著者
鹿島 啓佑 福島 康宏
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.726-731, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
18

本研究の目的は,相対アーチファクトインデックス(relative artifact index: AIr)を用いて,血管撮影装置のcone beam CTにおける金属アーチファクト低減処理(metal artifact reduction: MAR)の効果と,管電圧による違いを評価することである.まず,水ファントムを撮影しノイズ画像を取得した.次に,水ファントム内の中央部にプラチナ合金製の塞栓用コイルを設置した場合と,中央部と辺縁部に塞栓用コイルを設置した場合で,アーチファクト画像を取得した.管電圧は70, 109 kVとし,MARの有無で合わせて4種類のアーチファクト画像を取得して,それぞれから同じz方向10枚の画像を取得した.画像に関心領域を設定しAIrを求め,撮影条件間で多重比較を行った(有意水準p<0.05).AIrはMARを使用することで有意に低値となり,管電圧にかかわらず金属アーチファクトを有意に低減させることができた.Cone beam CTのMARは金属アーチファクトを91%以上低減でき,MARを使用した場合,管電圧による違いはなかったことが明らかになった.
著者
田中 保樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.173-176, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
5

中学校理科学習にコンセプトマップ法によるポートフォリオ評価を導入し、形成的な自己評価についての質的な分析を行った。再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェア「あんどう君」を使用したコンセプトマップ法による形成的な自己評価の有効性を明らかにすることができた。「あんどう君」を使用したコンセプトマップ法による形成的な自己評価は、フィードバック・フィードフォワードを実現し、メタ認知的な自己評価を行うことを可能とすることがわかった。
著者
恵谷 玲央
出版者
大分県立看護科学大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

頭部X線CT 検査の回数に依存して白血病や脳腫瘍の発症リスクが増加することが報告されているが、頭部への低線量の放射線繰り返し部分照射が発がんリスクを増加させることを示した実験データは少ない。本研究では、動物用X線CT検査装置を使用して、マウスの頭部あるいは全身に臨床レベルの放射線を繰り返し照射して、白血病の起因となることが知られている造血幹細胞中の染色体異常(遺伝子異常)の有無とその蓄積の程度の経時変化について多角的に検討する。さらに、これまでに報告されている研究結果と対比することで低線量の放射線の部分照射と白血病リスクとの関係について解析を行う。
著者
杉本 大 宮本 秀範
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.91, no.8, pp.475-483, 2022-08-01 (Released:2022-08-01)
参考文献数
30

機器が人に優しく,頼りにされる存在になるためには確かな信頼性と性能を兼ね備えていなければならない.技術開発の進化は加速度的に多くの新技術を誕生させ社会を豊かにする.一方,それらは新たな信頼性課題の起源でもあった.これらの課題を克服するサイクルを繰り返すことで,製品はより高い信頼性を獲得してきた.無休で安定な動作が必然とされるようになった現代では,システムがひとたび停止すると,政治経済までを巻き込む問題となる.機器が重要な役割を担うようになればなるほど重要になる信頼性を半導体を1つの切り口として,信頼性とは何かから,課題解決までのアプローチをいくつかの具体例とともに解説する.
著者
笹谷 奈翁美 岸田 滋史 菊地 了 田島 玲
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.66-67, 2022-04-10 (Released:2022-04-20)
参考文献数
4

これまで多くの研究で、ネコの食事に含まれる水分量が多いほど猫下部尿路疾患のリスクが低いことが示されている。本研究では、大量に蓄積されているeコマースのキャットフード購入データを利用し、ウェットフードの購入割合が猫下部尿路疾患に与える影響を調査した。その結果、ウェットフードの購入割合が多いほど猫下部尿路疾患のリスクが低くなることが観察され、先行研究を裏付けるものとなった。

1 0 0 0 工業雑誌

著者
工業雑誌社
出版者
工業雑誌社
巻号頁・発行日
vol.30, no.404, 1909-01
著者
横山 直也 百鬼 史訓 久保 哲也 川上 有光
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.39-50, 2001-03-30 (Released:2012-11-27)
参考文献数
15
被引用文献数
2

