著者
白藤 徳夫 和田 洋藏 西垣 友和 八谷 光介 竹野 功璽
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.203-209, 2008-06-20 (Released:2012-09-10)
参考文献数
24

外海域でのイワガキ養殖を可能とする「鋼製魚礁を用いた浮体式養殖法」を考案し,その有効性を実証するため,2003年 2 月に鋼製魚礁を府下沿岸の水深約10 m の外海域に設置し,長期養殖試験を実施した。養殖されたイワガキは,養殖 3 年後(生後満 4 年)には,平均殻高(±SD)が103.1±16.3 mm となり,約 6 割の個体が200 g 以上の出荷サイズに成長した。浮体式養殖法では,養殖施設全体が海面下 4 m 以深にあり,波浪の影響を受けにくいため,試験期間中に台風や冬季の波浪によって施設が破損することはなかった。また,付着生物の着生量が少なく,それらの除去作業は不要であった。さらに,養殖施設には20種の魚類の蝟集が観察され,魚礁としての機能も確認された。これらの結果より,浮体式養殖法の有効性が実証された。

1 0 0 0 蕪村と毛馬

著者
正木瓜村著
出版者
輝文館
巻号頁・発行日
1939
著者
田坂 真一
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.105-110, 2007-03-15

ソフトウェア開発プロジェクトにおけるプロジェクト・マネジャーの重要なロールとして,プロジェクトの規模を初期段階で適切に見積もり,発注者側ステークホルダーと予算で合意を得,適切な予算の下でプロジェクトの立ち上げから終結までを管理し,成功裡に導いていく役割がある.本稿ではプロジェクトの初期段階での見積もり方法の一つとしてNESMAが提唱する簡易ファンクションポイント法を用いた見積もりを適用し,その有効性の有無を検証した.プロジェクト初期段階での見積もりに対応するため,立ち上げあるいは計画プロセスのアウトプットを入力情報とし,機能規模のベースラインとしてのファンクションポイント・カウント数を算出できる,FP概算法とFP試算法を採用し,実用という観点から有効性の評価を行った.その結果,プロジェクトの「立ち上げ局面」あるいは「計画局面」の作業で工夫をすればFP概算法が「プロジェクトの初期段階での規模見積もりのベースラインとしての実用性が高い」との結論を得た.
著者
野本 有紀 長崎 勤
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.21-31, 2007-03-30

5・6歳児に対し、視覚的手がかり(中心要素・周辺要素)と手がかりなしの3条件を用いて、ナラティブ(フィクショナルストーリー)を聞かせ、その理解とリテリングによる産出の差異を検討した。その結果、理解においては5・6歳児では物語の中心要素は理解されていること、さらに6歳児の方が5歳児より物語を理解しており、中でも6歳児では周辺要素手がかりが理解を促進することが示された。産出においてはミクロ構造とマクロ構造の両面から分析し、両面において産出数では6歳児において周辺手がかりが最も産出を促進し、より長いリテリングが得られたが、産出される結束性の種類やストーリー構造は限定されていた。本研究の結果と先行研究の結果を合わせて考えると物語の理解と産出の双方において、中心から周辺要素へと獲得されていく過程が示唆されるとともに、5・6歳児がより高次なナラティブ産出のレベルへと移行する過渡期にあることが示唆された。
著者
佐々木 琢磨 米田 文郎 宮本 謙一 前田 満和 川添 豊 兼松 顕
出版者
金沢大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1990

前年度に引続き2'ーdeoxycytidineの2'ーarabino位への置換基の導入を検討し、2'ーazido体(Cytarazid)の簡便、大量合成法を確立すると共に2'ーシアノ体(CNDAC)をラジカル反応を用いて新たに合成した。種々のヒト固型腫瘍由来細胞に対しCytarazid及びCNDACはともに強い増殖抑制効果を示した。また、podophyllotoxin型リグナン類の合成をDielsーAlder反応を用いて合成し、強い抗腫瘍活性を有する化合物を得ることができた。ブレオマイシンの細胞毒性は、ポリアクリル酸と撹拌すると増大するが、この時の細胞死は未知の致死機構によるものと考えられ、休止期細胞や耐性細胞にも同等に作用することを見出した。白金錯体を酸性多糖に結合させた高分子マトリックス型錯体を合成し、それらがB16ーF10メラノ-マの肺転移を抑制することを見出した。酸化還元代謝調節能を有するフラビンや5ーデアザフラビンの誘導体を合成した。これらの中でもNO_2基やCOOC_2H_5基を有するものが強い抗癌活性を示した。次に生元素の一つであるセレンを骨格内に導入した5ーデアザー10ーセレナフラビンを合成し、この化合物もかなり強い抗癌活性を有することを見出した。一方、ヒト腫瘍に対する簡便で能率の良い転移治療モデルとして、鶏卵胎児の転移多発臓器のおけるヒト腫瘍の微小転移巣に含まれるヒト腫瘍細胞の特定遺伝子をPolymerase Chain Reaction法により定量的に検出する我々独自の方法を用いて、転移抑制及び治療に有効な物質をスクリ-ニングした。その結果、本研究班で合成したDMDC(2'ーdeoxyー2'ーmethylidenecytidine)とCNDACがヒト線維肉腫HT1080の肝・肺の転移巣を顕著に抑制することがわかった。選択性の高いプロテインキナ-ゼ作用薬を得るために新しくデザインされたイソキノリン誘導体の細胞周期及び制癌剤多剤耐性に及ぼす影響を検討した結果、in vitroではあるが、P388/ADRの耐性解除作用の強い物質を見出した。
著者
藤田 徹也
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.65, pp.25-30, 1996-11-21
被引用文献数
1

