著者
光吉 淑江
出版者
The Japanese Association for Russian and East European Studies
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13486497)
巻号頁・発行日
no.34, pp.133-145, 2005

This article examines how Soviet maternalist policies were implemented in Western Ukraine, a newly acquired Soviet territory in the wake of the Second World War. While the 1944 Soviet Family Code, especially the campaign for "Mothers with Many Children, " has often been seen as the culmination of the Stalinist pronatalist policies-virtually encouraging extramarital affairs in order to produce children-, its meaning, perception, and methods of implementation were not uniform even in the authoritarian Soviet society. A close examination of the archival documents on the newly created women's departments in the Western Ukrainian party committees reveals that the "Mothers with Many Children" campaign and other state maternal supports served to justify otherwise extremely unpopular Soviet policies in the region. The essentialized gender role of "mother" was a rare measure of Sovietization that did not require special skills, training, or political education, and therefore would not have caused much resistance, bloodshed, or even hesitation. The Western Ukrainian women often quickly learnt how to exercise their new rights in defence of their lives in order to survive the difficult postwar material situation, thus becoming important, if not active, agents in the establishment of the Soviet regime in the region.
著者
筧 一彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.521, pp.67-78, 2003-12-11

人間同士の対話において,言語情報は勿論のこと音声に随伴する感性情報や表情などの感情の知覚も,対話の進行や理解において重要な役割を持っている.本稿は,「声」,「顔」,「ことば」の3つの部分からなっており,それぞれが持つ感性情報について,筆者らが展開して来た研究を感情の表出と知覚という視点から紹介した.「声」については,(1)音声による感情表出の発達を就学前児と就学見の2群に分けて検討した.(2)感皆時報の表出理解に関する言語依存性について目,未見のピカチュウ発話の分析と日,米母語話者の感情認知特性から検討した.(3)モーフィング法を用いて音声感情知覚のカテゴリ性について検討した.「顔」については,顔画像処理技術を用いた表情認知過程とさらにfMRIやERPを用いた表情認知における脳内処理過程の研究を紹介した.「ことば」については,音声の言語情報処理過程と感性情報処理の相互作用を明らかにし,相互作用のモデルについて述べた.
著者
池田 茂
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.192-195, 1955

鳥取県岩美郡,鳥取市,及び気高郡内の海岸砂丘地における被覆植物並びに海岸砂防造林木(幼令木)の寄生菌について調査研究したが,要約すればつぎの通りである。<br> (1) 被害被覆植物<br> コウボウムギ,ハマゴウ,ハマボウフウ,イヌムギ,<br> スナビキソウ,ケカモノハシ,ハマニガナ,ナデシコ,<br> ハマヒルガオ,ウンラン,オオ分マツヨイグサ,アキノキリンソウ,<br> トメムカシヨモギ。<br> 被害造林木(幼令)<br> ニセアカシャ,ポプラ。<br> (2) 見出された病原菌<br> <i>Alternaria, Macrosporium, Diplodia, Phyllosticla, Botrytis, Bacterium</i>.<br> (3)病原菌で最も多いのはAlternaia で Macroporium や Diplodia, 細菌類がこれに次いでいる。また原因不明(生理病)の病害もかなり多い。
著者
酒井 敏夫 増田 充 荒井 聡博 大野 恒男 田辺 正夫
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.111-116, 1951-08-01

