著者
佐久間 亨 阿江 通良
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 = Journal of the Society of Biomechanisms (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.325-332, 2010-11-01
参考文献数
14
被引用文献数
1 9

本研究の目的は,体幹の傾斜が歩行動作に及ぼす影響をバイオメカニクス的に分析することである.健常成人に異なる体幹の傾斜(固有,体幹前傾10°,体幹後傾10°)で歩行させ,3 次元自動動作分析装置を用いて動作を計測するとともに,フォースプラットフォームを用いて地面反力を計測した.体幹前傾および後傾歩行では,姿勢変化による身体重心位置の変化に対応するための下肢の代償運動が見られた.また,固有歩行に比べると,体幹前傾歩行では立脚期前半で体幹の前傾姿勢を保持しながら支持脚を後方へスイングするため,股関節伸展トルクが大きく,体幹後傾歩行では立脚期後半で体幹の後傾姿勢を保持するため,股関節屈曲トルクが大きくなっていた.
著者
小川 雄司 川上 博士 鈴木 実平 尾崎 仁志 沓名 宗春 井上 裕喜 齋藤 清隆
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
生産加工・工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.265-266, 2014

Indirect laser peening is a new laser peening technique and modifies the mechanical properties of the surface of the substrate. Metal sheet protects the substrate surface from heat affect by a plasma with laser irradiation. Because the metal sheet absorbs laser energy and reduces the peening efficiency, the features of indirect laser peening for several aluminum alloys were investigated in this study. The changes of mechanical properties by indirect laser peening were discussed by the comparison to the mechanical properties of as-received state.
著者
南條浩輝 山本 祐司 吉見 毅彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1644-1653, 2012-06-15

機械翻訳(MT)の品質向上のための翻訳前の書き換え(前編集)について述べる.これまでの前編集は主にルールに基づくものであるため,MTシステムに依存し,かつシステム構築に労力を要した.これに対し,本論文では,MTシステムに依存しない統計的前編集システムの自動構築手法を提案する.具体的には,対象とするMTシステムに適した前編集システムを,当該MTシステムを含む複数のMTシステムおよび対訳コーパスから自動構築する手法を提案する.本手法の最も重要な特徴は,前編集によって翻訳品質の向上が得られる学習データを自動生成できる点にある.ロイター日英記事の対応付けデータを用いて4種類の日英MTシステム用前編集システムを構築したところ,3種類のMTシステムについて,多くの文に対して翻訳品質を向上させる前編集システムが構築できた.提案手法である前編集システムの学習データの自動生成は,3種類のMTシステムの前編集システム構築に効果的であったこと,および他の1種類のMTシステムの前編集システム構築に悪影響がなかったことを示し,提案手法の有効性を示した.
著者
澤岡 藩 サワオカ サカエ Sakae SAWAOKA
雑誌
岐阜藥科大學紀要 = The annual proceedings of Gifu College of Pharmacy
巻号頁・発行日
vol.57, pp.65-73, 2008-06-30

あるジャンルの特性を明らかにしたいという試みは、ことばはある時代に共通した精神的指向性を持って有力なジャンルを生成させるという認識に由来する。「小説」ということばは現在のところ明確な概念を与えられてはいない。ナラトロジー物語論は、形式的テクスト分析として、ジェラール・ジュネットの分析をはじめとして個別的に成果を上げた。 しかし「小説」と言う概念を「物語」という構造に収まらないものとして仮定するとき、理論と批評との軋轢が生じ、その方法そのものが矛盾を来すものとなる。一つの可能性としてミハイル・バフチンの理論が有効に小説の形式的特性を提示している。そこでの作者と作品内部の人格を相互に他者として扱う対話的思考形態に基づく考えかたは、言語論的には疑いを生じさせるが、示唆に富む。
著者
森 順子
出版者
河原学園 人間環境大学
雑誌
人間と環境 (ISSN:21858365)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.35-46, 2011

わが子が誕生した瞬間から、人は親という新しい役割を担う。しかし、人は子の誕生の瞬間から理想的な親になれるのか。理想的な親であり続けることはできるのか。親とは何か。家族とは何か。シェイクスピァは『冬物語』の中で理想的な親であり続けることが叶わなかった人間の姿を描いている。シチリア王リオンティーズの家族の崩壊と再生を辿ることによって見えてくるものがある。家族の根幹である。リ才ンティーズの心理に焦点を当て、『冬物語」における親と子の関係を考察する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経automotive
巻号頁・発行日
no.56, pp.64-68, 2015-11

ホンダがF1に帰ってきた。2008年にリーマンショックの影響を受けて、活動を終了して以来、7年振りの参戦だ。ただし、2008年までの第3期といわれる参戦では車体からエンジンまで同社が手掛けていたのに対し、今年は英国のMcLarenチームにエンジンを供給するという…
著者
島岡 まな
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.p61-123, 1995-03