This paper describes a conception and a rough design of new generation CM-Bank system. Video-Server with Hard-Disk-Drive is a kernel of this system. It makes the system more simple. And we can design the system which has a high performance and high flexibility. Moreover, this system will be completed in 1997.
著者
石川 圭介 北原 理作
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.193-199, 2012-10-15

日本の畜産現場におけるニホンジカ(Cervus nippon)による被害には,牧草の食害や家畜への感染症伝播の問題がある。広い草地をシカから守る手段として,イヌ(Canis familiaris)の利用が注目されつつある。本稿では,この古くて新しい技術,イヌを用いたシカによる被害対策を日本で試みている2つの事例を紹介する。1つはイヌを用いた草地防衛の事例で,警察犬の訓練技術を応用して草地からシカを追い払う試みである。もう1つは北海道の事例で,草地に出没するシカを牧羊犬による追い込みで捕獲し,積極的に資源として利用する試みである。
著者
桜井 弘 今倉 康宏 田和 理市
出版者
京都薬科大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

前年の成果を踏まえて、本年度は、ポドフィロトキシン関連化合物として、シリンガ酸(SA)およびデメチルエピポドフィロトキシン(DEPD)の選び、これらの銅(II)錯体によるDNA切断反応を検討した。まず、アガロースゲル電気泳動法によりM13mp18ssDNAを用いて、銅錯体によるDNA切断反応が生ずること、及び銅(II)単独又は薬物単独ではDNA切断は生じないことを確認した。次に、同じ系によりポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いてシークエンス反応をおこなった。その結果、SAーおよびDEPDー銅錯体によりDNA切断反応は塩基特異的に生じていること見い出した。すなわち、同系によるDNA切断反応は、シトシン(C)部位で切断が優先的に生じていることが明かとなった。また、チミン(T)やグアニン(G)部位においても切断が見られたが、C部位と比較するとその程度は低かった。アデニン(A)部位ではDNA切断はほとんど生じていないことが判った。次に、ポドフィロトキシンに鉄(III)を共存させ、紫外線照射を行うとDNA切断反応が増大し、かつ反応中に・OHの生成が認められるため、本反応における酸化生成物の同定を試みた。反応を行った後、薄層クロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィーにより化合物を分離精製し、NMRを用いて構造解析を試みたところ、現在、4種の化合物を同定することができた。しかし、まだ十分量を得ることが困難であるため、詳細な物性やDNA切断反応を行っていない。この検討を続け、十分量得ること、さらに未同定の化合物の構造決定を行いたいと考えている。これらの知見により、詳細な紫外線照射下における活性酸素生成に関する考察を行うことを計画している。
著者
関本 英彦 戸田 智基 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.221, pp.37-42, 2006-08-23
被引用文献数
4

携帯電話が普及するにつれて,「いつでも」「どこでも」コミュニケーションができるようになった.携帯電話を使うことがとても便利である反面,外部雑音の影響により,正しい内容を受聴できない問題がある.例えば,人ごみの中といった騒音による影響のため,小声でプライベートな会話ができない.本稿では,外部雑音に頑健な非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur: NAM)マイクを用いた小声(Small Body Transmitted Ordinary Speech: SBTOS)によるコミュニケーションを考える.NAMマイクで収録された音声(肉伝導音声)は外部雑音に頑健である反面,こもった音声になり,聞き取りが困難である.そのため,混合正規分布モデル(Gaussian Mixture Model: GMM)を用いた声質変換技術により音質改善を行う.その際に,SBTOSから通常音声へと変換(SBTOS-to-SP),また小声へと変換(SBTOS-to-SSP)を検討する.入出力間における有声無声の一致率を調べたところ,SBTOS-to-SSPはSBTOS-to-SPよりも一致していることがわかった.客観,及び主観評価実験の結果,SBTOS-to-SSPはSBTOS-to-SPより優れていることがわかった.
著者
浅川 満彦
出版者
日本生物科学者協会 (農文協)
雑誌
生物科学
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.124, 2011-02