著者
杉本 和弘
出版者
中部大学
雑誌
国際関係学部紀要 (ISSN:09108882)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.146-160, 1994-03-30

1 0 0 0 絹と明察

著者
三島由紀夫著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1964
著者
加藤 泰介 阿部 佑一 那波 宏之 木南 凌 廣川 祥子 田中 稔 水野 誠 Kato Taisuke Abe Yuichi Nawa Hiroyuki Kominami Ryo Hirokawa Shoko Tanaka Minoru Mizuno Makoto
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.124, no.12, pp.683-690, 2010-12

ニューレグリン-1 (Neuregulin-1: NRG1) は統合失調症の感受性遺伝子として報告された神経栄養因子である. これまでに様々なNRG1遺伝子の遺伝子改変マウスが作られ, 統合失調症モデル動物としての評価が行われてきた. NRG1は細胞移動・軸策誘導・ミエリン形成等の中枢神経系発達を制御する機能を担っている. また, NRG1は末梢神経系においても栄養因子として働き, 内耳蛸牛神経細胞の生存に関わっている. そして, NRG1と受容体であるErbBシグナルの異常は聴力の低下を引き起こすことが知られている. 従って, NRG1シグナルの障害は異常な神経発達を引き起こすと考えられる. 遺伝的要因に加えて胎児の低酸素障害などの環境因子も統合朱謂症のリスク因子と考えられており, これらはNRG1の発現異常も誘導する. よって遺伝的背景・環境要因は共に異常なNRG1シグナルを引き起こすことによって, 神経発達障害という統合失調症の原因仮説に結びつくことが予想される. 今回私は, 神経発達段階での過剰NRG1シグナルと統合失調症発症リスクとの関係を検討した. 新生仔マウスに対して組換えNRG1ペプチドを投与した後, 認知行動解析による評価を行った. プレパルスインヒビション (prepulse inhibition: PPI) は不必要な情報を取り除く知覚フィルター機能を評価するものであり, 統合失調症で低下が報告されている. 動物モデルを用いたPPIの測定は音驚愕反応を用いて行われ, NRG1遺伝子改変マウスにも障害が報告されている. しかしながら, これまでの遺伝子改変マウスは全身性変異でありながら聴覚機能を調べられた例はない. そこで私はNRG1投与マウスの認知機能に加えて聴覚機能の解析も同時に行った. 認知行動解析の結果, NRG1投与マウスは劇的なPPIの低下と, 音条件付け学習の低下を示した. 加えて, 統合失調症の陰性症状を反映すると考えられている社会性行動にも障害が見られた. しかしながら聴性脳幹反応を用いた聴覚機能解析の結果, このマウスには重度の聴力異常があることが分かった. この結果はこれまでに報告されてきたNRG1ミュータントマウスのPPIの低下には聴覚系への影響が関わっているという重要な懸念を示唆するものである. だが, 聴覚系が関与しない社会性行動試験の結果は遺伝子改変マウスの異常形質を再現するものであり, 神経発達段階でNRG1シグナルの異常がこの疾患に何らかの関わり持っている可能性を示している.
著者
若林 貞男 麻生 好正 中野 智紀 山本 留理子 竹林 晃三 犬飼 敏彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.19-26, 2006 (Released:2008-07-24)
参考文献数
26

【目的】起立性低血圧(orthostatic hypotension; OH)を有する2型糖尿病患者において,24時間心拍変動パワースペクトル解析(PSA)を施行し,心自律神経機能との関連について検討した.【対象と方法】対象は91名の2型糖尿病患者とし,起立性低血圧の診断基準は,起立時に収縮期血圧が30mmHg以上の低下,あるいは20mmHg以上の低下,かつふらつき・めまいなどを有した場合とした.24時間ホルター心電図より得られた連続したR-R間隔を対象にPSAが施行された.高速フーリエ変換法により,low frequency(LF: 交感・副交感神経両方の活性),high frequency(HF: 副交感神経活性)が算出され,さらにLF/HF比を交感神経・副交感神経バランスの指標とした.【結果】OH群が14名,正常群(No OH群)が77名であった.OH群では,No OH群に比し,クレアチニン・クリアランス,正中神経伝導速度が有意に低下していた.LF/HF比は,24時間のいずれの時間帯においても,OH群はNo OH群に比し,有意に低下していた.一方,HF値については,いずれの時間帯において,両群間に有意な差を認めなかった.起立時の収縮期血圧低下度を目的変数とした多変量解析により,24時間平均LF/HF比がその独立寄与因子として明らかとなった.【結論】起立性低血圧患者では,心自律神経機能の中でも特に交感神経機能の低下が示唆された.また,糖尿病性自律神経障害の評価法として,24時間にわたるLF/HFの解析が有用であると考えられた.
著者
池田 隆徳 阿部 敦子 中沢 一雄 芦原 貴司 稲田 慎 三輪 陽介
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では心室細動(VF)の発現に関与する因子を明らかにし、心臓突然死(SCD)を予知する手法を検討した。VFの発生に関与する電気生理学的因子をコンピュータシミュレーションで評価した結果、再分極異常、脱分極異常、自律神経活動異常が関連することが示された。ホルター心電図を用いて、再分極異常指標(T-wave alternans)、脱分極異常指標(心室late potentials)、自律神経活動異常指標(heart rate turbulence)を心筋梗塞および心筋症患者で評価したところ、心室性不整脈既往患者ではこれらの指標が高率に検出され、SCDの予知指標として活用できる可能性が示された。
著者
無適会 編
出版者
無適会
巻号頁・発行日
vol.第1輯, 1932
著者
船川 大樹
巻号頁・発行日
2016-03-24

