著者
久永 晃資 岩田 剛敏 池内 隆 五十嵐 章紀 足立 邦明 林谷 秀樹
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.54-57, 2004-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9

生活空間を共有する人と犬が快適に生活するために, どのくらいの頻度で犬を洗浄したらよいかを検討するために, 犬の被毛の脂質の成分や量を調べるとともに, これらが洗浄前後でどのように変化するかを経時的に観察した. その結果, 犬被毛の脂質は脂肪酸, コレステロールおよびステロールエステル, ワックスエステル, グリセロールエステルなどのエステル類で構成されており, 特にエステル類は脂質の80%以上を占めていた. また, 犬被毛の脂質量は洗浄直後に洗浄前の約60%にまで減少したが, 72時間後には洗浄前のレベルまで回復した. そして, 洗浄後72時間が過ぎる頃から動物臭が感じられるようになった. これらの結果から, 衛生的な観点からみると, 室内犬の洗浄は3~4日に1回くらいの割合で行うことが適当と考えられる.
著者
広瀬 茂男 山田 浩也
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,(1)ヘビ型ロボットの学術的理論体系の構築,(2)革新的な機構の導入,(3)実用的な狭所点検用ロボットの開発,の3つの目的を持ってヘビ型ロボットの研究を行った.その成果として,連続曲線に基づいた実用的なヘビの運動制御法を確立し,革新的な機構によって3次元的な狭所に適応して活動できる実用的なヘビ型ロボットの開発に成功した.
著者
Sepehri Bady Azam
出版者
一橋大学国際教育センター
雑誌
一橋大学国際教育センター紀要 (ISSN:21856745)
巻号頁・発行日
no.2, pp.57-71, 2011

本稿では、家族の会話の中での人称表現の使い分けに注目しつつ、世代差や性差によって呼称(呼ばれ方)の使い分けがどう変化するか考察した。その結果、①目上から目下に対しては名前で呼ぶ、②目下から目上に対しては人称代名詞で呼ぶ、③子どもは家族の最年少者の立場から親族呼称を使って呼ばれるなど、鈴木孝夫(1973)の説が概ね裏付けられた。一方、①目上からの目下への呼称は多様化している、②兄弟姉妹間の親族呼称の使用が減少している、③親族間の呼称は呼ぶ側と呼ばれる側の双方の性差の影響を受ける、④呼ばれる側の年齢が上がるほど人称代名詞や「ちゃん/くん」付けが少ないなど、鈴木孝夫(1973)を含め、これまであまり指摘されてこなかった傾向も観察され、背後に核家族化や少子化の影響が見てとれる。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1921年01月24日, 1921-01-24

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1915年01月23日, 1915-01-23
著者
沢田 幸正
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.815-817,821, 1978-10-30 (Released:2017-02-10)

職業性リンゴ花粉症5例を報告した。症例は, 男性が34, 37, 48才の3例, 女性は38, 43才の2例である。日本では, 未だリンゴ花粉症の報告がみられず, 今回のわれわれの症例が最初の報告と考える。全症例とも, リンゴ農業に20年以上従事しており, さらに発症までの営農年数も10年以上であった。症状としては, 鼻汁, くしゃみ, 流涙, 眼〓痒感などで, 咽頭・喉頭症状や気管支喘息はみられなかった。症状は, リンゴ花粉飛散時期にあらわれ, 人工授粉作業中はとくにはげしくなる。りんご花粉による皮内反応は, 疑陽性-強陽性であり, 誘発試験(アレルゲンディスク法), PK反応は全例陽性であった。
著者
江沢 洋
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.669-672, 2002-09-05 (Released:2019-04-05)
参考文献数
23
著者
鷲尾 圭司
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.202-203, 2015-04-20 (Released:2017-06-16)

