著者
下川 澄雄
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.188-196, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
参考文献数
23

わが国の道路整備の方向の一つとして、「交通を通す断面」としての量的整備から、「拠点間の移動性」という視点に軸足を移し、つかう時代に合った幹線道路ネットワークへの再編の必要性が挙げられる。拠点間の移動において、沿道アクセス性や移動性といった階層の異なる道路が効率的に利用され、拠点間の目標旅行時間が定められたとき、それを実現できる階層の組み合わせの中で幹線道路ネットワークも位置づけられる。本稿では、これらについて説明した上で、幹線道路が有すべき速度サービスを実現するために不可欠な幾つかの要件について論じている。
著者
井料 美帆
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.197-204, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
参考文献数
27

歩行者の交通安全が依然、大きな課題となる一方、対策としての信号機の老朽化や維持管理費用の増大も問題となっている。信号に頼らずに安全な横断機会を与えるための横断施設として、無信号横断歩道の構造改良、特に単路部の二段階横断が近年注目され、国内の導入事例でも、車両の停止遵守率や速度抑制等の面から高い効果が得られている。本稿では、無信号横断施設の構造改良による安全・円滑性の向上効果や道路階層に応じた設置の考え方について、国内外の事例を整理する。
著者
中村 太郎
出版者
大阪市立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2010

spo4^+が胞子形成にどのような役割を果たすか調べるために、Spo4の調節サブユニットであるspo6変異株の形質を多コピーで相補する遺伝子をいくつか取得した。そのうちの1つのAce2についてさらなる解析を進めた。Ace2は細胞分裂に重要なはたらきをする転写因子であることが知られている。また、Ace2は栄養増殖時にはM期に核に局在することが知られている。胞子形成時のAce2の局在を調べたところ、間期には局在が見られなかったが、減数分裂時に核に局在することがわかった。興味深いことに、第二減数分裂前期から中期にかけては核内でも特にSPB(紡錘極体)付近に多く局在がみられた。この時期にはSpo4もSPB付近に来ることが示唆されている。また、Spo4欠損株では、栄養増殖時にはM期に核局在が見られたものの、減数分裂時には核やSPBに局在が見られないことがわかった。ウエスタン解析により、この時期にAce2のタンパク質量の減少はみられなかった。Ace2欠損株では、前胞子膜形成には大きな欠損は見られなかったが、胞子壁の形成の遅れがみられた。実際に、胞子壁の合成に関係すると思われるいくつかの遺伝子の発現が、Ace2欠損株でほとんど見られなかった。以上のことから、Spo4がAce2の有性生殖特異的な局在制御を通して胞子壁形成に関わっている可能性が示唆された。これまで、Spo4は減数分裂の開始と前胞子膜形成に関与していることが知られていたが、今回の解析により、Spo4が転写因子Ace2を介して胞子壁形成に関わっている可能性が示唆された。
著者
橋本 雄太
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.169-172, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
9

近年多数の文献資料がデジタルアーカイブ化されているが、専門知識を有さない一般の人々には前近代の文献資料の読解は困難である。国立歴史民俗博物館では、同館が所蔵する中世文書資料のオンライン展示システム『日本の中世文書WEB』(以下、『中世文書WEB』)を開発・公開した。『中世文書WEB』は、展示資料の内容解説に加えて、音声による文書の読み上げとアニメーションによる翻字の強調を組み合わせた「カラオケ」式のプレゼンテーションを採用している。この手法は非常によく機能し、2020年1月8日のシステム公開後、1週間の評価期間中に5,000人を超える人々がWebサイトを訪問した。また、サイト利用者48名に対して実施したオンラインアンケートにおいても、「カラオケ」式のインターフェイスが高く評価された。これらの結果は、前近代の文献資料を幅広い利用者に展示する手法として、読み上げ音声の提供が効果的にはたらくことを示唆している。
著者
有吉 尚哉
出版者
商事法務
雑誌
NBL (ISSN:02879670)
巻号頁・発行日
no.1009, pp.15-24, 2013-09-15
著者
矢野 雄大 朝井 政治 田中 貴子 千住 秀明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Da0987, 2012

