1 0 0 0 OA 松本奎堂書簡

出版者
巻号頁・発行日
1800
著者
有馬 義貴
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.53-58, 2018-03-31

古典の学習においては、作品の内容理解ばかりではなく、その作品が古くから享受され継承されてきたものであるということへの理解もまた重要であろう。実際、現行の中学校教科書には、古典の享受・継承への着目を明確に促している教材や、享受・継承に関する学習に資すると思われる資料が少なからずみられる。それらの有効活用が求められよう。例えば、『竹取物語』について、教科書にみられる挿絵や写本・版本の写真等への着目を契機に、江戸時代における川柳など、後代の文化とも結びついた発展的な享受・継承のありようをおさえ、その上で映画や漫画、現代語訳等をみれば、現代においても引き続きそれがなされていることが理解されてくる。学習指導要領などのいう「言語文化を継承・発展させる態度」の育成のためには、そのように、現代に生きる自分たちも古典の「継承・発展」にかかわりうるのだということを実感できるような学習が必要なのではないか。
著者
宮﨑 尚子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
巻号頁・発行日
vol.2017, no.49, pp.1-8, 2017

現物が確認できなかった大正初期の雑誌「団欒」を十八冊発見したとして,それらの目次を「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査①」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査②」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査④」において紹介した。今回は,その『団欒』の中でも、雑誌『青鞜』の作家でもある加藤みどりについて紹介する。
著者
小林 義和 松尾 浩一郎 渡邉 理沙 藤井 航 金森 大輔 永田 千里 角 保徳 水谷 英樹
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.69-78, 2013-09-30 (Released:2013-10-18)
参考文献数
10
被引用文献数
3

近年,周術期口腔機能管理による全身合併症の予防効果が明らかになり,平成 24 年度から周術期口腔機能管理が保険診療報酬としても評価されるようになった。今回われわれは,周術期口腔機能管理(口腔管理)を行った患者における口腔内の特徴と,歯科的介入が肺炎予防に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,当院で平成 24 年の 1 年間に口腔管理を行った患者 196 名について後方視的に調査した。原疾患への治療法や実施した歯科処置の内容について調査し,依頼の 82% を占めた上部消化管外科,心臓血管外科・循環器内科,耳鼻咽喉科,血液内科の上位 4 科においては,診療科によって口腔内状況や歯科治療に差があるか統計的に分析した。また,上部消化管外科から口腔管理依頼のあった 35 例(口腔管理群)を対象に,口腔管理を行っていない上部消化管外科手術症例(非口腔管理群)129 名と比較して,術後肺炎発症に差があるか検討した。歯科処置に関しては,どの診療科の患者に対しても歯周処置が多く実施されていた一方で,抜歯,義歯への対応は,耳鼻科,心臓血管外科・循環器内科の患者で有意に高かった。上部消化管手術後の肺炎発症率は,非口腔管理群では 7.8%(10/129 例)であったが,口腔管理群では 5.7%(2/35 例)と統計学的に有意に低かった(p=0.04)。 以上の結果より,周術期口腔機能管理の対象者では,何らかの歯科的介入が必要であり,また,依頼元の診療科ごとに口腔内の問題や対応に特徴が現れることが示唆された。さらに,周術期口腔機能管理が全身合併症の予防に効果的であることが改めて示唆された。
著者
高橋 良彰 池松 龍介
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.120-123, 2006

ポリビニルアルコール (PVA) とポリアルギン酸ナトリウム (ALG) の混合系で, ALG組成を2.4, 9.1, 16.7 wt%と変化させたフィルム試料をキャスト, 乾燥後, 濃度の異なるCaCl<sub>2</sub>水溶液に浸漬して作製した相互侵入網目 (IPN) の力学的性質を引張り試験で検討した. ALGの架橋に由来するヤング率の増分&Delta;<i>E</i>は, ほぼすべてのALGモノマーがCa<sup>2+</sup>と結合するまでCaCl<sub>2</sub>水溶液の濃度の増加とともに単調に増加した. より濃い溶液に浸漬した場合, &Delta;<i>E</i>はほぼ一定となり, その値はALGの重量分率にほぼ比例した. 今回用いた重合度程度までのPVA/ALG混合系ではALGの重量分率20%弱までは組成比によってヤング率をある程度制御でき, またALGの架橋の程度はゲル化させるのに用いるCaCl<sub>2</sub>水溶液の濃度によってある程度は制御できることが明らかになった.
出版者
巻号頁・発行日
vol.第187冊,