和食がユネスコの世界文化遺産に登録されたが,わが国の風土と文化を基礎として育まれてきた食文化が健康面や環境との調和の観点から評価されたものである。米を主食として野菜や魚を副菜とした献立は地域性や季節性を織り込み,芸術性も備えた知恵と洗練の結晶ともいえるだろう。その中でも,魚など水産物の利用はわが国ならではの特徴を発揮している。本稿では,料理の基礎となる出汁,健康面とかかわりの深い脂肪,鮮度にかかわる技法を取り上げ,水産物利用にかかわる化学の役割について述べる。
著者
津田 正史 岡本 由美子 嶌田 智
出版者
高知大学海洋生物教育研究センター
雑誌
Bulletin of marine sciences and fisheries, Kochi University (ISSN:03879763)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-4, 2007-03

日本には、緑藻237種、褐藻307種、紅藻869種の計1413種の海藻類が生育している。各地域により生育する海藻類は異なり、例えば琉球列島にはカサノリ類を代表する緑藻類が多く、緑藻109種、褐藻72種、紅藻194種の計375種が生育し、一方、北海道にはコンブ類などの褐藻類が多く、緑藻42種、褐藻98種、紅藻172種の計312種が生育している。海藻類は食用としての利用が多いが、最近は、機能性食品、化粧品、医化学用基剤、肥料、飼料など多岐にわたって利用されている。また、医薬品としての利用につながるような海藻類のMRSAに対する抗菌性や、抗腫瘍活性も報告されている。ヒトヘルペスウイルスの一種であるEpstein-Barrウイルス(EBV)は、バーキットリンパ腫や免疫抑制患者の日和見リンパ球増殖症、ホジキンリンパ腫などのB細胞性腫瘍だけでなく上咽頭癌、胃癌などの上皮性腫瘍やさまざまな組織腫瘍に関連していることがわかっている。また、小児に多くみられる慢性活動性EBV感染症や種痘様水疱症の原因ウイルスでもある。エイズの日和見感染症であるカポジ肉腫は、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)感染により発症する。これらウイルスは、既存の抗ウイルス薬は無効であり、通常の抗がん化学療法や放射線療法に対しても抵抗性や易再発性のものが多い。本研究では、北海道沿岸から30サンプル27種の海藻類を採集し、これらヘルペスウイルスに対する抗ウイルス活性について調査した。
著者
近藤 誓
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.84_3, 2017

<p> 東(2014)は現代社会ではグラノベッターが述べるところの「強いつながり」が好まれているが、人生を豊かにしていくためには「強いつながり」だけではなく「弱いつながり」に飛び込んでいくことが重要であると述べている。</p><p> 他方で社会心理学者の山岸(1998)は東と同様に「弱いつながり」の重要性を説きつつ、相手の行動や能力ではなく、内面にある人間性や自分に対する感情などの判断で相手を信じるという「信頼」が重要であると指摘している。さらに「信頼」は意識的には利益を追求することはないが、結果的に利益につながるとも述べている。</p><p> この観点を援用して、報告者はこれまで競馬場に目を向け、自分の知らない人とたまたま出会い、そこで盛り上がって競馬を楽しむなど「弱いつながり」に飛び込み、相手を「信頼」するという行為を検討してきた。本研究ではこれまでの取り組みと比較する形で、新たに「競艇」を対象として、「競馬」との比較という観点から、「信頼」という概念の持つ賭けに対する社会学的意味について考察してみたい。</p>
著者
西村 純子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12-2, pp.223-235, 2001-03-31 (Released:2009-08-04)
参考文献数
29

主婦とは、家事・育児などの家庭責任を負う女性を指す実態的カテゴリーであると同時に、女性を家事・育児の責任者とするような意味・モノ・行為の体系から成る制度である。中年女性のライフ・ストーリーの分析を通して明らかになったのは、主婦という制度は女性たちの違和感を内包しながら維持されており、彼女たちの違和感とは、主婦であり続けることの選択不可能性、「専業」主婦という立場の不安定性、身体化された家事の拘束力に対するものであること、そこには高度成長期以降の女性の就労をめぐる意味内容の変化や性別分業規範の流動化といった歴史的社会的状況がかかわっているということである。今日的な状況における主婦という制度をめぐる社会学的研究は、主婦をめぐる選択がどのような条件のもとで、どのように引き受けられているかに注目することによって、主婦という制度がいかに生成・変容しているかを記述していくことが必要である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.473, pp.32-34, 1999-07-05

