著者
Yasumoto Shuhei Umemoto Naoyuki Lee Hyoung Jae Nakayasu Masaru Sawai Satoru Sakuma Tetsushi Yamamoto Takashi Mizutani Masaharu Saito Kazuki Muranaka Toshiya
出版者
日本植物細胞分子生物学会
雑誌
Plant Biotechnology (ISSN:13424580)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.167-173, 2019
被引用文献数
32

<p>Potato (<i>Solanum tuberosum</i>) is one of the most important crops in the world. However, it is generally difficult to breed a new variety of potato crops because they are highly heterozygous tetraploid. Steroidal glycoalkaloids (SGAs) such as α-solanine and α-chaconine found in potato are antinutritional specialized metabolites. Because of their toxicity following intake, controlling the SGA levels in potato varieties is critical in breeding programs. Recently, genome-editing technologies using artificial site-specific nucleases such as TALEN and CRISPR-Cas9 have been developed and used in plant sciences. In the present study, we developed a highly active Platinum TALEN expression vector construction system, and applied to reduce the SGA contents in potato. Using <i>Agrobacterium-</i>mediated transformation, we obtained three independent transgenic potatoes harboring the TALEN expression cassette targeting SSR2 gene, which encodes a key enzyme for SGA biosynthesis. Sequencing analysis of the target sequence indicated that all the transformants could be <i>SSR2</i>-knockout mutants. Reduced SGA phenotype in the mutants was confirmed by metabolic analysis using LC-MS. In vitro grown <i>SSR2</i>-knockout mutants exhibited no differences in morphological phenotype or yields when compared with control plants, indicating that the genome editing of SGA biosynthetic genes such as <i>SSR2</i> could be a suitable strategy for controlling the levels of toxic metabolites in potato. Our simple and powerful plant genome-editing system, developed in the present study, provides an important step for future study in plant science.</p>
著者
進藤 聡彦
出版者
日本教育方法学会
雑誌
教育方法学研究 (ISSN:03859746)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.57-64, 1993-03-31 (Released:2017-04-22)

On evaluating teaching-learning processes, it is effective that learners' recognition and teaching materials are able to be expressed one-dimensionally by using the ruleg system. Especially ru, a constituent of the ruleg system, is a key concept in considering the reformation of erroneous criteria. Ru is a learner's judgement criterion and it is erroneous and autogenetic in its characteristic. In the first section, the characteristics of various kinds of ru's are explained with some concrete examples. In the second section, the instructional strategies of reforming ru's are discussed from a point of view of the presentation sequences of focus instances. Two different presentation sequences are taken up. One is what shift from focus instances learners misjudge as exceptions to these they can recognize as correct instances. Another is what is in the reverse order. The effectiveness of the instructional strategy, which take the grounds of learners' ru's into consideration, are also discussed in this section. In the third section, it is described that learners are not aware of the attributes in themselves or the value of attributes which they use as foundation of their judgements on ru's. This thing occasionally causes learners the formation of a kind of ru's, which they apply the correct rule only to a limited extent. The instructional strategy, which makeslearners form the instances they misjudged as the exceptions for themselves and verify them, brings effects on reforming this sort of ru's.
著者
齋藤 泰則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.18-23, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)

ヴァーチャルレファレンスのコミュニケーション方式には,電子メールをはじめ,チャット,テキスティング,さらにはビデオ通話方式がある。本稿では,こうした方式の違いが利用者に多様なレファレンス質問の提示機会を提供することから,今後,チャット方式,さらにはビデオ通話方式の導入が必要であることを示す。また,チャット方式の今後の展開として,チャットボットの導入など,ヴァーチャルレファレンスの自動化の試みについて取り上げる。自動化にあたっては,レファレンスサービスを担当する図書館員の専門知識の組み込みが必要であることから,プロダクションルールによる専門知識の形式化について考察する。
著者
松野 南紗恵
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.7-11, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)

