著者
古川 敦 高木 淳 家田 仁
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.131-138, 1989-12-01 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7

This paper presents the application of a method for evaluating a train scheduling from the view point of user's benefit to some major private railways in Tokyo metropolitan area and Osaka area. At first we evaluate every train schedulings by the criteria which was proposed in our previous research. And then each factors of user's disutility such as the cost of time of boarding a train, time of waiting a train, congestion, and so on are analyzed in relation to the pattern of train shedulings
著者
一宮 彪彦
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.10, no.9, pp.573-578, 1989-10-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
3
被引用文献数
3 3

反射高速電子回折 (RHEED) 図形の解釈について種々の例について述べる。本稿 (1) では, 2次元結晶の逆格子を示し, エワルド球との交点から得られるRHEED図形の特徴を, いくつかの2次元結晶 (微結晶, 多結晶, モザイク結晶など) について述べる。この結果に基づいて続編 (2) ではバルク結晶内でのブラッグ反射とRHEED図形との関係, および種々のバルク表面形態に対する回折図形の特徴を示す.
著者
一宮 彪彦
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.10, no.11, pp.908-917, 1989-12-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
4
被引用文献数
3 3

実際の結晶表面は表面層としての2次元結晶の下に3次元バルク結晶が接続している。ここではバルクによる電子線の屈折による回折波の方向の変化とそれによるRHEED図形について,種々の表面の例について述べる。
著者
髙橋 由佳矢 河野 忠
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.244, 2013 (Released:2013-09-04)

1. はじめに 静岡県浜松市水窪町の標高654mに位置する窪地にはほぼ7年周期で出現すると伝えられている湧水池がある。普段は水の無い窪地となっていて,スギやヒノキといった人工林に覆われている。湧水池が発生する直前には大量の降水が確認されている。杉森ほか(2001)によると,地質と降水が地下水面に影響し,湧水池が出現すると報告されている。また,400年以上前から出現していたと言い伝えられているが,詳しいことはわかっていない。この池は,今現在も明確な発生条件やメカニズムが解明されておらず,周期的に出現する理由も不明のままである。そこで,本研究では,降水量や現地の自然条件を基に,出現メカニズムを解明することを目的とした。今回は,主に2012年7月と12月に現地調査において湖盆測量を行った結果を報告する。2. 研究対象地域 池の平の池は水窪町奥領家にある亀ノ甲山峠を200m程下った場所の窪地にある。山道は佐久間ダム建設以来,廃道に近い状態である。山道は崩れている箇所が多くあり,山全体が地すべり地であることが伺える。3. 調査・研究手法 現地では,湖盆測量,検土杖を用いた簡易地質調査,湧水と沢水のサンプリングを行い,現地にて電気伝導度,ORP,pH,水温を測定した。持ち帰ったサンプルは役場から頂いた2010年出現時の池の水と共にイオンクロマトグラフィを用いて無機イオン成分の分析を行った。3. 結果と考察 標高654m付近で湖盆測量を行い等深線を示した結果,この池の最大長は130m,最大幅50m,周囲244m,面積4325m2,容積11375m³,となった。 水質分析の結果,2010年出現時のサンプルは各溶存成分量が乏しく雨水と変わらないことが判明した。池の100m程下った場所の沢水は2010年出現時の水質と比較して,各溶存成分量が高くなっていて,特にカルシウムイオン濃度の値は6.73mmg/lの値を示した。4. 今後の研究課題 池水の出現機構解明のために,湖盆に時期水位計を,水窪町役場に雨水採水器と転倒ます型雨量計を設置した。今後は,同位体水文学的手法を用いて涵養源の推定を行う予定である。5.参考文献杉森・佐藤・津田・尾口・小森(2001):遠州七不思議の池 「池の平」 の出現理由.日本地理学会発表要旨集,No.60,147.
著者
安藝 雅彦 中野 公彦 須田 義大 岸波 友紀 高須賀 直一 磯貝 俊樹 川合 健夫 小野口 一則 青木 啓二
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.105-107, 2013-03-01 (Released:2013-06-19)
参考文献数
4

