著者
南部 恭二郎 櫻井 康雄 伊関 洋 苗村 潔
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.282-287, 2005-05-01
被引用文献数
4

1. 犯人探しから潜在的危険源の解消へ 手術中に医療ミスがあったとして医師が刑事告発される事例が急激に増えている. これに対して, 手術室に居合わせた医師がいつでも犯人にされかねないようでは, 難しい手術をやろうとする者はいなくなってしまう, という意見がある. 民事訴訟にとどまらず, 刑事責任まで問うことが妥当なのかどうかは法学の問題だろう. しかし, 社会利益の観点からは, 事故は原因を究明して再発を防止することがまず肝要であり, そのためには, 何が起こったのかを正確に知ることが必須である. ほとんどの事故は, 複数の要因が重なり合ったところで起こる. つまり, それらの要因のうち一つでも生じなかったなら事故には至らなかったということであり, 執刀者の行為にばかり注目するのではなくて, 他の要因もことごとく洗い出さなくてはならない. 誰がどんな間違いをしたかに興味の中心がある「犯人探し」の発想では, かえって真実の解明が妨げられることになる.
著者
大村 公仁子 赤羽 ひろ 中浜 信子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.22-27, 1978
被引用文献数
8

寒天ゲルの破断特性を検討するため, 定速圧縮破断試験により, 応力-ひずみ曲線を得, 破断ひずみ, 破断応力, 破断エネルギーを求めた。また, レオロメーターによるテクスチャー特性値およびカードメーターによるゼリー強度の測定を行い, 次のような結果を得た。<BR>1) 寒天ゲル, 砂糖-寒天ゲルの応力-ひずみ曲線は, ほぼS字状曲線となり, 破断点と降伏点が一致した.また, その破断状態は脆性破壊を示した.<BR>2) 寒天ゲルの破断ひずみは0.25~0.35であった.寒天濃度の増加に従い破断ひずみは増加したが, 比較的変化は少なかった.<BR>3) 寒天濃度0.8~2.0g/100ml, 圧縮速度0.4~4.0cm/minの範囲で, 寒天ゲルの破断応力は0.55×10<SUP>5</SUP>~4.34×10<SUP>5</SUP>dyn/cm<SUP>2</SUP>であった.同様の測定範囲で破断エネルギーは0.52×10<SUP>4</SUP>~5.77×10<SUP>4</SUP>erg/cm<SUP>3</SUP>であった.ともに寒天濃度の増加および圧縮速度の上昇に伴い著しい増加が認められた.<BR>4) 砂糖-寒天ゲルの破断ひずみは寒天濃度1g/100ml, 砂糖濃度0~60%の範囲で0.27~0.39であり, 砂糖濃度の増加に従い直線的に増加した.また, 同様の測定範囲で破断応力は1.08×10<SUP>5</SUP>~3.47×10<SUP>5</SUP>dyn/cm<SUP>2</SUP>, 破断エネルギーは1.05×104~5.07×10<SUP>4</SUP>erg/cm<SUP>3</SUP>であり, ともに砂糖濃度の増加に従い著しい増加が認められた.<BR>5) 破断ひずみは凝集性と有意の相関を示し, 破断応力は硬さ, ゼリー強度, もろさと有意の相関を示した。破断エネルギーは硬さと有意の相関を示し, 破断応力, 破断ひずみに対しても有意の相関を示した.<BR>6) 寒天ゲル, 砂糖-寒天ゲルについて, 破断応力と破断エネルギーとの間の回帰式が得られた.魚肉ソーセージ, バナナの破断応力と破断エネルギーはこの回帰式からかなり離れた点に位置した.食品の性状により破断ひずみ, 破断応力, 破断エネルギーの関係はかなり異なるものと思われる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.353, pp.74-77, 2004-06-11

補修材料は対策が必要な面積に応じて決めるのが基本だが,施工にかかる時間やコストも重要な判断の要素となる。材料を覆工コンクリートに固定する際,コンクリートを傷めると再劣化する恐れがあるので,ボルトの施工にも気を配る。 覆工がはく落しそうな部分は,まずは点検や調査の際にたたき落としておく。