1 0 0 0 IR ADAの成立過程

著者
中野 善達
出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学リハビリテーション研究 (ISSN:09178058)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.26-28, 1991

1990年7月26日は、アメリカ合衆国の障害をもつ人びとにとって、「独立記念日」ともいわれている。それはこの日、一般法律第101-336号「障害をもつアメリカ人に関する法律(1990年)」(Americans With Disabilities Act of 1990:ADA)が成立したからである。この法律は、正式には「障害に基づく差別の明確かつ包括的な禁止を確立するための法律」 ...
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1508, pp.52-56, 2009-09-21

8月14日、金曜日。インドの小売業界関係者は店頭の様子をハラハラしながら見つめていた。独立記念日である8月15日を中心としたセールのシーズンに突入するが、その中の金曜日は、年間売上高の5%をわずか1日で稼ぐと言われている。 現地ではその直前に新型インフルエンザの流行が始まり、当初は売り上げの大幅な落ち込みが予想されていた。
著者
齋藤 達也 加藤 亮 御田 成顕 Indra Kumara 増田 美砂
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.114, pp.36, 2003

1.目的および方法 本研究では、地理的に隔離され域外への木材の輸送ができないという限定された条件を持つ地域において、人口の動態によって森林がどのような影響を受けるのかを探る。また、その影響を左右する要因について考察する。本研究では、衛星画像によって森林保全の評価を行うために、グランドツルースとして訪ねた地点の座標とその地点の概況を記録した。画像データは、Path:118、Row:57のLandsat TM(1991/6/14)、Landsat ETM+(1999/12/21、2002/5/19)を利用した。また、人口動態を知るために、クラヤン郡の人口統計資料を収集するとともに、ケラビットへ出稼ぎをしている人が多いL村において、全41世帯のうち19世帯に対し、聞き取り調査を実施した。2.調査地の概況 調査地は、東カリマンタン州の東北部のヌヌカン県クラヤン郡(以下、クラヤン)で、マレーシアのサラワク州およびサバ州に境界を接し、面積3170km2,世帯数1957世帯、人口9199人(2001年)である。周囲を山岳に囲まれているため交通のアクセスは悪く、インドネシア側からはヌヌカンとタラカンなどからの空路のみである。陸路は唯一サラワク側との間に1本あるが、国境に入国管理事務所がないため、その陸路もインドネシアの独立記念日に開かれるのみで、自動車を利用した輸送には利用できない。同じ民族が国境をを挟んで両国の山間地域に生活していて、姻戚関係を持つ世帯もあり、日常的な徒歩での行き来もある。サラワク側はケラビット・ハイランドと呼ばれ、マレーシアの経済発展により都市部への人口流出によって、人口の減少及び高齢化が進んでおり、焼き畑地が放棄され2次林が回復しているといわれる。これに対し、クラヤンでは、人口は微増しており、人工衛星の画像からは森林回復は全く否定的と判読された。1960年代の国境紛争時にインドネシア政府によって集村化が行われ、現在27の地区(Lokasi)に89の村(Desa)が集められていて、1つの集落が数村からなることもある。