著者
髙橋 徹 熊谷 昌則 髙山 裕子 大野 智子 山田 節子 三森 一司 逸見 洋子 駒場 千佳子 長沼 誠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】日本調理科学会特別研究平成24〜25年度『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』の聞き書き調査を通して,秋田県における次世代に伝えるべき家庭料理を抽出し,「副菜」に着目してその特徴と調理特性について明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】秋田県内8調査地域(鹿角・北秋田・山本・秋田・由利・仙北・平鹿・雄勝)において,昭和35〜45年頃に調理を担当していた対象者19名(女性,74.2±7.8歳)に聞き書き調査を実施した。調査から得られた110の料理のうち,副菜に該当した料理の特徴および調理特性について検討した。</p><p>【結果および考察】副菜に該当した36の料理のうち,漬物が13と約1/3を占めていた。有名となった「いぶりがっこ」の他に,「ふかしなす漬け」や「平良かぶの漬物」等,米麹を使用する漬物も見られた。漬物の原料となるダイコン,カブ,ナスには伝統野菜も用いられている。また,山菜やキノコ料理も豊富で,「ぜんまいの一本煮」,「カタクリの花のクルミ和え」,「ばっけみそ」,「なめこと大根おろしの酢の物」,「なっつ」などが挙げられた。「なっつ」は,漬物の原型ともいわれ,野菜やキノコをだし汁や塩辛で和えたものである。「てん(ところてん)」,「えご」,「寒天料理」に代表される,寒天(海藻)を利用した料理は県内全域で食されており,その種類も豊富であった。他県では日常的に食されている「煮しめ」が,正月(年越し)や行事の料理として継承されている地域もあった。</p>
著者
星野 健司 小川 潔 衛藤 義勝
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.287-297, 2005-04-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
23

【背景・目的】純型肺動脈閉鎖に対する経皮的肺動脈弁形成術(PTPV)は,一定の基準を満たす症例では有用な方法である.しかし重篤な合併症や手技上の問題点も少なくない.われわれはPTPVの手技で問題となる,(1)右室へのガイディングカテーテルの挿入・右室流出路への留置,(2)肺動脈弁の穿孔,(3)バルーンカテーテル挿入時のガイドワイヤーの保持,の3点について検討した.【対象】1998年1月以後にPTPVの適応となった純型肺動脈閉鎖の患児13例中,PTPVに成功した11例を対象とした.【結果】(1)右室流出路へは4FrenchのJudkins右冠動脈カテーテルを留置するのが最適であった.右室への挿入・右室流出路への留置には適度な曲がりをつけたガイドワイヤーを利用すると操作が容易であった.(2)肺動脈弁穿孔には0.018inchガイドワイヤーのstiff sideが適しており,操作性などを考慮すると,あまり固すぎないスプリングタイプが最適であった.(3)最近の7例は,ガイドワイヤーで肺動脈弁を穿孔後に,ワイヤーを入れ替える方法をとっている.穿孔したワイヤーのstiff sideを留置したままで,Judkinsカテーテル内に0.014inchガイドワイヤーのflexible sideを挿入する.両方のワイヤーを穿孔部で密着させた状態で入れ替え,flexible sideを肺動脈遠位端へ進めてガイドワイヤーを保持している.【結語】純型肺動脈閉鎖に対するPTPVは手技上の問題点が多いが,これらの手技の工夫で安全かつ短時間でのPTPVが可能となった.特に穿孔後のガイドワイヤーの入れ換えは容易にできる可能性が高く,安全性の面でも有用な方法と考えられた.
著者
加藤 亮 河合 隆史 池下 花恵 二瓶 健次 佐藤 正 山形 仁 田代 泰典 山崎 隆
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.67-75, 2008 (Released:2021-07-01)
被引用文献数
1

本研究では、ビデオゲームの与える生理・心理的影響について、人間工学的な手法を用いて評価実験を行った。ビデオゲームの生体影響は多岐に渡るといえるが、筆者らは短期的・直接的なものとして、気分の変化に着目した。実険では、携帯ゲーム機用ソフト 5種類の15分間のプレイを求め、プレイ中の皮膚電気活動、プレイ前後の気分プロフィールおよび唾液中アミラーゼ活性を測定した。実験は、10例の被験者に対して、ゲームソフトの習熟前と習熟後の 2度行い、ソフト間の差異や習熟度、プレイ内容等の観点から比較・検討を行った。
著者
野村 由実 荒木 智子 吉岡 マコ 杉田 正明
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.153-164, 2021 (Released:2021-12-02)
参考文献数
27

【目的】本研究は,新型コロナウイルス感染症流行下における産後女性の健康増進を目的としたオンラインプログラムについて精神的・身体的側面から効果検証を行った.【方法】産後セルフケアオンライン教室に参加する産後1年未満の女性のうち研究同意が得られた研究参加者142人の中で,4回のプログラムおよび4回のアンケート調査を完遂した71人を対象とした.プログラムはストレッチ・筋力トレーニング・参加者間の対話・セルフケアで構成された.オンラインビデオ会議システムを介して週1回75分,4回行い,母親と乳児は自宅から参加した.評価指標は身体症状,セルフケアの行動変容,主観的健康感(WHO Subjective Well-being Inventory)に関する23項目を設定し,プログラム実施前(ベースライン),実施直後,終了後1カ月,終了後3カ月の4時点でwebアンケート調査を行った.【結果】身体症状(慢性的な疲労を感じる,肩がこる,腰が痛い),主観的健康感(陽性感情,陰性感情,自信,至福感,精神的コントロール感,身体的不健康感),セルフケアの行動変容(セルフケア実施頻度,腰や関節の痛みへの自覚,疲労の予測,肩や体のこりに対する予防・調整,腰や関節への痛みに対する予防・調整,疲労に対する予防・調整)において経時的変化が認められた.陽性感情はベースライン(41.6±5.9)から1カ月後(43.5±6.2)まで有意に高まり(p=0.002),3カ月後(41.4±6.8)にはベースラインの水準に戻っていた(p=0.000).陰性感情はベースライン(49.7±5.8)から3カ月後(53.8±6.4)にかけて有意に低下した(p=0.000).【考察】運動と対話で構成されたオンラインプログラムは,身体症状の改善,主観的健康感の向上,セルフケアの継続,健康への意識や取組の変化など,母親の心身の健康増進に寄与した.
著者
杉浦 紳之 平 純一 竹中 圭介 山中 和夫 菅井 研自 小佐古 敏荘
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.214-220, 2007 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13
被引用文献数
7 7