吾々は, 徹夜時に見られる心身諸変化の消長を詳細に観察する目的を以つて, 蓮続反応時, 時間錯誤, 膝蓋腱反射閾値, 脈膊恢復曲線, 体温, 血圧, 及び尿竝びに唾液のpHを逐時的に測定した。共の結果,<BR>(1) 体温, 及び尿のpH, は, 漸次下降する傾向にある。唾液は, 尿のpHほど一定の傾向が得られなかつた。<BR>(2) 血圧は, 順時下降し, 特に最小血圧の変動は, 徹夜作業時に微妙な関係を有しているようであつた。<BR>(3) 運動負荷に対する, 脈膊数の増加は, 時間の經過につれて減少し, 又恢復時間も延長するようであつた。<BR>(4) 膝蓋健反射閾値の逐時的変化は, 從來発表されている成績と一致した。<BR>(5) 時間錯誤試験では, 午前12時を境にして正の錯誤, 負の錯誤が著明で, その移行は逐時的なものが説察された。<BR>(6) 迚続反応時より見たる徹夜時の大腦機能は午前12時頃までは本実験の如き精神負荷では漸次集中過程に入り, それ以向は, 興奮と抑制の強い混在が著明に現われて來るようであつた。翌日に於ける大腦機能では, 從來吾々が実験し得なかつた大腦皮質興奮の異常なものの存在を知つた。
著者
ブッシュ ジェリー
出版者
上武大学
雑誌
上武大学経営情報学部紀要 (ISSN:09155929)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.59-70, 2008-09

"Comfort women" is a euphemistic term referring to women and girls who were sent to serve the Japanese military in locations throughout Asia. The existence of military comfort stations have been confirmed in China, Hong Kong, French Indochina, the Philippines, Malaysia, Singapore, British Bomeo, the Dutch East Indies, Burma, Thailand, New Guinea (in the eastern Pacific), the Okinawan archipelago, the Bonin Islands, Hokkaido, the Kurile Islands, and Sakhalin. The establishment of these stations followed Japanese troops wherever they were based (Yoshimi 2000). Military comfort women were systematically recruited during the period from 1937 to 1945 to "serve the sexual 'needs' of Japanese military during the Asia Pacific war" (Yoshimi 2000:29). These women and girls were restrained by the Japanese military, afforded no rights, and forced to have sex with military personnel. Comfort women were subjected to inhumane and unsanitary conditions and were forced, in some cases, to "serve several tens of soldiers every day" (Ueno 2004:ix).
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1789, pp.76-78, 2015-04-27

グーグルで自動運転車の開発責任者を務めるクリス・アームソン氏はこう述べる。「発表した試作車の外観は、細心の注意を払ってデザインした。普通のクルマのように見える要素と、自動運転車だとはっきり区別できる要素の両面を備えている」。
著者
井口 篤 Atsushi Iguchi
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of the Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.63-69, 2011-03-22

本稿は、西洋中世が現代日本の大衆文化においてどのように表象されているかについて考察する。はじめに、西洋中世に端を発するイメージが今日の世界においても繰り返し現れることに言及する。これは一般的に「中世主義」と呼ばれる文化現象であり、この現象においては、これまでに様々な形のナショナリスト的、宗教的、そして学問的イデオロギーが互いに争うように「ヨーロッパ」という概念を我がものとしようとしてきた。しかし日本はヨーロッパと地政学的に隔絶しており、現在の領土を正当化するために中世ヨーロッパという概念を喚起することはない。にもかかわらず、中世西洋のイメージは戦後日本の大衆文化において頻繁に利用されてきた。本稿は、11世紀の北欧を描く幸村誠の連載漫画『ヴィンランド・サガ』を分析することにより、日本の大衆文化における中世ヨーロッパの我有化は、現実逃避的とは到底言えないことを示す。作者の幸村にとって、中世ヨーロッパの日本人にとっての他者性はまったく障害ではない。幸村は亡命と帰郷という重要なテーマを作品の中で技巧的に展開することに成功している。この亡命と帰郷というテーマは、人間の一生が神への帰郷であると捉えられていた中世ヨーロッパにおいても重要であった。幸村の作品は一見中世ヨーロッパの社会を忠実に再現しようと試みているだけに見えるが、暴力、信仰の危機、仮借なき搾取に溢れる社会を読者に提供している。
著者
磯部 博史 阿部 良一 山下 幸彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.31, pp.1-6, 1999-04-22
参考文献数
4

