著者
眞継 隆 ヨーゼフ ブリンク ヘルマン フランケ ジークフリート ハウザー アロイスオーバー ハウザー 吉田 猛 岸田 民樹 根本 二郎 荒山 裕行 奥村 隆平 千田 純一 HAUSER Siegfried BRINK Hans-Joseph OBERHAUSER Alois FRANCKE Hermann ジーク・フリート ハウザ ラルフ・ボード シュミッ アイロス・オーバー ハウ テオドール ダムス 小川 英次 木下 宗七 藤瀬 浩司 ハウザー ジークフリート シュミット ラルフ・ボー オーバーハウザー アイロ ダムス テオドール
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

欧州共同体(EC)は.1992年末までに市場統合を目指しており.世界経済に対するその影響はきわめて大きい。国際化を進めつつある日本にとっても.EC市場が統合後にどの程度開放されるかは重要関心事であり.本研究において.貿易.金融.農業.企業立地などを中心に.統合市場の下で展開される域内政策と対外政策の日本経済に及ぼすインパクトを多面的に分析し.日本の対外政策のあり方について総合的に考察した。また.新しい問題として東西ドイツの統一がもたらす諸問題や.しだいに広域化していく環境問題についても検討を加えた。共同研究者が執筆した論文は,まず1991年3月に開催された共同研究会で報告が行われ,その成果が研究報告書『EC市場統合とドイツ総一』しとて,名古屋大学経済学部から1992年3月に出版された。日本側からは,真継隆「1992年EC市場統合と日本の製造業」及び千田純一「EC金融統合と日本の銀行・証券会社」の2論文が収録されているが,前者は日本からECに進出している機械メーカーと自動車メーカーを取り上げ,ECにおける貿易摩擦と日本企業の対応を論じている。また後者は,ECの92年市場統合への取り組みのうち,金融システムの統合に焦点を合わせ,わが国の銀行・証券会社がそれをどのように受け止め,どのように対応しようとしているかを考察した。ドイツ側から提出された研究論文は,B.キュルプ「欧州共同体における政策協調の必要性と経済安定効果」,H-H.フランケ「ヨーロッパ中央銀行制度の成立過程-フランスとドイツの対応-」,Th,ダムス「ドイツ統一と経済システムの比較-欧州統合及び東欧諸国の問題点を背景として-」,A.オーバーハウザー「東欧諸国の財政と市場経済への転換」,H-J,ブリンク「東ドイツ新企業の経営問題と解決第一計画経済から市場経済への移行の中で-」,F.ショーバー「国際的企業戦略のための情報・計画策定システム」等であり,ECとドイツ経済の現状と課題が詳細に分析された。ついで,第2回の共同研究会が1993年3月に開催され,その後の研究成果について報告と討論が行われた。日本側の論文は,真継隆「日本の環境問題に関する最近の研究-展望論文」,岸田民樹「環境管理の組識論的研究」,奥村隆平「地球温暖化の動学的合析」,荒山裕行「炭素税と排出権の一般均衝分析」,吉田猛「環境技術の移転のあり方-日本の非営利団体を事例として」の5篇であり,日本の当面している環境問題を多面的に取り上げ,それらの経済学と経営学の視点から分析した。ドイツ側の論文は,Th.ダムス「国際環境問題における日独両国の立場」,S.ハウザー「環境経済学への一般システム論的接近」,H-H,フランケ「ECにおける環境基準の批判的検討」,G.ブリュームレ「国際競争力の視点からみた環境政策の意義」,G.ミュラー「情報技術と交通問題-新しい視点からの検討」,H-J.ブリンク「ドイツ企業における環境対策の新しいアプローチ」,F.ショーバー「廃棄物処理のための情報システム-フライブルク大学の事例」の7篇であり,ECとドイツの最新の情報が提供された。これらの論文は日独両国でそれぞれ和文,英文の研究報告書として公刊される予定であり,関心のある研究者にも広く利用可能となる。本研究は,日本側が日本についての研究を行い,ドイツ側がドイツとECについて研究を行っており,自国の情報を相互に相手国に提供している。そのために,外国へ行って情報収集,情報(文献)分析を行う場合に比して,相手国の研究をより探く行うことが可能となっており,国際共同研究として有意義な成果が挙がっており,また日独両国における研究報告書の刊行を通じて,その研究成果が十分に活用されている。
著者
太田 明子 (中川 明子)
出版者
熊本大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

