著者
池田 一 吉田 真也 風間 宏 小渕 光昭 神野 忠広
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_85-I_92, 2016

火山災害は,洪水災害等とは異なり発生頻度が低いため,災害経験がある行政職員や地域住民等はごく限られる.また,噴火に伴い発生する現象は多様でかつそれらの規模は大きいという特徴があるため,火山噴火時の災害状況をイメージすることは難しい.このため,火山災害のレジリエンス強化に向けては,災害状況の疑似体験ができるロールプレイング方式による,実践的な防災訓練が有効と考えられる.<br> 群馬県と長野県の県境に位置する浅間山では,周辺の関係機関により組織される火山防災協議会により,浅間山の火山噴火を想定したロールプレイング防災訓練を平成20年よりこれまでに9回開催してきた.本研究では,過去9回の浅間山ロールプレイング方式防災訓練の結果を分析し,火山災害に対してレジリエントな地域社会をつくるための課題を抽出するとともに,解決策を提案した.
著者
上田 紘司 山田 浩也 石田 悠朗 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp."2A2-K03(1)"-"2A2-K03(3)", 2013-05-22

For robot arms, wrist mechanisms are important elements for handling ability. We have proposed a heavy-duty wrist mechanism with a large motion range named, "2-DOF Spherical Parallel (2DSP) mechanism." The 2DSP mechanism is driven by a 2-DOF spherical parallel mechanism and supported by a universal joint located at its center. In this paper, we propose a method to maximize workspace in avoidance of singularities or too small output torque. The test model was developed, and the feasibility of the proposed method was verified.
著者
後藤 芳彦 佐々木 央岳 鳥口 能誠 畠山 信
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.461-472, 2013-09-30 (Released:2017-03-20)

北海道クッタラ火山登別地熱地域,大湯沼の北東200m地点において,トレンチ調査(深さ6.3m)を行い,登別地熱地域の噴火史を解明した。トレンチ断面の層序は,12層の水蒸気噴火堆積物(厚さ3-100cm)と,それらに挟在するB-Tmテフラ,Us-bテフラからなる。12層の水蒸気噴火堆積物は,変質したデイサイト質石質岩片(最大粒径80cm)と粘土質のマトリクスから構成され,サグ構造を示すことから,登別地熱地域から噴出したと考えられる。各々の水蒸気噴火堆積物は土壌層を挟在し,12回の噴火が休止期を挟んで繰り返し起きたことを示す。水蒸気噴火堆積物の直下土壌層の放射性炭素年代測定値,および広域テフラとの対比により,水蒸気噴火は,約BC6450年,BC5370年,BC3980年,BC3440年,BC1990年,BC1710年,BC1280年,BC900年,BC200年,AD980年,AD1480年,およびAD1663年以降に起きたと推定される。登別地熱地域では,過去8500年間に12回以上の水蒸気噴火が起こり,噴火の頻度は700年に1回程度であると考えられる。
著者
塩谷 尚正 中原 洪二郎 土田 昭司
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.113-119, 2013-11-30 (Released:2017-02-27)

Previous studies have shown the positive effects of collective efficacy on community collective actions. As a predictor of collective efficacy, while behavioral social connectedness has shown a positive effect in some studies, the effect of cognitive social connectedness is little known. In this study, the perceived intragroup relationship (Yuki, 2003) was applied in order to investigate the relation among perceived intragroup relationship, collective efficacy, and the intention of participating in community development. We distributed questionnaires to 500 citizens and analyzed data that were collected from 121 respondents. The result of correlation analysis showed a positive relation among the intention of participating, collective efficacy, intragroup relational cognition, and behavioral social connectedness. Furthermore, a determinate process model of the intention to participate was examined using path analysis. The results indicate that perceived intragroup relationship has a positive correlation with social connectedness behavior and a positive effect on collective efficacy, but social connectedness behavior does not have a significant effect on collective efficacy.
著者
大沼 直治
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.485-496, 1988

東北インテリジェント・コスモス構想は, 東北地方の学術・技術・情報の集積を高めることにより, 日本の第三の極を作り上げ, 21世紀へ向けての日本ひいては世界の発展に貢献しようとするものであり, 国家プロジェクトとしての道を歩み始めている。その構想の概略と経緯について述べた。また, 産・学・官の協力の下に, マスタープランの策定, 実践的活動およびネットワーク作りを進めていくための今後の課題にも触れた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.863, pp.125-127, 1996-10-28

薬害エイズ問題は歴代3社長逮捕という空前の企業事件になった。医療機関の不買運動で業績は悪化,大幅なリストラに乗り出す。新体制で信頼の回復を目指すが,企業イメージの刷新は容易でない。9月26日の取締役会で社長に就任しました。川野前社長は姿を見せないまま,後継人事が決まりました。
著者
眞島 英壽
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

