著者
安藤 勝洋 福川 裕一 友田 博通
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.708, pp.379-389, 2015
被引用文献数
3

This study aims to clarify the formulation process and structural features of historic conservation system of Hoi An ancient town in Viet Nam. The conservation work began after the Vietnam War, and its process can be classified into 4 phases in accordance with the enactment and implementation of policies. Through reviewing the process, we found that the following features have played important roles. 1) a conservation fund created by revenues of tourist ticket. 2) the regeneration of state-owned buildings has played leading roles for the conservation. 3) professional organizations are responsible for both tangible and intangible cultural heritage conservation.
著者
福澤 仁之 塚本 すみ子 塚本 斉
出版者
島根大学
雑誌
Laguna : 汽水域研究 (ISSN:13403834)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.55-62, 1998-03
被引用文献数
6

We have been collecting and analyzing sediment cores of non-glacial varved sediments around the Japanese Islands. In 1995, we were able to be collected 8 meters-long sediment core by using piston core sampler and recognized varved sediments of the last 3,000 years in the bottom sediments of Lake Ogawara, northern Japan. And also, two tephra layers which are named Towada-a tephra(To-a)and Baegdusan-Tomakomai(B-Tm)by Machida and Arai(1992)were recognized in the varved sequence. Machida(1992), and Koyama and Hayakawa(1995)have suggested that the chaotic eruption of Towada Volcano caused falling of To-a tephra over northern Japan occurred in AD 915. Based on varve counting of this sediment core, we can indicate that the sediments between To-a and B-Tm tephra layers were continuously deposited for 22 years. If the falling age of To-a tephra can be confirmed as AD 915 from historical documents, then we can show that B-Tm tephra was deposited from spring of AD 937 to summer of AD 938.13;7世紀から10世紀初頭にかけて,朝鮮半島北部から中国東北区やシホテ・アリンにかけて,東アジアの大国として繁栄した渤海国は,当時の日本と親密な関係を維持していたにもかかわらず,その成立と滅亡については謎の部分が多く,謎の王国と呼ば滅亡については謎の部分が多く,謎の王国と呼ばれる。しかも,渤海国はまわりの諸国とくに新羅や契丹などとの関係上,日本に対して渤海使を35回も派遣している(日下,1992)。この渤海国は西暦698年に建国され,西暦926年に契丹の侵入によって滅亡するまで約200年間繁栄したと考えられている。渤海国の繁栄に比べて,その滅亡はより謎が多い。これは,契丹に滅ぼされた時に,徹底的な破壊を受けたためにその痕跡をほとんど残していないことに理由がある。13;この渤海国の滅亡については,1988年にNHKが特別番組として制作した「まぼろしの王国・渤海」で,渤海国の突然の消滅・滅亡が渤海国南部にそぴえる白頭山(標高2,744m)の大噴火によって,その首都上京龍泉府がかのベスビオス火山の山麓の街ポンペイのように一日にして火山灰に埋もれたためことが原因であるとするドラマチックな仮説が示されたことがある。これに対して,渤海国の歴史に詳しい上田 雄などの歴史学者から厳しい反論がある(上田,1992)。それによれば,上京龍泉府は白頭山の北北西方250kmにあり,白頭山が大噴火を起こしたとしても,偏西風の風下にもない上京龍泉府に多量の火山灰が降下したとは科学的にまったく考えられないという(上田,1992)。そして,渤海国の滅亡は極めて突然であり,そして忽然と消え去ったことは事実であるが,その滅亡の直接の原因は,契丹の耶律阿保機に襲撃されたためであり,そのことは「遼史」ほかに詳細に記録されていると述べ,白頭山の噴火の時期も地層(堆積物)からだけで歴史学の求めるオーダーの世紀,年代を決めつけることは不可能であると述べている(上田,1992)。13;白頭山の大噴火と渤海国の滅亡との関係を明らかにする目的で,町田 洋は中世における白頭山の噴火規模およびその年代の推定に精力的に取り組んでいる。それによれば,この白頭山の噴火規模はフィリピンのピナツボ火山における1991年の噴火規模のおよそ1O倍の規模であり,過去2,000年間で最大の噴火であるスンダ諸島のタンボラ火山における1815年の噴火に匹敵するものと考えられている(町田,1992)。そして,この大規模噴火の火山灰は東北日本北部から北海道南部・道央南部に分布しており,白頭山一苫小牧火山灰(B-Tm)と呼ばれている(町田・新井,1992)。また,東北日本北部で白頭山一苫小牧火山灰層の直下1cm~2cm下位に発達する十和田a火山灰(To-a)の「扶桑略記」に記載された降灰年代やそのラハール堆積物に埋没した秋田杉の年輪年代学的検討によって,十和田a火山灰降灰が西暦915年であることが明らかになり,白頭山一苫小牧火山灰の降灰年代は西暦915年以降である可能性を示した(町田,1992;1994)。この見解は,渤海国の滅亡に対して,自然環境変動の面から白頭山の大噴火が大きな影響を与えた可能性を指摘したものである。13;一方,町田(1992;1994)の見解に対して,小山真人と早川由紀夫は歴史資料として「高麗史」や「興福寺年代記」の記載を引用して,中世における白頭山の噴火は946年以前のあまり遡らない時期に開始して,西暦947年前半ぐらいに終了したことを示した(早川・小山,1998)。そして,渤海国がその噴火で滅亡した仮説(町田,1992)があるが,渤海国の滅亡は西暦926年であり,白頭山の噴火開始がその滅亡を決定づけたことはあったとしても,直接の誘因ではなさそうであるとの見解を示した(早川・小山,1998)。13;本論文では,白頭山一苫小牧火山灰の降灰ひいては白頭山の中世における大噴火に関して,青森県太平洋側に位置する小川原湖の湖底堆積物に認められた「年縞」を用いて,以下の2つの問題に対して答えを与えることを目的とする。1)渤海国の滅亡に白頭山の中世における大噴火が本当に影響を与えたか?、2)白頭山一苫小牧火山灰と十和田a火山灰の降灰した季節はいつ頃で,どれくらい継続したのか?
著者
宇都木 陽介 森山 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4, pp.1-6, 2009-05-14

