著者
飯沼 一宇
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.97-104, 2003-03-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
10

近年のめざましいエレクトロニクス工学の発展とともに様々な非侵襲的脳機能検査法が開発されてきた. これらを第1世代: 古典的脳波, 第2世代: 加算を用いた誘発電位, 第3世代二画像再構築を用いたCTとMRI, 第4世代: 画像と機能の統合であるPET, SPECT, fMRI, MEG, MRS, DTI, 第5世代: これらに時間軸を加味した光トポグラフィに仮に分類した.本稿では第4世代と第5世代の検査法についてその原理, 概要と自験例での応用を述べた.小児への応用を考えると, 非侵襲性で簡便な方法の開発が求められている. これらの検査法はまだ開発, 応用途上でもあり, 今後益々応用が広がっていく可能性がある. これにはわれわれ小児神経科医の係わりが不可欠である.
著者
花里 俊廣
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.676, pp.1283-1292, 2012-06-30 (Released:2012-07-27)
参考文献数
18
被引用文献数
1

This paper aims to clarify the social activities by the foreign people of Karuizawa in the summer of 1930. First, we investigate several archival data of the years 1911, 1919, 1930 and 1939 in order to situate the summer retreat area in Karuizawa around the year 1930. Through the investigation of these data, we would be able to find out that, while substantial number of villas owned by forigners have been existed, the ones owned by Japanese have increased rapidly and have started to mixed together. Second, by the analysis on the correspondent articles of the newspaper, The Japan Times, in the summer of 1930, we could understand that their summer activities having been started from a series of Chirstian missionaries meetings and the annual meeting of the Federation of Chiristian Missions, that were followed by the Karuizawa Summer Residents' Accociation tennis tournament, its community concerts, and ended with farewell social gatherings. In addition, all of these activities seems to be well structured in order to entertain both foreign and Japanese occupants.
著者
十代田 朗
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.105-108, 1996-03-29
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

近代におけるわが国のリゾートの成立には,西洋から輸入された「避暑」思想が深く関わっていた。そこで,本研究は,未だ解明されていない「避暑」がわが国で受容され普及し実践されていった過程を明らかにしている。主要な分析結果は,以下の4点である。1)外国人が気候風土の異なる地に「転地」してすごすという「避暑」を輸入し,日本人がそれを模倣し,浸透していった。2)避暑地としては明治中期には,既存温泉地が選ばれたが,その後,外国人は高原を発見し避暑地とした。3)明治後期から避暑地としての繁栄は海浜に移ったが,これは健康意識と深い関連があった。4)避暑のための長期滞在を可能にする宿泊システムが存在していた。
著者
市原 実
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.413-424, 2015 (Released:2015-06-08)

1 0 0 0 OA 序跋集覧

出版者
巻号頁・発行日
vol.[29],
著者
吉岡, 重貞
出版者
巻号頁・発行日
vol.[15],
著者
Toshinori Bito Yu Sawada Yoshiki Tokura
出版者
Japanese Society of Allergology
雑誌
Allergology International (ISSN:13238930)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.539-544, 2012 (Released:2012-12-12)
参考文献数
58
被引用文献数
37

Cholinergic urticaria (CU) has clinically characteristic features, and has been frequently described in the literature. However, despite its comparatively old history, the pathogenesis and classification remains to be clarified. CU patients are occasionally complicated by anhidrosis and/or hypohidrosis. This reduced-sweat type should be included in the classification because the therapeutic approaches are different from the ordinary CU. It is also well-known that autologous sweat is involved in the occurrence of CU. More than half of CU patients may have sweat hypersensitivity. We attempt to classify CU and address the underlying mechanisms of CU based on the published data and our findings. The first step for classification of CU seems to discriminate the presence or absence of hypersensitivity to autologous sweat. The second step is proposed to determine whether the patients can sweat normally or not. With these data, the patients could be categorized into three subtypes: (1) CU with sweat hypersensitivity; (2) CU with acquired anhidrosis and/or hypohidrosis; (3) idiopathic CU. The pathogenesis of each subtype is also discussed in this review.
著者
バリタ マシリアー Balita Masyri’ah
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.15, pp.317-335, 2016-03

