著者
土方 洋一
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.23-33, 1982

The basic form of early waka rests on a correspondence between the representation of psychological states and that of material objects. The developnlent of lyric poetry may be seen as the process whereby the depiction of objects was suppressed and the psychological came to stand on its own. The independence of the psychological was not won in the course of waka history in isolation, but came into being through a dialectical relationship with narrative. As prosenarrative took over the function of representing the material world, poetry, standing in metaphoric relation to the prose, was able to devote itself to the expression of psychological states. The rise of lyric poetry may be seen to depend fundamentally on the act of writting.
著者
木下 朋大 盛岡 通 尾崎 平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.II_1-II_8, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本研究の目的は,都市のみどり回廊の分析評価指標を提案すると共に,それら評価手法を用いて緑・オープンスペース分野の政策的インプリケーションを見出すことである.第一に,空間分布・配置構造から地域の拠点となるみどりの回廊性を分析する為,みどりの近接性指数(GA)と連担性指数(GS)を,第二に,歩行空間に沿った生活動線上のみどりの回廊性を分析する為,歩行経路選好性指数(UWT)を提案した.神戸市住吉川周辺地域でのケーススタディを通して,(1)既存公園の比較的近く(誘致範囲の3倍以内)であれば小規模であっても公園を創出することでみどりの近接性が高まること,(2)ある公園を行動の起点とし,人々の移動ベクトルを外向きと仮定したとき,既存公園の誘致範囲(250m)毎に複数の公園を設置することで,みどりの連担性は大きく向上すること,(3)快適性や安全性とトレードオフ関係にあると考えられる最短性や安全性を損なわない経路を創出することが,街路整備を通してみどりの回廊を形成する上で留意する点であることを確認した.
著者
飯島 毅彦
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.139-144, 2014 (Released:2014-02-26)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

日本国内8大学で測定された手術患者の循環血液量は82.3±14.8ml/kgであった.ばらつきは大きく,約50ml/kg~100ml/kgであり,個体差が大きい.この測定値はいわば静的循環血液量である.一方,SVV(stroke volume variation)のような動脈圧の揺らぎから推定される循環血液量は,静的循環血液量とは異なるものである.例えば血管収縮薬を使用すれば静的循環血液量は変化しなくとも静脈還流量は増え,SVVから推定される循環血液量の不足は是正される.動脈圧波形から推定される「循環血液量」はいわば動的循環血液量であり,静脈還流量にほかならない.この指標を静的な循環血液量と混同し,容量負荷のみで対応すると大量輸液につながる.この指標を正しく解釈しなければならない.

1 0 0 0 日本農学史

著者
斎藤之男 著
出版者
農業総合研究所
巻号頁・発行日
vol.第2巻, 1970
著者
岡崎 宏樹
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.84-97, 2003-05-24 (Released:2017-09-22)

本稿の目的は、『自殺論』でデュルケームが「無限という病」とよんだアノミーの概念を再検討することをとおし、欲望の無限化という<症候>を産み出す社会構造を分析することにある。最初に、欲望の無限化とはどのような事態を意味するのか、という問いを考察する。第一に、それは、主体が産業社会が生産する対象を「永続的」に追求するという行為形式を意味する。第二に、それは、欲望が特定の対象から離脱し不在の対象へと拡散することを意味する。次いで、主体に無限回の欲望追求を強いる機制を考察し、それが「進歩と完全性の道徳」にもとづく産業社会の価値体系にあるとみたデュルケームの洞察に光をあてる。さらに、デュルケームがアノミーを暴力性エネルギーの沸騰として記述した点に注目し、彼が示唆したにすぎなかった、この沸騰と産業社会の価値体系との関係を、バタイユのエネルギー経済論(「普遍経済論」)によって理論的に説明する。最後にラカンの欲望論にもとづいて、アノミーは「倒錯」を導くとする作田啓一の解釈を検討し、この現象の病理としての意味を明確にする。以上の考察は、欲求の無規制状態という通説的なアノミー解釈に再考を迫るとともに、豊かな現代社会にただよう空虚さと突発する暴力性を理解するためのひとつの糸口を与えるものとなるはずである。
著者
辻 大介
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.3-13, 2021-07-31 (Released:2021-09-11)
参考文献数
27