本稿は専用道における大型車両自動運転のためのセンサシステムのフィージビリティスタディ環境構築の報告である.エネルギーITS 推進事業「自動運転・隊列走行に向けた研究開発」において,これまで開発した技術実証の場として,専用道を走行するダブルストレーラを対象に自動運転のためのセンシングシステム検証のために長期計測環境を構築したので報告する.
著者
東村 康文
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.95-106, 1988-05-16 (Released:2010-04-30)
参考文献数
24

宝暦飢饉 (1755年) とその前後における夏期の気候の復元を行なった。古日記中の天候記録の広域的な分布を使って天候の推移を調べるとともに, 現在の観測資料を用いて導き出した天気分布型の出現数と気温および気圧配置型との関係を宝暦期に適用して気温および気圧配置型の推定を行なった。その結果, 以下の諸点が明らかとなった。1) 解析を行なった1751-60年は, 1755年に代表されるような冷夏・長雨という特定の気候状態だけが卓越していたわけではない。2) 1755年7月は関東以南が降雨域におおわれ, 東北地方東岸は「やませ」が吹き, 第1種型の冷夏と考えられる。3) 1755年7月の盛岡, 石巻における平均気温は1951-80年の平均気温よりも約3℃低温であった。4) 気圧配置出現率を算定したところ, 1755年7月は夏型が少なく停滞性の前線が日本列島の南岸にかかる型が多く, また, 同年8月は停滞性の前線が東北地方を横断する型が多かった。
著者
庄 建治朗 鎌谷 かおる 冨永 晃宏
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.294-306, 2017-09-05 (Released:2017-10-05)
参考文献数
18
被引用文献数
3

本研究では,歴史時代の水文・気候環境を復元する資料としての古日記天気記録の利用可能性を検証するため,気象台による観測開始以降の明治・大正期に書かれた古日記を用い,日記天気記録と気象観測データとの関係を分析した.京都とその周辺地域で書かれた8つの古日記から天気記録を収集し,日単位の降水量・雲量のデータと照合したところ,各天気種別に対応する観測値の分布は,日単位で見れば非常に広い範囲にばらつくが,長期間の平均値は異なる日記間で互いに近い値をとることが分かった.このことは,日記天気記録は日単位では非常に誤差が大きいが,月単位や季節単位といった期間積算値を用いることで客観性が高まり,降水量等の定量値を推定できる可能性が高くなることを示唆している.さらに,これらの解析結果を応用して,観測時代について歴史時代と同じ方法で日々の天気から入出梅日を推定することにより,過去約240年間にわたる時間的に均質な入出梅日のデータを作成し,梅雨期間の長期変動を分析した.結果は,20世紀が過去に見られないような梅雨期間の長期化した時期であったことなど,過去の研究でも指摘されていたことを再確認するものであった.
著者
田中 仁
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.225-241, 2005-07-26 (Released:2008-12-25)
参考文献数
54
著者
箕輪 佳奈恵
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.385-392, 2017 (Released:2018-03-31)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本論文では,イスラム諸国における美術教育の包括的な特色と傾向について,特にイスラムという宗教との関連性に焦点を当てて明らかにした。イスラムを文化的基盤とする世界では,人物・動物表現が忌避されるなど美術表現に関してある種のタブーが存在することが知られているが,イスラムを国教とする敬虔な国々であっても,美術教育に相当する教科は存在している。それらの教科は概して,子どもの自己表現を重んじる近代美術教育の流れを汲むものであり,イスラムに関連する表現を学ぶような例は皆無である。しかし,多くのイスラム諸国において,人物・動物表現に対する是非や個人主義的な美術表現への疑問といった,イスラムと美術教育とのデリケートな問題が生じていることが明らかとなり,ムスリムの子どもに適した美術教育の必要性が考察された。

3 0 0 0 OA 海と気象

著者
木村 龍治
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.89-94, 2007 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