【はじめに、目的】 呼吸器疾患患者が訴える主症状の一つに動作時の呼吸困難がある。呼吸リハビリテーションマニュアルでは患者が動作時に呼吸困難を訴えた際は、前傾座位にて肘や前腕で机などにもたれるような安楽姿勢をとることを推奨している。しかし、この姿勢の効果に関しては一定の見解が示されておらず、実際にエビデンスレベルもGrade D(Thorax;2009)である。また、屋外歩行時などに呼吸困難が生じた際に、そのような姿勢をとることは難しく、臨床的には、肘関節伸展位で体幹を支持する前傾立位をとることが多い。そこで今回、上肢支持による前傾立位を生理学的に検証するため、健常成人を対象として上肢支持による前傾立位が安静時の呼吸機能に与える影響を検討した。【方法】 対象は健常成人20名(男性14名、年齢31.2±7.4歳、body mass index(BMI) 21.5±2.2kg/m2)である。方法は各対象者に直立位、上肢支持による30°前傾立位(上肢前傾立位)の2つの肢位で、安静時の呼吸機能をスパイロメータ(DISCOM-21 FXIII,CHEST社)にて測定した。上肢前傾立位は固定型歩行器に肘関節伸展位で体幹を前傾させる姿勢とした。また体幹前傾角度は大腿骨と、股関節・肩峰を結ぶ直線のなす角を角度計にて測定し決定した。また測定中は体幹や頚部など可能な限り同一姿勢を保持するように各対象者へ事前に説明した。測定項目は肺気量分画、フローボリューム曲線、最大換気量(MVV)とした。各姿勢で2回の測定を同日内に行い、最良値を採用した。測定姿勢の順番は、封筒法により無作為に決定した。姿勢別の各測定値の解析にはデータの正規分布の有無により、対応のあるt検定、Wilcoxonの符号付順位検定を使用した。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には事前に研究に関する十分な説明を行い、同意を得た上で研究を実施した。またデータはすべて暗号化し、個人を特定できないように配慮した。【結果】 姿勢の違いにより有意差のあった項目は、肺活量(VC;直立位 4.13L vs 上肢前傾立位 4.22L)、予備呼気量(ERV;1.93L vs 2.30L)、予備吸気量(IRV;1.62L vs 1.26L)、最大吸気量(IC;2.18L vs 1.92L)、努力肺活量(FVC;4.13L vs 4.24L)、一秒量(FEV1;3.41L vs 3.52L)、最大呼気流量(PEF;7.59L vs 7.86L)、50%肺活量時の流速(V50;3.91L vs 4.37L)、最大換気量(MVV;122.5L vs 128.6L)であった。また一回換気量(TV;0.59L vs 0.66L)、一秒率(FEV1%;82.8% vs 83.6%)でも上肢前傾立位で高値となる傾向を認めた。【考察】 直立位に対して上肢前傾立位では、ERVが有意に高値、かつTVも高値となる傾向を示し、その結果VCも高値となった。またFEV1や中枢気道の流速であり努力依存性のPEF、末梢気道の流速である努力非依存性のV50など呼気に関わる気量と流速も同様に上肢前傾立位で有意に高値を示した。これは体幹前傾姿勢と上肢による支持による効果であると考えられる。体幹前傾姿勢では胸郭の前後方向への重力作用が増加し、高肺気量位の呼吸となることが報告されており、より呼気を促すことが可能となると考えられる。さらに上肢支持が加わる効果として、外腹斜筋の活動量を高め下部胸郭の収縮を促すことが可能となることや、大胸筋なども呼気筋として動員することが可能となるとの報告がある。本研究でも、上肢前傾立位では腹圧を高めやすく、かつ高肺気量位となった結果、ERVやFEV1、PEF、V50などが増加し、それらの呼気能力の向上によりVCやFVCにも増加が生じたと推察される。また上肢支持による前傾立位により最大の換気容量の指標であるMVVが増加するとされているが、本研究でも同様の結果が得られた。これには一回の換気能力の向上が影響していると考えられる。以上より、健常成人では上肢支持による前傾立位では呼気を中心として換気能力を向上させることが示唆された。今後の課題としては、静的な状態での呼吸機能の変化が、運動後など動的な状態にも影響するかを検討していく必要がある。また、健常成人での変化が、慢性閉塞性肺疾患患者などでも同様に認められるかを検証することが求められる。【理学療法学研究としての意義】 臨床的に頻繁に用いられる上肢支持の前傾立位を生理学的に分析し、効果を明らかにすることで、呼吸困難からの回復に有効な安楽姿勢であると明らかにする。
著者
木戸 聡史
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.3-10, 2018 (Released:2018-04-03)
参考文献数
21