平成17年11月に全国の全自治体を対象として、以下に示す歴史的建造物保存活用に関するアンケート調査を実施した。すなわち、1.歴史的建造物の保護を担う担当部署、2.歴史的建造物の保護に携わる専任職員の設置状況、専任職員の専門領域、3.市民団体との協働の度合い、4&5.歴史的建造物保存活用のメリット、6.自治体自身の歴史的建造物保存活用への取組に対する自己評価について質問した。その結果、全体の約6割の自治体からの回答を得た。特に都道府県レベルでは8割の自治体から回答を得、現在、これらの調査結果を集計しつつあるところである。故に、正確な結果はまだ得られていないが、データ入力の過程で、歴史的建造物に専門的に関わっている自治体職員は京都府、奈良県などのごく一部の自治体を除き、殆ど存在しないことは既に判明している。1997年、「建築文化財専門職の設置」の要望書が日本建築学会から各都道府県及び政令指定都市宛に出されているにもかかわらず、状況が殆ど改善されていない様子が明らかになったことは大変残念なことであり、再度、何らかの提言を行う必要があると考える。一方、自治体が、地域住民やNPO等と協働することによる、歴史的建造物の継承に踏み出し始めていることも判明し、この分野でも地方が自らの知恵を出し、活動する時代になっていることが明らかになっている。また、この作業と平行し、全国の自治体のHPから歴史的建造物に関する情報をどれだけ得られるか検証しつつあるが、市町村合併が振興している最中であるため、確認に時間がかかっている。今後、速やかの上記の結果をまとめ、HP上で公開する必要がある。また、これまでまとめた、フランスの歴史的建造物に関わる人材育成の様子、保存理念に関する研究と合わせ、今後の日本の文化財行政に対する提案を行う予定である。
著者
大西 三朗 西原 利治 高橋 昌也
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

TRAILレセプターのdeath domainに対する単クローン性抗体は、腫瘍細胞特異的な細胞性免疫を惹起して、腫瘍細胞の排除を行う。しかし、副作用として時に胆管上皮細胞障害を誘発し慢性胆管炎に移行する。同様の免疫応答による慢性胆管肝炎はvanishing bile duct症候群として知られ、移植肝の急性および慢性拒絶反応の表現型である。TRAILレセプターのdeath domainにアミノ酸置換を伴う遺伝子多型がマウス存在することを見いだしたので、この抗原決定基に対する免疫応答が難治性の慢性胆管肝炎vanishing bile duct症候群を惹起する可能性があると考え、RT-PCRを用いて各種マウスstrainのTRAILレセプターのdeath domainにつき、遺伝子配列を決定した。
著者
茂木 信宏
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

平成19年4-8月雑誌論文(Journal of Aerosol Science)の執筆この論文では、レーザー光散乱法で従来では不可能であった、蒸発性粒子の散乱断面積を計測するための新たな手法を発表した。この方法を応用することにより、大気中のブラックカーボンの被覆状態を定量的に計測することを可能にした。平成19年9-11月学位論文(理学博士)の執筆平成19年12月-平成20年2月従来のレーザー白熱による煤エアロゾル測定器の信号処理回路、計測ソフトウェアを独自に発案、設計、製作し、従来よりも検出粒径範囲を大幅に拡張した。このことにより、レーザー白熱法による煤エアロゾルの検出粒径範囲の広さで世界一を達成した。平成19年3月上記の改良した世界最高性能の煤エアロゾル測定器がNASAの北極での航空機観測プロジェクトARCTASに採用されたため、この期間渡米し、NASAの航空機(DC-8)内において測定器のメンテナンス・オペレーションに携わった。この観測を通じて最先端の航空機観測技術、世界最大規模の共同観測研究がどのように進められるかを学んだ。また、この観測により、地球上で最も温暖化の著しい北極域における煤の気候影響を評価するための詳細なデータを取得した。
著者
大谷 進
出版者
神奈川歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

