著者
Yuhei KIKUYA Yohei IWASAKI Yoichi YATSU Saburo MATUNAGA
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES (ISSN:05493811)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.82-90, 2021 (Released:2021-03-04)
参考文献数
23
被引用文献数
2

This paper describes a new algorithm to determine the attitude of micro-/nano-satellites using an Earth sensor. For recent micro-/nano-satellites, the requirements for attitude determination accuracy are becoming more stringent, despite its limited volume. Since Earth sensors have the advantage of smaller size, some studies have presented using them as attitude sensors; however, they could not achieve fully automatic processing in real-time. Therefore, we have developed an algorithm that effectively combines geometrical consideration and image recognition technology, thus realizing high autonomy, robustness, and real-time processing. The validity of this algorithm is confirmed through ground experiments. The algorithm operates at a rate of 0.2 Hz and achieves an accuracy of 0.1–1 deg, which is similar to the accuracy of a coarse sun sensor. Furthermore, it is capable of determining the three-axis attitude using only an Earth sensor and a GNSS receiver for position information. This study proves that the bus equipment required for attitude determination systems in micro-/nano-satellites can be reduced, thereby contributing to increased design freedom.
著者
山口 修平 小野田 慶一
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.9-16, 2014-03-31 (Released:2015-04-01)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2

安静時機能的MRI (rs-fMRI) は脳全体の機能的結合性を簡便かつ鋭敏に解析できる方法として注目されている。被験者の負担が低く,短時間で測定が可能であり,認知症を始めとする精神神経障害を有する患者での測定に適している。安静時に最も強い機能的結合を示す神経ネットワークにデフォルトモードネットワーク(DMN) がある。DMN に含まれる部位はアルツハイマー型認知症でアミロイド沈着が出現する部位に一致し,認知機能障害の出現する前の段階からその結合性が低下することが明らかとなっており,早期診断に利用が可能である。また前頭側頭型認知症など他の認知症疾患の鑑別にも有用である。最近,グラフ理論を用いたネットワーク解析も有用性が明らかとなっている。今後,解析法の標準化,簡便化を行うことで rs-fMRI の臨床応用が進展し,認知症の早期診断に貢献することが期待される。
著者
永井 恒司
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.8, pp.614-617, 1987-08-10 (Released:2011-09-21)

薬の副作用を抑え, その作用を最大限に発揮させるための新しい薬剤投与技術, 薬物送達システム (DDS) が最近, 注目されている. 本稿ではこのDDSについて, 薬物をターゲットに選択的に送り届ける手法, 生物学的利用能と薬物送達の制御技術についてまとめ, DDSの代表例をいくつか記述した.
出版者
盛業館
巻号頁・発行日
1899
著者
大島 千佳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 = Journal of Japanese Society for Artificial Intelligence (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, 2005-01-01

本研究は,クラシック音楽に見られるような「再現演奏」を行う奏者が,作品に対する内的感動をより良く表現できるようにすることを目的とする.まずピアノレッスンのケーススタディを行い,生徒の演奏データ(MIDIデータ)を生徒のブラインドによる主観評価と照らし合わせた分析を試みた.その結果,主観評価では明示されていない生徒の音楽的理解度や技術習得上の問題点を推定することができた.次に,MIDIシーケンスデータの「2段階式作成システム」を構築し,音楽表情に関わらない「音高の再現」をシステムが直接に支援することで,音楽表情の表出を間接的に支援できることを示した.さらに,このシステムを応用して誰でもすぐにピアノ連弾ができる「Family Ensemble」を提案した.また,複数の奏者による演奏構築支援を目的に,ピアノ連弾の練習中の対話で使用された「楽器奏」の機能を基盤化の理論を用いて分析した.本論文では,奏者に対しての何らかの支援を目的としているが,音楽表情を高めることを阻害するような行き過ぎた支援を行わないように特に配慮している.そのためには「音楽」を知るとともに,多くの分野の学問を結集させることが必要であった.このように本論文は,各分野の知識を結集した知識科学的なアプローチによって,演奏構築における音楽表情の形成過程の解明と支援に取り組んだ最初の試みとして位置づけられよう.

1 0 0 0 OA 「国津罪」考

著者
杉山 晴康
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-2, pp.17-50, 1968-03-20
著者
大島 忠之 三輪 洋人
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.106, no.3, pp.327-334, 2009 (Released:2009-03-05)
参考文献数
36
被引用文献数
1

内視鏡的に食道粘膜に異常を認めないにもかかわらず逆流症状が出現する非びらん性胃食道逆流症(non-erosive reflux disease; NERD)は逆流症状を訴える患者の60∼70%を占め,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の奏効率は50%と逆流性食道炎患者に対する効果とくらべて低率である.近年NERDは逆流性食道炎の軽症型ではなく,異なる病態と考えられ,食道の酸や圧に対する知覚過敏やタイトジャンクションの破綻,侵害受容体の発現亢進,食道運動·収縮異常,心理的因子などの関与が指摘されている.治療は,個々の症例において他疾患の除外,あるいはオーバーラップを考慮しながら酸分泌抑制薬,消化管運動機能改善薬,抗不安薬,抗うつ薬などの薬剤を選択する必要がある.
著者
青井 未帆
出版者
信州大学経済学部
雑誌
信州大学経済学論集 (ISSN:02880466)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.25-41, 2008-05-21

2007年12月4日に、信濃毎日新聞社「憲法勉強会」(社内勉強会)において行った報告原稿に、脚注を付す等の加筆修正を加えたものである。政教分離原則関連の判決(九州靖国訴訟福岡地裁判決)を素材にして、憲法や憲法上の権利の特徴であるところの「個人的なものを超える性格」に注目して、従来の議論とは異なる視角から、憲法訴訟や憲法判断の意味について考察を加えたものである。