呼吸筋トレーニングは呼吸筋力・持久力の向上,運動時の呼吸筋動態の変化とそれに関連した四肢骨格筋動態の変化,換気機能の改善,呼吸困難感の改善などにより運動耐容能の改善をもたらす可能性がある。呼吸筋に外部負荷をかけるトレーニングのモダリティは大きく分けると吸気筋トレーニング,呼気筋トレーニングがあり目的に合わせて使用する必要があるが身体運動との組み合わせて同時に行う方法は注目されていなかった。運動時呼吸負荷トレーニングでは吸気と呼気の負荷量を分離して設定することができ,呼吸負荷と身体運動を同時に組み合わせて実施できる。これまでの研究報告では健常人においては呼吸筋機能と運動耐容能が従来のトレーニング方法より改善効果が高いことが報告されており,今後疾患を持つ方の運動療法手段としても有用性が明らかになる可能性がある。
著者
林 典雄 浅野 昭裕 青木 隆明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CaOI1021, 2011

【目的】肘関節周辺外傷後生じる伸展制限に対する運動療法では、特に終末伸展域の改善には難渋することが多い。その要因について筆者らは、上腕筋の冠状面上での筋膜内における筋束の内側移動、上腕骨滑車を頂点とした遠位筋線維の背側へのkinkig、加えて長橈側手根伸筋の筋膜内後方移動、上腕骨小頭と前面の関節包と長橈側手根伸筋のmusculo-capsular junctionでの拘縮要因などについて、超音波観察を通した結果を報告してきた。一方、肘伸展制限は前方組織にのみ由来するわけではなく、肘伸展に伴う後方部痛の発生により可動域が制限される症例もまれではない。このような肘終末伸展に伴う後方部痛は、関節内骨折後の整復不良例や肘頭に発生した骨棘や遊離体が原因となる骨性インピンジメントを除けば、後方関節包の周辺組織の瘢痕や関節包内に存在する脂肪体に何らかの原因を求めていくのが妥当と考えられる。本研究の目的は、後方インピンジメント発生の好発域である30°屈曲位からの終末伸展運動における肘後方脂肪体の動態について検討し、運動療法へとつながるデータを提供することにある。<BR>【方法】肘関節に既往を有しない健常成人男性ボランティア10名の左肘10肘を対象とした。肘後方脂肪体の描出にはesaote社製デジタル超音波画像診断装置MyLab25を使用した。プローブは12Mhzリニアプローブを用いた。方法は、被験者を測定台上に腹臥位となり、左肩関節を90°外転位で前腕を台より出し、肘30°屈曲位で他動的に保持した。その後徐々に肘を伸展し、15°屈曲時、完全伸展時で後方脂肪体の動態を記録した。<BR> 画像の描出はプローブにゲルパッドを装着して行った。上腕骨後縁が画面上水平となるように肘頭窩中央でプローベを固定すると、上腕骨後縁、肘頭窩、上腕骨滑車、後方関節包、後方脂肪体、上腕三頭筋が画面上に同定される。その後、上腕骨後縁から肘頭窩へと移行する部分で水平線Aと垂線Bを引き、水平線Aより上方に位置する脂肪体と垂線Bより近位に位置する脂肪体それぞれの面積を計測し、前者を背側移動量、後者を近位移動量とした。脂肪体面積の計測はMyLab25に内蔵されている計測パッケージのtrace area機能を使用した。統計処理は一元配置の分散分析ならびにTukeyの多重比較検定を行い有意水準は5%とした。<BR>【説明と同意】なお本研究の実施にあたっては、本学倫理委員会への申請、承認を得て実施し、各被験者には研究の趣旨を十分に説明し書面にて同意を得た。<BR>【結果】背側移動量は30°屈曲時平均26.7±10.5mm2 、15°屈曲時平均42.2±16.1mm2 、完全伸展時平均59.7±15.5mm2であった。完全伸展時の脂肪体背側移動は、30°屈曲時、15°屈曲時に対し有意であった。30°屈曲時と15°屈曲時との間には有意差はなかった。近位移動量は30°屈曲時平均5.4±2.9mm2 、15°屈曲時平均11.9±8.4mm2 、完全伸展時平均20.6±10.8mm2 であった。完全伸展時の脂肪体近位移動は、30°屈曲時に対し有意であった。30°屈曲時と15°屈曲時、15°屈曲時と完全伸展時との間には有意差はなかった。<BR>【考察】本研究で観察した後方脂肪体は滑膜の外側で関節包の内側に存在する。肘後方関節包を裏打ちする形で存在するこの脂肪体は、超音波で容易に観察可能であり、薄い関節包の動態を想像する際に、伸展運動に伴う脂肪体の機能的な変形を捉えることで、間接的に後方関節包の動きを推察することが可能である。今回の結果より後方脂肪体は、肘の伸展に伴い肘頭に押し出されるように機能的に形態を変形させながら、より背側、近位へ移動することが明らかとなった。この脂肪体の移動は併せて関節包を背側近位へと押し出す結果となり、後方関節包のインピンジメントを回避していると考えられた。我々は以前に後方関節包には上腕三頭筋内側頭由来の線維が関節筋として付着し、肘伸展に伴う挟み込みを防ぐと報告したが、後方脂肪体の機能的変形も寄与している可能性が示唆された。投球に伴う肘後方部痛症例や関節鏡視下に遊離体などを切除した後の症例で伸展時の後方部痛を訴える例では、後方脂肪体の腫脹像や伸展に伴うインピンジメント像をエコー上で観察可能であり、肘後方インピンジメントの一つの病態として認識すべきものと考えられた。<BR>【理学療法学研究としての意義】実際の運動療法技術においては、後方関節包自体の柔軟性はもちろん、肘頭窩近位へ付着する関節包の癒着予防が脂肪体移動を許容する上で重要であり、内側頭を含めた上腕骨からの引き離し操作も拘縮治療を展開するうえでポイントとなる技術と考えられる。
著者
田中 芳一 東 敬子 平田 孝
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.463-466, 1985-07-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18