アミノ酸のラセミ化反応を利用し、従来より正確な歯からの年齢推定法を確立するため各種実験を行った。1.pHによる影響:pH9の環境下で象牙質のラセミ化反応速度がもっとも速く、ついで水、pH4の順で、アルカリ性で速く、酸性で遅いことが認められました。しかしながら、実際のラセミ化は僅かで、年齢推定にはほとんど影響がみられず、死亡時の年齢が算出されるようでありました(環境温度15℃の場合)。2.固定液の影響:正確な年齢推定を行うには、鑑定資料の他に年齢既知の数本の同顎同名歯の対照歯が必要です。このため対照歯を95%エタノール、10%ホルマリンおよび10%中性ホルマリンの固定液に保存された場合について検索しました。その結果、象牙質アスパラギン酸のラセミ化反応速度は、10%中性ホルマリン>10%ホルマリン>95%エタノールの順に速く認められました。しかし、ラセミ化反応は歯を15℃(室温)の固定液に保存された場合、ほとんど促進されず、10年から20年程経過した歯でも抜去時と変わらない結果が得られました。3.ピンク歯について:実際の鑑定例では歯がピンク色に着染している現象が時々見られます。この場合、通常の方法では、年齢が低く算出されることがあります。しかし、資料を粉末化し何回か洗浄すると実際年齢に近い値が算出される知見が得られました。4.加熱の影響:ラセミ化反応は環境に左右され、とくに温度に強く影響されます。しかし、焼死体で加熱された歯でも非コラーゲン性蛋白質を用いると、ほぼ正確に年齢を求められることを明らかにしました。以上、歯からの年齢推定に関する数々の所見が得られ、ラセミ化法の信頼性をさらに高めることが出来たものと考えます。
著者
杉浦 浩子
出版者
岐阜大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.精神障害者の「生きる能力」を構造化構造化を試みるために,精神科デイケア利用者に面接調査を行った。調査内容は勝田モデルの枠組みに従い,(1)生産の技術に関する能力(2)人間の諸関係を統制したり調整したり変革したりする能力(3)自然と社会についての認識の能力(4)世界の状況に感応し表現する能力を調査した。デイケア利用者では,(2)の能力不足を感じる人が多く,この能力の向上が社会復帰意識を高めると考えられた。2.一般の人々の精神障害者の「生きる能力」評価一般の人々が精神障害者の「生きる能力」をどのように評価しているかを明らかにするため,4つの能力を細分化し,質問紙を作成した。一作成した質問紙を用い,M大学1年生138名と中高年層94名に調査を実施した。(1)精神障害者の「生きる能力の評価」:全体で評価の低かった能力は,人間関係の能力の中の「協調性がある」「リーダーシップがとれる」「トラブル時の対応」であった。また,生産技術の能力の中の「新たな技能や資格の習得」「長時間の勤務」も低かった。逆に高かったのは,表現する能力の中の「芸術への関心」「芸術的表現」であった。中高年層と大学生を比較すると,中高年層の評価の方が有意に低かったのは,認識の能力の中の「学力」「知能」,生産の技術の中の「家事労働」であった。学生の評価の方が有意に低い項目はなく,中高年層の方が偏見が強いことが明らかとなった。(2)精神障害者との社会的距離と「生きる能力」の関連:「生きる能力」の評価の低い人は,社会的距離の多くの項目で「受け入れにくい」と答えていた。また,人間関係の能力の評価の低い人は,社会的距離の友人・職場で「受け入れにくい」と答えた人が多く,社会的距離での受け入れと「生きる能力」の評価には,関連性がみられた。
著者
渡邉 裕樹
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

