著者
碓井 美由紀 國中 均 Usui Miyuki Kuninaka Hitoshi
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: イオン加速グリッド耐久認定用数値解析JIEDI(JAXA Ion Engine Development Initiatives)ツールの研究開発ワークショップ 2006年度報告書 = JAXA Special Publication: Annual Report of Workshop on Research and Development of JIEDI (JAXA Ion Engine Development Initiatives) Tool for Numerical Evaluation of Ion Engine Grid Lifetime, FY2006 (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
no.6, pp.28-31, 2007-03-30

イオンエンジンの寿命を制限する要素にはイオン加速グリッドの損耗がある。その耐久認定には、実時間で数万時間級の耐久試験を行うという現状がある。しかし、今後のイオンエンジンを用いたミッションにおいて、耐久性の向上化、長寿命の要求などの進展により、このような長時間試験は現実的ではない。そのため、今後は実時間試験は数千時間級にし、数値寿命予測と合わせた耐久認定方法が提案されている。本研究では、実際に2万時間耐久試験を行ったイオン加速グリッドの損耗形状測定を行い、断面形状特性、周方向角度に対する半径特性について報告をする。資料番号: AA0063329004レポート番号: JAXA-SP-06-019
著者
堤田 成政
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.30(第30回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.111-116, 2016-11-28 (Released:2016-11-28)
参考文献数
16

政府や科学の透明性を高める手段としてオープンデータが注目されるなか,希少種保全活動に関するデータのオープン化は生息環境と保全活動にいかなる影響を及ぼすのか。その影響を把握することは容易ではない。本研究では希少種の生息環境の撹乱リスクを高めることなく保全活動を加速させること目標とした,データのオープン化を戦略的に検討するためのツールとして,データ公開による保全活動への影響,生息環境撹乱のリスクを相対的に図示化したフレームワークを提案する。事例として,長崎県対馬に生息するツシマヤマネコの保全に関わる主体者から情報公開の状況やデータのオープン化への対応状況に関する聞き取り調査を実施し,提案したフレームワークの適用を試みた。
著者
ドゥ・ヨング著 平川彰訳
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1975
著者
小林 潔司 松島 格也 菱田 憲輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.299-318, 2008
被引用文献数
2

予約システムは供給制約のあるサービスを申し込み順に家計に割り当てるメカニズムである.本研究では,予約システムの経済便益として,1)家計が将来時点におけるサービス購入オプションを確保する便益と,2)大きな効用を持つ家計に優先的にサービスを割り当てる顕示メカニズムとしての便益に着目する.その上で,単一もしくは複数のサービスが供給される独占市場を対象とした市場均衡モデルを定式化し,予約システムの導入がもたらす経済便益を評価する.その結果,予約システムの導入により企業利潤,社会的厚生は増加するが,家計の経済厚生が逆に減少することを明らかにする.その上で,家計の経済厚生低下を抑止するためには,キャンセル料金の規制が必要となることを示す.
著者
小清水 貴子 松岡 文子 山本 光世 艮 香織 小倉 礼子 河村 美穂 千葉 悦子 仲井 志乃 仲田 郁子 中村 恵美子 松井 洋子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.65, 2008

<B>研究目的</B><BR> 保育の学習は、母性の保護や子どもの成長・発達がメインである。平成12年高等学校学習指導要領解説(家庭編)では、「少子化の進展に対応して、子どもがどのように育つのかに関心をもち、子どもを生み育てることの意義を理解する学習を重視するために、子どもの発達と保育に関する内容の充実を図った」と述べられている。しかし、少子高齢社会を迎えたいま、中・高校生が小さい子どもとかかわる機会は減少している。生徒たちにとって、赤ちゃんをイメージし、小さい生命に対して自分と同じ命の重みを感じることは難しい。また児童虐待など子育ての困難さから、将来、子どもをもつことに否定的な生徒もいる。そのような生徒たちが、生命について考え、子どもを生み育てることの意義を理解するためには、保育の学習で何を取り上げ、どのような視点に立った授業をすればよいだろうか。<BR> そこで、死から生をとらえ直す授業として『誕生死』を教材にした授業を行い、その実践報告を通して保育で生徒に何を教えるか、保育の学習目標を明らかにすることを目的とする。<BR><BR><B>研究方法</B><BR> (1)メンバーの一人が『誕生死』(流産・死産・新生児死で子をなくした親の会著、2002、三省堂)を教材にした授業実践を報告する。(2)実践報告を聞いて教材や授業の視点について議論する。(3)議論を通して自身の保育の授業を振り返り、メールを利用して意見交換を行う。その後、メンバーが記述した意見をもとに議論・考察を行い、学習目標を検討する。<BR><BR><B>結果と考察</B><BR><U>(1)『誕生死』を教材とした授業実践の概要</U><BR> 授業は平成18年6月、高校2年生の選択科目「発達と保育」で実践した。『誕生死』から一組の夫婦の手記をプリントして、教師が読み聞かせを行い、読後に感想を記述させた。多くの生徒が、出産が必ずしも喜びをもたらすものではないことに気づき、生命の重みを感じていた。また、母親だけでなく父親や祖父母の胎児に対する愛情の深さを感じた様子だった。<BR><U>(2)実践報告後の議論</U><BR> 報告者は生徒の反応に手応えを感じたことから、一教材の提案として実践を報告した。しかし議論では、教材としての妥当性について賛否両論に分かれた。賛成意見では、夫婦の感情が手記に溢れてインパクトが強く、生徒の心に響くなどがあがった。反対意見では、逆にインパクトが強過ぎて生徒の心の揺らぎを受け止めるのは難しいなどがあがった。議論から、生徒に何を教え、考えさせるか、個々の教師が授業を振り返り、学習目標を明らかにすることが必要であることが分かった。<BR><U>(3)教材選択と教師が設定する学習目標</U><BR> 議論後の各自の振り返りから、保育学習の課題として「教材選択と妥当性」と「保育の学習目標」の二つの論点が明らかになった。「教材選択と妥当性」では、教師および生徒の問題意識、教師と生徒との関係性、教師の年齢や生活経験など教師自身のもつ背景が関係していることが分かった。「保育の学習目標」では、とくに生命の誕生に関する学習において、性感染症や中絶などの恐ろしさから生徒の行動抑制に重きをおく授業や、生徒自身の性をみつめることに重きをおく授業など、幅広い学習目標が設定可能である。どのような目標を設定するかは、生徒の実態から教師自身が必要と考える目標を明確にすることが必要である。<BR><U>(4)保育で何を教えるか―私たちが考える保育の学習―</U><BR> 保育では、誕生前より誕生後の子どもの発達にウエイトが置かれている。しかし、人の一生をトータルにみていくことが家庭科独自の視点である。そこで、家庭科教育の中でしか扱えない、誕生前後をつなぐ「性」「生命」を視野に入れた授業が必要である。
著者
井上 雅人
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター
雑誌
都市文化研究 (ISSN:13483293)
巻号頁・発行日
no.12, pp.125-138, 2010-03