Seventy percent of the lower boundary of the atmosphere is contact with sea surface where heat and water vapor are supplied to the atmosphere. On the other hand, the wind stress at the sea surface induces the wind-driven circulation inside of the oceans which transports and mixes heat inside of the oceans. The variation of sea surface temperature are caused by both the atmospheric and oceanic processes. These features imply that the atmosphere and the oceans are a coupled system which is the basis of the Earth environment. This overview shows how the oceans give various influences to the atmospheric processes.
著者
村嶋 正幸 成田 有吾 岩崎 英一 橋爪 永子 出口 晃 西川 政勝 出口 克巳 白川 茂
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.392-398, 1992-08-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

The effect of a novel compound, 3-isobutyryl-2-isopropylpyrazolo [1, 5-a] pyridine (ibudilast, KC-404), on human platelet aggregation and its mechanism of action were investigated.In vitro, KC-404 inhibited human platelet aggregation induced by ADP, collagen, adrenalin, platelet activating factor and arachidonic acid but not by ristocetin. Together, KC-404 and agents which increased cAMP (prostaglandin I2, prostaglandin E1 (PGE1), forskolin) or cGMP (3-morpholinosydnonimine (SIN-1)) produced synergistic inhibitory effects on platelet aggregation.KC-404 inhibited human platelet cAMP phosphodiesterase (PDE) (IC50: 50μM) and cGMP-PDE (IC50: 5.2μM) activities. cAMP and cGMP concentration of human platelets were not increased by KC-404 itself. PGE1, an adenylate cyclase stimulator, increased cAMP content; KC-404 enhanced the effect of PGE1 on cAMP accumulation. SIN-1, which stimulates guanylate cyclase, increased cGMP content; KC-404 enhanced the effect of SIN-1 on cGMP accumulation.These results suggest that effects of KC-404 on accumulation of cyclic nucleotides and inhibition of platelet aggregation are mediated via inhibition of platelet cyclic nucleotide phosphodiesterase activities.
著者
登 大遊 新城 靖 佐藤 聡
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.4_3-4_30, 2015-10-26 (Released:2015-12-26)

SoftEther VPN Serverはマルチプロトコル対応のクロスプラットフォームなオープンソースVPNサーバソフトウェアであり,既存のVPNサーバプログラムにない2つの特徴がある.1つ目は,単一VPNサーバインスタンスで複数のVPNプロトコルをサポートしている点にある.管理者は,複数のVPNプロトコルによる多種類のVPNデバイスからのリモートアクセスおよび拠点間接続を受付けるVPNサーバを容易に管理することができる.そのために,SoftEther VPN Server内にL2アダプタと呼ばれるモジュールを実装し,レイヤ2 VPNプロトコルとレイヤ3 VPNプロトコルとの間の通信を,共通のバスである仮想L2スイッチを経由させ,シームレスに実現にした.2つ目は,ユーザ管理やネットワークの機能を仮想化するマルチテナント機能である.これは,仮想ホスティングサービスのために必須である.本プログラムは複数のOS間の移植性を有する.本プログラムは2013年3月から2014年9月までの間に,世界中で242,000回インストールされた実績を有する.また,異なるVPNプロトコル間での通信速度実験では,従来のVPNプロトコルのネイティブなVPNサーバプログラムを組み合わせて用いた場合と比較して高速な結果が得られた.
著者
名越 健郎
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.11-20, 2019 (Released:2019-03-07)

筆者はアジア地域研究連携機構研究紀要の第1 号(2015 年6 月)に「秋田犬の国際化戦略」、同3 号(2016 年8 月)に「秋田犬ブランドの活用策」、同6 号(2018 年1 月)に「秋田犬の国際的人気をどう活用するか」と題して、秋田犬が世界的に人気を集めていること、海外の人気が国内にブーメラン効果をもたらしていることを紹介した。その後の2018 年5 月、平昌冬季五輪の女子フィギュアスケート金メダリスト、アリーナ・ザギトワさん(ロシア)への秋田犬保存会による秋田犬贈呈が大きな話題になり、秋田犬人気を爆発的に高めた。秋田県や大館市は秋田犬をキラーコンテンツとして観光客誘致戦略を展開しており、内外からの県への訪問者も増加、秋田犬グッズの売り上げも伸びた。秋田犬の聖地を売り物にする大館市が2019 年5 月にJR大館駅前にオープンする観光交流施設「秋田犬の里」のプロジェクトをどう成功させるかが次の課題となるが、問題点も少なくない。過去1、2 年で空前ともいえるほど拡大した内外の秋田犬人気や、県と大館市の取り組みを分析した。
著者
Kazuaki Jindai Yoshiki Kusama Yoshiaki Gu Hitoshi Honda Norio Ohmagari
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
pp.4760-20, (Released:2020-07-21)
参考文献数
66
被引用文献数
3