画像を認識しながら行動するロボットの実験を実空間で行う場合、安全性やコストなどの問題によって実験内容に大きな制約を受ける。そこで、画像認識や行動決定のアルゴリズムの検証を仮想空間上で行うために、ロボットのためのバーチャルリアリティを実現する必要がある。本論文では、まず、自動走行する自動車のためのバーチャルリアリティである自動走行シミュレータを制作するために解決すべき問題点について明らかにする。次に、同一性の問題に関して、実画像とCG画像との相違点を明らかにするために、ステレオ画像の計測実験を行う。そして、高梨らが制作した自動走行シミュレータを改良するためにテクスチャマッピングによって同一性を向上させた自動走行シミュレータの実験を行う。An experiment for robots which move autonomously by using image understanding techniquesrestricted for the safety and the cost. Then we need to realize a virtual-reality for robots to verify algorithms for image understanding and control in the virtual space. We clarify the problem which must be solved to construct a simulator for autonomous vehicle which is a virtual-reality for them. In order to clarify the difference between a real and a virtual images as to the problem in equality, we compare the difference of the results of stereo image measurement between in the real and in the virtual images. We carry out the simulator for autonomous vehicle which improves by using texturemaps about equality in order to make the simulator made by Takanashi better.
著者
岩清水 晃
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.479-480, 2017

南部鉄器の「南部」の名称は約四〇〇年前,南部信直公が盛岡に城を構え,藩主としてこの地を持っていたことにはじまる。南部藩主が京都から盛岡に釜師を招き茶の湯釜を作らせたといわれる。盛岡には古くから砂鉄,岩鉄などの良質な鉄資源や,川砂,粘土,漆,木炭などの原料がすべて地元で産出され,鋳物産業にはもってこいの立地条件にありそのころから鉄器が製造されてきた。守るべき伝統は守りつつ新しいことへも挑戦していく南部鉄器を紹介いたします。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.637, pp.120-123, 1999-04-05

コンペの審査は密室で行われるのが慣例だが,最近では情報公開の一環として,選考過程を外部に公開する動きも出てきている。なかでも石川県小松市がこのほど行った宮本三郎美術館提案競技は,ヒアリングも最終審査も報道陣に公開するという徹底ぶり。応募総数508件と,内容的にも注目度の高かった同コンペの選考過程をリポートする。 2月7日午前9時40分。
著者
亀本 洋
出版者
千葉大学法学会
雑誌
千葉大学法学論集 (ISSN:09127208)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.9-83, 2014-08

『千葉大学法学論集』第29巻第1・2号 宮崎隆次先生・嶋津格先生 退職記念号Hogaku Ronshu(Chiba Journal of Law and Politics) Vol.29 No.1・2 Essays in Honor of Professors Ryuji Miyazaki and Itaru Shimazu at their Retirement from Chiba University
著者
奥野 克巳
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.53-53, 2010

マレーシア・サラワク州(ボルネオ島)ブラガ川沿いの、人口約500人の狩猟民プナンは、動物と人間の近接の禁止と魂の連続性をつうじて、動物に対する生殺与奪をいわば反省なしに行う西洋とも、動物を殺生する宿命を認めながらも、動物の魂に感謝する日本とも異なる動物との関わり方を発達させてきた。本発表では、プナン社会における動物と人間の関係を民族誌的に記述した上で、自然と社会の二元論について再検討する。
著者
土坂 恭斗 尾関 基行 岡 夏樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.440, pp.61-66, 2015-01-23

ポケットモンスターの人対人の対戦では,相手との意図の読み合いが一つの魅力である.しかし,ゲーム付属のNon Player Character(NPC)では戦略が単純すぎて意図の読み合いが発生せず,人同士の対戦の練習にはならない.そこで本研究では,対戦相手の意図推定の深さに応じて行動戦略のレベルを選択するNPCを構築し,行動戦略レベルを固定したNPCとの比較実験を行った.