著者
大槻 眞 尤 芳才 山崎 富生 前田 光雄 岡野 邦泰 坂本 長逸 馬場 茂明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.190-196, 1977-02-05 (Released:2011-06-17)
参考文献数
33
被引用文献数
1

健康人で絶食, 食餌摂取ならびにglucose負荷時における血清アミラーゼ活性の変動について検討した. 高蛋白食摂取により血清アミラーゼ活性は上昇した. 一方高炭水化物食摂取, glucose負荷では血糖値の変化に逆相関して血清アミラーゼ活性は低下した. この場合のアミラーゼ活性低下はAmylase-1 (膵型) の活性低下にあり, glucoseが膵アミラーゼ放出を抑制し, それが血清アミラーゼにも反映されることを明らかにした. しかし絶食群では血糖値も, 血清, 尿中アミラーゼ活性も共に低下した. この場合もアミラーゼ活性低下は膵型アイソザイムにみられたが, ここではglucose以外の膵外分泌抑制機序が考えられる. このように血清アミラーゼは血糖値, 消化管ホルモン, 神経等を介して調節されており, 消化管系において消化作用を行うだけではなく, 体内において何らかの生理的意義をもつて分泌されているといえる.

1 0 0 0 世界映画史

著者
岩崎昶 著
出版者
白揚社
巻号頁・発行日
1950

1 0 0 0 映画の理論

著者
岩崎昶 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1956
著者
赤木 邦昭
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.428-431, 2006

春,そして夏休みに実施している小学校高学年を対象とした「科学実験教室」。今年で4年目を迎え,これまで試行錯誤しつつ6回実施してきた。地域(千葉)の方々にも少しずつではあるが浸透してきたこの活動。中・高校の化学,物理の先生方の協力があってこそ成し得たその内容をご紹介しながら,一企業が参画する意義とメリットなども記してみたいと思う。皆様方の活動の参考となれば幸いである。
著者
Bell Lori J.
出版者
魚雑
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.158-167, 1983
被引用文献数
2

イトビキベラの生殖行動が伊豆諸島の三宅島で1979年7~9月に観察された.ほとんどの雄はなわばり性を示したが, 雌は群れを形成していた.個々の雌は雄のなわばりを移動し, 生殖行動はランダムではないが乱交的であった.三宅島における生殖時期は5~9月と推定された.生殖行動は午後顕著になり, 3段階の産卵前行動, 即ち誇示, 雌への突進, 回転が観察された.産卵はペアで行なわれた.産卵時刻は日没が早くなるにつれて早くなった.産卵時刻と光の強さに関係のあることが示唆された.なわばりを持つterminalphaseの雄による産卵行動の妨害も観察された.In.itial phaseの雄は本研究の個体群の中には見られなかった.雄のなわばり性は産卵にともなうなわばりを防衛する行動に基づいていた.
著者
上村 佳孝
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.64, 2005

ある形質に対する最適値が雌雄で異なる場合,性的対立は生じる.盛んに交尾を試みる雄に対して,雌が拒否行動を示せば,交尾回数に関する性的対立の存在が容易に予測される.しかし,今回の発表では,雌雄ともに著しく高い頻度で交尾をおこない(乱交性),交尾に関して目だった葛藤がないように見えるコバネハサミムシ(以下,コバネ)を題材に,本当に葛藤がないのか?考えてみたい.<br>激しい精子競争が生じているコバネでは,雄の体長に匹敵するほど長い交尾器を用いて,細管上の受精嚢(雌の精子貯蔵器官)から,すでに存在している精子の掻き出しをおこなう.しかし,雌の受精嚢はさらに長く,一部の精子しか掻き出すことはできず,すでに他の雄の精子を持つ雌と1回交尾した雄が残す子供の割合は約2割である.<br>体サイズの大きな雄は雌を独占し,より多数回繰り返し交尾し,高い繁殖成功を得る.雄の体サイズは有意な遺伝的基盤を持ち,大きく繁殖成功の高い父親の息子はやはり繁殖成功が高くなると期待される.このような条件のもとでは,雌は自らを独占する能力の高い雄の精子を集めることで,優れた息子を得るという遺伝的利益を得ることができ,一回の交尾あたりの父性の置換率を2割程度に抑えることで,このような利益が最大化されることを数値シミュレーションは示した.すなわち,低い精子置換率をもたらす雌の長い受精嚢は,何度も繰り返し交尾可能な優れた雄の精子を効率良く集めるための適応と考えられる.しかし,雄が同じ雌と繰り返し交尾をおこなうという現象は,一回の交尾あたりの精子置換率が低い場合に進化し易いものと予想され,両形質は共進化する可能性がある.<br>発表では,雌雄双方の適応を考慮した共進化モデルと,一方の性の視点のみを考慮した最適化モデルの解析結果を比較し,交尾回数・精子置換率という複数繁殖形質の共進化の観点から「隠された対立」の分析を試みる.
著者
山田 一憲 中道 正之
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.21, pp.11, 2005

