著者
中井 遼
出版者
北九州市立大学国際教育交流センター
雑誌
北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu (ISSN:13481851)
巻号頁・発行日
no.18, pp.43-72, 2020-03

欧州における右翼政党台頭や反移民態度の問題は2010年代後半の欧州政治の一つの重大トピックとなっている。右翼政党支持や反移民態度の規程要因については,これまでも多くの先行研究が知見を蓄積してきた。しかし,欧州難民危機以降の社会状況でも同様の要因が有効であるかは明らかではない。2019年に二つの欧州大の世論調査の先行公開データがリリースされ(特に欧州価値観調査[EVS]はおよそ10年ぶりの更新),2010年代後半のデータによる分析が可能となった。そこで本稿ではこれら2つの世論調査先行リリースデータを用い,近年の欧州における右翼政党支持や反移民態度などの排外主義態度の規定要因を分析する。分析結果は,主に次の3点を明らかにした。1)右翼政党支持は,移民による自国文化・治安への侵蝕といった社会文化的態度と欧州統合への反感によって規定されており,ジャーナリスティックに論じられがちな社会経済的弱者による反発という見解に実証的根拠は存在しない;2)移民による自国文化・治安への侵蝕の懸念は,欧州統合への反発と学歴が主たる規定要因となっており,国によっては自国政治への不信・不満が追加要因となっている;3)右翼政党支持・移民文化侵蝕懸念・欧州統合反対のトライアングル構造は西欧主要国においては盤石なものの,必ずしも欧州全体で支配的なパターンではない。これらの結果は,ポスト難民危機期の欧州における排外主義分析にリテラチュアが有効であること,ならびに,社会経済的な「上か下か」のみに着目していては欧州における排外主義台頭の背景を分析できずより多様な政治意識への考慮が必要であることを示す。その際,さらに多様で包括的な排外主義構造の理解のために,少数の西欧主要国にとどまらない分析・研究が必要であることが示唆される。
著者
今本 成樹
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.399-402, 2020

<p>獣医学領域においても,悪性腫瘍に対しての治療は,外科療法,化学療法,放射線療法が三大治療と呼ばれ,治療の中心である.最近,第四の治療として免疫療法が注目されている.しかし,獣医学領域において腫瘍に対する免疫療法の効果は一定ではなく,三大治療の治療効果には及ばない.免疫療法以外では,温熱療法,凍結療法,光線力学療法等があるが,十分なエビデンスが得られていないことや使用する機器や薬剤が高価であるなどの理由で普及には至っていない状況である.今回,犬の乳腺腫瘍に対しての半導体レーザー光による温熱療法およびインターフェロンγの併用治療により,腫瘍が劇的に縮小した2症例を紹介する.</p>
著者
御興 久美子 赤松 万里 内田 由理子 土家 琢磨 吉野 太郎
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

アカデミック・ハラスメントが発生しうる危険性を組織内で予知し、事前に対策を講じることができるようにとの目的で、環境評価基準の策定をおこなった。評価・点検項目のうち、大半の大学で未整備のアカデミック・ハラスメントおよびパワー・ハラスメント防止対応ガイドラインおよび相談窓口設置運用規程について、基準案を策定した。
著者
島津 善美 藤原 正雄 渡辺 正澄 太田 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.327-333, 2009-10-20
参考文献数
34
被引用文献数
2

清酒に含まれる有機酸の主要3成分(乳酸,コハク酸,リンゴ酸)および少量成分(クエン酸,酢酸)に着目して,飲用温度を変えて酸味の強さ(強度)および呈味質について,専門パネリストによる官能評価を行った。有機酸単独の評価は,20℃に比較して乳酸が37℃でコハク酸が50℃で,極めて有意に酸味を強く感ずることが認められた。さらに乳酸,コハク酸の呈味は,37℃,43℃において,ソフトでまろやかに感じられた。リンゴ酸は,10℃で爽快ですっきりしている呈味質が確認された。有機酸主要3成分混合の評価は,43℃での酸味が,極めて有意に強く感じられ,かつ呈味がしっかりとして調和が良いことが明らかになった。有機酸主要3成分+ブドウ糖+アルコール系の評価は,43℃での酸味が極めて有意に強く感じられ,さらに呈味がまろやかとなり,バランスが良かった。
著者
平山 洋佑 遠藤 明仁
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.17-28, 2016 (Released:2016-02-18)
参考文献数
41
被引用文献数
5

乳酸菌はプロバイオティクスのみならず,発酵食品スターター,サイレージのスターター等,産業的に利用される場面が多いため,幅広い研究が行われている.乳酸菌分類は16S rRNA遺伝子の塩基配列に基づく系統解析が利用されて以降,大きな変化を遂げている.新菌種として提案される乳酸菌の数は増え続け,現在は35菌属300菌種以上が乳酸菌として登録されている.これらの菌種の中には従来表現性状により分類されていた時とは異なる菌属に再分類されている菌種も見られる.このような分類の急激な変化は,多くの研究者に少なからぬ混乱を生じている.そこで本総説では,現在の乳酸菌分類状況について概説する.また,2014年に国際細菌分類命名委員会のビフィズス菌・乳酸菌分類小委員会が「Bifidobacterium, Lactobacillus及びその類縁菌の新菌種提唱に推奨される最少基準」を発表したので,これについても本総説で紹介する.

