著者
荻原 直道
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.83-88, 2019 (Released:2020-05-01)
参考文献数
40

歩行運動は,脚が地面から受ける反力を適切に作用させることによって,身体をある位置から別の位置に移動させる力学現象である.したがって,地面と直接的に接触し,環境と力のやりとりを行う足部筋骨格構造は,ヒトに特有の移動様式である直立二足歩行と密接に関係し,その生成に適応的に形づくられている.本稿では,直立二足歩行の生成に適応的と考えられているヒトの足部筋骨格構造の特徴について,生物学的に最も近縁なチンパンジーの足部との比較を通して概説する.また,近年の化石証拠から明らかになってきた,ヒトの足部構造の形態進化のプロセスについて紹介する.

1 0 0 0 OA 三体千字文

著者
巌谷一六 書
出版者
榊原書屋
巻号頁・発行日
1885

1 0 0 0 OA 1. PCR法

著者
北原 糺
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.41-51, 2007 (Released:2008-10-10)
参考文献数
26

PCR stands for polymerase chain reaction. It was invented to amplify specific regions of a DNA strand in tissues, resulting in the tremendous development in biochemical and molecular biological fields. Nowadays, the PCR method is also quite available in inner ear researches as modified versions, because it needs just small amounts of samples in inner ear tissues. The modified versions are as follows: reverse transcription (RT)-PCR, real-time quantitative PCR, in situ PCR, DNA subtraction, DNA microarray, single nucleotide polymorphism (SNP) analysis for using mRNA and reporter gene assay, gel mobility assay for using genomic DNA. Here in this paper, we would like to introduce the PCR method from original to modified in our inner ear biological field.
著者
佐々木 正哉
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.370-399, 1963-12
著者
磯部 洋明
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.169-173, 2017-12-25 (Released:2018-02-09)

京都大学宇宙総合学研究ユニットの歴史文献天文学研究会では,太陽-地球環境に関心を持つ自然科学者と,様々な地域,時代を専門とする歴史研究者との共同研究により,歴史文献中の太陽黒点や中低緯度オーロラの記録を用いた過去の太陽活動の研究を2014年頃から行っている.本稿では太陽活動に関するいくつかの成果とともに,8世紀のシリア語の文献から,彗星にイオンテイルとダストテイルと思われる二つの尾あることを記述した例についても紹介する.また,自然科学系と人文系の学際的共同研究の難しさと魅力についても述べる.
著者
中村 恵美 浅見 泰司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.84, no.756, pp.437-445, 2019 (Released:2019-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1 8

In this research, we investigated the food desert in central Tokyo, where economic disparity was progressing by gentrification. Growth of high-income population due to redevelopments induced an increase in luxury supermarkets and a decrease in local grocery stores, which made worsened low-income households access to affordable fresh food. Therefore, we took questionnaire surveys and analyzed on the following 2 aspects. (1) Shopping distance We hypothesized that the low-income households have difficulties shopping due to having to go to distant supermarkets. Generally, it is said to be difficult to access if the shopping distance over 500m. In the study area the average to the store was 319m, so the food access was apparently good. But actually, it was different by area, some area had only luxury supermarkets within 500m, we named “unaffordable food access area”. The low-income households living there went to distant supermarkets by bicycle or bus instead of walking. One-third of them used farther away, over 2km supermarkets. The result of the hypothesis was that the low-income households living in “unaffordable food access area” went shopping to distant stores. Thus, they had difficulties accessing to affordable food. (2) Nutritional risk We hypothesized that the low-income households shopping long distance increase risk of low nutritional value diets. The elderly and low-income households living in “unaffordable food access area” had a 1.76 times higher nutritional risk than the other participants. Multiple regression analysis showed that the cause was not only social networks and personal habits, but also inconvenient shopping circumstances peculiar to urban areas. In addition, traveling long distances to go shopping resulted in a decrease in purchase volume and frequency. The results of this research indicate that the assessment of the proximity of shopping should consider the accessibility by not only the physical distance but also the households income. Furthermore, the results indicate that traveling long distances to go shopping have a negative influence on purchase volume and frequency, so even if bicycles and public transportation can be used in the area, we should evaluate shopping circumstances by considering shopping behavior.

