著者
海老原 淳 田中 法生 濱崎 恭美
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 : bunrui : 日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.39-43, 2013-02-25

国立科学博物館の維管束植物標本室では,2012年,拡張に合わせて新エングラー体系からAPGIII分類体系への配列替えが行なわれた.その背景,準備,移動作業,移動後の利用者の反応を記録した.
著者
清水 典史
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.715, 2018 (Released:2018-07-01)
参考文献数
3

大うつ病性障害(MDD)の発症には慢性ストレスが関与していることが知られているが,その詳細なメカニズムは未だ不明である.近年,MDD患者では血中インターロイキン-6(IL-6)が高値を示すことが報告されており,また動物実験においても,マウスへの慢性ストレス負荷が血中IL-6を増加させることが報告されている.これらの報告は,慢性ストレスにより誘導されたIL-6がうつ病の発症に関与している可能性を示唆している.しかしながら,末梢血中のIL-6と中枢性疾患であるMDDの発症とを直接的に結び付ける証拠はない.本稿では,慢性ストレスが血液脳関門(BBB)の透過性を亢進させることによりIL-6の脳実質への侵入を許し,これがうつ様行動の発現につながることを明らかにしたMenardらの報告を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) O’Donovan A. et al., Depress. Anxiety., 30, 307-314(2013).2) Hodes G. E. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 111, 16136-16141(2014).3) Menard C. et al., Nat. Neurosci., 20, 1752-1760(2017).
著者
水谷 敦史 中山 禎司 森 弘樹 澤下 光二 加藤 俊哉 小澤 享史
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.124-128, 2017 (Released:2017-03-24)
参考文献数
8
被引用文献数
2

脳空気塞栓症は比較的稀な病態であり,特に空気の流入経路が静脈逆行性である例は特に稀である.今回我々は画像所見・剖検所見から静脈逆行性の脳空気塞栓症と診断しえた症例を経験したので報告する.症例は80 歳代の男性で意識障害を主訴に救急搬送された.来院時から重度の意識障害,瞳孔不同が認められた.頭部CT にて右側頭葉・後頭葉および両側前頭頭頂葉の傍矢状洞部の脳実質内,横静脈洞・上矢状静脈洞に極めて多量の異所性ガス像が認められ,脳ヘルニアを呈していた.生命予後,機能予後の観点から積極的治療は断念して保存的に治療したが短時間で死亡した.病理解剖所見では,出血性壊死の範囲が静脈灌流域に一致しており,脳静脈内腔に多量の気泡が認められたことから静脈逆行性の脳空気塞栓症と診断した.空気の流入経路としては慢性肺疾患・気管支肺炎に伴い縦隔気腫を来し,ここから上大静脈に空気が流入して静脈内を逆流したと考えられた.
著者
広沢 俊宗 井上 義和 岩井 洋
出版者
関西国際大学
雑誌
関西国際大学地域研究所叢書
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-40, 2006-03

本研究は、20代から50代までのプロ野球ファン各200名、計800名を対象にインターネット調査を実施し、ファン心理、応援行動、および集団所属意識の構造を明らかにすることを目的としたものである。ファン心理は、『尊敬・憧れ』『共依存的感情』『ファン・コミュニケーション』『熱狂的ファンの弱さへの両価感情』『疑似恋愛感情』『不安定性への魅力』『メジャー志向』『Bクラス的戦力への魅力』『強さへの魅力』の9因子、応援行動は、『直接的応援行動』、『メディ接触型応援行動・優勝便乗』、『批判的・分析的応援行動』の3因子、集団所属意識は、『準拠集団的意識』、『独自意識』、『親近感・愛着意識』の3因子が抽出され、大学生調査(広沢・小城,2005b)の結果と比較検討された。
著者
屋葺 素子
出版者
The Japanese Association for the Study of Popular Music
雑誌
ポピュラー音楽研究 (ISSN:13439251)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.17-34, 2004-12-28 (Released:2009-10-29)
参考文献数
34

