著者
阿部 敦子 池田 隆徳 柚須 悟 中村 健太郎 石黒 晴久 塚田 雄大 信太 研二 宮山 和彦 加地 英生 四倉 正之 吉野 秀朗
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.54-61, 2005

症例は28歳男性.生来健康.突然死の家族歴あり, 残業が続いていた週の朝, 起床後に突然倒れ意識消失となる.救急隊が到着した時の心電図で心室細動が記録されたため, 直ちに電気的除細動が行われ, 当院に搬送された.12誘導心電図では下壁・左側壁誘導でJ波がみられ, そのJ波は日内・日差変動を示した.心拍変動解析では迷走神経活動が夜間~早朝で著しく亢進していた.冠攣縮性狭心症を除外するため, 右冠動脈にアセチルコリンを少量負荷したところ, ST-T変化を伴うことなく突然に房室ブロツクが誘発され, その直後に心室細動が発症した.電気的除細動が頻回に行われたが, 心室細動は停止と再発を繰り返し, 35分後にようやく洞調律を維持した.その10日後に除細動器の植込み術を予定したが, その当日の早朝に再び心室細動が頻発し, 約3時間の心肺蘇生と電気的除細動に反応することなく院内突然死に至った.剖検では心臓に器質的異常は認められなかった, 下壁・左側壁誘導で記録されたJ波と迷走神経活動の亢進が, 心室細動の発現に関与した異型Brugada症候群症例と考えられた.
著者
フィシェッティ M.
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.13, pp.92-100, 2007-12

毎日,何十億もの食品が袋詰めにされて,消費者の口元へと運ばれているが,食品汚染はきわめてわずかしか発生していない。しかし,2001年9月11日の同時多発テロ事件以来,テロリストが人を殺したり,国民の信頼失墜による経済麻痺を目論んで食べ物に毒を紛れ込ませるかもしれないという懸念が「食品防衛」の専門家の間で高まっている。
著者
勝俣 恒久 原田 亮介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1209, pp.124-127, 2003-09-22

"強者"の手足を縛る自由化推進論には反論する。(聞き手は本誌編集長、原田 亮介) 問 冷夏の影響もあって、懸念されていたこの夏の「電力危機」は何とか回避されました。 答 はい。最高気温35度が連日続けば、ピーク時の電力は6450万キロワット程度に達すると見ていましたが、実際のピークは5650万キロワットでした。800万キロワットの差が出たわけです。
著者
熊谷 成子 佐川 了 星野 次汪
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1068-1072, 2009-11
被引用文献数
1

雑穀の定義にもよるが、雑穀は世界中で20種類ほどが栽培されている。雑穀の栽培の歴史は古く、世界中の人々にとって、食料、油料、アルコール用、行事食用などとして雑穀は生活の中で重要な役割を果たしてきた。戦前までの日本では、雑穀が畑作や輪作体系の中で重要な位置を占め、地域によっては主食として、あるいは地域固有の食文化資源作物として利用され、現在でも伝統祭事などと強く結びついている。しかし、戦後の日本では、雑穀はコメやムギと異なり主要食料ではないため、研究対象となることは希で、最近まで雑穀に陽が当たることは少なかった。そのため、現在栽培される多くの雑穀は在来系統で、長稈種が多く、脱粒しやすく、多肥栽培や機械化には不向きで、収量が低い。しかし、雑穀は、世界規模での主穀の大量生産、大量消費とは対極にあることから、地域に根ざした高付加価値作物ともいえる。最近では食の多様化や雑穀のもつ有用成分に注目が集まり、雑穀ブームを迎えている。現在の雑穀に対する国民の信頼に応え、健康食への追い風を定着させるためにも、研究から生産、流通、加工、販売、調理までの一連の態勢確立が早急に求められる。そこで、本稿では雑穀などの用語に注目し、その生産の現状を考察し、問題点を整理してみたい。
著者
藤部 文昭
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.643-653, 1998-08-31
参考文献数
19
被引用文献数
15

関東平野の内陸域で著しい高温(日最高気温≧36℃)の観測される日数が大幅に増えている実態を示し, それをもたらした要因を1961〜96年の気象官署資料等を使って検討した.猛暑日の一般風を西寄り(W型), 北寄り(N型), 弱風(C型)の3つに分け, それぞれについて日最高気温や850hPa気温の経年変化を観察した.その結果によると, 著しく高温な気団におおわれる晴天日(850hPa気温≧21℃で日照時間≧8時間)が1980年代以降に高い頻度で現れている.従って, 猛暑日数の増加, とりわけ38℃以上の極端な猛暑の頻発には総観的な要因がかかわっていると考えられる.一方, W型とC型については850hPa気温の変化を除いてもなお, 内陸域の日最高気温には明らかな経年上昇が認められ, これらの型の猛暑日数増加には都市化が影響していると推測される.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.226, pp.70-73, 2003-07