1 0 0 0 OA 嚥下性肺炎

著者
菅間 康夫
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.375-379, 1995-10-10 (Released:2010-10-20)
参考文献数
8

Aspiration pneumonia is caused by materials inhaled into the lower respiratory tract, such as gastric juice or food particles. In adults, most of the patients have a swallowing disturbance such as bulbar palsy or a consciousness disturbance as well as a reduced cough reflex.Acute aspiration pneumonia caused by gastric juice is sometimes referred to as the“Mendelson syndrome”, which is a chemical injury to the broncho-alveolar epithelium and vascular endothelium. Food particles from the oral cavity or stomach, which are usually contaminated with resident bacteria from the oral cavity or pharynx, subsequently cause bacterial infections and sometimes even lung abscesses. One kind of chronic aspiration pneumonia which is similar to diffuse pan-bronchiolitis (DPB), is called diffuse aspiration bronchiolitis (DAB), is due to continuous small amount of aspiration.It is important to diagnose aspiration pneumonia immediately and to start its treatment at an early stage.
著者
多田 敦
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.311-316,a1, 2000-04-01 (Released:2011-08-11)

筑波大学は, 東京教育大学を母体としながら, 全く新しい大学として昭和48年10月に設立された。研究組織と教育組織が分離される点や大学院を含む教育組織のあり方など, 他の大学の学部制度とは異なるユニークなものである。大学院は, 5年一貫制の、「博士課程研究科」と2年制の 「修士課程研究科」 が並列されている。また農業土木関連分野が所属する博士課程農学研究科は, つくば市周辺の研究機関と連携した連携大学院方式, 昼夜開講制で最短3年で修了できる研究者リフレッシュ教育制度をもち, これも特色ある制度である。
著者
池澤 秀起 高木 綾一 鈴木 俊明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100556, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】肩関節疾患患者の肩関節挙上運動は、肩甲骨の挙上など代償運動を認めることが多い。この原因の一つとして、僧帽筋下部線維の筋力低下による肩甲骨内転、上方回旋運動の減少が挙げられる。理学療法の場面において、患側上肢の運動により僧帽筋下部線維の筋活動を促すが、可動域制限や代償運動により難渋する。そこで、僧帽筋下部線維の筋活動を促す方法として、腹臥位での患側上肢と反対側の股関節外転位空間保持が有効ではないかと考えた。その結果、第47 回日本理学療法学術大会において、腹臥位での股関節中間位空間保持と腹臥位での肩関節外転145 度位保持は同程度の僧帽筋下部線維の筋活動を認めたと報告した。一方、先行研究では下肢への抵抗負荷を用いない自重負荷であったことから、下肢への抵抗負荷を考慮することで僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促せるのではないかと考えた。腹臥位での股関節中間位空間保持において下肢への抵抗負荷の有無が僧帽筋下部線維や肩甲骨周囲筋の筋活動に与える影響を明確にし、僧帽筋下部線維のトレーニングの一助にしたいと考えた。【方法】対象は上下肢、体幹に現在疾患を有さない健常男性22 名(年齢25.4 ± 2.4 歳、身長168.9 ± 2.2cm、体重60.6 ± 4.0kg)とした。測定課題は、利き腕と反対側の股関節中間位空間保持とした。測定肢位は、ベッドと顎の間に両手を重ねた腹臥位で股関節中間位とした。測定筋は、股関節中間位空間保持側と反対側で利き腕側の僧帽筋上部線維、僧帽筋中部線維、僧帽筋下部線維とした。股関節中間位空間保持側への抵抗負荷量は、対象者の体重の0%、10%、30%、50%の重さを抵抗負荷量として設定し、Isoforce(オージー技研社製)を用いて測定した。抵抗負荷をかける位置は、大腿骨内側上顆と外側上顆を結んだ線の中点と坐骨を結んだ線分の中点とし、鉛直下方向に抵抗を加えた。筋電図測定にはテレメトリー筋電計MQ-8(キッセイコムテック社製)を使用した。