日本の伝統楽器の一つである尺八は,無形文化財としてその演奏が録音されているが,特定の奏法を聴くには,専門家が録音を聴いて録音箇所を特定するしかない.従って,初学者はもちろん,ごく一部の専門家以外にとっては,失われているも同然である.本研究では,尺八の演奏音のみから,演奏されている奏法を自動認識し,演奏音にメタ情報を付与することを目的とする.これにより,無形文化の保存及び普及,国内外への発信に貢献できると考える.本報告では,手動で切り出した演奏音に対して,演奏音の音高及びパワー,音色の物理特徴量を算出し,奏法の識別を行う手法を提案する.実験の結果,ユリ,カラカラ,ウチ,オシ,オトシ,ムライキ,スリアゲ,ナヤシの奏法に関して,82% (スリアゲとナヤシを1つに分類した場合は 98%) の高い精度で識別を行えることが示された.Shakuhachi is one of the Japanese traditional instruments, and its performance has been recorded for years for future recovery of the cultural heritage. Yet, in order for beginners to listen to a specific playing method, Shakuhachi specialists need to locate it in a large amount of data. It prevents it from being pervaded to the world and even succeeding to be restored in future. We propose a method of classifying playing methods of Shakuhachi's only from the performance. The method uses basic characteristics in music such as pitch, power, and timber of the sound. Experimental results showed the proposed method classified eight playing methods (Yuri, Karakara, Uchi, Oshi, Otoshi, Muraiki, Suriage, and Nayashi) successfully at the average rate of 82%.
著者
堀 進悟 副島 京子 篠澤 洋太郎 藤島 清太郎 武田 英孝 木村 裕之 小林 正人 鈴木 昌 村井 達哉 柳田 純一 相川 直樹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.11-14, 1997

近隣救急隊の1994年12月から1996年4月まで16ヵ月間の出場記録を調査し,浴室内で発生した急病の調査を行った.浴室の急病は43例で当該期間の全救急件数の0.19%を占めていた.年齢は77±10歳と高齢者に多く,男女比は24例対19例と男性に多かった.診断は心肺停止26例(60%),失神(前駆症)14例,脳血管障害3例であった.各群とも高齢者が多く,明らかな年齢差を認めなかった.浴室急病の発生時期は,心肺停止のみならず,いずれの群も12-3月の厳寒期に集中していた。心肺停止は自宅浴室の発生が26例(100%)で,公衆浴場における発生は認めなかった. 一方, 非心肺停止例では自宅浴室が12例,公衆浴場が5例であった(p<0.01).さらに浴室内の発生場所を検討すると,心肺停止は浴槽内が22例(85%),洗い場が4例,非心肺停止では浴槽内が7例,洗い場が7例,不明が3例であった(p<0.01).溺水の有無を検討すると,心肺停止では21例に,非心肺停止では2例に溺水を認めた(p<0.01).すなわち,心肺停止は非心肺停止例と比較して自宅浴室の浴槽内で発生しやすく,溺水をともない易いことが示された.<BR>本研究により,公衆浴場よりも自宅浴室が心肺停止の危険をもたらしうることが示された.すなわち,身近に救助者がいれば入浴急死は防止できる可能性が示唆された.
著者
金井 嘉宏
出版者
Japanese Society of Anxiety Disorder
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.40-51, 2015
被引用文献数
1