論説一 はじめに二 フランス刑法における文書偽造罪理論とわが国への輸入過程 (一) 一八一〇年刑法典における文書偽造罪規定 I 公文書又は公正証書偽造罪 II 私文書、商業書類又は銀行書類偽造罪 III その他の特殊な文書偽造罪 (二) フランス文書偽造罪理論とわが国への輸入過程 I 文書 II 真性の改変 III 損害 IV 故意 V 偽造文書行使罪三 一九九二年新刑法典における文書偽造罪 (一) 私文書及び私的記録物偽造罪、同行使罪 (二) 行政文書偽造、同行使及び所持罪 (三) 公文書及び公的記録物偽造罪、同行使罪 (四) 偽造関連犯罪 (五) 証明書偽造罪及び関連犯罪四 おわりに
著者
山崎 元也 宮脇 年彦 佐藤 喜久 坂田 廣介 高橋 克則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.196-206, 2008

地球温暖化やヒートアイランド現象が世界的な環境問題となっている.旧日本道路公団においてもサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)において,利用者が感じる熱負担を緩和し,環境にやさしい休憩施設を目指し,種々の検討を行ってきた.東北自動車道蓮田SAにおいて,全国では初めての高炉スラグ微粉末を用いた給水装置を有する保水性舗装の施工を行い,当該舗装の温度低減効果を検討した.給水型保水性舗装は,通常舗装に比べて10°C以上の温度低下が安定して持続できた.給水方法によって,温度低減効果が異なることを明らかにした.また,理論式による計算値と実測値の整合性についても検討した.
著者
柏葉 武秀
出版者
北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター
雑誌
応用倫理 (ISSN:18830110)
巻号頁・発行日
no.3, pp.34-44, 2010-03

本稿では、分析的伝統に立脚する現代の倫理学、とりわけリベラリズム政治哲学は障害者を公正に 扱いえないという通説を検討する。たとえば、ロールズの社会契約論は正義の名にふさわしいまっ とうな社会についての構想から障害者を排除していると強く批判されてきた。 本稿の目的は、このリベラリズム政治哲学と障害学を架橋する可能性を探究することにある。本稿 は以下の4 節に分けられる。まず、障害者への財の分配をめぐって戦わされたロールズとセンの論 争を瞥見する。次に、ロールズの政治的人格論こそが政治領域で障害者を不公正にあつかってしま う原因であると示したい。3 節では、障害者の政治的・道徳的地位を基礎づけるには、自身の「ケイ パビリティ・アプローチ」がロールズ正義論への最善の代替案だというヌスバウムの主張を跡づける。 最後にケイパビリティ・アプローチが直面せざるをえない二つの問題を指摘する。
著者
上木 貴博
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.405, pp.101-110, 2016-03

株や投信、外貨に不動産……。そんな普通の投資に飽きてしまった人、資産の一角に未知の刺激が欲しい人、2016年、新たに挑戦したい人。そんな皆様のために楽しい「変化球投資」が集まりました!取材・文/上木貴博 撮影/高山透 イラスト/前田はんきち…
著者
吉田 喜久子
出版者
河原学園 人間環境大学
雑誌
人間と環境 (ISSN:21858365)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.143-162, 2011-11-15 (Released:2018-04-23)

日本は、規模、頻度、種類のいずれにおいても、世界でも突出した自然災害大国であるが、本年三月の東日本大震災が、人類が経験した過去の自然災害と異なるのは、自然災害に加えて、原子力発電所の損壊と放射能汚染も起こったというところにある。この震災を機に私達が考えなくてはならないのは、単に原発維持か原発廃止かというレヴェルの問題だけではない。より根本的な問題があり、それは、科学技術というものをどのように考えるかという問題であって、この問題は、人は自然といかに関わるかという問題と切り離せない。現代の科学技術文明の根底にある西洋的自然観は、少なくとも西洋文明導入以前の日本人の自然観とは非常に異質なものであったし、西洋的自然観は、現代においてもなお、日本人にとって必ずしも自明な自然観ではない。このことの中に、今回の問題を根本的に考える際の、一つの手掛かりがあるのではないだろうか。
著者
Cao Wenming Lin Lang Niu Yunwei Xiao Zuobing Fang Xuezhi
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.497-505, 2016
被引用文献数
14