1 0 0 0 OA 新樂府1卷

著者
唐白居易撰
出版者
片山舍正刊
巻号頁・発行日
1650
著者
Yan Du Jing Lin Likun Lan Ying Dong Jun Zhu Wen Jiang Xinyao Pan Youhui Lu Dajin Li Ling Wang
出版者
International Research and Cooperation Association for Bio & Socio-Sciences Advancement
雑誌
BioScience Trends (ISSN:18817815)
巻号頁・発行日
pp.2018.01044, (Released:2018-06-28)
参考文献数
21
被引用文献数
4

Noninvasive prenatal testing (NIPT) is increasingly recognized and utilized in the antenatal care field. In the current study, we aimed to evaluate the clinical application and compare test outcomes of two generations of currently used NIPT techniques for detecting fetal chromosome abnormalities in a high-risk prenatal population. A total of 7,252 pregnant women were included from twenty-one hospitals from January 2015 to September 2017. A maternal blood sample of each participant was collected for fetal DNA sequencing. Group I received a first generation NIPT sequencing technique to detect chromosome aneuploidies, and Group II received a second generation NIPT sequencing technique to detect subchromosome abnormalities. An abnormal NIPT result was reported in 0.90% (44/4,868) of the women in Group I and 2.68% (64/2,384) in Group II. In Group I, seventeen (17/37, 45.95%) women with suspected fetal aneuploidy received amniocentesis, which confirmed 100% (10/10) of positive trisomy 21 samples, 100% (1/1) of trisomy 18, 100% (1/1) of sex chromosome abnormality, 0% (0/2) of trisomy 16, 0% (0/2) of trisomy 13, and 0% (0/1) of trisomy 20 and 13. In Group II, aneuploidy accounted for 46.88% (30/64) of the abnormal results. Five underwent amniocentesis and three had an abnormal result, including two cases of trisomy 21 and one case of chromosome 5p deletion syndrome. Whereas one case of 46,XN,del(16q11.2-q22.3) and another case of 46,XN,dup(Xp22.31) were considered as normal. NIPT is a quick and reliable screening method for detecting fetal chromosome aneuploidies and subchromosome deletions/duplications. Challenges remain for the comprehensive clinical application of NIPT.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.351, pp.82-85, 2004-05-14

今回は,西日本旅客鉄道(JR西日本)が行ったトンネル点検の詳細と,「個別検査」と呼ぶ調査について解説する。損傷状況の判断基準が人によってばらつくのを防ぐため,同社ではイラスト入りのマニュアルを独自に整備して点検。
著者
亀田 裕介 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.J292-J298, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
14

映像上の動きの算出にはオプティカルフロー推定が用いられているが,奥行き方向の速度は分からない.シーンフローは,ステレオ法とオプティカルフロー推定の拡張版から算出するステレオ映像上のベクトル場であり,奥行き方向の速度を復元できる.シーンフローにより被写体とカメラの3次元的な運動が推定でき,障害物検出や自己位置推定などに利用できる.従来のシーンフロー推定法では,シーンフローの正則条件による過平滑を防ぐために非線型方程式の数値計算が必要であった.さらに,その数値的安定性が画像と正則条件の係数に依存していたため,適切な係数の探索も不可能であった.本稿では,従来のアルゴリズムをまとめ直して単純化し,数値的安定条件の導出により,任意の計算条件で計算できる手法を提案する.これにより,適切な正則条件の係数の探索が可能になる.さらに,誤差解析により,提案法の数値解の精度向上を実証する.
著者
明張溥輯
巻号頁・発行日
vol.第27-28冊, 1000
著者
和田 七洋
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:03896684)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.89-87, 2011

同じモティーフを反復的に使用することは視覚伝達デザイン作品においてよく見られる表現の一つである。モティーフをそのように利用することによって個と全体を同時に表し、それが与える印象は、その使われ方によって異なる。この論考では反復表現が使われている視覚伝達デザイン作品を収集、鑑賞し、それらの効果について考察を行い、それをもとに作られた自身の作品について述べる。

1 0 0 0 OA 訳官記録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
石橋 隆幸 塩田 達俊
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ナノ領域での磁気特性を評価するため、アパーチャーレスプローブを用いたSNOMの構築と、偏光特性の調査をおこなった。その結果、約10 nmの空間分解能と良好な偏光特性を実現するとともに、アパーチャーレスSNOMにおいて問題であった背景光と信号光の分離に成功した。FDTDシミュレーションでは、実験で得られた偏光特性をほぼ正確に再現することに成功し、プローブ周辺の電場分布を理解することができた。さらに、時間分解測定を実現するための装置の構築を行った。