本稿では,電子メールやチャットによって質問を受け付けるヴァーチャルレファレンスサービスについて,2020年以降に国際図書館連盟やアメリカ図書館協会,ラトガース大学の研究者および図書館員が実施した合計6つの調査から,コロナ禍における海外の動向について報告した。各調査の結果からヴァーチャルレファレンスサービスに関する内容を抜粋し整理したところ,ヴァーチャルレファレンスサービスの導入状況や受付方法の多様さ,質問件数が増加傾向にあること,また,大学図書館のチャットレファレンスにおいては質問内容の変化についても明らかになった。
著者
小田 光宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.2-6, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)

本稿は,デジタルレファレンスサービスの今後の発展を見据えることを目的として,アナログ形態のレファレンスサービス(アナログレファレンスサービス)からデジタルレファレンスサービスへの転換あるいは接続の様相を整理している。そのために,情報通信技術の特性となる,コミュニケーション機能,インフォメーション機能,ネットワーク機能に沿って,デジタルレファレンスサービスとしてこれまで現れてきた事象を取り上げ,アナログレファレンスサービスとの関係を考察している。また,デジタルレファレンスサービスへの転換あるいは接続を検討する上での留意点として,定義と活動の範囲,統合的視点の必要性を指摘している。
著者
長谷川 幸代
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.1, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)

2022年1月号の特集は「デジタルレファレンスサービスの未来」です。デジタルレファレンスサービスは,電子メール,チャット,ウェブ等を利用して行われるレファレンスサービスで,様々な形態のものがあります。本誌では,2006年3月に「特集:デジタル・レファレンス・サービス」と題して記事をお届けしました。以前と今回の大きく異なる点としては,新型コロナウィルス感染症の流行による社会状況の変化があります。社会のあらゆる活動において「対面」で実施する機会が減少し,その代替手段としてインターネットを介した「オンライン」のシステムが利用されるようになりました。対面で直接コミュニケーションを図ることができず,困難が生じることもある反面,時間や距離による問題が解消され,便利になった点も多くあります。そして,対面の活動が再開されてもなお,オンラインの活動を継続する風潮も見られます。図書館のサービスにおいてはどうでしょうか。来館型のサービスを一時休止した図書館が多くあり,利用者からサービスの再開を待ち望む声もあがりました。そこで,どのようにサービスを継続するかが検討され,オンラインを活用した新たなサービスを実施するケースも見られています。特に図書館における「レファレンスサービス」では,対面でのレファレンスインタビューが重要である一方,デジタルレファレンスサービスの利用によって,来館に困難があってもサービスの利用機会が得られ,サービス提供の拡張につながることが期待されます。また,頻度が高く即答可能な質問に自動応答することで,効率化も進むものと考えられます。本特集では,まず小田光宏氏から総論としてデジタルレファレンスサービスの今後を見据える目的で,アナログからデジタルへの転換,接続に関する情報を整理する論考を提供していただきました。小田氏には,2006年の特集の際にも執筆いただいており,その流れを汲みながら現在と未来を考察する内容となっております。次に,海外でのデジタルレファレンスサービスの事例として,松野南紗恵氏からコロナ禍におけるヴァーチャルレファレンスサービスの動向を,調査結果の事例を交えて解説いただきました。また,渡邊由紀子氏からは大学図書館の事例として,九州大学附属図書館での非来館型のサービスの拡張について解説していただきました。最後に,齋藤泰則氏からはヴァーチャルレファレンスの展望について,自動化に関する解説と展望を述べていただきました。デジタルレファレンスサービスは,ある程度の歴史がありこれまでも利用されてきましたが,今回の特集が歴史的流れと今までにないコロナ禍の状況におけるデジタルレファレンスサービスの現状を概観し,さらに今後の展開を考える契機となれば幸いです。(会誌編集担当委員:長谷川幸代(主査),青野正太,海老澤直美,南雲修司)
著者
渡邉 敦史 磯田 圭哉 平尾 知士 近藤 禎二
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.115, pp.A17, 2004