子殺しはオスの繁殖戦略として進化したと考えられている。しかし、複雄複雌の社会構造と季節性のある乱交的な繁殖様式を持つニホンザルでは、子殺しが起こることは極めて稀である。それは(1)メスが複数のオスと交尾を行い、(2)子ザルの父親である可能性のある複数のオスが群れオスとして集団にとどまり、子殺しの危険から子ザルを守る、(3)子殺しを行っても、子殺しオスがその母ザルと繁殖できる機会は交尾期に限られるためである。<br> 私たちは、勝山ニホンザル集団において、群れ外オスが4ヵ月齢のアカンボウを攻撃して、死亡させるという事例を観察し、その様子をビデオカメラで記録した。<br> 4ヵ月齢のアカンボウが集団から取り残され餌場に単独でいる時に、群れ外オスが餌場に現れた。アカンボウはオスに気づくと即座に逃げ出したが、すぐに捕まった。オスは周囲を何度も見回しながら、アカンボウの手、足首、腕を咬んだが、その場で殺すことはなかった。5分後にアカンボウは逃げ出したが、オスが再度攻撃することはなかった。アカンボウは右上腕から大量の出血が見られ、2日後には姿を消した。<br> 今回の事例の特徴は以下の3点にまとめられる。(1)子殺しを行ったオスはその時初めて観察した個体であった。(2)子殺しが起こる数ヶ月前に3頭の中心部成体オスが続けて死亡・姿を消しており、さらにアカンボウが単独で餌場に取り残されたため、子殺しからそのアカンボウを守る個体がいなかった。(3)子殺しは交尾期開始の数週間前に起こり、その結果、アカンボウの母ザルはすぐに発情し、翌年の出産期に次子を出産した。<br> ニホンザルにおける子殺しはこれまでに5つの記録があるが、本観察と同様に、(1)攻撃したオスは子ザルの父親である可能性が低く、(2)子ザルを守る群れオスがいない時、(3)交尾期直前または当初の時期には、ニホンザルにおいても、子殺しが生起していることが指摘できた。
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.433-442, 1999

1999年度の物理教育学会年会が北海道大学で開催された。8月8日(日)には支部編集代表者会議,評議会,理事会が開かれ,8月9・10日と北海道とは思えないほどの蒸し暑さの中で,特別講演・原著講演・特別企画が行われた。以下にまとめと各氏の講演の抄録を発表順に掲載する。ご講演なされた先生方と参加された会場の皆様の熱気を帯びた発表と質問・討論に物理教育への熱意が感じられた大会であった。

1 0 0 0 鏡灣漁唱

著者
田中壤[著]
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
1904
著者
蒔田 裕美
出版者
英米文化学会
雑誌
英米文化 (ISSN:09173536)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.89-109, 2010