昔話というのは地域の人々に流行している話ということである。昔話の始めは、「昔むかし、あるところに・・」という文言が一般に書いてある。筆者にとっては、この文言に強い感想を持っている。インドネシアでも同じように言い、子供のころを思い出すからだ。各国でも面白い昔話があると思う。昔話から学べることが多くあることに気がついた。例えば精神のこと、仕来りのこと、哲学などである。その昔話の意味を深く理解しようとする場合は、言葉だけではなく、昔話を生み出した文化の影響を考えることが必要である。言葉と文化の両方を視野に入れるとき、両者の深い関係の領域には、どのようなことが関わってくることになるだろうか。言葉の意味から文化までを学問分野とすることが可能である。まれには多く話が類似点を持っているが、多くは別の方面に成長している。一般的に昔話は、深い意味を持っているので、そこから、生活様式、感情、人生、自然環境などを簡単に学ぶことができると思う。日本では、昔話に関して柳田国男の著作が非常に人気である。例えば『遠野物語』、『日本の昔話』などである。昔話の主人公には、一般的に良い性格と悪い性格がある。主人公は、必ずしも人間ではなく、動物とか魂の場合もある。動物なら、狐とサルはよく出てくる。その二つの動物は、悪い性格を持っている。いつも他の動物を化かしていて、狡い。インドネシアの昔話にも、そのような動物がいる。カンチルとサルは、一般的に悪い性格を持っている動物である。カンチルという動物はネズミ鹿である。頭が良いが、友だちをよくバカにしている。さらに、インドネシアと日本は遠く離れていても、いくつかの類似点を持っているので、インドネシアと日本昔話を比較研究することができる。実際に、インドネシアと日本の昔話の比較研究がいくつか行われている。例えば、セマラン・ディポネゴロ大学のユリアニ・ラフマーの修士論文、‘Timun Emas (Indonesian Folktale) and Sanmai no Ofuda(Japan Folktale) (Comparative Study of Narrative Structure and Cultural Background)’ である。その先行研究は、インドネシア昔話「ティムン・マス」と日本昔話「三枚のお札」を比較する研究であった。ユリアニ・ラフマーは日本の伝説に関して、非常に興味を持っており、特に日本の昔話を研究していた。様々な日本の昔話を読んだり聞いたりするためには、関連知識として古代の言語の多様性だけでなく、日本社会、日本文化に関する知識を増やすことも必要だと言われている。その上で、日本の昔話にインドネシアの昔話と同じようなテーマがいくつかあることを見つけている。その様々な類似の話の中から、日本昔話『三枚のお札』という話とインドネシア昔話『ティムン・マス』という話を選択している。この研究の中で、三つの課題が指摘されていた。すなわち、1)両国の昔話中の物語構造を明らかにすること、2)両国の昔話中の文化的要素を明らかにすること、3)両国の昔話中では類似点と相違点があることを明らかにすることであった。両国の文化作品は異なる言語なので、その三つ課題を解決するため、比較文学アプローチ、文化的アプローチ、A.J.グレマスのモデルによる構造主義アプローチが使われていた。研究結果においては、物語の構成と文化的要素のいくつかの部分が同じことが見出されたが、両国の昔話の筋書きの特徴と話の生まれた社会生活の違いを見ると、互いに影響を与えてはいないと結論されている。本研究においても、日本昔話とインドネシア昔話を対照研究することを目的としている。ユリアニ・ラフマーと同じように、筆者も昔話に関して強い興味を持っている。しかし、筆者が様々な話を読んだり学んだりするときに、昔話の主人公として様々な動物があることが気になっている。やはり昔話は、読者に影響を与えることができると思うので、主人公の動物がどのように読者に想像されているのかを一つ目の課題とする。そして、異なる文化作品なので、どのような比較分析ができるかを二つ目の課題とする。その上で、その主人公の行動は、分析表の中で良い行動と悪い行動の二つに分けて分類し、その分布から分析して結論を導く。併せて、この研究は、インドネシアの日本語学習者が両国文化の違いを理解する実践的学習に役に立つと筆者は考える。インドネシアと日本は遠く離れていても、いくつかの類似点のある昔話をもっている。研究課題を整理すると、以下の通りである。①昔話の中で、悪い性格と良い性格は、どのように想像されているか。②インドネシアの昔話と日本の昔話の類似点と相違点は、どのような比較分析できるだろうか。具体的な研究方法として、まず日本昔話とインドネシア昔話の情報源を探す。次に、様々な両国の昔話を整理する。そして、両国の昔話から、動物の主人公として人気の高い、カンチル、狐、田螺、猿を取り上げ、主人公の行動を分析表で良い行動と悪い行動に分類・分析し、結論を導く。本研究では、様々なメディアソース(日本昔話の図書、インターネット)等を使っているが、重要なソースは柳田国男の著作、東京外国語大学のウェブサイト、世界神話伝説大系第15巻である。
著者
平嶋 昇 田中 靖人 小林 慶子 島田 昌明 岩瀬 弘明 後藤 秀実
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.644-649, 2009-11-25
被引用文献数
1 1