今回,2つの異なる方法によってアカマツのSSRマーカーを開発し,開発にかかる効率性や手法の簡便さといった観点から手法の比較を行なったので報告する。また,SSR分析を行なった際に1プライマー対から2領域以上の断片が検出され,解析に困難さが伴うことがある。スギを対象としたSSR分析の結果に基づいてその実例について報告する。まず,アカマツSSRの単離には2つの方法を利用した。一つはエンリッチメント法であり,Hamilton et al(1999)に従った。もう一つは,Lian and Hogetsu (2002)によって報告されたsuppression PCRを利用する方法である。エンリッチメント法では(AC)nを繰り返し単位とするSSRの単離を試みた。54プライマー対についてPCR増幅した結果,68.5%にあたる37プライマー対から期待されるサイズのフラグメントが得られた。アカマツ10個体を利用して,単一フラグメントの増幅と多型の有無について確認した結果,33プライマー対は単一な断片が増幅されることを確認した。このうち,3プライマー対は単型的であり,残る30プライマー対からは2_から_13個の対立遺伝子を確認した。エンリッチメント法と同様にアカマツ1個体を利用してLian and Hogetsu (2002)の方法に従ってSSRを単離した。63クローンについてプライマー設計し,増幅した36クローンについて二度目のシーケンシングを行なった。その結果,16クローンがSSRマーカー候補として選抜された。16クローンについてPCR増幅した結果,期待されるサイズの断片を増幅した14のうち,9プライマー対が単一の断片を増幅し,2_から_13の対立遺伝子を確認できた。 関東育種基本区のスギ精英樹936クローンのうち、765クローンをMoriguchiら(2003)が報告したスギSSR3プライマー対について実際にSSR分析した。使用したプライマーのうち,Cjgssr149では多くの個体で1領域に由来すると考えられる対立遺伝子を確認出来た一方で,2領域に由来すると考えられる断片が検出された。そこで,シーケンスしたところ,目的とした領域の一部が重複した類似領域であることが判明した。 Lian and Hogetsu (2002)の方法では,プライマー設計した63プライマーのうち,14.3%にあたる9プライマーのみを最終的にマーカーとすることが出来た。一方,エンリッチメント法ではプライマー設計し,PCR増幅した54プライマー対のうち,約60%にあたるプライマー対をマーカーとして考えることが出来た。しかし,この結果だけに基づいてエンリッチメント法が効率面で優れていると判断することは困難である。エンリッチメント法では,ポジティブクローンを選抜する段階でその3倍にあたるコロニー(768コロニー)を選抜しており,これらのコロニーにSSRが含まれているか確認する作業を行なう必要性がある上に,実験操作もハイブリダイゼーションなど熟練者以外には容易でない場合も多い。一方で,Lian and Hogetsu (2002)の方法は選抜したコロニーの90%以上がポジティブであり,操作もまたPCRを主体とした手法の連続であることから比較的容易にマーカー開発を進めることが出来る。但し,コスト面ではLian and Hogetsu (2002)の方法は,二度にわたるシーケンシングとプライマー設計を行なう必要性から,エンリッチメント法よりも負担は大きい。 SSRマーカーは開発に労力がかかる一方で,得られる情報量の大きさや再現性の高さから,きわめて有益なマーカーである。しかし,針葉樹は染色体倍加を伴わないゲノム重複が生じているとの報告もあり,類似する領域がゲノム中に散在している可能性も高い。実際,アカマツで増幅したプライマー対のうちマーカーとして選抜できなかった理由の多くは2領域以上と考えられる断片が検出されたことにあった。複数領域が検出されたとき,分離比検定やシーケンシングを行ない,領域間の関係を明確にすることで,初めて解析に利用できると考える。
著者
Yasushi SATO Chihiro KUMASHIRO Kokoro OKIMOTO Koji TOMITA Masato KAKIHANA
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (ISSN:18820743)
巻号頁・発行日
vol.130, no.1, pp.49-54, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
37
被引用文献数
2