松本達郎(1913 – 2009)は約70年に渡る研究活動を通じて,日本の地球科学界を学術的・精神的に牽引した.松本の学術貢献は層序・古生物学を中心として多岐に渡るが,1977年九州大学退官後に研究領域を中生代古生物学に狭めたため,その実像が忘れ去られつつある.松本の退官前の10年間に当たる1967年~1977年にかけて,彼が担当した九大層序学講座は,日本におけるプレートテクトニクス導入,特に四万十帯への付加体論の導入に重要な役割を果たした.一方,松本の東大同級で,プレートテクトニクスに批判的な立場を取った井尻正二は,1949年に九州大学から博士号を取得している.また,東大の先輩である小林貞一の佐川造山輪廻に対して,松本は一貫して批判的な立場を取った.松本の地質哲学・思想を知ることは,戦後の日本地質学史や望ましい地球科学の方法論の理解に重要である.本講演では,松本の著作及び直接交流のあった方々からの伝聞・聞き取りに基づき,松本が日本におけるプレートテクトニクス受容に果たした役割について考察する.松本は1964年に地向斜に焦点を絞った研究を開始し,多くの研究者を組織して「地向斜堆積物の総合研究」(1967 – 1969)を行った.その成果は二つの地質学論集にまとめられている(松本,1968; 松本・勘米良, 1971).1972年には,白亜紀初頭の東アジアにおける大規模珪長質火成活動の説明という問題はあるものの,プレートテクトニクスを積極的に評価すべきであると表明した(松本, 1972).同年には勘米良亀齢・岡田博有を地向斜堆積作用国際会議(ウィンスコン州マディソン)に派遣している.1974年に九大大学院に入学した坂井卓は初めの課題として,世界の変動帯についてまとめることを指示されている.1975年から坂井,勘米良によって日南層群の研究が公表されるようになり,付加体論構築への動きが始まる.日本の造構論はStille学派の影響が大きく,ユーラシア大陸側からの営力を仮定して日本の造構進化を理解しようとする傾向が根強くある.四万十帯への付加体論の導入は,造構作用の営力源の大陸から大洋への転換というパラダイム転換でもあった.松本は対馬の現地調査(1943-44)に基づく対馬―五島断層の提唱時から,白亜紀末以降,大陸と日本が同断層によって画され異なる造構区に属すると理解していた(松本, 1969).また,北薩の屈曲,日南の綾状擾乱および四国海盆の北西縁がほぼ一直線になることを指摘すると共に,四国海盆の形成が前期~中期中新世であることを予測している(松本, 1961).このように,九州が大陸と異なる造構区に属することを理解するとともに,九州の地質構造と海洋の関係性に注目した松本の洞察力が,九大層序学講座においてプレートテクトニクスの受容がいち早く行われた原因である.九大層序講座におけるプレートテクトニクスの受容は,流行のa prioriな仮説の受容としてではなく,九州の地質の特徴を説明しうるposterioriな仮説の受容として松本を中心として行われた.以上から,松本が日本の地質学分野でのプレートテクトニクス受容の初期段階における推進力であったと結論づけることができる.

1 0 0 0 天文年鑑

著者
天文年鑑編集委員会 [編]
出版者
誠文堂新光社
巻号頁・発行日
vol.1962年版, 1961

1962年1~12月の空,日食と月食,星食,太陽黒点,各遊星,人工天体等を解説。 (日本図書館協会)
著者
坪田 朋子 黒木 薫 菊地 伸 渡邉 好孝
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb0599-Eb0599, 2012