症例は26才女性.2007年11月21日,AST235 U/L,ALT636 U/L,T-Bil.3.5 mg/d<i>l</i>で紹介を受けた.HBs抗原・IgM-HA抗体・HCV抗体陰性であったがHCV RNA定性(アンプリコア法)は陽性であった.ALTは正常化せず,08年2月8日HCVグループ2,RNA定量3.0 Log IU/m<i>l</i>(リアルタイム法),3月21日肝生検F1A1であったため,3月25日からペグインターフェロンα2aを12週投与してHCV RNAは陰性化した.尚,07年8月頃から付き合い始めたフィアンセは刺青を有し07年11月C型急性肝炎を発生,11月28日HCVグループ2,RNA定量430 KIU/m<i>l</i>(ハイレンジ法)であった.保存血清を用いて分子系統樹解析を名古屋市立大学臨床分子情報医学教室において行ったところ患者とフィアンセはおなじ感染ルートであることが推測された.日本のC型慢性肝炎は高齢化し治療に難渋しているが,若い世代を中心に麻薬や刺青によるC型肝炎感染が散見され性交渉によってさらに拡大しているとも言われている.C型肝炎は感染早期にインターフェロンを投与した方が治療効果は高く早期治療が望ましい.若い世代に対する積極的HCV対策も今後は必要である.<br>
著者
與倉 豊
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.187-203, 2014-09-30 (Released:2017-05-19)

九州半導体産業は,経済産業省の産業クラスター計画や文部科学省の知的クラスター創生事業など科学技術振興施策の元で,システムLSIや三次元実装など競争優位を有する技術を順次導入し,大手半導体メーカーの再編や東アジア諸国の技術的キャッチアップなど時代ごとの環境変化に適応してきた.本稿では,九州における半導体産業の高度化を振興する事例として,九州経済調査協会が事業実施の中核主体となる国際会議の開催事業と,ビジネスマッチング事業を取り上げ,半導体関連企業間の多様なネットワークの形成過程について検討した.分析の結果,2001年の初開催以降,国際会議が多様な国から参加者を集め,国際取引を可能とさせる商業の場として機能していること,また既存の人的ネットワークの強化に寄与していることを明らかにした.そして国際会議で構築された人的ネットワークの活用を目的として,2008年より開始されたビジネスマッチング事業では,継続的な情報交換によって相互に他企業を認知するなかで信頼関係が醸成され,九州内外の企業間で新規取引関係が構築されていることを示した.そのような多様な企業間のネットワーク形成において,半導体技術に関して卓越した知識を有するコーディネーターが重要な役割を果たしていることが示唆された.
著者
松木 雅裕 國島 康晴 鰐渕 敦 井上 隆太 武居 史泰 久滝 俊博
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.149-154, 2016-07-20 (Released:2017-07-21)
参考文献数
17