本稿では、台湾で日本のポピュラー音楽が広まっている背景の一端を明らかにするために、カバー曲を取り上げ考察を行う。日本のメロディに中国語の歌詞がつけられたカバー曲は戦後より現在まで存在し続けている。しかし、時代時代に応じてカバー曲が持つ意味は変容しており、その特徴は次のようにまとめることができる。1)戦後から1960年代では、言語の政策などによって台湾語の楽曲が不足している代わりとしてカバー曲が制作された。2)1970年代から80年代ではとにかく楽曲を大量に必要としたため、「穴埋め」としてのカバー曲が求められた。日本のメロディであることを隠すということも行っていた。3)1990年代以降においては、日本・台湾の歌手の互いのプロモーションに使用されるなど、カバー曲が積極的な意味をもち、再び日本を意識したカバー曲が増加した。

8 0 0 0 OA 骸骨の舞跳

著者
秋田雨雀 著
出版者
叢文閣
巻号頁・発行日
1925
著者
高久 雅生 谷藤 幹子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.29-41, 2012 (Released:2012-04-01)
参考文献数
35
被引用文献数
3 1 2

物質・材料研究機構(NIMS)では,2008年よりデジタルライブラリー構想に基づく機関リポジトリNIMS eSciDocの開発と運用を始めた。eSciDocは柔軟な拡張可能性と豊富なWeb APIを併せ持つドイツ製のオープンソースのリポジトリソフトウェアであり,単に文献リポジトリにとどまらず,eサイエンスのための汎用ツールとしての機能を持ち合わせている。このような利点を活かして開発,運用してきた機関リポジトリNIMS eSciDocの現状と課題を報告する。あわせて,機関リポジトリと対をなして取り組んでいる研究者総覧SAMURAIについても報告する。SAMURAIは,NIMS研究者約500人を対象に,その連絡先や業績文献,研究内容などをわかりやすく伝えるサービスとして,機関リポジトリや外部データベースと密に連携しながら,2010年より運用を開始した。本報告では,これらのサービス内容と利用動向とともに,今後の展開について述べる。
著者
小島 浩之
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.1-11, 2017-05-31 (Released:2017-09-22)

本稿は,図書館職員が中国の古典籍を整理する際に必要な情報を得るための手引きとして,基礎知識や基本情報をまとめたものである。漢籍の定義からはじめて,漢籍を読み解くための基本参考書,辞書・辞典類について解説を加えたのち,分類,目録,書誌学・古文書学の順に,それぞれの伝統や学術背景に則して論じ,最後に敬意表現や避諱を例に,内容から年代などを推定する実例を附している。
著者
天海良治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会プログラミング研究会
巻号頁・発行日
pp.25-30, 1998
被引用文献数
1

TAO/ELISは, いまから10年ほど前に作られた記号処理専用ワークステーションである. Lisp マシン ELIS とその上で動作するマルチパラダイム言語 TAO で構成されている. ELIS はマイクロプログラム制御のタグアーキテクチャマシンで, TAO のインタプリタは直接 ELIS のマイクロプログラムで実装されている. 今回, このマイクロプログラムをC言語に変換することで, TAO を UNIX 上に移植した. パーソナルコンピュータのオペレーティングシステム FreeBSD で稼働している. Pentium ll 300MHzの計算機の上で, オリジナルの TAO/ELIS の2.5倍以上の性能が得られた.
著者
藤田 宙靖
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜法学 (ISSN:21881766)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.287-303, 2014-03
著者
大津 透
出版者
法制史学会
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.48, pp.119-152, 1999-03-30 (Released:2009-11-16)
著者
葛良 忠彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.273-280, 2010 (Released:2014-12-19)
参考文献数
21

現在,包装材料として,プラスチックが主要な材料となっている。プラスチックが適用されている包装材料の形態は,フィルム包装,シート成形容器,射出成形容器,ブロー成形容器など,その種類は多様である。包装材料としてのプラスチックは,ガラス,金属,紙に比べて,その歴史は比較的新しい。フレキシブル包装としては,セロファンの単層フィルム包装から始まり,現在バリア包装として,多層フィルムが多用されている。シート成形容器は,スーパーマーケットでのプリパックに適用されるようになり,普及した。ブロー成形容器は,食用油,液体調味料の容器として適用されるようになり,現在では,飲料容器として地位を確立した。包装材料には,多くの機能が要求されるが,ガスバリア性は特に重要である。現在,種々のバリアー材料やバリア化の技術が開発されている。包装材料はその使命を終えると廃棄される。このため,3R (リデュース,リユース,リサイクル) を基本とする包装設計が行われている。