日本のファッション誌は『装苑』によってはじめられ『アンアン』によって完成された, と歴史化されつつあるようだ。それによれば『装苑』は洋裁のための雑誌であり, 『アンアン』は消費文化のための雑誌であるという。しかし, 細かく検討していくと, そこまではっきりと線を引くことはできず, 曖昧な領域があることがわかる。本稿では, 『装苑』から『アンアン』へと続くファッション誌の流れの横に別の筋道を浮かび上がらせることによって, 日本における衣服に関する雑誌と, それを取り巻く文化の重層性を明るみにすることを試みている。特に, 戦前に創刊されて, 『装苑』とは異なる高度な誌面作りを行った『ル・シャルマン』, 戦後占領期に『装苑』以外にも大量に創刊された「スタイルブック」と呼ばれる雑誌群, 1950年代に創刊されて, 洋裁学校を背後に持たずに洋裁だけに依存しない誌面作りを行い, 60年代に多くの読者を抱えた『若い女性』, といった雑誌を中心的にとりあげることによって単線的ではない歴史を描き, それぞれの時期に, 雑誌を取り巻く社会の構造が異なり, それゆえ雑誌自体の性格や位置も異なっていたことを指摘する。ファッション誌という現在通用している概念枠組みをもって歴史をさかのぼり物語ってしまうことは, かつて衣服に関する雑誌が持っていた, ファッション誌という概念の範疇には収まらない振れ幅を見逃してしまうことになる。今では忘れられた「ファッション誌」のオルタナティブをさぐることや, かつて存在した違う分類枠組みを検討することによって, 「洋裁文化」とその後の時代の連続と分断を明るみにする。
著者
増澤 拓也 吉田 茂
出版者
Japanese Society of Sport Psychology
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.69-84, 2011 (Released:2011-10-09)
参考文献数
16

Sense-control (SC) training of ground reaction force when acquiring cornering skills was investigated. SC training can facilitate internal-standardization in the sense-control of loading and reaction forces in the direction of the resultant vector of inertia and gravity. Conversely, conventional (C) training cannot do so because it is based on external criteria given by instructors. Male participants (n=6) of identical skill levels were equally divided into two groups. In Experiment 1, Group A practiced SC training and Group B repeated C training. In Experiment 2, Group A had no training, such that retention could be assessed, whereas Group B practiced SC training to reconfirm its effects. The relevant skills in both groups were analyzed using the riding time of slalom, inward lean angle of the trunk, riding time on a straight 30m course, and cornering sense scores. The results of Experiment 1 showed significant positive effects of SC training on Group A compared to Group B, as indicated by above measures. The results of Experiment 2 indicated that Group A retained the shorter riding time of slalom, whereas after SC training, Group B showed the same riding time of slalom as Group A. We suggested that SC training facilitates acquiring balancing skills in the trunk-skill system by using internal-criteria as combination of sense-control factors. It is concluded that SC training is more effective for acquisition of the relevant skills than C training.
著者
鎌田理
雑誌
歯薬療法
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.39-44, 1988
被引用文献数
1
著者
中嶋 猛夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.F19, 2007

今回の東西の山岳寺院における境内構成研究では、ユーラシア大陸の東端の島国の日本と西端のスペインという気候も文化、歴史も宗教も異なる土地にある山岳寺院において類似の要素、空間構成などが認められた。 同様のパターンの幾つかは各国の山岳寺院に共通するものであり、これは仏教、キリスト教以前からの人類の原始的な山岳信仰から続くものなのか偶然の類似性なのか、今後も調査事例を重ねて研究を続ける予定である。