インテルがノート・パソコン向けの最新プロセサ「モバイル Pentium プロセサ 400MHz」を出荷開始したのを受けて,パソコン・メーカーからノート・パソコンの新製品発表が相次いだ。インテルは初めて線幅0.18μmの製造技術を採用したプロセサを提供する。ノート・パソコンで問題になるプロセサ発熱の問題を改善できるという。
著者
桑原 聡 平山 惠造 小島 重幸
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.104-112, 1993-04-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1

小脳・小脳脚梗塞47例において臨床症状とMRI所見を分析し, 病変部位と運動失調の予後との関係および小脳内体性局在を検討した.四肢の運動失調は41例でみられ, 発症後1年以内に消失した予後良好群は32例 (78%) で, 1年以上持続した予後不良群は9例 (22%) であった.小脳皮質または下小脳脚病変側の予後は良好であるのに対し, 歯状核+上小脳脚あるいは中小脳脚全体の病変例の予後は不良であった.小脳求心系病変 (中, 下小脳脚) と遠心系病変 (歯状核, 上小脳脚) の運動失調に差異はみられなかったが, 後者では後に企図振戦, 律動性骨格筋ミオクローヌスが出現し日常生活動作を妨げた.四肢の運動失調と小脳病変局在との関係は認められなかったが, 失調性構音障害は小脳上部病変で, 眼球測定異常は小脳下部病変で多く発現し, 小脳における体性局在を示唆するものと思われた.
著者
大町 北一郎 鈴木 淑夫 早川 彰
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.154-166, 1955-08-01 (Released:2008-03-18)
参考文献数
5
被引用文献数
2 1

The field investigations of the iron beach sand deposits along the coast of the Pacific ocean from Mukawa to Horobetsu were carried out in the autumn of 1954. The iron placers occur along many shores and often produce by concentration from an elavated beach. More or less of the iron sands are seen all along many shores of the coast in the district, but the comparatively rich layers have only limited development being restricted mainly to the vicinities of Mukawa, Tomakomai, Shiraoi, Ponayoro, Noboribetsu and Horobetsu in where the last one is noteworthy and is now mined. In general the thickness of iron sand rich layers varies from 5 to 30cm, though that of the layer at Horobetsu reaches 50cm. The size of the magnetite grains is about 0.03mm in average, and the general contents of Fe and TiO2 in the iron sands are 25-45% and 2-5% respectively. The mineral and rock grains associated with the magnetite sand are hypersthene, augite, olivine, hornblende, plagioclase, biotite, quartz, garnet, ilmenite, chromite, andesite, hornfels, radioralian chert, etc. The parent source of these sand garins is probably in the adjacent volcanic rocks though some of them may be ordinarily derived from the older rock series in the Hidaka district.
著者
吉岡 智史 西村 知紗 柳澤 琢也
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.93, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】マヨネーズは、他の調味料と比較して一食分の塩分量が低いが、十分に味を感じておいしく食べられている調味料である。マヨネーズが低塩分量でも味を濃く感じられるのは、「こく」が関係していると考えられるが、その詳細はわかっていない。本研究ではマヨネーズの減塩効果に関与しているのは「こく」であることを明らかにするとともに、減塩に影響する成分を見出すことを検討した。 【方法】千切りキャベツを植物油で炒め、食塩で調味した試料(塩分0.5%、油脂量10%)を「植物油群」とした。植物油群の植物油、食塩をマヨネーズで置き換えた「マヨネーズ群」(塩分0.2%、油脂量5%)を調製した。試料の風味の強さと、こくについて1~7点の7段階の採点法にて官能評価を実施した。さらに固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて香気成分を分析した。 【結果】植物油群とマヨネーズ群の官能評価の結果、塩分量は異なるが風味の強さには有意差が見られず、「こく」はマヨネーズ群の方が有意に高かった。このことから、風味を補った効果はマヨネーズに由来する「こく」の影響であることが示唆された。さらに香気成分分析の結果、こくに関与すると思われる成分がマヨネーズ群から見出された。以上の結果から、マヨネーズの「こく」が、風味を強く感じさせることで減塩効果に影響していることと、香気成分が「こく」に関与していることが示唆された。