著者
外山,美樹
出版者
日本教育心理学協会
雑誌
教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, 2000-12-30

本研究の主要な目的は,自己認知と精神的健康の関連を探ることであった。そこでまず,青年(大学生,専門学校生)を対象にしてポジティブ・イリュージョンならびにネガティブ・イリュージョン現象を確認し,その結果に基づいて,自己認知尺度を設定した。本研究でのポジティブ・イリュージョンならびにネガティブ・イリュージョン現象は,外山(1999)の結果と同様であった。また,自己認知が精神的健康と結びついていることが示され,自己高揚的な認知をしている人々は,精神的により健康な生活をおくっていることが明らかにされた。自己を平均的だとみなす認知をしている人は,被調査者集団においてネガティブ・イリュージョンが見られた側面においてのみ,自己高揚的な認知をしている人と同様に精神的に健康であった。しかし,被調査者集団においてポジティブ・イリュージョンが見られた側面においては,自己を平均的だとみなす認知をしている人は,自己卑下的な認知をしている人と同じくらい精神的に不健康であることが明らかになった。
著者
三上 英司
出版者
山形大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的とするところは、周代から清代に至るまでの期間に使用された諡の贈与基準を通覧するするデータベースの作成と、諡法運用の変化を通史的に明らかにすることにある。まず第一点目のデータベースに関しては基礎資料の収集と分類とを完了した。これらには『春秋』三伝・『国語』・『戦国策』などの周代の贈与基準と贈与方法を伝える文献から、二十四史を中心とした歴史書、筆記に見られる諡法に関する記載、賀〓『諡法』・蘇洵『諡法』・清代の『皇朝諡法考』などの歴代諡法専著、『世本』・『白虎通』・『北堂書鈔』・『初学記』・『経世大典』等に載せられる諡法まで幅広い資料が含まれる。これら資料は、これまで一括して分類・分析されたことが無く、本研究による作成される予定の総合的なデータベースは、世界でも初の試みとなる。現在、調査結果のデータ入力を進めている段階である。また、第二点目の諡法の通史的分析に関しては、以下の諸点に関して資料の収集が終了し、現在、論文執筆の準備を進めている。(1)諡号『霊』の用法変遷(2)孔子の諡号の変遷(3)前漢期における諡法の変化(4)『逸周書』「諡法解」載録諡法の変遷(5)『史記正義』所載「諡法解」の異同諡法の通史的研究において究明が必要なこれらの事柄についての論文は、平成22年度より順次、研究誌に発表して行く。
著者
唐来参和
出版者
巻号頁・発行日
1784
著者
山中 一司
出版者
応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.751-757, 2007-07-10
参考文献数
30
著者
小川 真理子
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、東日本大震災被災地におけるDV被害者支援の現状について、民間シェルター、4つの自治体及び関係諸機関のデータを通して考察した。同被災地では、大震災以降、DV被害が増加し被害の質に変化がみられた。経済的暴力等女性への暴力が複雑化、深刻化している。民間シェルターは、同大震災直後から女性への支援を行ない、被災地都心部だけでなく地方部へも足繁く通い、相談、保護、支援を率先して行なってきたが、これらの取り組みは被災地において孤立化するDV被害者が支援にアクセスできる契機となる。民間と行政が連携をはかり、専門性を身につけた支援者や行政担当者を育成していく等早急な支援体制の構築が求められている。
著者
矢嶋 直規
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究 (キリスト教と文化) = Humanities: Christianity and Culture (ISSN:24346861)
巻号頁・発行日
no.50, pp.53-77, 2018-12-15

本稿はヒュームに代表される近代英国哲学の道徳哲学がニュートン派の自然神学をめぐる論争から成立した過程を解明することを目的とする。自然神学論争の中心人物にはクラークとバトラーが含まれる。ニュートン派の自然神学を擁護するクラークは、ホッブズ、スピノザ、ライプニッツ、トーランドを批判する論陣を張っていた。またバトラーの経験論的方法による神学と道徳哲学はヒュームやリードにも影響を与えた。本稿の主たる考察対象は初期バトラーの思想形成の舞台となったバトラー= クラーク書簡である。同書簡では神の存在証明における神の遍在と、神の必然的存在についてのクラークの主張へのバトラーの批判が展開されている。神の遍在は空間・時間論を主題とし、神の必然的存在は因果論を主題とする。バトラーは空間・時間を事物の原因とするクラークの議論を批判し、因果を人間の経験に即したものとして扱う可能性を提示している。また神の存在が必然的であるというクラークの主張を批判することで、形而上学的必然性に基づく対象理解を蓋然的信念の問題へと転換している。こうした議論は後期バトラーの経験主義的道徳論及び宗教論に結実するとともに、ヒュームやリードをはじめとするスコットランド啓蒙思想の経験主義的道徳論を準備する思想となった。こうして本稿はバトラーのクラーク批判に用いられる必然性、蓋然性、思惟可能性などの概念が経験的道徳論の基礎概念とされた次第を解明しようとするものである。
著者
石川祐輔 白木宏明 大松史生
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.535-536, 2014-03-11

海外拠点を持つ企業が各拠点のユーザIDを独自のID管理システムで管理している場合、拠点を跨る異動が発生した際には、異動元の拠点においてIDの削除漏れが発生し、不正利用される可能性があるという課題があった。当該課題を解決するため、各拠点のユーザIDを束ねるメインIDを定義することで、異動先拠点にて承認及び認証のタイミングで、異動元拠点のユーザIDを使用不能とし、異動元拠点におけるユーザIDの不正利用を防ぐ方式を提案する。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.855, pp.36-39, 2014-03-06