The smear test is one of the important ways to measure surface contamination. The loose contamination under the high back-ground radiation, which is more significant in handling non-sealed radioisotopes, can be evaluated by this method. The removal factor is defined as the ratio of the activity removed from the surface by one smear sample to the whole activity of the removable surface contamination. The removal factor is greatly changed by the quality and condition of surface materials. In this study, the values of removal factor at several typical surface conditions were evaluated experimentally and the practical application of those values was considered. It is required the smear should be pressed by moderate pressure when wiping the surface. The pressure from 1.0kg to 1.5kg per filter paper was recommended. The removal factor showed lower value in wiping by the pressure below 1.0kg. The value of 0.5 for the removal factor could be applied to the smooth surface of linoleum, concrete coated with paint or epoxy resin, stainless steel and glass with the statistical allowance.

1 0 0 0 IR 心象地理

著者
グレゴリー デレク 潟山 健一[訳] 大城 直樹[訳]
雑誌
空間・社会・地理思想 (ISSN:13423282)
巻号頁・発行日
no.3, pp.170-208, 1998

l 地理学再考 : 私はこの論文の題目を、地理的想像力a geographical imaginationが自分にとっては欠くことの出来ないものであるとする類希な批評家の一人、エドワード・サイードEdward Saidから拝借している。彼はあるとき次のように明言していた。「気づいてみれば、自分のしていること」は「地理について考え直すということ」なのであると。……
出版者
日経BP社
雑誌
日経ホームビルダー (ISSN:1344901X)
巻号頁・発行日
no.209, pp.50-52, 2016-11

藤沢和也さんの経営継承は「ソフトランディング型」と呼べるかもしれない。先代から大工14人を全員継承。その高度な施工能力をベースに営業力を強化し、時代に合った住宅の商品づくりを目指している。

1 0 0 0 OA 冬彦集

著者
吉村冬彦 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1923
著者
松尾 和也
出版者
日経BP社
雑誌
日経ホームビルダー (ISSN:1344901X)
巻号頁・発行日
no.205, pp.77-79, 2016-07

講師/松尾和也 「前に住んでいた住宅が寒かった人か、逆に暖かかった人ほど次に建てる住宅に高断熱を求める傾向にある」──。こんな調査結果に触発された当コラム筆者の松尾和也さん。「暖かい住宅に住んだことがある人は、日本にどのくらいいるのか」と、…

1 0 0 0 OA 長篠軍記

著者
皆川登一郎 編
出版者
皆川博
巻号頁・発行日
1916
著者
松尾 和也
出版者
日経BP
雑誌
日経ホームビルダー : 家づくりの実務情報 (ISSN:1344901X)
巻号頁・発行日
no.202, pp.78-80, 2016-04

正しい知識に基づいた省エネ住宅づくりを、この分野で数多くの実績がある松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也さんが解説する当シリーズ。今回は、前回に続いてエアコン選びがテーマだ。主要4メーカーの製品を分析したうえで、高性能住宅に適した能力や、…
著者
杉村 泰
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.7, no.9, pp.643-651, 1972-09-01 (Released:2010-05-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1
著者
下条 広介 羽石 敬史 加治佐 誠 Siswandi Riki 中山 緑 小林 郁雄 藤代 剛 福山 喜一 上村 俊一
出版者
宮崎大学農学部
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.115-120, 2007-03

分娩後早期の乳牛に対して、エストロジェンを含むプロジェステロン徐放剤PRIDを膣内挿入することで新たな卵胞波が発生し、PRID除去時には直径10mm以上のクラスIII卵胞の形成がみられた。PRID除去後の定時AIにおいて、E2群1/5頭(20%)、GnRH群5/6頭(83%)が受胎し、最終的な分娩間隔は、E2群429±115.1日、GnRH群346±9.4日となった。PRIDは分娩後の乳牛の卵巣機能賦活に有効であった。
著者
Jaschhof Mathias
出版者
Entomological Society of Japan
雑誌
Entomological science (ISSN:13438786)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.639-652, 2000-12-25
参考文献数
24

Catotricha is a species-poor, relict group of ancient gall midges (Cecidomyiidae), formerly classified in the subfamily Lestremiinae. It is here excluded from the Lestremiinae and given subfamily rank of its own. The Catotrichinae subfam. n. are sister group of the remainder of the Cecidomyiidae, Lestremiinae s. str.+(Porricondylinae+Cecidomyiinae). The Lestremiinae in this new, strict sense are shown to be monophyletic, justified by a pecularity of their antennae. Details of the antennae, palpi and thorax in Catotricha are discussed phylogenetically and with consideration of homologous structures in other Mycetophiliformia. Catotricha fraterna sp. n. from Australia is described. Catotricha nipponensis (Alexander, 1924) from Japan is redescribed ; Catotricha antennata Alexander, 1959 is considered a junior synonym of nipponensis.