Eu2+-activated Ca3MgSi2O8 (Ca3MgSi2O8:Eu2+) phosphors were successfully synthesized by an amorphous metal complex method using propylene glycol-modified silane (PGMS) and heat-treatment under a reduced atmosphere at 1400 °C. The photoluminescence (PL) of Ca3MgSi2O8:Eu2+ was studied as a function of total Eu concentration. Furthermore, Ca3MgSi2O8 with Eu2+ concentrations at 1.0–30 % for Ca exhibited a blue-green emission peaking at approximately 480 nm. In contrast, with increasing Eu2+ concentration up to 50 % for Ca, the emission peak of Ca3MgSi2O8:Eu2+ phosphors exhibited a redshift to 521 nm with green emissions. The redshift of emissions in Ca3MgSi2O8:Eu2+ phosphors could be attributed to the strong electrostatic interactions related to the Eu2+ ions occupying the peculiar Ca sites.
著者
Naoyoshi NUNOTANI Marina TAIRA Nobuhito IMANAKA
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (ISSN:18820743)
巻号頁・発行日
vol.130, no.1, pp.44-48, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
27

Green-emitting phosphors of Rb3La1−xTbxSi2O7 with a K3NdSi2O7-type structure were synthesized via a solid-state reaction technique. Their crystal structures and photoluminescence properties were investigated. Crystal structural analyses of Rb3LaSi2O7 and Rb3TbSi2O7 were carried out for the first time and revealed that the rare-earth sites (La or Tb) were separated by the RbO6 and SiO4 units. According to photoluminescence spectroscopy of Rb3La1−xTbxSi2O7 monitored at 249 and 481 nm, the highest emission intensity was obtained for the Rb3TbSi2O7 phosphor under the 481-nm excitation, which indicates that the satisfactory separation of the Tb3+ ions suppressed the concentration quenching. The intensity of Rb3TbSi2O7 was 32 % in comparison to that of the commercial green-emitting (La0.52Ce0.31Tb0.17)PO4 phosphor.
著者
鶴岡 克彦
出版者
大分県農林水産研究指導センター
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (ISSN:21861021)
巻号頁・発行日
no.2, pp.16-23, 2012-03

ソルガム糸黒穂病および麦角病の蔓延防止を目的として、罹病程度の低い品種選定及び病害の発生しない出穂前段階において収穫する病害回避技術を開発した。1. 66品種・系統のソルガムおよびスーダングラスの糸黒穂病に対する抵抗性の圃場検定では、23品種が罹病せず、うち15品種について以後2年間の検定で罹病しなかった。2. フルトラニル25%種子重量の1%、メプロニル75%種子重量の0.4%、チウラム80%種子重量の1%、キャプタン80%種子重量の0.4%の種子粉依による種子消毒は、糸黒穂病に対する効果を示さなかった。3. 出穂前収穫体系に適合する高消化性晩生ソルガムの乾物収量は市販品種SSR4と同程度であり、TDNは62.8%であり、SSR4と比較して3%高かった。4. 高消化性晩生ソルガムは、輸入チモシー乾草及び飼料用トウモロコシの代替として、泌乳牛に給与しても、乳量等に差は無く、泌乳牛での利用が可能である。
著者
三田地 亮 高原 政利 佐藤 力 小野 秀俊 宇野 智洋
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.117-121, 2021 (Released:2021-11-26)
参考文献数
6

目的:肘痛と主観的評価,身体所見,および投球動作の関連性を分析すること.対象と方法:中学野球選手52名を検診し,肘痛,自己評価式の肘痛スコア(痛みなし:0点~最悪の痛み:40点),投球フォーム自己評価(良:30点~不良:0点 ),身体所見,および投球動作を調査した.結果:肘痛は8名にあった.自己評価式の平均は肘痛スコア:4.1点,投球フォーム自己評価:22.2点であり,軸脚の蹴りは肘痛なし群が有意に良好であった.身体所見の陽性率はcombined abduction test:32.7%,horizontal flexion test:25.0%,およびstraight leg rising:20.6%であった.動作解析ではsingle plane:33.3%,アーリーコッキング期軸脚股関節肢位の不良 :92.2%,良:7.8%であった.考察:肘痛と軸脚の蹴りには関連性があった.
著者
植田 政孝
出版者
大阪市立大学経済研究会
雑誌
季刊経済研究 = The quarterly journal of economic studies (ISSN:03871789)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.p119-138, 1990-09

