著者
池田 宗彰
出版者
立正大学
雑誌
経済学季報 (ISSN:02883457)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.51-99, 2005-01

力学的物理現象を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式である。物理現象(連続的時間に関する変化曲線で表される:因果性)が粗視化されて跳び跳びに観測されて一時点に重ね合わされると確率分布に変換される。これはシュレーディンガー方程式の波動関数の確率性である。しかしこの確率化は不完全である。この確率分布には系列相関(因果性)が残るからである。これが繰返されるプロセスで確立は純化されてゆく。これは、一定の視野への粒子の時空値の参入と粗視化の繰返しを伴いながら、階層を上ってゆくプロセスであり、シュレーディンガー方程式の階層上げである。それが、物理現象→生命現象→心理現象、と派生・移行してゆくプロセスを誘導構成する。何となれば、粒子の因果性が確率に変換されることで、粒子に自発性・任意性が出てくる。分子が"自発的"だということは、分子が"確率的"だということと等価である。因果性が不完全に確率化されるある段階で分子に目的概念が出て来、ここが生命の発生点となる。ここはRNAレプリカーゼ分子が発生した時点に対応する。それがさらに確率化されると任意性が出てくる。ここが心理の発生点である。これはヒトの大脳新皮質の発生時点に対応する。以上の一連を統一的に説明するものがシュレーディンガー方程式を構成する波動関数の確率性の"純化"のプロセスである。(加えて、生命現象を表現する連立差分方程式系が、粒子の確率性を表現するシュレーディンガー方程式と等価となることが証明される。又、シュレーディンガー方程式は階層上げに従い、マクロの"粒子"を説明するニュートン力学とも整合的である。)
著者
井芹 俊恵
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-7, 2020 (Released:2020-08-26)
参考文献数
46

オピオイドはその強力な鎮痛効果により周術期疼痛管理に重要であることは確かだが、煩雑な麻薬管理が必要であり、大量に投与した場合の術後の疼痛過敏や術後早期の食事開始を妨げる消化管運動の抑制、あるいは人医療では医療用オピオイドの乱用などからマルチモーダル鎮痛などの鎮痛方法を組み合わせることでオピオイドの使用量を減らす試みがされている。そのため最近、局所麻酔薬を用いた局所麻酔が注目されている。強い鎮痛効果による外科的ストレスの抑制、呼吸抑制がなく、術後の消化管運動を抑制しない点などに加え、抗炎症効果による周術期の過剰な免疫応答を抑制し、また、腫瘍免疫を含む免疫機能を抑制しないことから、麻酔方法の選択が患者予後に影響する可能性が考えられる。腫瘍疾患症例動物への予後に関する臨床研究としては今後大規模な前向き研究の結果が待たれる。

1 0 0 0 OA 諸宗作事図帳

出版者
巻号頁・発行日
vol.[110] 百七十二 (天台宗),
著者
高野義樹編著
出版者
住宅金融普及協会
巻号頁・発行日
1984
著者
高野義樹著
出版者
住宅金融普及協会
巻号頁・発行日
1997
著者
本多 薫
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.79-85, 2018 (Released:2018-10-25)

In recent years, PC screens have become wider and larger. The nature of our visual field is that visual acuity is at its highest when someone is looking at the center of something, making the central part look the clearest. Thus, it is inferred that the size of the area that cannot be clearly seen will increase as screens become wider and larger. For this research, we prepared a 27-inch wide PC screen and a 19-inch standard screen, and then presented a task involving calculations as the main work in the center of the screen; furthermore, we prepared a secondary task to test reaction by having subjects respond to circular figures randomly displayed on the edge of the screen. Then, we investigated to what degree subjects were able to acquire graphical information displayed on the edge of the screen while they were focused on the center of the screen. The results showed that between the wide screen and the standard screen, there were no differences in the rate of correct answers for the calculation task displayed in the center of the screen; however, their reaction time on the right side (upper right, center right, lower center) of the screen was longer when they used the wide screen.
著者
松本 祐樹 森 貴久
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.219-226, 2016 (Released:2017-07-17)
参考文献数
17