The purpose of this study is to reveal the degree of individual motional difference and to discover the situations and parts of the body where there appears motional difference and to gain basic hints in instructing Shomen-Striking-Motion, as well as to discover implicit motional process common in Shomen-Striking-Motion of a Kendo player and to establish a model of standard Shomen-Striking-Motion by analyzing Kendo Shomen-Striking-Motion using 3-D Motion Analysis Method.The subjects of the study were sixteen males (age: 24.6±5.8years old, Kendo experience: 16.2±5.2years, ranks in Kendo: 4.0±1.3 dan, height: 174.9±6.0 cm, weight: 76.0±8.0 kg) consisting of the current students and the graduates of a university where is a specialized Kendo course.Videotaping of Shomen-Striking-Motion of the subjects was done by using two high-speed VTRs from diagonally to the right-front and left-front of the subjects with shooting speed of 250 frames per second and the shutter speed of 1/2000 second.3-D coordinates in 29 points were calculated in total with the use of DLT (Direct Linear Transformation) Method, consisting of 25 segment endpoints of a subject and 4 measuring points of Shinai.The Shomen-Striking-Motion were divided into two phases in this study; Back-Swing phase (BS phase) which is from the starting time until the ending time of Shinai to be lifted up and Forward Swing phase (FS phase) which is from the starting time until the ending time of Shinai to be struck down. Then,3-D coordinates and angle data of each subject were standardized with phase time being 100%, and the data were averaged per 1% of standard time accordig to the method of Ae et al. Coefficients of variation were calculated to compare standard deviation of each joint angle that was averaged.The following are the acquired conclusions from this study.(1) 3-D model of the standard Shomen-Striking-Motion was acquired that shows implicit motional process common in Kendo players through standardizing and averaging all the coordinate data of sixteen subjects.(2) The standard motion of each joint of Kendo players in fifteen points was exhibited through standardizing and averaging the changes of joint angle of all the subjects. Simultaneously situations that have large and small individual motional difference were observed from the standard deviation.(3) The parts were revealed where there is large individual motional difference by calculating coefficients of variation in the standard deviation of joint angles.
著者
島岡 恵 干川 隆 本吉 大介
出版者
日本リハビリテイション心理学会
雑誌
リハビリテイション心理学研究 (ISSN:03895599)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.17-28, 2021-12-08 (Released:2022-01-17)
参考文献数
25

本研究の目的は,脳性まひのある生徒の身体の動きに及ぼす動作法とミラーセラピーの効果を検討することであった。23回にわたって実施された試行は,指導の内容からA期(動作法のみ),B期(動作法及び下肢のMT),C期(動作法及び上下肢のMT)に分けられた。指導の結果,対象児はB期から右足の背屈運動の改善があり,手指操作能力分類システム(MACS)による評価では,BL期に比べてC期に14.5点の改善が見られた。本研究の結果から,対象児が鏡を見ながら自己の運動に修正を加えていくことで指先の動きや足首の背屈運動が改善されたことから,ミラーニューロンシステムの活性化が行われたと考察した。結果は,脳性まひ者に対して動作法とミラーセラピーを用いることで,その両方の取り組みの相乗効果が期待されることを示唆した。
著者
潮田 明 富士 秀 大倉清司 山下 達雄
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.931-939, 2003-09-15
著者
向井 俊博 堀江 秀樹 後藤 哲久
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.76, pp.45-50, 1992-12-10 (Released:2009-07-31)
参考文献数
8
被引用文献数
27 25

荒茶価格1kg当り560円から12,000円の煎茶61点を集めアミノ酸含量と全窒素量を分析した。上級煎茶と下級煎茶では,グルタミン酸含量にあまり大差がなく,テアニン,グルタミン,アルギニン含量に著しい差が見られた。また,グルタミンの割合が上級煎茶ではグルタミン酸よりも多い傾向があったが,下級煎茶では少なかった。価格と全窒素量は下級煎茶と中級煎茶に相関が認められるが,上級煎茶では認められないため,全窒素量は上級煎茶の品質判定の指標として使用出来ないと考えた。それに対して,全アミノ酸量は,全ての価格帯において相関が認められ,より広い範囲の品質の煎茶の判定に利用できるものと考えられた。また,17種類のアミノ酸の中で最も価格との相関が高かったのはアルギニンとテアニンであった。本研究を進めるにあたって,試料の収集に御協力いただいた静岡県茶商工業協同組合関係各位及び,分析を手伝っていただいた天野いねさんに深く御礼申し上げます。