「NSAゲート」——。NSAの職員だったエドワード・スノーデン氏の告発によって明らかになった米・英国政府による一連の大量情報収集活動のことを、欧米メディアは1972年に発覚した「ウォーターゲート事件」になぞらえて、こう呼び始めている。 ウォーターゲー…
著者
大墻 敦 田中 孝宜
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.2-23, 2018

放送と通信がすでに融合した欧米では、放送局が主体的にインターネット上の様々なプラットフォームを用いてニュースや映像コンテンツ配信に取組んでいる。CNNデジタルワールドワイド上席副社長兼編集長メレディス・アートリー氏とアメリカ公共放送(PBS)テクノロジー戦略担当副社長エリック・ウォルフ氏を招きシンポジウムを開催した。アートリー氏は「あらゆるデジタルサービスに対応できるモダン・ジャーナリストが必要。」と述べ、さらに「コントロール出来ることと出来ないことを意識すること」などの5つの教訓などについて報告があった。ウォルフ氏からは、公共メディアへの進化を目指すPBSがデジタルサービスだけでなく、全米放送サービスの充実も改めて目指していることについて、子ども向けサービスPBSKIDSを例に報告があった。また、BBCの戦略と2016年に放送サービスを停止しインターネットのみで配信を始めた若者向けチャンネルBBCThreeの成果と課題について、筆者(田中)から、報告を行った。

1 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[307],
著者
宝利 尚一
出版者
北海学園大学
雑誌
北海学園大学人文論集 (ISSN:09199608)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.121-147, 2003-03-31

1 0 0 0 OA 神鳳鈔

出版者
小杉榲邨写
巻号頁・発行日
1876
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.219, pp.56-58, 1998-11-13

大阪府下の東大阪市が発注した「平成10年度公共下水道第16工区管きょ築造工事」。これが全国的に大きな関心を集めた推進工事の正式名称だ。 この工事は同市が初めて予定価格と最低制限価格を事前公表したものの一つ。9月11日に実施した一般競争入札には,同市のB2ランク以上で,類似の推進工事の実績をもつ47社が参加。
著者
片岡 裕介 及川 清昭 浅見 泰司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.829-834, 2004-10-25
参考文献数
19
被引用文献数
2

本研究では,通常,周辺住民から好まれない施設である迷惑施設の配置計画について,距離に基づいた数理的な分析および評価を行うことを目的としている.施設立地の適性を考える際に「公平性」という概念に着目し,不平等度を計量する指標として知られるジニ係数を,住民から施設までの距離に適用したときの数理的把握を行い,その特性について明らかにした.また,清掃工場を想定したときに,「大気汚染」,「電波障害」などの施設立地に伴う,自然・社会的な諸条件に基づいた目的関数を用いた場合での,候補地比較に関する計量的評価法を提案した.以上の分析では,最適地についてのみならず,対象領域内の任意の地点での立地適性度を把握することで,候補地どうしを比較することが可能となること,および,計画の初期段階に要求されるような,複数候補地を挙げる際の手法としての有効性が示された.最後に,実際の配置計画をもとにして,最終的な用地決定に伴う決定要因の優先度の推測を行った.ここでは,各候補地の適性度の値を用いて,現状の施設位置と他の候補地とを比較し,より重視されたと考えられる項目に関する説明の妥当性を検証した.
著者
乙幡 美佐江
出版者
ルーテル学院
雑誌
ルーテル学院研究紀要 = Bulletin of the Japan Lutheran College and Theological Seminary (ISSN:18809855)
巻号頁・発行日
no.52, pp.59-79, 2019-03-01

本研究は、高齢者虐待防止法に基づいたソーシャルワーク支援の実態を精査し、高齢者虐待の予防概念枠組みの項目を確認・修正することで、包括的な高齢者虐待予防支援システムの構築を試みることを目的とした。高齢者虐待の予防概念は根拠が明確ではなかったため、Caplan,G(1964) の予防精神医学の概念を援用し高齢者虐待の予防概念の作成を試み、複合調査法を実施した。1)質的研究として虐待悪化防止の協働プロセスの様相を明らかにするため、13 事例のケース記録を質的内容分析法にて分析した結果、特徴的な6つの取組みがみられた。そして、2)地域包括支援センターにおける取組みについて探索的に量的調査を実施した。両調査の結果から、ソーシャルワーク支援の取組みの独自性として、第二次予防(悪化防止)から第一次予防(未然防止)、第三次予防(再発防止)への一連の循環するプロセスが見られた。これは、支援の既存システムを強化・改変することで高齢者虐待の予防支援システムの構築が可能となることが示唆された。
著者
井部 正之
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.107, pp.74-77, 2008-05

日の出町では、三多摩地区の25市1町で構成する東京たま広域資源循環組合の2つの最終処分場が20年以上も稼働してきた。人口わずか1万6000人の同町はこの組合に所属しておらず、いわば越境処理の形で三多摩地区370万人のゴミを一手に引き受けてきた。 同組合の処分場を巡っては十数年にわたって住民との紛争が続いている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1451, pp.7-8, 2015-02-02

今回のガイドラインは、あくまで「現行電気通信事業法の適用に関するもの」という位置づけである。当然のことながら、新しい制度的枠組が記述されているわけではない。一部には、選挙前の自民党側の動きなどから約款の事前公表などがNTT側の自主的な取組みと…