(目的) 限局性腎腫瘍症例のうち無治療経過観察の方針となった患者の臨床経過を検討した. (対象と方法) 限局性腎細胞癌と臨床診断され,無治療経過観察の方針となった観察可能な15例と即時手術治療を施行した68例を対象とし,後ろ向きに検討した. (結果) 無治療経過観察群の年齢は即時手術治療群と比較し有意に高齢であった(中央値,81対65歳,P<0.01).Charlson Comorbidity Indexは無治療経過観察群で有意に高く(中央値,5対2,P<0.01),経過観察の一因となった合併症を有した症例は10例(67%)であった.無治療経過観察群の原発腫瘍径中央値は2.5cm(1.5~10.1cm)で,両群間に統計学的差はなかった.無治療経過観察群の観察期間中央値は19カ月(6~55)であり,腫瘍増大速度中央値は0.29cm/年(-0.19~0.65)であった.CTによる無治療経過観察後に手術をうけた症例は4例であり,全例淡明細胞癌であった.無治療経過観察群の最終転帰は他因死2例,転移症例1例で,癌死症例はいなかった. (結論) 本検討では1例で転移を認めており,無治療経過観察を選択する場合はその妥当性についてよく検討する必要があると思われた.一方で,無治療経過観察群2例に他因死を認めており,高齢もしくは合併症症例に対して,無治療経過観察は許容できる選択肢の一つと考えられた.
著者
伊佐山 潤子
出版者
文献探究の会
雑誌
文獻探究 (ISSN:03861910)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-6, 1992-09-25
著者
篠原 真毅
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究はマイクロ波によるワイヤレス給電技術を用い、バッテリーレス・電池レスセンサーの実現を目指した研究である。その成果として、1) バッテリーレス・電池レスセンサーに適したマイクロ波を受電・整流するレクテナ(Rectifying Circuit)の開発、特にワイヤレスセンサーの動作状態の変化によっても効率が変動しない反射波利用型RF-DC整流回路と、本広範囲・高効率で動作するRF-DC-DC整流回路の開発, 2) 間欠(パルス)送電による、センサー情報とワイヤレス給電の干渉低減の研究を行い、ワイヤレス給電によるバッテリーレス・電池レスセンサーの開発に成功した。
著者
Osamu Aoki Nobuhiro Tsumura Aiko Kimura Soh Okuyama Satoshi Takikawa Soichiro Hirata
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.113-119, 2009 (Released:2009-07-18)
参考文献数
28
被引用文献数
19 36

[Purpose] The purpose of this study was to assess the effects of home-based knee stretching exercises on knee range of motion (ROM) and gait speed in patients with knee osteoarthritis awaiting total knee arthroplasty. [Subjects] Thirty-six patients with severe knee osteoarthritis were randomly allocated to stretching (n=17) and control (n=19) groups. [Method] The subjects in the stretching group were instructed to perform home-based knee stretching exercises once a day for about 80 days, whereas the subjects in the control group were told to maintain their current level of physical activity. Outcomes assessed percentage changes in the total range of knee ROM in the supine position (S-ROM), pain, gait speed and knee ROM during gait (G-ROM). [Results] The stretching group showed significantly greater improvement in S-ROM, gait speed and G-ROM than the control group (control vs stretching; S-ROM, 0.4 ± 8.6% vs 9.5 ± 16.2%; gait speed, 1.6 ± 11.4% vs 11.6 ± 10.7%; G-ROM, 0.6 ± 15.2% vs 14.2 ± 14.6%; p<0.05 for all). Pain was significantly decreased in the stretching group compared to the control group (median values: -15.6% and 6.5%, p<0.01).

1 0 0 0 OA 事語継志録

著者
奥村保之 編
出版者
国史研究会
巻号頁・発行日
1917