは看護教育の視点に大きな示唆を与えるものと言える."
著者
中野 尚夫 水島 嗣雄
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会中国支部研究集録
巻号頁・発行日
no.29, pp.44-45, 1988-08-01

岡山県の山間地域は, 河岸の小規模な段丘水田, 背後の傾斜畑, それらをかこむ山林から成っている。このような平野部と著しく異なる立地条件は, 作物選択や栽培法にこの地域個有のものを成立させた。その代表的なものは, 薪炭林や杉・桧植林地においてそれらの再利用が可能になるまでの期間に行われた焼畑の利用とミツマタ栽培であろう。この農法は決して生産性の高いものではなかったが, 自然の再生力を利用した合理的なものであったと思われる。しかし, 暖房燃料が炭から石油に変換した昭和30年代半葉を境にこの農法は一気に消滅した。本報告では, この焼畑について行った聞き取り調査の結果を紹介する。
著者
竹元 義美 福島 俊一 山田 洋志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1580-1591, 2001-06-15
被引用文献数
5

日本語テキストからの情報抽出の基盤技術として,組織名・人名・地名・固有物名・日付・時刻・金額・割合表現を高精度で分類抽出する,固有表現抽出システムを開発した.本システムは,形態素解析を利用して入力文を単語分割し,固有表現辞書とパターンマッチルールとを適用することでテキスト中の固有表現を判定するというベーシックなアプローチをとっている.辞書の充実とルールの整備を基本方針として抽出精度の改善を進め,辞書の増強と辞書情報の詳細化,人手によるルール作成を行った.また,辞書を充実させても生じる課題として,複合語の一部となる固有名詞判定と未知語・多義語の固有名詞判定とに工夫を加えた.前者は,複合語を分割して複合語中の固有名詞を判定することにより,固有名詞の抽出洩れを救済する.後者は,ルールで判定した固有名詞で信頼度の高いものをもとに,未知語・多義語となった固有名詞の省略表現を判定する.IREX-NEコーパス(トピックを限定しない一般的な内容の記事)を用いた精度評価を実施し,F値で83.86という精度を得た.また,導入したルール・処理の効果も分析し,有効性を確認した.We have developed a Named Entity extraction system from Japanese text.``Named Entities'', i.e.,proper names and temporal/numerical expressions are considered as the essential elements for extracting information.The system employs a conventional method that it divides input Japanese text into words and parts of speech by morphological analysis and extracts each Named Entity by referencing dictionaries and applying pattern-matching rules.In order to improve the system's accuracy,we aim to build a large-scale and high-quality dictionary and rules.Both the dictionary and rules have been produced manually,because we believe that a hand-made dictionary or rules have better quality than those that are made automatically.We also focused our attention on two points for cases that cannot be covered by the dictionary.One is to extract proper names from compound words,and the other is to designate unknown or vague words as proper names.For the first point, our system divides compound words and determines proper names within them.Thus, omissions of proper names in compound words can be eliminated.For the second point, our system recognizes abbreviations of proper names,which tend to be unknown or vague, using reliable proper names.For the IREX-NE corpus, our system has accomplished 83.86 as F-measure score.
著者
柳田 聖山
出版者
中部大学
雑誌
国際関係学部紀要 (ISSN:09108882)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.221-244, 1987-03-01
著者
金 智鉉
出版者
京都大学
雑誌
京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 (ISSN:13471562)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.203-212, 2005-03-31

視覚障害者の情報環境が点字図書館からインターネットの視覚障害者用ウェヴページヘと大きく拡大した。この変化に点字図書館も対応してきた。初期の活字資料の加工、提供する役割に、インターネットを用いた新たな情報サービスの提供が加わり、点字図書館自ら情報を製作、提供する役割、さらには多種多様な情報の中で必要な情報へのナビゲータ的役割にまでその役割の幅が広かった。このように点字図書館は情報環境の変化に対して、点字図書館独自の役割を果たすことで、その存在意義を保っているのである。
著者
畦地 真太郎 松村 憲一
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 人文社会科学系 (ISSN:09162089)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.231-245, 2002

Social psychological research indicates how people in anonymous community perceive numbers of other group members. First, people who are in anonymous communities tend to keep consistent recognition that the numbers of people who joined the discussion is fewer than the numbers of the statements in the discussion. Second, people think there are many members who have the same attitude with their own rather than people who have the different opinions. We discuss these findings from the view point of social cognition and propose how can we solve the problems caused by the 'outgroup bias'.
著者
飯田 栄治 下平 博 木村 正行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.94, no.354, pp.51-60, 1994-11-18
被引用文献数
1 2

8パズル及び一回り大きくした15パズルについて、探索に基づいた解法がこれまでいくつか研究されている。通常、これらのパズルの探索による解法では、ゴール状態までの手数が少し長くなると容易には解けない。また、効率良い探索を行なうためにヒューリスティック関数を考案することも一般に難しい。そこで、今回は8パズルに対し、探索ではなく問題をいくつかの小問題に分割しそれらの各サブゴールに到達するための整列戦略に従って、状態遷移オペレータを次々に適用することにより高速に問題を解決する手法を提案する。また、いくつか例題に対し代表的な探索方法と比較実験を行なったのでその結果を報告する。