【はじめに、目的】 東日本大震災発生から約8ヶ月間,宮城県理学療法士会(以下,県士会)では災害対策本部を立ち上げ,被災住民および会員の支援活動を展開している.誰もが初めて経験する甚大な被害に対して,理学療法士として何を求められ何をすべきか,試行錯誤を繰り返している.行政機関や県士会会員の多くが被災し混乱する中で,全国からの理学療法士ボランティアを受け入れ,関係各団体と調整を行いつつ被災住民のニーズに合った活動をコーディネートすることは困難を極めた.また今回は日常的な医療・保健福祉の連携の充実度が災害時の支援体制構築に大きく影響した.そこで災害対策本部の活動を報告するとともに,今我々がすべきことについて考察する.【方法】 平成23年3月15日 災害対策本部設置.本部長・副本部長任命.会員の安否確認を開始.3月17日 県士会ホームページによる情報発信開始.3月20日 宮城県健康推進課からの支援要請受託.3月23日 県士会ボランティア募集開始.3月24日 理事会・災害対策委員会開催.災害対策本部内に事務局・住民支援班・会員支援班を設置.3月25日 県内各地の保健福祉事務所所属理学療法士からの情報収集開始.避難所巡回開始.4月1日 会員支援情報発信ツールとして「G!MPニュース」発行.4月4日 県士会ボランティア派遣開始(気仙沼市・南三陸町・石巻市・多賀城市).4月16日 県士会ボランティア研修会開催.4月27日 宮城県・日本理学療法士協会(以下,協会)・宮城県作業療法士会との支援検討会議開催.5月6日 協会ボランティア派遣開始.5月12日 災害対策本部内に活動支援班設置.5月26日 大崎市・栗原市への県士会ボランティア派遣開始.5月31日 多賀城市への県士会ボランティア派遣終了.7月1日 石巻市渡波地域包括支援センターからの支援要請受託.7月2日 大崎市・栗原市への県士会ボランティア派遣終了. 9月2日 気仙沼市・南三陸町への県士会ボランティア派遣終了.9月10日 協会ボランティア派遣終了. 10月1日 活動報告会開催. 11月1日現在石巻市において支援活動継続中.【倫理的配慮、説明と同意】 本報告はヘルシンキ宣言に基づいて作成し,支援活動状況の撮影および画像の使用,学会などでの発表については本人に十分な説明を行い,同意を得ている.【結果】 平成23年11月1日現在,県士会登録ボランティア154名.多賀城市のべ41人,石巻市のべ205人,気仙沼市・南三陸町のべ231人,大崎市・栗原市のべ18人を派遣.【考察】 今回,県士会災害対策本部として本部長・副本部長以下,事務局・住民支援班・会員支援班・活動支援班を設置したが,独立した渉外および広報の部門が必要であったと思われる.災害時には多くの支援団体が次々と現地入りされるため,渉外がそれらの連絡・調整と現地コーディネーターからの情報収集に専従することで,効率の良いボランティアの人員配置や各団体の専門性を活かした分業・協業の策定などを行うことができたと考えられる.広報については今回活動支援班が担当したが,独立して現地コーディネーターや災害対策本部各班からの情報を収集し,刻々と変化する被災地の状況とそれらに対して県士会がどう活動しどれだけのボランティアを必要としているのかを,インターネットを最大限に活用してリアルタイムに発信する必要があった.これらにより,各都道府県士会において有事の際の対策本部組織編成と業務分掌について明らかにしておく必要があると思われる.また,住民支援活動においては現地コーディネーターの存在が非常に重要であった.コーディネーターは日常的に中核病院・保健師・ケアマネージャー・介護保険サービス事業所などと協業し,地域特性を熟知していることが必要不可欠であるが,今回はコーディネーターを担える理学療法士は少なかった.平時の医療・保健福祉の連携の充実度が災害時の支援体制構築に大きく影響するため,それぞれの分野に関わることのできる我々がつなぎ役となり,日常的にリハビリテーションを通じて地域作りに貢献することが必要である.また,今回はコーディネーターが被災状況の把握・リハビリテーションニーズの調査・他職種との連携・派遣ボランティアの応接など多岐に渡る業務をほぼ1人で行わなければならなかった.今後は各地域に調整員の配置が望まれる.【理学療法学研究としての意義】 有事における対策本部組織編成を綿密に検討する必要性と地域において理学療法士が中心となってネットワークを構築することの重要性が示唆された.
著者
元谷 芙美子 モトヤ フミコ Fumiko Motoya
雑誌
札幌大学総合研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.35-57, 2012-03
著者
矢ケ崎 善太郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.64, no.515, pp.243-250, 1999
被引用文献数
1

The grand tea-ceremony was held around the Higashiyama area, named "HIGASHIYAMA-CAICHAKAI". I have six materials which are useful to examine the HIGASHIYAMA-DAICHAKAI. Many guest-houses which were constructed in Meiji or Taisho era, were used for the place of this tea-ceremony. This tea-ceremony was held under the result of constructing the SUKI-KUKAN in modern period. At the same time, holding this tea-ceremony accelerated constructing the architectures and gardens ready for the as a place of tea-ceremony.
著者
富山大学人文学部文化人類学研究室 野澤 豊一 藤本 武
出版者
富山大学人文学部文化人類学研究室
雑誌
地域社会の文化人類学的調査
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-175, 2017-03-03

はじめに(野澤豊一/藤本武) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3第1章 地域概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5第2章 おわらを継承する人々(石谷奏、北原実季、山田光紗) ・・・・・・・・・・・13第3章 越中八尾曳山祭に見る伝統の多様性について(大場麻実) ・・・・・・・・・・55第4章 八尾旧町の伝統行事と町の子どもたち(関春花) ・・・・・・・・・・・・・・71第5章 八尾の伝統的家屋と町並み保存(加藤夏奈) ・・・・・・・・・・・・・・・・87第6章 観光に携わる町民――ボランティアガイド「越中風の案内びと」の活動から(岡田かおり) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・103第7章 城ヶ山公園と桜守(古場田典子)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・125第8章 八尾の山村における人々と自然の関わり(松澤曜)・・・・・・・・・・・・・143第9章 八尾町中山間地における移動販売事業について(谷口竜星)・・・・・・・・・159