著者
佐藤 博隆
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.449-462, 2012 (Released:2012-08-28)
参考文献数
27
被引用文献数
1

パルス中性子イメージングでは,材料を透過してきた中性子の波長依存スペクトルを位置ごとに測定する。透過スペクトルの低エネルギー領域には,ブラッグエッジと呼ばれる特徴的パターンが現れる。ブラッグエッジには結晶構造・結晶相・集合組織・結晶子サイズ・ひずみといった各種結晶組織構造情報が含まれているため,本手法によりこれら構造情報を広範囲にわたって非破壊的に可視化することが可能となる。本稿では,新しいマテリアル解析ツールとして期待されているブラッグエッジイメージングの原理と特徴,測定例について紹介する。
著者
大和田,淳
雑誌
天気
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, 2002-05-31
著者
榎本 中衞
出版者
日本遺伝学会
雑誌
遺伝學雑誌 (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.49-72, 1929
被引用文献数
4

(1) 茨城縣農事試驗場に於て甞て水稻糯品種「愛國糯」に年々少數宛の粳粒を混生する事實あり。著者は其材料の一部を得て系統栽培を行ひ次に示す事實を確めたり。<br>(a) 前記材料水稻品種愛國糯は年々少數宛の粳粒を混生す。其歩合は 1926-0.67%, 1927-0.16%, 1928-0.29%, 合計-0.44%なり。而して此突變粳の發現歩合は系統に依りて著しき變異を示し (合計M&plusmn;&sigma;=1.01&plusmn;1.86) 不稔程度高き系統に於て寧ろ發現歩合高き傾向を示したり。<br>(b) 突變粳合計180粒に就て試驗せるに、すべて其翌代に於ては粳糯に分裂し其比は大約 3:1 に近し(糯歩合24.20%, D/P.E. 25%として2.76, 24%として0.69)。即ち突變粳は粳糯性につきてヘテロ状態にあり、且粳は糯に對して優性なるを示す。<br>(c) 突變粳の翌代の粳粒につき其次代を檢したる結果粳糯分裂系統と粳固定系統との割合は大約2:1に近し、(粳固定系統歩合31.56%, 理論歩合34%としてD/P.E.=0.89)<br>(d) 分裂系統に於ける粳糯分裂比は、其偏差を考ふるときは正しく3:1ならずして極少量の偏差を示す。即ち糯歩合を25%とするときはD/P.E=10.58にして偏差著しく大なるに反し之を24%とするときD/P.E=2.25にして偏差小なり。然るに前記分裂比は系統に依りて著しき變異を示し糯粒歩合を24%とするも尚偏差著しく大なる系統あり。<br>(e) 突變粳より生じたる粳固定系統に於ては糯粒を生ずることなし。即ち此場合に於ては逆轉化(Reversion)の現象を認めず。<br>(f) 1928年糯系統植物の花粉につき沃度反應に依りて花粉澱粉の粳糯性を檢したり。其結果愛國糯には約0.104%の粳花粉を混生することを認めたり(60頁附圖參照)。<br>(2) 上記の實驗結果に依れば、愛國糯に於て粳粒を混生するは、粳糯性を支配する遺傳因子(粳をGとし糯をgとす)に於て常に少數%のg&rarr;Gなる因子突然變異起るに依る。<br>(3) 此場合に於ける突然變異は恐らく配偶子形成のときに現はるものなるべし。如何と衣れば營養組織の細胞分裂のとき起るものとせば糯植物並にヘテロ粳植物の兩者に於ける粳粒の分布こ就き所謂モザイツクのもの存すべし。然るに本實驗の範圍内に於ては未だかくの如きモザイツク状植物を發見せられず。<br>(4) 配偶子に於ける粳粒歩合(<i>x</i>) (即ち突然變異歩合) を基礎とし之を實驗價0.10% となし、(1) 接合子に於ける粳粒發現歩合(2) 同上ホモ粳粒歩合、(3) 粳糯分裂比(4) 分裂系統と粳固定系統の割合等を計算したり。此數値は1928年に於ける實驗結果と可成よく一致せり。(63頁 參照)。<br>(5) 粳糯分裂比に於ける糯粒の不足は前記の如きg&rarr;Gなる優性因子突然變異に依つて當然起るべく、且此場合糯粒の著しく不足するものは不稔程度高き系統なるは恰も突變粳の發現歩合が不稔程度高き系統に多き傾向を示す事實と一致するものなり。即ち粳粒の發現歩合引いては粳糯分裂比に於ける糯の不足は共に不稔程度と關係するものゝ如し。然れども粳糯分裂比に於て系統に依り糯歩合の過多なる場合あり、此等は前記の突然變異を以て説明する能はず他に何等か粳糯分裂比を亂す原因の存在することを示すものなるべし。
著者
大坪,研一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, 2002-11-20
著者
佐藤 宏之 鈴木 保宏 奥野 員敏 平野 博之 井辺 時雄
出版者
日本育種学会
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-19, 2001 (Released:2011-03-05)