平成20年度は,(1)計算機代数を応用した形式的検証手法および(2)高信頼なデータパスジェネレータに関する研究を平行して実施し,それぞれ以下の成果を得た.(1)大規模な算術演算回路に対する効率的な機能検証手法の実現を目指し,まず,重み数系と整数方程式を用いて算術演算回路を統一的に表現可能なデータ構造を提案した.このデータ構造に対する検証手法として,グレブナー基底や多項式簡約など計算機代数の手法に基づく手法を提案した.また,従来の形式的検証手法との比較し,算術演算回路の種類に応じて提案手法と従来手法を切り替えることで,検証時間を大幅に削減できることを明らかにした.(2)提案手法に基づく検証系を組み込んだモジュールジェネレータを開発した.本システムは,多入力加算や積和演算などの多様な算術アルゴリズムをライブラリとして有し,その組み合わせで900種類を越える演算器モジュールを自動生成することができる.また,計算機代数に基づく形式的検証を適用することにより,64ビットの演算器であれば数分以内に検証することができる.本システムを公開したWebページ(http://www.aoki.ecei.tohoku.ac.jp/arith/mg/)は,平成20年度末までに12万件以上利用されている.以上の研究により,計算機代数に基づく算術演算回路の形式的設計手法を提案し,その有効性を示すとともに,実用性の高い演算器モジュールジェネレータを実現した.
著者
原島 秀吉 小暮 健太朗 秋田 英万 山田 勇磨
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本年度は、アジュバントのトポロジー制御の観点からアジュバント搭載型ナノ構造体の構築とその機能評価を行った。まず認識受容体の局在が異なる2種類のアジュバントを搭載したMENDの構築を行い、細胞性免疫誘導効率への影響を調べた。polyI:Cはエンドソーム内のTLR3及び細胞質中のMda5により認識され、CpG-ODNはエンドソーム内のTLR9によって認識される。それ故、細胞への取り込み後に認識されるように、MENDの内部に抗原と共に内封した。polyI:CもしくはCpG-ODNを内封したMENDをマウスに皮下免疫し、CTL活性を測定した結果、polyI:C内封MENDを免疫したマウス群では、CpG-ODN搭載MENDを免疫した群と比較して著しく高いCTL活性の誘導が認められた。次にpolyI:C搭載MENDとpolyI:C/R8複合体のCTL活性誘導能を比較した。その結果、polyI:C搭載MENDを免疫したマウス群の方が高いCTL活性及び抗腫瘍活性を示した。MEND内にpolyI:Cを内封することで、効率良くTLR3及びMda5に認識され、強力な細胞性免疫が誘導されたと考えられる。このことからアジュバントの機能を十分に発揮させるためには、そのトポロジーを考慮することが重要であることが示唆された。またpolyI:CをMEND内に内封することでアジュバント投与時の炎症等の副作用が軽減されるかを調べた。polyI:C搭載MEND及びpolyI:C単独をマウス尾静脈から投与し、2時間後の炎症性サイトカインIL-6の産生を調べた。その結果、polyI:C搭載MEND投与群では、polyI:C単独投与群と比較してIL-6産生の著しい抑制が認められた。以上の結果より、効率的な細胞性免疫誘導及び副作用の軽減には、アジュバントのトポロジーを考慮したワクチン設計が重要であることが明らかになった。
著者
向井 友花
出版者
青森県立保健大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

妊娠高血圧症候群の病態の軽減に対する植物性ポリフェノールの有効性を見いだすため、妊娠ラットに一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤を投与あるいはフルクトース(果糖)を過剰摂取させ、アズキポリフェノール摂取が血圧、酸化ストレス、糖・脂質代謝に及ぼす影響を検討した。その結果、アズキポリフェノール摂取はNO欠乏妊娠ラットに顕著な血圧上昇抑制効果は示さなかったが、腎臓のMn-SOD発現を増加させた。またフルクトース摂取妊娠ラットに認められた肝臓の脂質合成転写因子の発現上昇を一部抑制した。
著者
井上 順雄 中山 孝
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新規培養法を確立し、ヒトES細胞を一方向的に神経系細胞へ分化誘導し、均質な神経幹細胞を大量に調製することができた。この神経幹細胞は、選択的に神経細胞(主にドーパミン作動性神経細胞)に、あるいは、アストロサイトに分化誘導することが可能であった。さらに、その培養法の基本的な培養条件をわずかに変えることによって、ヒトES細胞を脳の領域が異なる様々な種類の神経系細胞に分化誘導できる可能性を開いた。
著者
成田 智哉
出版者
利府町立菅谷台小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