測定筋の筋活動は、1 秒間当たりの筋電図積分値を安静腹臥位の筋電図積分値で除した筋電図積分値相対値で表した。また、抵抗負荷が無い場合(0%)、抵抗負荷が体重の10%、30%、50%とした場合の測定筋の筋電図積分値相対値を算出し、4 群全ての筋電図積分値相対値をそれぞれ比較した。比較には一元配置分散分析及び多重比較検定を用い、危険率は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者に本研究の目的及び方法を説明し、同意を得た。【結果】僧帽筋下部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%に対して、抵抗負荷が30%、50%において有意に増加した。また、僧帽筋上部線維、僧帽筋中部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%、10%、30%に対して、抵抗負荷が50%において有意に増加した。【考察】腹臥位での股関節中間位空間保持において、空間保持側と反対側の僧帽筋下部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%に対して、抵抗負荷が30%、50%において有意に増加した。この要因として、脊柱の固定には体幹筋や肩甲骨周囲筋の選択的な筋活動ではなく、全ての筋群の協調的な筋活動により脊柱の固定を図るのではないかと推察する。このことから、腹臥位での股関節中間位保持における下肢への抵抗運動において僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促すことは難しいのではないかと考える。また、僧帽筋上部線維、僧帽筋中部線維の筋電図積分値相対値は、抵抗負荷が0%、10%、30%に対して、抵抗負荷が50%において有意に増加した。低負荷での股関節中間位空間保持では、骨盤や脊柱を固定するために両側の腰部多裂筋の筋活動が作用したと推察する。一方、高負荷での股関節中間位空間保持では、骨盤や脊柱を固定するためにより大きな力が必要になる。そのため、腰部多裂筋など骨盤と脊柱に付着する筋群に加え、空間保持側と反対側の僧帽筋など脊柱と肩甲骨に付着する筋群の筋活動が増大することで脊柱の固定を図ったのではないかと考える。一方、肩関節挙上時に肩甲骨内転筋の筋緊張低下により肩甲骨外転位を呈する対象者は、高負荷での抵抗運動により僧帽筋上部・中部・下部線維の筋活動を総合的に促すことが可能となるため効果的なトレーニングになるのではないかと推察する。しかし、肩関節挙上時に僧帽筋上部線維の過剰な筋活動を認める対象者は、高負荷での抵抗運動は効果的ではないと考える。【理学療法学研究としての意義】腹臥位での股関節中間位空間保持課題において、抵抗負荷の増減により僧帽筋下部線維の筋活動を選択的に促すことは難しいが、高負荷での抵抗運動は、肩関節挙上時に肩甲骨の内転運動が乏しい対象者のトレーニングとして効果的であることが示唆された。
著者
岡 孝和
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ストレス性体温上昇反応の機序を解明するために以下の実験を行なった.(1)発熱の主要媒介物質であるプロスタグランディンE2(PGE2)による発熱反応に関与する脳内部位調べるために,EP3受容体ノックアウト(KO)マウスとワイルドタイプ(WT)マウスにリポポリサッカライド(LPS)10μg/kgを腹腔内注射し,2時間後の体温と,Fos-like immunoreactivityの発現する脳内部位を比較した.LPS投与2時間後,WTマウスでは約1℃の発熱を生じたが,EP3受容体KOマウでは発熱は生じなかった.WTマウスでは脊髄中間質外側核(IML)に多くのFos陽性細胞が見られたが,EP3受容体KOマウスではほとんど見られなかった,延髄孤束核,視索前野腹内側部(VMPO),室傍核,後部視床下部,中脳水道周囲灰白質,青斑核,raphe pallidus nucleus(RPa)では,両マウスともに多くのFos陽性細胞が見られた.(2)心理的ストレスによる体温上昇反応時にLPS発熱反応に関与する脳内部位(VMPOとRPa)が活性化されるかどうかをラットを用いて検討した.ケージ交換ストレスを加えると,体温はケージ交換20分後に0.9℃上昇した.ケージ交換1時間後,Fos陽性細胞はRPaには発現したがVMPOでは観1察されなかった.(3)ヒトの心因的ストレスによる体温上昇反応にPGE2,サイトカインが関与するかどうかを検討する1目的で,当科を受診した心因性発熱患者15名で,(1)アスピリン660mgを1日2回服用した時の体濫と,服用しない時の体温を比較したが,アスピリンを内服しても体温は低下しなかった.(2)高体温1時(平均腋窩温37.6℃)と体温が正常範囲内の時(36.8℃)とで,発熱性サイトカイン(IL-1,IL-6,MIP-1α,)と解熱性サイトカイン(IL-10)の血中レベルを測定し比較したが,両群で差はなかった.(3)これらの患者に選択的セロトニン再取込み阻害薬である塩酸パロキセチンを4週投与したところ,腋窩温は37.6±0.2℃から36.8±0.2℃へと有意に低下した.したがって心理的ストレスによる体温上昇にはVMPO,サイトカイン,PGE2は関与せず,遷延化した1高体温には脳内セロトニン系の機能低下が関与すると考えられる.
著者
若林 剛
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第58回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.13, 2009 (Released:2010-03-19)