イネ(Oryza sativa L.)品種コシヒカリの受精卵に,メチルニトロソウレア(MNU)突然変異原処理を行って育成された品種ミルキークイーンの低アミロース性の遺伝子分析を行った.ミルキークイーンとその野生型であるコシヒカリを正逆交雑したF1種子のアミロース含量は両親の中間値を示したが,ミルキークイーン/コシヒカリ由来のF1種子よりも,コシヒカリ/ミルキークイーン由来F1種子の方が高いアミロース含量を示した.従って,ミルキークイーンの低アミロース性を支配する遺伝子には量的効果があることが分かった.また,ミルキークイーン/コシヒカリ由来のF2集団のアミロース含量は,コシヒカリ型とミルキークイーン型が3:1に分離し,さらにミルキークイーン/コシヒカリ//ミルキークイーン由来の戻し交雑集団のアミロース含量が,野生型と低アミロース型が1:1に分離したことから,ミルキークイーンの低アミロース性を支配する遺伝子は単因子劣性であると考えられた.次に,イネのアミロース合成に関与する既知の遺伝子,wx並びにdu1,2,3,4及び5との対立性を検定した結果,ミルキークイーンにおいて突然変異を生じた遺伝子は,wxの対立遺伝子であることが示唆された.
著者
舘山 元春 坂井 真 須藤 充
出版者
日本育種学会
巻号頁・発行日
pp.1-7, 2005 (Released:2011-03-05)

複数の低アミロース性母本に由来する系統を供試し、イネの食味に大きく影響する胚乳アミロース含有率の登熟気温による変動を調査した。日本の寒冷地域で作付けされている、「ミルキークイーン」(wx-mq保有)、「彩」(du()保有)、および「スノーパール」の低アミロース性母本に由来する育成系統と、「山形84号」(wx-y保有)、「探系2031」、対照としてうるち品種の「つがるロマン」(Wx-b保有)を供試した。人工気象室、ガラス温室および自然条件を組み合わせ、低、中、高温の3つの温度条件で登熟させた時の胚乳アミロース含有率を測定した。「つがるロマン」のアミロース含有率の変動幅は12-23%(高温区-低温区)であり、登熟気温変動1℃当たりのアミロース含有率の変動幅(ΔAM/℃)は0.8-1.1%であった。これに対し「ミルキークイーン」由来の系統、ならびに「山形84号」のアミロース含有率の変動は「つがるロマン」より小さかった。一方、「スノーパール」の母本で「ミルキークイーン」や「山形84号」とは異なるWx座の突然変異による「74wx2N-1」に由来する系統のアミロース含有率の変動は「つがるロマン」より大きく、ΔAM/℃は「つがるロマン」の1.4-1.9倍であった。「探系2031」のアミロース含有率は、「つがるロマン」と他の低アミロース系統の中間であり、ΔAM/℃は「つがるロマン」とほぼ等しかった。「ミルキークイーン」由来の系統あるいは「山形84号」と、「74wx2N-1」に由来する系統間に見られるアミロース含有率の温度による変動幅の差は、その保有する低アミロース性遺伝子の違いによる可能性が示唆された。
出版者
日経BP社 ; 1999-
雑誌
日経Linux = Nikkei Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.48-51, 2017-05

Part1FW(フォワード)wattOS省電力を徹底的に追求した軽量OS 「WattOS」は省エネを追求したLinuxディストリビューションです。古いPCの再利用で資源を有効活用するとともに、節電による省エネを目指しています。 WattOSには、極限まで軽量化を追求した「Microwatt」版と…
著者
市川 憲平
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.47-50, 2008-03-28
参考文献数
12
著者
福井 一喜
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