市販の無菌調製豆乳を,5, 25, 37℃にて0~2ヵ月保存したときに生成される揮発性物質を,GC,およびGC-MSで分析した。その結果,アセトン,n-ペンタンを含む14種類の揮発性物質を検出し,同定した。このうち,アセトアルデヒド,アセトン,n-ペンタン,n-ヘキサナールは豆乳の保存温度,保存期間に高い相関性をもって増加していた。アセトンとn-ペンタンの増加は特に著しく,豆乳を37℃で2ヵ月保存するとアセトンは約15倍,n-ペンタンは約17倍に増加した。アセトンは揮発性物質中に占める量も多いので,この無菌豆乳の品質評価指標として有効であることを示唆していた。次に,アセトン,およびアンモニアを指標として無菌豆乳のシェルフライフについて検討した。
著者
翟 碩
出版者
近畿大学大学院商学研究科
雑誌
近畿大学商学論究 = KINKI-DAIGAKU SHOGAKU-RONKYU : The Journal of Business Administration (ISSN:21878528)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.91-104, 2017-07-31

[要旨]現在,日本では,トラックドライバー不足が大きな社会問題となっている。最新の調査結果によれば,「必要な人材が確保できていない」事業者が,3分の2に及ぶとされている。特に,20代以下の若年ドライバーが,大幅に減っている。トラックドライバー不足問題への対応策として,運転免許制度の変更,女性労働力の活用,鉄道および内航海運へのモーダルシフトなどが挙げられる。本稿は特にモーダルシフトに着目し,そのトラックドライバー不足問題の解決策としての側面を明らかにしたい。各種の文献ならびに,鉄道貨物輸送と内航海運に関わる物流企業へのインタビュー調査結果に基づき,モーダルシフトの現状と問題点をまとめ,今後の推進をもってトラックドライバー不足問題の緩和・解決に貢献する余地を検討する。[Abstract]The labor shortage problem in Japanese trucking industry is getting more and more serious in these years. The improvement of driverʼs license system and the employment of female drivers are considered to be solutions for the problem. This paper focuses on the modal shift from trucks to rail freight transport and coastal shipping. Although the modal shift policy has been considered to be a solution for global warming caused by freight transport, it recently attracts attention as a solution for the labor shortage problem in the logistics industry, as freight trains, ships and ferries are not only energy-saving but also labor-saving.
著者
藤原 康弘
出版者
Society for Regulatory Science of Medical Products
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.141-149, 2015 (Released:2015-06-11)
参考文献数
40