I プロローグ : コミュニティ・チャージの導入に反対する大規模なデモが, 警官と衝突して130名以上の負傷者を出す大惨事になったのは, ロンドンの春にはめずらしく初夏を思わせるような陽気にめぐまれた今年3月31日のことであった. デモの規模に関しては, 警察当局では3万人と発表し, 主催者側では20万人と言っていて, 本当の数値は定かでないが, しかし, 最近のデモとしては最大級のものであったことは否定できない. したがって, 当時のデモは単なる過激派だけの集団でもなければ, 野党の組織的動員者だけでもなく, 草の根市民が多数参加していたことは想像に難くない. ……
著者
有賀 夏紀 Natsuki Aruga
出版者
学習院大学人文科学研究所
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.19, pp.85-100, 2021-03

本稿では、金沢称名寺に伝存する吒枳尼天関連資料を読み解き、中世の儀礼と、それを支える教理について考察する。『辰菩薩口伝』『辰菩薩口伝上口決』は、仏教の夜叉である吒枳尼天の秘説を集めた聖教である。ここでは即身に成仏するという密教的身体観を基調とし、八葉蓮華、宝塔、舎利、如意宝珠といったキーワードを用いて、天台教学の立場から『法華経』(法華円教)と密教との一致を説く。この教説は衆生の心臓を食用するという吒枳尼天によって媒介され、成就するものであった。これと同様の教理が、おなじく称名寺聖教の『輪王灌頂口決私』に見出せる。本資料は即位灌頂の口決であるが、天皇の身体と、仏との一体化を目的とする即位灌頂は、衆生の身体を食して即身成仏させる吒枳尼天と結びつきやすかったと考えられる。吒枳尼天と『法華経』をめぐる言説は、円密一致の教理とともに、中世の儀礼の一端を支えていたのである
著者
廣瀬 智陽子 池谷 直樹 萩島 理 谷本 潤
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.87, no.791, pp.19-28, 2022-01-30 (Released:2022-01-01)
参考文献数
24

The velocity field in a naturally ventilated building within urban-like arrays was explored by means of large-eddy simulations. The reduced-scale building models were utilized to examine the impact of the geometric conditions in surrounding buildings and cross-ventilating windows on flow statistics as well as instantaneous velocity fields in a sheltered building. The obtained results indicated how the incoming flow was propagated in the target building. Although simplified conditions were employed, the present findings of the features of cross-ventilation are valuable to consider the effect of outdoor turbulent flow to indoor wind environment.
著者
渋谷 政子 中島 理子 田島 久美子 朝倉 章子 森 敏郎
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.51-57, 1996 (Released:2009-10-29)
参考文献数
7

輻輳不全および融像幅の低下が原因で眼精疲労を訴えた28名(年齢8歳~51歳)に当科で考案した訓練方法に基づき治療を行った。対象患者は輻輳近点と融像幅の検査結果から,1.生理的複視を認知できない群,2.輻輳力低下群,3.融像力低下群の3群に分類した。訓練の結果,輻輳近点が10cm以下およびプリズム融像幅が20Δ以上の正常範囲に回復し,眼精疲労が消失あるいは軽減したものは28例中27例であった。訓練期間の平均は1.2ヵ月と短期間であった。眼精疲労の原因を的確に分析することは輻輳および融像幅増強訓練を奏効させると考えられた。
著者
伊藤 康宏
出版者
一般社団法人 電気設備学会
雑誌
電気設備学会誌 (ISSN:09100350)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.188-192, 2007-03-10 (Released:2015-04-17)
参考文献数
4