○研究の目的小学校5年生の理科において,顕微鏡による水中微小生物の観察結果から,間接的に魚の食べ物を推論するだけでなく,糞の分析や捕食行動等の観察から「食べている証拠」を実感をもってとらえさせる授業プログラムを開発することであった。○研究の方法観察する魚種および水中微小生物の培養法を検討しながら,児童に魚が微小生物を捕食する様子を再現性よく観察させたり,糞および消化管内の内容物を顕微鏡で観察させたりした。これらの授業記録や児童の観察記録を分析し,魚が水中微小生物を捕食していることを実感をもってとらえさせる授業プログラムの有効性を探った。○研究の成果1児童の実態調査の結果を基に,魚の食べ物が何かを考え,検証させる単元を構成し授業実践を行った。まず,魚の生息する水域や無給餌状態で飼育しているメダカの水槽内の水を顕微鏡で観察させた。多数の水中微小生物が存在することを確認させ,魚がそれらを食べて生きているという仮説を立てた。児童の考えを基に(1)ミジンコを食べる瞬間を見る(2)解剖して消化管内の水中微小生物の痕跡を探す(3)糞の中の水中微小生物の痕跡を探す等,検証方法を設定し,観察・実験を行わせた。2 1で得られた結果を顕微鏡の拡大画像やVTRの動画を活用し共有させた。授業記録から,児童が複数の結果を基に「魚が水中の小さな生物を食べて生きている」という考えをもったことが分かった。3上記1,2の実践および授業後の理解度調査の結果から,(1)糞や消化管の内容物の分析,捕食行動の観察結果を基に多面的に検討させることが,「魚が水中微小生物を補食している」ことをとらえさせる上で有効であること(2)捕食行動の観察にはメダカ,消化管内の内容物の観察にはゲンゴロウブナ,糞の分析にはメダカ,モツゴ,タモロコ等の魚種が有効であることが分かった。
著者
成田 雅樹 大熊 徹 長崎 秀昭 藤井 知弘
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

活用型授業を「既習事項明示型」「活用状況設定型」「活用場面付加型」「授業内活用確認型」「関連学習型」の5類型に整理して実践事例を分析した結果、活用実行型が多く活用想定型が少ないことを明らかにした。既習事項明示型とは当該単元または当該授業の学習において活用される既習事項を学習者に提示して行うものである。活用状況設定型とは実際には活用まで行わないが仮に当該の学習内容を活用するとしたらどのような状況が考えられるか学習者に提示するものである。活用場面付加型とは実際に単元の終末の時間に学習内容を活用する活動を行うものである。これを単位時間内に行うものが授業内活用確認型である。関連学習型はたとえば読解学習で習得した文章構成に関する知識を自らの表現活動で使用すると言った「読み書き関連学習」などである。さて、分析の結果他にも教科内活用型が多く、他教科活用型や実生活活用型が少ないことが明らかになった。さらに、技能活用型が単元をまたぐ長いスパンに見られ、内容活用型が単元内などの短いスパンに見られることも明らかにした。これは、いわゆる活用型授業を実践する際の現場の指針になる基礎情報であり、言語活動の充実のあり方に対する示唆でもある。
著者
成田 奈緒子
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、自閉症スペクトラム障害(以下ASD)のアセスメントと支援方法を、医学と教育の連携させた観点から確立するために、まず図形を用いたタスクスイッチ負荷を行った際、ASD児者においては健常者で認められる前頭葉機能の賦活化以外の部位も使って対処している可能性を、高い正解率と相反する前頭葉脳血流量低下で示した。次にヒトの顔写真を刺激とした、同様のタスクで検討した結果、ASD者においてはタスクパフォーマンスに応じた前頭葉脳血流の変化が認められず刺激特異的・個体特異的な脳機能の差異があると考えられた。
著者
成田 啓之
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