Ⅰ.はじめに<br>観光・レジャーは,ネット利用が最も早くから進展した分野の一つである.とりわけ観光・レジャー情報のアピールにネットが利用されているが,若者を中心に,個人レベルでのネット利用も一般化し活発化している.<br>それゆえ近年の観光学では,個人間のオンラインコミュニティ上て゛やりとりされる観光・レジャー情報か゛,個人の観光・レジャー行動を決定つ゛ける最大の原動力になると論じられている.地理学でも,観光者のSNSを用いた情報発信を空間的に捉えようという試みが報告されてきた.これらは観光・レジャー情報の受発信におけるSNSのポテンシャルの予察的な論考であり,またSNS利用者という一部の人々の行動を観光・レジャー資源等の評価指標にしようとする試みである.若者を中心とした,SNSを用いた観光・レジャー情報の受発信が注目されている.<br>観光・レジャーにおけるSNS利用の実態把握は観光現象の空間性を把握する上で基本的かつ不可欠な作業といえる.しかしながらデータ取得の困難もあって分析されてこなかった.したがって,観光・レジャー情報の受発信をめぐって,どのような地域での観光・レジャーにおいて,どのようなSNSのアカウントが,どのように,どの程度用いられるのかを明らかにする必要がある.本報告ではそのことを,東京大都市圏の若者に対して行ったアンケート調査をもとに検討する.最も主要なSNSとしてTwitterとInstagramの利用を中心的に分析する.<br>なおSNSに限らずICT利用の空間性の解釈論は情報地理学に豊富な蓄積が見られる.後述するように,本調査結果の解釈にもICT利用の一形態として情報地理学の観点が必要と考える.<br><br>Ⅱ.結果の概要<br>2018年1月に,東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県,茨城県に居住する15歳から34歳の1,115名を対象にオンラインアンケートを実施した.以下に結果の概要を示す.居住地は多い順に東京都(37.9%),神奈川県(20.0%),埼玉県(18.6%),千葉県(17.6%),茨城県(5.9%)である.回答者の多くは会社員層と学生層で,「会社員,公務員,専門職」(32.9%)と,学生層の「学生(高卒以上)」(24.2%),「中高生・高専生」(14.6%)が主要グループである.SNS利用率はTwitterが84.9%,Instagramは50.7%である.<br>都市部と非都市部における観光・レジャー活動中の観光・レジャー情報のSNSでの発信状況は,「していない」の回答者が,都市部では45.1%,非都市部では50.5%で,観光・レジャー情報の発信でのSNS利用率は必ずしも高くない.また都市部と非都市部での差も大きいとは言いにくい.<br>一方受信について,どのようなアカウントの情報を参考にするかについては,都市部での観光・レジャーでは非都市部と比較して,企業や店舗,芸能人やマスコミの公式アカウントのほか,現実あるいはネット上の知人友人や,いわゆるインフルエンサーなどの個人アカウントなど,多種のアカウントがより参考にされている.ただし,いずれのアカウントも「よく参考にする」「たまに参考にする」は15~40%程度であり,全体としては,都市部でも非都市部でも,観光・レジャー情報の受信においてSNSが積極的に参考にされているとは言いにくい.<br><br>Ⅲ.まとめ<br>以上の結果は,全体として見ると東京大都市圏の若者は,観光・レジャー情報の受発信においてSNSを積極的に利用しているとは言いにくく,また都市部と非都市部での差も小さいと評価することができる.<br>ただし,それを結論とするのは早計といえる.情報地理学の視座に立つと,SNSに限らずICTの利用強度には居住地や年齢など現実空間での属性だけでなく,本人のICTへの興味やスキル,価値観などオンライン空間との親和性が大きく関わる点が無視できない.本調査でも,TwitterやInstagramへの登録年には,早い者と遅い者で10年以上の差があり,フォロワー数も50人以下から1万人以上の者まで見られる.すなわちSNSに関する習熟度や影響力に大きな差がある.こうしたオンライン空間との親和性に着目して都市部と非都市部における観光・レジャー情報受発信を分析していく.
出版者
日経BP社 ; 1999-
雑誌
日経Linux = Nikkei Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.52-59, 2017-05

Part2MF(ミッドフィールダー)Xubuntu機能と軽さの両立を目指した技巧派 「Xubuntu(ズブントゥ)」は、定番ディストリビューション「Ubuntu」の公的な派生ディストリビューション(フレーバー)です。10年以上開発が続いており、Ubuntuの軽量フレーバーの中ではベテラ…
著者
政本 聡 佐々木 裕 岡村 晋作 和田 正広 西田 準
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.21, pp.1-6, 1993

The experimental results of measures for common amplification of data and FM-TV carried within the FM-TV band in the communication satellite transponder are described. The results show that the good transmission quality of FM-TV is obtained but C/N and BER degradation of data due to the small signal suppression effect and transfer noise from FM-TV, are observed. Data, however, from HUB to VSAT with appropriate link parameter, as well as from VSAT to HUB, has acceptable quality, which suggests promising feasibility for the economical one way or two way data communication within the satellite TV broadcasting.