In the United States increasing ideological polarization between the Republicans and the Democrats has deteriorated into a deep partisan divide among the public, exemplified by the Trump phenomenon since the 2016 presidential election. It has been noted that the Internet intensifies and entrenches such polarization of political attitudes through encouraging selective exposure of information based on individual preferences and predispositions.In Japan, although the situation is not as drastic as in the United States, the left-right partisan conflict in the mass public has become more salient under the Abe government than before, particularly on the Internet. This study examined the effects of Internet use to polarize Japanese political attitudes, distinguishing the two-stage processes suggested by the “minimal effects” theory.Analyses of nation-wide survey data randomly collected in 2019 revealed that people with high political interest and efficacy were more likely to seek ʻhard news’ concerning political and social affairs on the Internet, while those who were less politically sophisticated tended to focus more on ʻsoft news’, such as entertainment. The results indicated that the high-choice information environment brought about by the Internet increased the gap between the political actives and the apathies. Second, using a generalized ordered probit regression model as an alternative to a problematic methodology employed in previous studies, this study demonstrated that hours of using the Internet for personal interests had significantly a polarizing effect on the approval/disapproval toward the Abe administration, which was likely affection-based rather than ideology-based. This paper discussed the implications of these findings for civic engagement in democracy.
著者
大平 修司 薗部 靖史 スタニスロスキー スミレ
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.61-89, 2015 (Released:2016-05-31)
参考文献数
61
被引用文献数
3 2

本研究の目的は,混合研究法を用いて,東日本大震災後の日本で,消費を通じて社会的課題の解決を図るソーシャル・コンシューマーの意思決定プロセスを明らかにすることにある。具体的には,まずアンケート調査に基づき,寄付などの実施というシビック・アクションと寄付つき商品などの購入というソーシャル・コンサンプションによる過去の社会的課題解決行動を変数として,消費者を 3 つのクラスタに分ける。次にクラスタごとのデモグラフィクスにおける特徴を比較する。さらに行動統制を有効性評価と入手可能性評価に置き換えた計画的行動理論モデルを用いて,クラスタごとの寄付つき商品の意思決定プロセスの違いを検討する。最後にインタビュー調査と現実の事例に基づいて,分析結果のマーケティング戦略への示唆を検討する。分析では,定量分析と定性分析による混合研究法を用いた。まず上記モデルを用いて,アンケート調査によって得られたデータの全サンプルを対象とした共分散構造分析を実施した。その結果,主観的規範のみ,統計的に有意とならなかったが,行動に対する態度と有効性評価,入手可能性評価は意図に影響を与える点が明らかとなった。次に過去の社会的課題解決行動を用いて,クラスタ分析を実施し,サンプルを現在のソーシャル・コンシューマー層と潜在的ソーシャル・コンシューマー層,無関心層に分け,χ2検定と残差分析,分散分析を実施したところ,クラスタ間のデモグラフィック変数に差が認められた。さらに多母集団同時分析を実施し,クラスタ間で意思決定プロセスが異なる点が明らかとなった。最後にグループインタビューの結果と現実の事例を用いて,本研究の分析結果から得られた寄付つき商品のマーケティング戦略への示唆を議論した。

1 0 0 0 OA 地上風の測器

著者
小野木 茂
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.314-321, 2009-07-31 (Released:2011-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
2 1
著者
佐藤 徹 松峯 敬夫 西田 広一郎 松尾 聰 福留 厚
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.2478-2482, 1990-11-25 (Released:2009-04-21)
参考文献数
8

Peutz-Jeghers症候群の重要な合併症として腸重積があるが,今回われわれは腸重積を繰返し,4回目の開腹術を施行した1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. 症例は39歳男性で15歳時にPeutz-Jephers症候群と診断されて以来,計3回の開腹術の既往があった,今回イレウスの診断にて転院となり精査にて腸重積を疑い緊急手術を施行したところ,小腸ポリープを先進部とした腸重積に加えて軸方向360度の捻転を認め,絞扼性イレウスと診断,90cmの小腸切除術を施行した.他に十二指腸水平脚に巨大なPolypを認めたが,術後内視鏡的にポリペクトミー施行し,経過良好である.PeutzJeghers症候群は本症例の如く腸重積を繰返す場合がある.特に,多次手術例ではその術前診断に苦慮することがあり,定期的なfollow upと適確かつ迅速な手術適応の判断が必要である.
著者
羽入雪子
出版者
八戸学院大学
雑誌
産業文化研究
巻号頁・発行日
no.26, 2017-03

1 0 0 0 車両と電気

著者
車両電気協会 [編]
出版者
車両電気協会
巻号頁・発行日
vol.28(4), no.325, 1977-04

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1922年07月04日, 1922-07-04