本稿では,アンメットニーズの高い医薬品への早期アクセスを実現するために,世界中で様々な社会制度,薬事制度が導入されていることを紹介した.余命の限られた重篤な疾患を持つ患者や難病の稀少疾患に長年にわたって苦しむ患者にとって,有効性や安全性に関するエビデンスは少なくとも未承認薬に期待してしまう思いは世界共通の問題である.その気持ちを踏まえつつ,また2025年には団塊の世代が後期高齢者となり国民皆保険制度が危機に瀕することが必至な我が国に適した早期アクセスプログラムを産官学そして患者が一体となって考案していかなければならない.
著者
松井 良夫
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.157-167, 1997-04-28 (Released:2010-09-30)

This article is the first introduction to transmission electron microscopy (TEM) for beginners interested in the crystal structure analysis by means of electron diffraction and highresolution electron microscopy. Brief history of TEM, basic arrangements of TEM instruments, how to obtain selected area electron diffraction patterns, and how to prepare specimen by “crushing method”, are described.
著者
向井 章悟 中川 泰彰 田中 慶尚
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.1037-1040, 2012

The symptoms of cartilage injury of humeral head are not well known. We experienced two cases of traumatic cartilage injury of humeral head in American football players.<BR>Both cases were young(21 and 20 years old), male college American football players and they were both running backs. The first case complained of motion pain for 1 year since he had fallen on his left shoulder after a tackle. This case showed osteoarthritic change and impression fracture of humeral head. The second case complained of pain and felt a click in abduction-external rotation after a blunt hit on his right shoulder by tackle one week before. The MRI showed Bankart lesion and cartilage injury of humeral head.<BR>In both cases, full thickness cartilage defects of humeral head were observed and these lesions were engaged to the anteroinferior edge of glenoids when the shoulders were abducted and externally rotated. They were treated by arthroscopic Bankart repair and returned to the sports after standard rehabilitation. Now they are relieved of their symptoms.<BR>There are few reports of cartilage injury of humeral head because the diagnosis is difficult without arthroscopy. These two lesions are located in the posterior portion of humeral head, which is different from typical Hill-Sachs lesions. There are cartilage lesions in anterior glenoid in both cases, which may induce the symptoms such as subluxation or click in abducted-external rotated position. These cases reveal that cartilage injury of humeral head is not rare in high-energy injury, especially in collision sports.
著者
桐越 仁美
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アフリカレポート (ISSN:09115552)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.22-35, 2018-02-26 (Released:2019-03-22)
参考文献数
16

18~19世紀の西アフリカにおいて、アサンテ王国とハウサ諸王国間のコーラ交易が発展した。現在でもコーラの交易は盛んにおこなわれ、そのなかでは多くの若者が活躍している。本稿では、コーラ交易に携わる若者に着目することで、現在のコーラ交易における信用取引の実態と、若者がコーラ交易を通じて自らの商売を発展させていく過程を明らかにすることを目的とする。コーラは西アフリカのイスラーム社会において儀礼的・社会的に高い価値をもち、高値で取引されている。コーラは西アフリカの森林地帯から内陸乾燥地域のあいだに張りめぐらされた巨大な商業ネットワークを介し、民族の枠を越えて輸送される。人びとは傷みやすいコーラを迅速に輸送するために、前払いや委託販売といった手法を採用しており、そのなかでは信用や連携が重視される。コーラの交易に参入する若者は、そこで得た信用を、巨大な商業ネットワークに乗せて拡散させることを目的としていることが明らかとなった。
著者
中山 泰喜 青木 克巳 沖 真
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.26, no.Supplement1, pp.223-226, 2006-07-01 (Released:2009-12-08)

It is said that the Jomon Age began about 12, 000 years ago and continued till about 2, 500 years ago. The potteries of that age are known as Jomon pottery. Among them, a pottery discovered from the Umataka ruin in Niigata Prefecture in 1931 has an excellent shape. It is said that this pottery was made about 4, 500 years ago. Jomon potteries of similar artistic styles have been discovered in various parts of Japan. These potteries have very nice shapes, but the pottery discovered from the Umataka ruin excels other potteries by its excellent proportion. In this report, it was made clear that the vortex patterns of side wall consist of twin vortex and Karman vortex applying visualization methods using the pollen of cedar and pine trees, and computer simulation.