ようやく明るくなりかけた午前四時。中央タクシー(長野市、宇都宮英遠社長)の乗務員詰め所には、電話機のモニタースピーカーを中心に車座になった運転士達がいた。ボイスメールの内容を聞き逃すまいと皆、真剣な表情だ。 「総売り上げの八割弱を占める電話注文をもう一歩押し上げ、三期連続の赤字から回復を目指そう。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1771, pp.10-13, 2014-12-22

それが、消費増税の延期への抵抗を封じる意味合いが大きかったとはいえ政権奪還から2年で総選挙に踏み切らざるを得なかった。「この国の首相を中心とする統治システムが依然として脆弱であることの証左だ」と野中尚人・学習院大学教授は指摘する。 今回の…
著者
田中 正人 玉井 良則
出版者
福井大学
雑誌
福井大学大学院工学研究科研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-9, 2009-03-31

A molecular dynamics simulation was carried out in order to investigate a peculiar permanent densification phenomenon for SiO_2・K_2O・CaO・SrO glasses of an invert composition, i.e., the fraction of SiO_2 lower than 50 mol%. The phenomenon was previously observed by an experiment by high pressure treatment: the densities of permanently densified glasses exhibit a maximun value at 3 GPa (Kawamoto et al., J. Non-Cryst. Solids, 284, 128(2001)). In our simulation, the density profile was qualitatively reproduced: the density after decompression exhibits a maximum at treatment pressure 12 GPa. After decompression, the five-and six-coordinated Si species, which promote a network at high pressure, remain mostly at treatment pressure of 12 GPa, where the density exhibits a maximum.
著者
高田 琢弘 湯川 進太郎
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.132-140, 2014-11-30 (Released:2015-07-24)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Effects of winning versus losing, emotional states, and perceived luck on gambling behavior were experimentally examined among Japanese undergraduates. Participants (21 males and 21 females) performed a Game of Dice Task that consisted of 18 gambling trials. Their emotional states and perceived luck were assessed before the first trial and after every trial. The results indicated that after participants experienced wins, compared to losses, their emotional state became more positive and aroused, and their perceived luck increased. Additionally, their next gambling choice became more cautious after participants experienced losses, compared to wins with cautious gambling. These results suggest that the effects of winning versus losing are significant for understanding the mechanisms of gambling behavior.
著者
高坂 正尭
出版者
中央公論新社
雑誌
中央公論 (ISSN:05296838)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.38-49, 1963-01
著者
荒木 一視 岩間 信之 楮原 京子 熊谷 美香 田中 耕市 中村 努 松多 信尚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.526-551, 2016 (Released:2017-03-29)
参考文献数
40
被引用文献数
2

東日本大震災を踏まえて,広域災害発生時の救援物資輸送に関わる地理学からの貢献を論じた.具体的には遠くない将来に発生が予想される南海トラフ地震を念頭に,懸念される障害と効果的な対策を検討した.南海トラフ地震で大きな被害が想定される西南日本の太平洋沿岸,特に紀伊半島や南四国,東九州は主要幹線路から外れ,交通インフラの整備が遅れた地域であると同時に過疎化・高齢化も進んでいる.また,農村が自給的性格を喪失し,食料をはじめとした多くを都市からの供給に依存する今日の状況の中で,災害による物資流通の遮断や遅延は,東日本大震災以上に大きな混乱をもたらすことが危惧される.それを軽減するためには,迅速で効果的に物資を輸送するルートや備蓄態勢の構築が必要であるが,こうした点に関わる包括的な取組みは,防災対策や復興支援などの従来的な災害対策と比べて脆弱である.
著者
石川 菜央 岡橋 秀典 陳 林
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.502-515, 2016 (Released:2017-03-29)
参考文献数
12

筆者の3人は,広島大学大学院の分野融合型のリーディングプログラムであるたおやかプログラムにおいて,現地研修の企画,実施を担当してきた.筆者らは,ともに地理学を学問的バックグラウンドとしてもっている.本稿では,地理学で培われた地域への視点や調査法が,分野融合型教育における現地研修にどのように貢献し,そして実施後にいかなる課題が残されたのかを考察した.検討の結果,事象を地域内の文脈でとらえ,さまざまな要素と関連づけて地域を総合的に把握する視点や,現地調査でオリジナルなデータを得る方法などが研修にも有効であった.また,これまでの地理学的研究では控える傾向があった,地域内の現象の比較的早期の一般化や,課題を解決するための具体的提案も研修という見地から学生たちに積極的に行わせた.今後は,長期間にわたって地域に繰り返し足を運び,さらに研究を深めることや,より長期の現地研修と効果的に結びつけることが課題である.

1 0 0 0 OA 大百科事典

著者
平凡社 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第3巻, 1935

1 0 0 0 OA 大百科事典

著者
平凡社 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第1巻 第2冊, 1939