1 0 0 0 OA 朝彦親王日記

著者
大塚武松 編
出版者
日本史籍協会
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1929
著者
藤原 達矢
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.762, pp.50-53, 2017-01-23

初回の起動時には、メールアドレスの登録を求められる。ただし、「@outlook.jp」「@hotmail.co.jp」などのメールアドレスのMicrosoftアカウントでWindowsにサインインしている場合は、そのアドレスが自動登録されている。 アカウントが登録されている場合、「開始」を…
著者
工藤 和彦
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.3_5-3_7, 2007 (Released:2007-06-13)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
開元 多恵 渋谷 まゆみ 前田 英雄
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.309-314, 2010 (Released:2010-11-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

コレステロールを添加した高脂肪食を投与し,タラの芽摂取がラットの血清および肝臓の脂質に与える影響を調べる目的で実験を行った。タラの芽は凍結乾燥し,粉末は600μmのふるいを通し,一部はエチルアルコールによる抽出に用いた。タラの芽粉末,抽出物,抽出残渣は別々に高脂肪食に添加し,20%カゼイン食(普通食)と比較した。Sprague-Dawley系雄ラット(4週齢)は食餌によって5群に分け,4週間飼育した。5%タラの芽粉末およびエチルアルコール抽出物や抽出残渣を添加しても摂食量や体重増加,血清中の肝臓や腎臓機能を表す指標についても差は認められず,添加による影響はほとんどないと考えられた。高脂肪食での飼育により,肝臓の脂質含量は顕著に増加し,血清のHDL-コレステロールは低下したが,タラの芽粉末あるいはアルコール抽出残渣を添加した群では,肝臓のトリアシルグリセロールの増加が抑制された。これらの結果からタラの芽には肝臓の脂質代謝に有効な成分が含まれている可能性が示唆された。(オンラインのみ掲載)
著者
柴田 亮子
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1143, pp.12-14, 2019-05-09

着工寸前だった再開発事業を新市長が白紙撤回した。自治体が認可し、推進していた計画の中止は許されるか。再開発組合が市を訴えた裁判で、組合の敗訴が確定した。権利変換の権限を巡る初の判例と見られる。
著者
戸田 久昭 浜田 忠平
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.324-328, 1958-05-10 (Released:2009-11-17)
参考文献数
7

In order to determine the composition of polysaccharides of pulp, E. Hägglund proposed a procedure of total hydrolysis of pulp, and later various modified procedures of his one were applied by many investigators. In the present paper, occurence and decomposition of monosaccharides during the total hydrolysis have been investigated by means of paper chromatographic technique.From this investigation, it has been found that a procedure of total hydrolysis is enough to complete the hydrolysis of cellulose, which consists of a primary hydrolysis for 1 hr. at 30°C with 72 % H2SO4 and a secondary one for 6 hrs. with boiling diluted (4.0 %) H2SO4. But hydrolysis of xylan and mannan had already been completed within 4 hrs. secondary hydrolysis.When much glucose in hydrolysate interfere the spot of mannose on the paper strip, it is recommended to use glucose oxidase, 10 mg of which can oxidize 10 and 50 mg of glucose within 5 and 20 hrs. respectively (pH 7.0, 37°C).Water soluble polysaccharides (γ-cellulose) in pulp were completely hydrolyzed by boiling with 4% H2SO4 for 8 hrs. In this case hydrolysis of xylan was also easier than that of mannan and glucan.
著者
瀬田 史彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.751-756, 2008-10-15
参考文献数
63
被引用文献数
2

本論説では、個別法の体系・プロセスとの関係からみたSEA導入の論点を明らかにした上で、現在の都市計画制度に導入した場合に起こりうる様々な問題と改善の方向性について、先進自治体へのヒヤリング調査で補足しつつも主には既存文献による既知の情報や見解から論述する。SEAのいくつかの理念は、現行の都市計画制度の欠陥に対応するものが多い。たとえば政策・計画段階での評価実施は都市計画制度の体系や権限の曖昧さを、住民参加プロセスの透明性確保は都市計画決定のあり方を、累積的影響の評価のあり方は土地利用規制の弱さや根拠の問題点を浮き彫りにする。既存の都市計画制度の体系・プロセスとSEAの理念・原則の間にはかなりの開きがあり、都市計画制度へのSEAの導入には、現行のアセス法や先進自治体のSEA条例・要綱の手法を越えた様々な工夫が必要と考えられる。