地域医療崩壊という言葉がマスメディアに頻繁に取り上 げられるようになったのは,2006年頃からであろうか。 私は2005年の秋に慶應義塾大学外科の講師から岩手 医科大学外科の教授になるために,岩手県盛岡市に赴任した。 岩手県は人口10万人あたりの医師数が179.1人で全国 8番目の少なさであるが,1平方キロあたりの医師数は北海道に 次ぎ全国で2番目の少なさである。赴任後に最初に気づいた ことは盛岡市内の開業医の多さであり,街を歩くと1ブ ロック毎に何らかの科の開業医を見つける。次に県内の関 連病院を視察し知ったことは,盛岡市内から車で平均2時 間位かかる人口過疎地に地域中核病院が点在しており,麻 酔常勤医がいない病院や外科常勤医が3人未満の病院が存 在することであった。2004年に導入された初期臨床研修制 度の負の効果として,若い医師の偏在が挙げられる。つま り,地方から都会へ,大学病院から市中病院へ,つらい診 療科から楽な診療科へと若い医師が流れた。幸い岩手医科 大学外科にはこの4年間で31名の若い医師が加わったが, 若い医師に魅力を提示できない多くの地方大学の診療科で は教室員は減少している。以下に私見を述べる。過疎地に は雇用が無いから人口が減り,医師が子息を学ばせたい進 学校がなく,過疎地中核病院勤務への心理的抵抗が生ず る。若い医師の偏在により,地方大学のつらい診療科は過 疎地の病院から大学へ医師を引き上げざるを得なく,忙し くなった地域中核病院勤務医はいわゆる「立ち去り型サボ タージュ」により開業を選択する。この負の連鎖を断ち切 るためには,早急に3つを提言する。1)初期臨床研修医 募集数と医学部卒業生の数を同程度にし,都道府県人口あ たり必要な初期研修医数を決め,初期臨床研修マッチング に過度な競争と地域偏在をなくす,2)医師は公共性が高 い職業であり,ある程度は行政が介入し開業への制限と各 診療科医師数の調整を行う,3)医療費抑制政策の撤回に より,地域医療崩壊の現場にインセンティブを与える診療 報酬を設定する。本質的には,地域医療の崩壊は地域社会 の崩壊と同義である。地域社会に産業の活性化と雇用の確 保を行えば,大都市への人口集中は防げるので地域社会の 教育や医療も充実できるはずである。

1 0 0 0 IR 寄席の誕生

著者
吉田 伸之
出版者
学習院大学
雑誌
学習院史学 (ISSN:02861658)
巻号頁・発行日
no.34, pp.168-176, 1996-03