近年のメタ分析の結果から,社交不安症に対するさまざまな薬物療法と精神療法の効果を比較した場合,Clark & WellsやHeimbergのモデルに基づく個人対象の認知行動療法が最も有効であることが示されている。一方,そのメタ分析において十分な治療効果が得られない患者の存在も指摘されており,さらなる治療の改善が求められている。社交不安症の認知行動療法では,恐れている社交場面への曝露が共通して含まれているが,その基礎理論となる恐怖条件づけと消去に関する認知神経科学の発展が著しい。本稿では,この認知神経科学の発展に基づいてエクスポージャーの改善を提唱しているCraskeのinhibitory learningや,不安症の治療法としても注目されているアクセプタンス&コミットメント・セラピーの観点から,社交不安症の認知行動療法の治療効果を高めるためのエッセンスをまとめることを目的とした。
著者
福間 隆康
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.55-68, 2013-02-28

本研究は,組織コミットメントと職務コミットメントによる職員の類型と,職務満足およびサービスの質との関連性を明らかにすることを目的とした.調査は,福祉施設に勤務する介護職500人と病院に勤務する看護職689人を対象にインターネット調査を行った.職務満足,サービスの質における4類型間の相違について,分散分析と多重比較を行った結果,職務満足の5側面のうち,3側面(達成,成長,評価・給与)については,優等生(HHタイプ)が最も高く,無関心(LLタイプ)が最も低い値を示した.また,職務満足の2側面(昇進,クライアントとの関係),およびサービスの質については,無関心が他のタイプよりも有意に低いことを認めることができた.米国における研究結果とほぼ一致して,介護職と看護職ともに,優等生は他のタイプよりも良好な状態を生み出す可能性をもつことが確認された.
著者
内山田 康
出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
雑誌
アジア・アフリカ地域研究 (ISSN:13462466)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.148-173, 2014

This is an attempt to follow and describe from the perspective of Simondonian ontogenesis the emerging imbroglios constituted interactively by leaking radioactive materials, inorganic substances, organisms, institutions, interests and words in the wake of the Fukushima Daiichi nuclear disaster. People attempt to control such irreclaimable imbroglios, at least at the level of political discourse fortified with technical symbols: imbroglios are artificially dissected and are placed in separate domains, premised on different scales. The one constituted with political language, by nature, cannot speak for those formed at the levels of molecules, organisms and eco-systems. Despite Prime Minister Abe's assertion that "the situation is under control," the radioactive water continues to leak into the soil and into the ocean. Words that re-present the situation do not correspond with what is happening "out there." A fisherman I met in Hisanohama was trying to promote the safety of fish caught off the coast. "Fish from Fukushima are safe to eat." Yet, he wouldn't let his son eat those very fish. Agricultural Cooperatives and Fukushima City use locally produced rice in school lunches in order to send a positive signal to consumers. "Rice from Fukushima is safe to eat." Parents of small children in Fukushima, however, do not necessarily trust the basis of the safely standards for radiation protection. I describe various attempts by non-experts and nonconforming experts to follow the imbroglios of hidden actors in the vicinity of nuclear power plants. Following the imbroglios is a task of extreme difficulty. The essay ends with an imagined conversation on the method with Akira Adachi.
著者
尾園 暁 桜谷 保之
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.71-155, 2005-03-31
被引用文献数
1

The Odonata fauna in Nara Prefecture, western Honshu, Japan, were investigated in 1998-2003. Ninety-one species of 11 families of Odonata were recorded from Nra Prefecture by present research. Their distributions in Nara Prefecture were presented every municipality, and were shown in distribution maps. The characteristics of Odonata fauna and natural environments in Nara Prefecture were also discussed.記事区分:資料