集村化の際には、火事による損害軽減のためにかつてのロングハウス居住形態が解体され、戸別の住居に転換された。ケラビットではロングハウスが残るのとは対照的である。クラヤンの主な産業は米作で年1作であり、生産された米はマレーシアに売りに行き、そこで生活に必要な物を購入してくるというように、クラヤンはマレーシアとの結びつきが強い。また、ケラビットの不足した労働をクラヤンからの出稼ぎが補ってもいる。3.結果 郡長や住民へのインタビューから、現在クラヤンにおいては焼き畑を行っているものはほとんどいないことがわかった。理由は、焼き畑による陸稲栽培は多大な労力の割に収量が少なく、水稲栽培を選ぶからである。しかし、クラヤンでは樹木がない山が多く見られ、その理由については野焼きの火が飛び火し、コントロールが効かなくなり山火事になったためと説明された。特に、1997年は山火事がひどかったとのことである。L村では、徒歩で8時間のケラビットのバリオに出稼ぎに行く者が多く、中にはバリオに水田を借りて水稲栽培をしている世帯もあった。つまり、自分の水田で生産した米の売却と出稼ぎによって得る収入が家計を支えている世帯が多い。森林利用については、チェーンソーを19世帯のうち12世帯が所有し、自己消費の薪炭材および建築用材を近くの山から伐採している。また、伐採した材は水牛によって搬出し、クラヤン郡内の町に売りに行くこともある。チェーンソーを持たない世帯でも、親戚から借りることによって必要な木材を調達している。4.考察 人口動態は、経済格差により生じることがあり、それによって森林の保全に差異を生じることが上記の調査によってもわかる。ケラビットでは、国内の経済格差により人口が流出し、それによって焼き畑が放棄され森林が回復している。これに対し、クラヤンでは経済危機から回復しない国内の都市部に向かうよりも、隣接するマレーシアに出稼ぎに出かけ、それによって生計が安定的に支えられ、人口を維持することができる。しかし、それにより山火事の原因となる野焼きの機会が多くなり、森林が消失していると考えられる。このように国内の経済発展により、森林のある山間部から人々が流出することによって、森林は保全されるのかもしれない。しかし、これはケラビットやクラヤンのように木材の搬出路を持たない場合である。つまり、木材資源があってもそれが経済的な価値を持たなければ、商業的な森林伐採は成立しない。現在、クラヤンと外部とを結ぶ道路が計画されている。この道路が開通したとき、この地域の森林がどのような変貌を遂げるのか、興味深い。また、クラヤン内にはカヤン・ムンタラン国立公園があり、エコツーリズムも期待される。

1 0 0 0 OA 湖月抄

著者
北村季吟
出版者
村上勘左衛門[ほか3名]
巻号頁・発行日
vol.[41], 1673
著者
渡邊 卓
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.11, pp.3168-3174, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
15

検体検査においては,検査室での分析・測定の過程と同様,検体を採取し,これを検査室に搬入するまでの過程にも検査結果に影響を及ぼす可能性のあるさまざまな要因(preanalyticalな要因)が存在する.検体検査を適正に行いかつ評価するため,臨床医はpreanalyticalな要因について正しい認識を持つ必要がある.
著者
入口 晴香 森 勉 甲斐 裕介 長田 真由美 大垣 敏弘 佐藤 孝臣
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.214, 2009