The Ministry of Health, Labour and Welfare has published the Manual of Antimicrobial Stewardship (1st edition) in June 2017 to improve the prescribing practice of antimicrobials for immunocompetent adult and pediatric (both school-aged and older children) patients. Due to the increasing demand for further promoting outpatient antimicrobial stewardship, we conducted a literature and national guideline review to identify the area of need. The results of our review revealed a high antimicrobial prescription rate in the Japanese pediatric population. Furthermore, although the Japanese clinical guidelines/guidance covered the fields of almost all infectious diseases, no system exists to estimate the incidence and treatment patterns of important infectious diseases such as asymptomatic bacteriuria, skin and soft tissue infections, and dental practices in Japan. Therefore, addressing the issues of both establishing surveillance systems and the implementation of guidelines/guidance can be the next step to promote further outpatient antimicrobial stewardship.
著者
中野 稔 桜井 民子
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.784-790, 1990-10-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

Free iron could easily be chelated with phosphate moiety in biomembrane surface and reduced enzymatically by certain membrane components or non enzymatically by ascorbate.A model membrane lipid peroxidation induced by iron-adriamycin or iron-glycated peptide was discussed. Most probable active species for their lipid peroxidations could be iron oxygen complexes, such as FeV= O and Fe IV=O type compounds. Heme-compounds, hemoglobin, cytochrome P-450 and hematin could mainly act to decompose lipid hydroperoxides to their corresponding alkoxy radicals and hydroperoxy radicals, by which lipid peroxidation should be promoted.
著者
山田 康弘
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.1-39, 1997-10-10 (Released:2009-02-16)
参考文献数
247

本稿は縄文時代の子供の埋葬例を集成・検討することによって,当時の人々の生活史の一端を明らかにすることを目的としたものである。まず,初めに集成した子供の埋葬例を年齢段階順に新生児期・乳児期・幼児期・小児期・思春期の5段階に区分し,埋葬形態を施設・単独葬か合葬か・合葬の場合の相手の性別・単葬か複葬かというように分類したうえで,各地域・時期別にそれぞれの埋葬形態を把握した。その結果,子供の埋葬形態は,大人のそれと同じように単独単葬例が最も多く,土器棺葬例は幼児期以前に,多数合葬例は幼児期以降に多いという傾向性が明らかになった。また,埋葬時に付加された様々な属性,埋葬姿勢・位置・赤色顔料の散布・土器棺内の人骨の週齢・合葬人骨の性別・装身具の着用などを検討し,次の点を指摘した。埋葬姿勢は大人とあまり変わらない。埋葬位置は住居跡に絡んで検出される場合が多い。赤色顔料の散布は新生児期からされるが,地域性がある。土器棺内から出土した新生児期の人骨は週齢38週以上のものが多く,新生児早期死亡例と考えられる。また,土壙などに埋葬されたものは38週以下のものが多い。大人と子供の合葬例では,乳児期以前は女性と合葬されることが多く,幼児期以降には男性と合葬されるようにもなる。これは子供の行動範囲が幼児期を境に変化したことを意味する。装身具の本格的な着用は幼児期以降に行なわれるが,玉類・貝輪を中心とした首飾りや腕飾りに限られ,頭飾りや腰飾りなどは存在しない。これは装身具の着用原理が大人と子供で異なっていたためと考えられる。次に大人と子供の埋葬例が検出された6遺跡の事例を検討し,埋葬時に付加された属性の差異について具体的に明らかにした。これらの諸点を総合して,当時の子供の立場が年齢によって変化することを述べ,子供が大人になるまでの生活史モデルを提示した。