研究代表者は本研究課題を通して以下の成果を得た。(1)ブタ脈絡叢上皮細胞(CPEC)の一次繊毛プロテオームを解析した。(2)新生児マウスCPECの繊毛の観察によって、この繊毛が出生前後の一時期に運動することを見いだした。(3)運動している時期のCPECには9+0型の一次繊毛に加えて9+0型の繊毛や非典型的な繊毛が混在していることを見いだした。(4) DNAマイクロアレイなどを用いて細胞あたりの繊毛数を規定していると予想される遺伝子群を同定した。
著者
佐藤 年明 児玉 克哉
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

前回科研費研究(2001-2004年度)時には達成できなかった、スウェーデンの基礎学校.高等学校におけるsex och samlevnad(性と人間関係)の授業観察の機会を得ることができ、日本語による授業記録作成と分析を行なうことができた。
著者
笠原 健一
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

環境負荷ガスのモニターや生命科学への応用が期待されている量子カスケードレーザ(QCL)では電子散乱制御が高性能化や遠赤外・テラヘルツ化に向けての鍵を握っている。電子散乱の情報はQCLの線幅増大係数αや相対雑音強度RINを調べることで得られる。研究ではαの測定を通じて伝導帯サブバンドの非放物線性やブロッホ利得に関する知見を得ることができた。RIN測定では光出力の依存性や測定温度域を変えることで電子の非発光緩和時間に関する情報が得られた。また遠赤外・テラヘルツ化では対角遷移型ミニバンド構造について解析を進めた。電子-電子散乱は波動関数の重なりの4乗、光学遷移は2乗に比例するので対角型遷移を上手に使うことで電子-電子散乱は急激に落ちることが解析の結果、確認できた。
著者
津熊 久幸
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

統計的モデルの未知パラメータに順序などの制約が課せられている場合の推定問題を,統計的決定理論の枠組みから扱った。制約が保存された縮小型推定量や一般化ベイズ推定量などを新たに提案し,リスク関数の解析的な評価から,それら推定量のミニマクス性などについて議論した。また,提案された推定量は,これまでに提案されていた推定量より良い推定精度を持つことが数値実験から確認できた。
著者
田中 信男 池上 亨
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高速型、および、高理論段数型、モノリスシリカキャピラリーカラムの開発、高性能化を行った。シリカキャピラリー管内でテトラメトキシシランとメチルトリメトキシシランを原料とするシリカモノリスの調製において、シリカ量、ならびに、1-2μmのマクロ細孔と約10nmのメソ細孔の大きさを制御することにより、溶媒のカラム通過時間10sで10000理論段、5000sで1000000理論段の発現を可能とし、超高性能分離を実現した。
著者
池田 素子 小林 迪弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

カイコ培養細胞(BM-N細胞)は,ある種の核多角体病ウイルスの感染に対して,細胞のタンパク質合成だけでなく,ウイルスのタンパク質合成も停止して全タンパク質合成停止となり,ウイルス増殖を阻止している.本研究は,この全タンパク質合成停止の分子機構の解明を目的として行った.その結果,BM-N細胞は1つのウイルス因子,もしくはその因子のはたらきを認識すると,自らのRNAを急速に分解する機構を使って全タンパク質合成停止となることが明らかとなった.
著者
桜田 晃 遠藤 千顕
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

肺腺癌細胞においてリン酸化蛋白を質量分析計を用いてスクリーニングし、EGFR遺伝子に強く制御を受けている複数のタンパク質を同定した。これらの蛋白質が肺癌の進展に関与するかどうか検討するため、同定された蛋白のひとつであるGRLF1/p190A RhoGAPの機能を解析した。本蛋白が肺癌細胞の増殖に関与することが示され、今後の治療標的の候補となり得ると考えられた。