Philaster, or Love Lies a-Bleeding, a collaboration by Francis Beaumont and John Fletcher, was one of the most successful tragicomedies that appeared on the Jacobean stage. It is said that Shakespeare followed the fashion set by them in writing romances such as Cymbeline and The Winter's Tale. Arethusa, the heroine of Philaster, represents-at least in some aspects-the "patient Griselda" type, a romantic character appearing in medieval and Renaissance Europe, noted for her enduring patience and wifely obedience. This motif can be found in Shakespeare's Cymbeline and The Winter's Tale. The purpose of this paper is to consider the heroine character of Philaster by comparing it with Shakespeare's Griselda heroines, and by showing some new features found in Beaumont and Fletcher's work. Shakespeare's heroines recognize that their sufferings are derived from the gods. Thus they endure their trials conventionally until time reveals the truth and things end in the spirit of "all's well that ends well," as in the Griselda tradition. Arethusa, however, already deviates from the typical Griselda heroine motif in the sense that she doesn't wait for a happy ending and, instead, takes passionate action to get married to her lover. In conclusion, Beaumont and Fletcher succeed in creating a sensational play, as the subtitle "Love Lies a-Bleeding" symbolically suggests.
著者
大久保 翔太 川越 夏樹 繁内 宏治 名取 賢二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.138, no.1, pp.4-7, 2018

<p>1.はじめに</p><p>2017年8月下旬のうだるような暑さの中,品川駅から徒歩15分の場所にあるというソニー歴史資料館に向かった。品川駅高輪口から地図を頼りに歩き出すと,10分もしないうち</p>
著者
Hiroyuki Ariyama
出版者
The Japanese Society of Systematic Zoology
雑誌
Species Diversity (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.29-48, 2019-05-25 (Released:2019-05-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Four species of the family Dulichiidae (Crustacea: Amphipoda) are described from Japan. The first species is Dulichia biarticulata Hirayama and Takeuchi, 1993, which is characterized by the 2-articulate accessory flagellum and the expanded basis of the pereopod 4. The occurrence of this species from Miyagi–Osaka Prefectures and Fukui Prefecture is the first record from localities other than the type locality, and the morphological characters of the female are also described for the first time. The second species, Dulichia latimana sp. nov., was collected from the Ariake Sea and Sagami Bay. In this species, the male has a robust gnathopod 2 with a short proximal projection on the propodus and the slightly expanded basis of the pereopod 4. The third species is Dulichiopsis barnardi Laubitz, 1977 from off Fukushima Prefecture, which has the eyes composed of many dispersed ommatidia, the propodi of the pereopods 5–7 with a palm and the uropod 2 outer ramus about half length of the inner ramus. The morphological characters of the male are firstly described. The last species is Metadulichia kohtsukai gen. nov., sp. nov. from Sagami Bay. This species can be distinguished by the small maxilla 1 with 7 terminal robust setae on the outer plate, the maxilla 2 inner plate bearing single mediofacial seta, and the extremely short outer ramus of the uropod 2. A key to Japanese species of the family is provided.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1350, pp.130-132, 2006-07-17

今年6月、日本中がサッカーワールドカップに熱狂する裏で、アルプス電気の社員は、10月に開催する「もう1つのワールドカップ」の準備に追われていた。その名も「アルプスワールド」。同社が13年ぶりに復活させる社内運動会の名称だ。 予定される参加者は約3300人。千葉市・幕張メッセを借り切り、各事業所が騎馬戦などで王座を競う。
著者
小林 正夫 川口 浩史
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.7, pp.1639-1644, 2014-07-10 (Released:2015-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
3

自己免疫性好中球減少症は主として好中球抗原に対する自己抗体が産生され,好中球の破壊亢進による好中球減少症である.好中球抗原はHNA-1,HNA-2など数種類が同定されているが,Fcγ receptor IIIb(FcγRIIIb,CD16b)上に存在するHNA1系に対する抗体が原因となることが多い.成人領域では他の自己免疫性疾患に合併してFcγRIIIbに対する抗体が認められることが多い.抗体の同定はFACSを用いた間接免疫蛍光法での半定量を利用している.
著者
馬場 隆 橋田 光代 片寄 晴弘
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.49, pp.1-6, 2013-05-04

指揮システム"VirtualPhilharmony"は,実際にオーケストラを指揮する感覚に焦点を当てた指揮システムである.ヒューリスティックに構築されたオーケストラの演奏モデルを基に設計されたコンサートマスター機能や,本番前の練習期間をシミュレートしたリハーサルモードを実装することによって,オーケストラとプレイヤ(指揮者)とのインタラクションを実現し,これによりリアルな指揮感覚をプレイヤに提供する.従来の,単一のタイムラインによるスケジューラ管理を見直し,楽器ごと,声部ごとの複数タイムラインを導入する.また,指揮における左手の役割とシミュレートの方法を議論する.