【はじめに】<BR> 左片麻痺を呈しながらも主婦として家事全般に取り組んでいる女性(以下、A氏)と出会った。A氏は高い能力を持ちながらも、生活や人生に対して悲観的であり、背景に「効率の良い家事ができていない。」という質に対する不満を抱いていることが伺えた。<BR> そこで、家事動作の質の向上を目標とした環境作りや心身機能の促進を行い、活動・参加の質の向上に繋げることができた。さらに、このことが希望を持って前向きに生きるきっかけとなり、様々なことに挑戦を始めるという良い循環を作ることができた。以下、経過をふまえ事例報告をする。<BR>【事例紹介】<BR> 60代女性。H20.2脳梗塞を発症し左片麻痺を呈する。K病院、Y病院を経てH20.7自宅退院。要介護1の認定を受け、H20.9より当施設利用開始(2回/週)。夫・息子と3人暮らしの現役主婦。以前より多趣味で洋裁・踊りなどをしていた。地区の民生委員を務めるなど社会参加も活発であった。<BR>【利用開始時評価】<BR> BRS(Rt):下肢-上肢-手指:VI-VI-II。Mental:認知症なし。感情失禁あり。「誰とも会いたくない」「迷惑がかかる」と悲観的な思考・発言多い。移動は両側金属支柱付き短下肢装具・T-cane使用にて自立だが立位・歩行時の不安定さあり。5m歩行:23.59秒。3m折り返し歩行:24.59秒。立ち上がり10回:24.59秒。握力:右18.5kg。FIM:107/126点。<BR>【経過と変化】<BR> 利用初期より意図的に、脳卒中後遺症を呈する主婦や障害受容の進んでいる利用者と過ごし意見交換、共感、叱咤激励を受けられるよう環境設定をした。そのような環境の中で、A氏は徐々に自己の障害と向き合い、希望を口にするようになった。同時に立位・歩行の安定性向上を目指した運動を取り入れ、まずは家事動作においての上肢の自由度向上に繋げることを目標とした。半年後、身体機能に関しては5m歩行:9.44秒。3m折り返し歩行:18.4秒。立ち上がり10回:10.63秒。握力:右25kg。と向上し、屋内移動が両側金属支柱付き短下肢装具使用での独歩自立となり、立位・歩行も安定した。上肢の自由度も増し家事における速度や効率が向上し、「皿洗いがしやすくなった。」「中腰で草取りをしている。」などの報告が聞かれた。更に現在、発症以前に行っていた洋裁、友人との散歩などを楽しまれている。また、「今後したいこと」として自らの生活をまとめた冊子作り、ミシンがけなどが挙げられている。<BR>【考察】<BR> 今回A氏は、まず利用者との関わりで希望を持つきっかけができた。加えて、活動性の向上により、実際の家事場面において効率が上がったことを実感した。そして現在、生活の多岐に渡り工夫を凝らしながら前向きに取り組み、できることを増やしつつある。今後、A氏との出会いによってまた新たな希望が生まれていくことを期待している。A氏の生活の質の向上が、脳卒中片麻痺を呈する主婦の方々の希望となることがA氏の望みでもある。
出版者
巻号頁・発行日
vol.160 上州沼田城絵図,

1 0 0 0 OA 絵本辰巳巷談

著者
泉鏡花 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1920
巻号頁・発行日
vol.第99冊, 1000
著者
河場 基行 安里 彰 斎藤 淳 加納 賢 深谷 俊晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.74, pp.133-138, 2000-08-03
参考文献数
7

マルチスレッドプロセッサのマイクロアーキテクチャの検討を行なうため,TaMTaMシミュレータを作成した.このシミュレータはトレースドリブン方式かつ非サイクルベース方式の高速なシミュレーションを特長とする.TaMTaMシミュレータを用いて,命令フェッチ時のスレッド選択方式(icount方式,ラウンドロビン方式,キャッシュミス方式),命令フェッチ幅分割方式に関して,FFTプログラムを対象に比較検討を行なった.icount方式とラウンドロビン方式の性能が良いが,これら2方式の性能差が3.6%と僅かであること,また命令フェッチ幅分割は,2つのスレッドより同数フェッチする方式で十分性能が得られることがわかった.We have developed a trace-driven simulator for multithreaded processors, called TaMTaM, in order to investigate the behavior of multi-threading applications. Because the TaMTaM is not a kind of cycle-based simulator, its feature allows us to evaluate faster than cycle-based simulators. Through the TaMTaM simulation we studied the strategy of fetching instructions and partitioning fetch bandwidth. As for the FFT program derived from the SPASH2 suite, the icount method can improve the CPU throughput(IPC) the best among several strategies, while the round-robin method is comparable with the icount method. Also we have found the 50%-50% fetch bandwidth partitioning, which fetches the same number of instructions from 2 threads, achieves enough throughput gain.