1998年から神奈川県において、本来は中国に分布するアカボシゴマダラ名義タイプ亜種Hestina assimilis assimilisが確認されている。アカボシゴマダラ幼虫の食餌植物は在来種であるゴマダラチョウH. persimilis japonicaとオオムラサキSasakia charondaと同じエノキCeltis sinensis Persであるため、在来種との食物資源をめぐる競合が危惧される。山梨県でのアカボシゴマダラの侵入については報告例が少なく、現在の分布状況や個体数密度は不明である。また、越冬して定着しているかについてもわかっていない。本研究は、2012年から2014年に神奈川県から山梨県県央部にかけてのアカボシゴマダラの幼虫の分布と山梨県での越冬の可能性について明らかにした。アカボシゴマダラの山梨県での分布は山梨県県央地域まで確認されたが、生息率は山梨県県央地域と東部地域は神奈川県地域に比べて低く、県境地域ではその中間だった。また、自然下でも実験下でも山梨県内で越冬できることが確認されたが、自然下での生存率は8%と低かった。これらの結果から、アカボシゴマダラは山梨県県央部にまで徐々に分布を拡大していること、および山梨県での越冬は生理的には可能だが、自然下では生理的要因以外の要因で越冬しにくくなっていることが示唆された。今後、山梨県内でのアカボシゴマダラの生息率が上昇すれば、在来種蝶への悪影響が懸念される。
著者
岩佐 光啓
出版者
岩波書店
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.347-353, 1996
参考文献数
6
被引用文献数
1

クロコバエ科(Milichiidae)のGenus Desmometopa(クロコバエ属;新称)のハエの日本産の種については, 福原(1965)が3種を記録して以来, 分類学的研究はなされていなかった。本報告では, いままで記録されていた3種について次のように整理し, さらに2新記録種を追加した。D. tarsalis Loew(ミナミクロコバエ)と同定されていたものはD. microps Lambで, D. tristicula Hendel(ヒメクロコバエ)と同定されていたものはD. sordida Fallenであることがわかった。また, D. palpalis de Meijere(ヤマトクロコバエ)は, 現在D. singaporensis Kerteszのsynonymになっている。日本新記録種は, D. m-nigrum (Zetterstedt)(ホホブトクロコバエ;新称)とD. varipalpis Malloch(ナミクロコバエ;新称)の2種であった。日本産5種について特徴となる図とともに再記載を加え, 検索表を付した。本属の幼虫は腐食性または糞食性で, 糞, 堆肥, 動植物質の腐敗物などから発生する。成虫は人類親和性の種が含まれ, しばしば大発生し, 食品工場や家屋, 病院の室内, トイレなどに侵入することが知られている。
著者
菅沼 克昭
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.730-734, 2013-08-05 (Released:2014-01-05)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
高石 翔
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.565-570, 2020 (Released:2020-08-20)
参考文献数
22

〔目的〕前十字靭帯(ACL)再建術後症例を関節可動域運動群,メンタルローテーション課題群,認知運動課題群の3群に分け,非盲検化準ランダム化比較試験により位置覚改善効果を比較した.〔対象と方法〕2015年5月から2018年7月の間にACL再建目的で入院した患者のうち,ACL再断裂例,対側ACL再建例,膝蓋骨脱臼例を除外した者を対象とし,術前および術後3週・4週での位置覚を比較した.介入課題は当院のリハビリテーションプロトコールに追加し,時間は各群とも1日15分とした.〔結果〕認知運動課題群のみ術後の位置覚に有意な改善を認めた.〔結語〕認知運動課題により術前と比べて術後3~4週間で位置覚が改善する可能性がある.

1 0 0 0 OA 新桂川

著者
伊原青々園 著
出版者
画報社
巻号頁・発行日
vol.前, 1911