Axiomatic abstract formulations are presented to derive upper bounds on the degeneracy of the ground state in quantum field models including massless ones. In particular, given is a sufficient condition under which the degeneracy of the ground state of the perturbed Hamiltonian is less than or equal to the degeneracy of the ground state of the unperturbed one. Applications of the abstract theory to models in quantum field theory are outlined.
著者
深谷 渉
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.188-194, 2011
被引用文献数
1 1

ビルピット排水は,ピットの構造や維持管理等の問題により,高濃度の硫化水素を含む場合がある.硫化水素は,下水道施設排出後,空気中に放散され悪臭の元となり,生活環境悪化や都市イメージ低下,下水道施設の劣化を引き起こすため,下水道管理上の大きな問題となっている.ここでは,下水道管理担当者が効率的かつ効果的に悪臭対策を実施するための手法として,下水道施設である汚水桝に硫化水素計を設置し悪臭防止法による規制基準値超過を判定するとともにビル管理者に指導する手法と,ビルピットからのポンプ排水時に汚水桝内の気圧および湿度が急激に変化する現象を活用し悪臭発生源を特定する手法を紹介する.
著者
高木 秀彦 水野 政司 郷原 一寿
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.422-430, 1994-02-25
被引用文献数
11

リカレントニューラルネットワークに複数の時系列入出力パターンが連続的に提示される場合に適用可能な,時間前向き計算による教師あり学習法を提案し,計算機実験によってその有効性を示す.更に,学習過程および学習結果の解析を行い,提案する学習法により所望の時系列入出力パターンの変換を満たすアトラクタが状態空間に形成されることを示す.そして,リカレントニューラルネットワークにより時系列パターンの変換を行うためには,時系列入出力パターンに対応したアトラクタを考慮することが重要であることを指摘する.
著者
山本 敦 小早川 倫広 星 守 大森 匡
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG14(TOD35), pp.82-90, 2007-09-15

本論文は,問合せ画像と構図(領域の構成)が似ている画像を検索するための新しい類似度を提案する.提案する類似度は集合間の類似度として知られているJaccard係数を基礎として考案した.提案する類似度の検索性能を評価するために1 000枚の領域分割画像を用いて検索実験を行った.検索性能の評価指標には,再現率とすべての正解画像を検索するために必要な検索枚数を正解画像数で割った値(完全検索倍率)を用いた.検索実験の結果によって,提案する類似度が領域分割に基づく検索に有効であることを示した.また,35 155枚の自然画像に対して検索実験を行った.その結果,提案する類似度によって構図が似ている画像を検索できた.

1 0 0 0 OA 丹鶴叢書

著者
水野忠央 編
出版者
中屋徳兵衛[ほか]
巻号頁・発行日
vol.[82], 0000
著者
渡 修明 井上 博之 平田 八郎
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.511-517, 1993-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10

1.水産増養殖の重要魚介類11種に対する農薬の有機リン剤MEPとカーバメイト剤NACの急性毒性を流水式魚毒試験装置を用いた流水式試験法によって調べた。2.MEPの魚介類に対する急性毒性はクルマエビで極端に強く, ついで魚類のマダイ, ブリ, ボラで比較的強い応答であった。マハゼやアユでは中程度の毒性応答であり, ウナギは低い毒性であった。これに対して, アサリやアコヤガイは最も低い毒性であった。3.NACの魚介類に対する急性毒性はクルマエビで極めて強く, ついで魚類のブリおよびマハゼで比較的強い応答であった。マダイ, ヒラメ, クロダイ, ボラおよびアユでは中程度の毒性応答であり, ウナギは低い毒性であった。これに対して, アサリやアコヤガイは最も低い毒性であった。4.MEPおよびNACによる中毒症状は, クルマエビで刺激に対する反応過敏, 狂奔状態および自発性運動低下がみられ, 魚類では, これに加えて体色変化, 遊泳姿勢不安定, 鼻上げ症状, 刺激に対する反応鈍化, 痙攣, 脊椎骨変形が認められた。これらの症状の多くが神経毒性に特有なものであり, 中毒症状の観察によって薬剤の毒性の特徴や薬剤の推定ができるものと考えられた。
著者
山崎 友資 岸本 喜樹 川南 拓丸 澤野 真規 五嶋 聖治
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.208-214, 2007-02-28
被引用文献数
1

トリガイFulvia muticaはReeve(1844)によって記載されたザルガイ科Cardiidaeの1種である。本種は,模式産地は指定されずに記載され,分布は陸奥湾から香港にかけての水深10〜60mの砂泥底に生息するとされ(Higo et al., 1999: p.474, B837),食用貝として利用されている(波部・伊藤,1965; 波部,1977)。その分布の北限について,日本海側は陸奥湾以南(吉良,1968; 波部,1977; 奥谷,1986,1987;奥谷・他,1988;肥後・後藤,1993;松隈,2000),太平洋側は東京湾以南(波部・小菅,1967;奥谷,1983,1985,小菅,1994)とされている。本種は本州各地の市場では高値で取引され,産業種として重要であるが,北海道において分布していることは広く知られておらず,産業の対象にされていない未利用資源種である。本稿では,2005年12月,函館湾沿岸に,トリガイが生きた状態で数多く打ち上げられた。本稿では函館湾からのトリガイの産出について報告するとともに,その個体群構造を明らかにすることを目的とした。さらに,既存の文献ならびに標本を検討し,このことも踏まえて本種の北限分布が函館湾であることを明らかにした。