<p>Volatile compounds of Camellia seed oils from 5 different varieties were characterized by headspace solid phase microextraction/ gas chromatography/mass spectrometry (HS-SPME/GC/MS). Four parameters of SPME were optimized and the best extraction conditions were: 50/30 µm DVB/CAR/PDMS fiber, 45°C and 45 min of SPME, and 4.00 g sample size. Forty-six volatiles were identified, including 16 aldehydes, 10 alcohols, 4 acids, 7 ketones, 3 terpenes and 6 esters. Further correlation analysis between aroma compounds and sensory attributes revealed pentanal, hexanal, (<i>E</i>)-2-hexenal, octanal, (<i>E</i>)-2-heptenal, nonanal, (<i>E</i>)-2-octenal, (<i>E</i>)-2-decenal, (<i>E</i>,<i>E</i>)-2,4-heptadienal, 2-hexanol, 2-heptanol, hexanol, octanol, acetic acid, pentanoic acid, 1-<i>p</i>-menthene, limonene, γ-terpinene, ethyl-2-methylbutanoate, 2-methylbutyl acetate, ethyl 2-methyl-2-butenoate, γ-butyrolactone, γ-hexalactone were the important characteristic aroma compounds of Camellia seed oils. Additionally, electronic nose (e-nose) was applied to analyze the aroma of Camellia seed oils. HS-SPME/GC/MS and e-nose techniques combined with multivariate analysis can be used to distinguish between different Camellia seed oils.</p>
著者
永井 宏達 市橋 則明 山田 実 竹岡 亨 井上 拓也 太田 恵 小栢 進也 佐久間 香 塚越 累 福元 喜啓 立松 典篤 今野 亜希子 池添 冬芽 坪山 直生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.E2S2007, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】加齢に伴い、筋力、バランス機能、柔軟性、敏捷性といった運動機能の低下がみられ、特に、バランス機能は加齢による低下が顕著であるとされている.近年、高齢者に対するバランストレーニング効果に関する報告が散見されるが、ゆっくりとした動きでのバランストレーニングと素早い動きでのバランストレーニングのどちらの動作速度でのバランストレーニングが効果的であるかは明らかではない.そこで本研究は、施設入所高齢者に対して素早い動きのバランストレーニング(RBT)と、ゆっくりとした動きのバランストレーニング(SBT)の二種類を実施し、その効果の違いを明らかにすることを目的とした.【対象と方法】対象はケアハウスに入所している高齢者41名(男性5名、女性36名、平均年齢:81.9±6.8歳)とし、RBT群(17名:80.8±7.0歳)とSBT群(24名:82.5±6.7歳)に対象者を分類した.なお、対象者には研究についての説明を行い、同意を得た.バランストレーニングとして、片脚立位、前方・左右へのステップ動作、椅子からの立ち上がりなどからなる20分程度の運動プログラムを週2回、8週間実施した.これらのトレーニングを、RBT群には、バランスを保ちながらできるだけ素早く特定の姿勢をとらせ、その後姿勢を保持するようにし、SBT群にはゆっくりとした動きで特定の姿勢まで移行させるように指導した.なお、2群のそれぞれの運動回数および運動時間は統一した.バランス能力の評価として、開眼・閉眼片脚立位保持時間、立位ステッピングテスト(5秒間での最大ステップ回数)、静止立位時の重心動揺面積(RMS)、前後・左右方向の最大随意重心移動距離をトレーニング前後に測定した.2群間のトレーニング効果を比較するために、反復測定二元配置分散分析を行った.【結果と考察】2群間のベースラインのバランス機能に有意差はみられなかった.二元配置分散分析の結果より、トレーニング前後で主効果がみられたバランス項目は、立位ステッピングテストであった(p<.05).このことから、立位でのステップ動作は、バランストレーニングを行う動作速度にかかわらず改善することが明らかになった.また、前後方向の最大随意重心移動距離に交互作用がみられたため (p<.05)、RBT群、SBT群それそれで対応のあるt検定を行った結果、RBT群においてはトレーニング後に前後方向の最大随意重心移動距離の有意な改善がみられたが(p<.05)、SBT群では変化がみられなかった.本研究の結果より、施設入所高齢者においては、素早い動きを伴うようなバランストレーニングを行う方がより多くのバランス機能を改善させる可能性が示唆された.【結語】施設入所高齢者におけるバランス機能向上には、素早い動きのトレーニングが有用である可能性が示唆された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.637, pp.98-105, 1999-04-05

福岡県の南東,JR日豊本線・行橋(ゆくはし)駅で平成筑豊鉄道に乗り換えて約20分。列車は山あいへと入り,間もなく源じいの森駅に着く。赤村では,源氏ぼたるの生息地である駅周辺の環境を生かし,宿泊施設を持つ自然学習村を展開。年間7万3000人を集めている。また「Do you 農?」をうたい文句とする体験農業の試みは十数年に及び,都市部から多くの交流人口を呼んでいる。